ベイブレードNEO Season4   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO・4 第2話 事件発生

パラレルワールドから来た少女・蒼龍想。

 

彼女はそこの世界のソウタ本人であり、ソウタと対決。

 

結果はソウタが勝利を収め、想はこの世界に来た目的を話す。

 

彼女によると、パラレルワールドに本拠地を構える「根尾第一研究所」の所長・Dr.カインが地震からの復興のためにソウタ達の世界との融合を画策しているとのこと。

 

根尾の竹藪の小屋からパラレルワールドに来たソウタ達にどんな事態が迫るのか――。

 

――根尾通り(パラレルワールド)――

 

「想、君に一つ聞きたい。扉を探す手段というのはあるのかな?」

 

「……一応あるわ」

 

ツバサの質問に対し、想はある物を取り出す。

 

それはスマホのようなものだった。

 

「スマホ……?」 

 

「あくまでスマホの形をしているだけ……。これは扉の探知機よ。これでいつでも扉を探せるわ」

 

彼女曰く、扉を探すことが出来る探知機とのこと。

 

「なんだ、あるじゃんか!!」

 

それを見て、ソウタは安堵の表情を浮かべる。

 

「でも、これだけは覚えておいて。探知機の存在をアイツラに知られるのは危険よ……。油断はしないで」

 

「もちろんだ――」 

 

想の忠告に対し、ソウタが返そうとした途端、彼の腹が空腹を訴える。

 

「あっ……」

 

「……」

 

「ごめん……」

 

「まぁ、丁度いい時間帯だし軽食ぐらいなら……」

 

――ネオマート――

 

「やはりここにもあったか……」

 

「別世界とはいえ、ここは根尾町だからな。あっても不思議ではない」

 

一行が辿り着いたのはネオマート。

 

根尾町民なら馴染み深いコンビニだ。

 

入店直後のポップな印象の音は、世界線が違えどソウタ達には親しみやすさがあった。

 

店内を巡り、各々が食べたいものを探す中……。

 

「……!」

 

ソウタが声もでないほどに愕然としていた。

 

そこには……。

 

「どうしたんだ? ……!」

 

「ベイとランチャーが売っている……!」

 

お菓子や玩具が売られている棚にベイ本体とランチャー等のツールが売られており、彼はそれを見て驚かずにはいられなかった。

 

(この世界ではネオマートもベイとかを取り扱っているのかよ……! 飯はもちろんだが他のベイやランチャーを買うのも悪くないかもしれねぇな……)  

 

普通はベイを購入する際には専門のショップに行く必要があるが、ここではコンビニの市販品として扱われるほどに広く浸透している。

 

この世界がどれだけ異質なのかを改めて実感することとなった。

 

「なあ皆、飯のついでに他のベイを試してみたりしないか?」

 

「!!」

 

「全く……お前のありふれた元気にはいつも振り回される……。だがお前の言うように他のベイを試してみるのも悪くないかもな」

 

「同感だ」

 

「やってみようか」

 

「よーし、それじゃあ……」

 

ヒカルをはじめ、バンとツバサも賛同。

 

それぞれ好きなベイを手に取り、レジの方へ通す。

 

「……今思うと、だいぶ買ったな……」

 

「うん……」

 

「だが折角買ったんだ、使い道は俺達の手で切り拓く」

 

「そうだな! 俄然楽しみになってきたぜ!」

 

買い物を終えて、ソウタ達はふと我に返り始めた。

 

(別世界の私は自由奔放ね……。けど何故かしら、随分楽しそうな表情をしている……。これが自分の世界を救った者の顔なの……?)

 

想はというと、ソウタの自由奔放さに戸惑う様子を見せる。

 

――根尾第一研究所――

 

「呑気な奴らだ。これからこの世界がどうなるか知る由もないというのに……。どうやら教え込む時が来たようだな」

「先ずはお前が行け、王」

 

「はっ……!」

 

その一方で、Dr.カインが刺客達を差し向けようとしていた。

 

――根尾公園(パラレルワールド)――

 

「ふぅ〜食った食った。やっぱネオマートの飯は美味いぜ。ベイとかも売っていたのには驚いたけどな」

「さて、買ってみたベイを試して――」

 

それぞれ食事を終え、ベイの試打をしようとする中……。

 

「やめてくれぇぇ!!」

 

「な……なんだ……!?」

 

突如として町民の悲鳴がソウタ達の鼓膜へ流れ込む。

 

「まだ分からないのか? Dr.カインがこの世界を変えることへの意義を……」

 

振り返るとそこには漢服の少年と怯える男性がいた。

 

男性の側にはベイが落ちていて、少年とバトルをしていたということが伺える。

 

「そんなの『独善』じゃないか! 誰もそんなこと望んで……」

 

「ならば今度こそお前を完全に叩きのめしてやろう」

 

「やめろ!!」

 

「……何者だ……?」

 

「俺は蒼龍ソウタだ。そういうお前は……?」

 

「俺の名は『王 明偉(ワン ミンウェイ)』。Dr.カインの忠実な部下だ」

 

その少年は「王 明偉」と名乗り、Dr.カインの部下だという。

 

「王。お前のその自分勝手な態度、俺が正してやるぜ!」

 

「悪いが俺はお前に興味がない」

 

「何だって……!?」

 

ソウタが早速彼と戦おうとするが、王の方からスルーされてしまった。

 

「用があるのは……一角ヒカル。お前だ」

 

「俺か……?」

 

「お前のことはとっくに調べてある。その『頭脳』でチームを勝利に導いてきた……それは確かなことだ」

「だがそんなお前にも『脆さ』がある」

 

「さっきから何が言いたい?」

 

