ベイブレードNEO Season4   作:マツザキ蓮

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ベイブレードNEO・4 第5話 迫る闇

Dr.カインの第三の刺客・ウィリアムを撃破したソウタ。

 

ウィリアムは王や隼人とはまた違った「武人」のようなブレーダーだった。

 

根尾中ベイブレード部を代表してソウタはパラレルワールドの廃工場にて彼と戦い、ギャラクシードラゴの性能でツヴァイオルトロスの弱点を突き勝利。

 

敗北してもなお、彼には「高潔さ」があった。

 

敵同士であってもそこにはそれさえも超える敬意があり、清々しさを感じるベイバトルとなった。

 

彼が去り際に述べた試練は絶望を齎すのか、それとも希望の糧となるのか……。

 

――根尾通り(パラレルワールド)――

 

「ウィリアム……、あいつの高潔さは敵ながら天晴だったなぁ」

 

「ああ。俺達もアイツには敬意を示さずにはいられなかった……」

 

「王、隼人、ウィリアム……今のところ順調に勝っているけど依然、刺客が後どれくらいいるのか……Dr.カインの目的が本当にこの世界の復興なのか分からないわ……」

 

「謎は深まるばかりだ」

 

ソウタ達は根尾通りを通りながら、先程のウィリアムとのバトルを振り返り、彼の高潔さを称えていた。

 

――根尾第一研究所――

 

「吉良か?」

 

「黒澤……そして、ソフィア。Dr.カインからの命令だ。根尾中ベイブレード部は我々にとって『目の上の瘤』そのものだ」

「そこでだ、奴等から本来の使用ベイを奪い取れ。『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』……。相手を屈服させるには、そいつらが一番大切にしているものや頼り切っている部分を先に崩すのが効果的ということさ。普段から君達は『イかれてる』からね、緊急事態であることを自覚して行動してくれたまえ」

 

その一方で、Dr.カインの側近である吉良がまたしても諺を交えながら、次の作戦に出る。

 

次なる刺客と思われる人物と連絡を取り、ソウタ達の本来の使用ベイを奪い取るように指示をする。

 

「……分かった」

 

「フンッ……相変わらず、知識人気取りなやつだ」

「まぁいい、緊急とはいえ実験をするための絶好の機会が訪れたんだ……。ソフィア、これから始める実験の様子をちゃんと撮影しておくんだよ」

 

「もちろんだよ! 黒澤。あぁ……楽しみだなぁ、ボクもう待ちきれないよ!」

 

誇り高き武人・ウィリアムとの戦いの後にまたしても新たな刺客が迫ろうとしていた。

 

「そういえばそろそろお昼だな……。どこか丁度いい場所は……」

「あっ!」

「なあ皆、ここでお昼にしようぜ!」

 

時間はもう昼時。

 

ソウタは空腹を訴え、昼食を食べる場所を指さす。

 

彼が指し示していたのは喫茶店・緑のやすらぎだった。

 

「食い物になると決断が早いな……お前は」

「まぁ……いいだろう」

 

「よしッ!」

 

「喫茶店に入ったか……。ソフィア、彼らの絶望する顔をスマホのカメラに収めておきなさい」

 

「分かった! またボクのコレクションが増えるなぁ」

 

ソウタ達が入店する中、Dr.カインの第四の刺客、黒澤景光と第五の刺客、天野ソフィアが彼らの背後にまで迫っていた。

 

「ふぅ〜美味しかった!」

「さて、会計を……」

 

「フフ……相棒がいなくなった悲しみを私に見せてくれたまえ」

 

ソウタ達が食事を済ませ、会計している隙につけ込み、黒澤はスリをするように根尾中ベイブレード部の本来の相棒を奪った。

 

「よし……店を出るか」

 

「今日はドラグニルでれんし――」

「あれ……? 無いッ!?」

 

「俺もだ……!」

 

「僕も……!」

 

「私は……。あ……ある……」

 

パラレルワールドの根尾公園にて本来の使用ベイでの練習をした最中……。

 

気づいた時には想以外全員、本来の使用ベイを奪われてしまった。

 

「まさか……盗まれた!?」

 

「素晴らしい焦りの表情だ」

 

「あははっ……! いいね、その表情!」

 

そんな中、ソウタ達の目の前に「黒の七三分けに赤い瞳を持つ男」と「薄ピンクのショートに緑と赤のオッドアイを持つ少女」が現れる。

 