王の意味深長な言葉にヒカルは疑問を呈する。

 

「それを聞いたところでどうなる? 脆さは不変……変わることは決してない」

「お前にはこいつを以て示す。我が麒麟……『バーンジラーガ』で……!」

 

王が取り出したベイ「バーンジラーガ」はブレード全体がラバー刃に覆われた形状だった。

 

(バーンジラーガ……!? 見たことのない形状に聞き馴染みのないベイだが、この世界のみに存在しているのか……? だが……)

「お前達の野望は『俺達』がここで止める」

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

シュートされた2つのベイ。

 

バーンジラーガとノヴァユニコーンがスタジアムの中央を取り合う。

 

ノヴァユニコーンはギミックブレードをアンダーブレードに重ね、カウンターモードで運用。

 

相手のスタミナを削り取る作戦に出る中、早速カウンター刃がバーンジラーガのブレードにヒットした。

 

しかし……。

 

「パワーはあるようだが、ぬるいな……」

 

ブレード外周のラバー刃が反発し、攻撃が無効化された。

 

「何ッ……!?」

 

「バーンジラーガはラバー刃の反発による防御……。並大抵の攻撃は直ぐに無力化される。特にお前のベイのように『反撃程度』の攻撃刃はな……」

 

「攻撃力がない代わりに防御へ特化させているということか……」

 

「やはり飲み込むのが早いな。俺のジラーガはラバー刃という固有の性能に特化させた……いわば、『マキシマムブレード』の一つだ。もっとも、このシステムの使い手は俺だけではないが」

 

「マキシマムブレード……!」

 

ヒカルはこの世界のシステムに驚かされつつも、ユニコーンが回転力を奪われ失速。

 

そのままスピンフィニッシュを取られてしまった。

 

「これで分かったか。お前の『脆さ』は『決定打の欠け』だ」

「どうする? このまま続けても構わないが……」

 

「まだだ……。お前達の手から世界を守るまで決して退くことはしない」

「『決定打』と言ったな。ならば俺はそれを示そう……。こいつで……!」

 

そう言って、ヒカルはポケットの中に手を入れ、あるものを取り出す。

 

「!!」

 

「ジークアキレウス……!」

 

彼はネオマートで購入したベイの一つである「ジークアキレウス」を取り出す。

 

「ヒカル……! まだそれは一回も回して……」

 

「ソウタ、確かにお前の言う通りだ。今俺は初めて他のベイを使う。だが、お前が言ったように他のベイを試す……そしてやつに対する決定打をここで証明したい」

 

「……分かった、お前の決定打をアイツに示してこい!」

 

「ああ」

 

「ベイを変えるか……。面白い……」

「お前が選んだベイがジラーガを攻略できるか見てやろう」

 

「始めるぞ」 

 

シュートする前、ヒカルはアキレウスのブレード外周を捻り、アタックモードにする。

 

更にはランチャーを斜めにして構えだした。

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

「少しはマシになったようだが、受け止められる範疇だ」

 

ベイを変えての再戦、またしてもラバー刃によって攻撃が受け止められるが……。

 

「……!」

 

その直後、王が眉を一瞬だけピクリと上げた。

 

「ジラーガに連続攻撃を……!」

 

なんとアキレウスが連続攻撃をジラーガに叩き込む。

 

「この攻撃……、まさかさっきのシュートフォームか?」

 

「正解だ。アキレウスのアタックモードは剣のような形状。お前のベイに対し、強い攻撃が期待できる」

「だがそれだけではお前の言う通り、決定打に欠ける。そこで斜め打ちをすることで連続攻撃をジラーガに打ち込んだ」

 

ヒカルはアキレウスの特徴を活かしつつ、斜め打ちによる軌道の変化が生み出す連続攻撃へシフト。

 

ジラーガは受け止められる攻撃の範囲を超えていたのか、徐々に軸から揺れ始めた。

 

「……ッ!!」

 

「……お前に一つ教えてやろう。『脆さ』は『可能性』だ。俺は一つの『可能性』に『決定打』を見出した」

「決着の時だッ! ソード・オブ・ジーク!!」

 

「何だとッ……!」

 

連続攻撃の末ジラーガをスタジアムの壁にまで弾き飛ばし、その衝撃でバーストフィニッシュ。

 

見事、ヒカルの勝利となった。

 

「やったぞッ! ヒカルの勝ちだ!!」

 

「王、この世界と俺達の世界の日常は誰にも奪わせない。Dr.カインにそう伝えておけ」

 

「……好きにしろ。どちらにせよ俺達の意思は変わらない。他にも刺客達はいる。用心することだな」

 

王はそう言って公園を後にした。

 

Dr.カインの第一の刺客・王を撃破したヒカル。

 

しかし、逆に言えば既にDr.カイン達から目をつけられたということにもなる。

 

世界を融合することの意義への疑問の中、前に進んでいく。




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ:小林千晃

門守バン:梶裕貴

一角ヒカル:小野賢章

焔ツバサ:榎木淳弥

蒼龍想:高橋李依

根尾第一研究所

Dr.カイン:加瀬康之

王 明偉:石川界人
(髪型:黒のハネた短髪(右側に三つ編み)/目の色:緑)
(第一の刺客)

ナレーション:森川智之

ベイブレード

新規登場▽

バーンジラーガ.Hx6.RS
(ヘキサゴンシックス・ラバースパイク)
(麒麟モチーフのディフェンスタイプ)

既存モデル▽

ジークアキレウス.Q4.Z
(クアッドフォー・ゾーン)
(アキレウスモチーフのバランスタイプ。)
(初出:ベイブレードNEO 第41話)
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