特に少女の方はスマホのカメラでソウタ達のことを撮影しながら笑っていた。

 

「!?」

 

「誰だお前らは!? しかも勝手に撮影を……!」

 

「君達が探しているのはこれかな?」

 

「あっ……! ドラグニル! それにケルベロス、ユニコーン、フェニックスも……!」

 

男の手のひらにはドラグニルとケルベロス、ユニコーン、フェニックスが乗っていた。

 

「まさか、お前らは……!」

 

「そう、私達はDr.カインの刺客だよ」

「そして私の名は『黒澤景光(くろさわ かげみつ)』だ」

 

「ボクは『天野ソフィア』だよ」

 

そしてその2人組は案の定、Dr.カインの刺客達だった。

 

男は黒澤景光と名乗り、少女は天野ソフィアと名乗る。

 

(黒澤……? どこかで聞いたような……)

 

そんな中、想は黒澤に対しどこか聞き覚えのある反応を見せる。

 

「お前ら……何が目的だ! 人のベイを盗みやがって、罪悪感ってのはねぇのかよ……!」

 

「罪悪感……? そんなもの崇高な科学において必要のない感情だよ」

 

「罪悪感かー……。ボク、そういうのどっかに落としちゃったかも」

 

「……!」

 

罪悪感を一切感じない様にソウタは言葉を失う。

 

「大切な相棒を取り戻したいのなら私の研究所に来なさい」

 

「上等だ……! すぐに追いついてやるぜ!」

 

「まあまあ、落ち着きなさい。すぐに案内する」

 

黒澤がリモコンを取り出し、スイッチを押した瞬間……。

 

「な……!」

 

「何ッ……!?」

 

「え……?」

 

「うわぁぁぁ……!!」

 

公園の地面が突然開き、ソウタ達は吸い込まれるように底へ落ちていく。

 

――実験室――

 

「痛た……」

 

「ここは……何かの実験室か?」

 

彼らはいつの間にか、古びた実験室のような施設の中にいた。

 

「ようこそ我が実験室へ」

 

「黒澤!」

 

「ここは私が普段から最強のブレーダーを育成するために日々実験をしている場所だ。道中にはかわいい実験材料《ブレーダー》達が立ちはだかる。君達がどんな結果を私に見せてくれるのか……楽しみにしているよ」

 

その直後、黒澤がモニターを通じて今の場所について説明。

 

煽るような笑みを浮かべた後、モニターの画面は再び黒くなった。

 

「こいつ……! いいさ、行ってやる!」

 

「ソウタ! 1人で行くのは危険だ!」

 

『侵入者を感知! 迎撃態勢に移行!!』

 

「…………」

 

実験室内のセンサーが反応した後、生気のない顔をした人々が続々とソウタの方に集まってくる。

 

「ヒェッ……! 何だコイツラは!?」

 

「まるで意思が感じ取れない……。だが、ここで止まるわけには……」

 

急いでバン達が加勢し、ランチャーを構える。

 

3・2・1 ゴーシュート!

 

相手はそれほど強くなく、一瞬で決着がついた。

 

「そんな……うぅ……!」

 

バトル後、彼らはショックを受けたようなトーンで一斉に地面へ突っ伏した。

 

「あっさりだったな……。けど、コイツラまるで『廃人』のようだった……」

 

「恐らく黒澤は色んな人々を実験材料にし、廃人にしてきたと思うわ……」

 

「マジかよ……! ウィリアムとは全然違う、『完全なる邪悪』だ……!」

 

黒澤のあまりにも惨い仕打ちに憤る中、再びモニターから彼の姿が映し出される。

 

「やはり強いな、ベイを変えざるを得ない状況でも勝つとは……」

 

「当然だ! 俺達はテメェらのような外道には屈しないぜ!」

 

「君達があとどのくらい足掻けるか見せてくれたまえ」

 

「待ってろよ! 黒澤! ソフィア!」

 

急いで2人のもとへ向かう中、アナウンスが実験室の中に反響する。

 

『各ブレーダー達の転送を開始します』

 

「!?」

 

「うわぁぁぁぁ……!!」

 

実験室にレールのようなものが出現し床の一部がそれに沿って高速移動。

 

それぞれ別の場所へ向かい、ソウタ達は離れ離れになってしまうのだった。

 

――謎の場所――

 

「ここは……?」

 

「君が実験室の探訪者かぁ……」

 

ソウタの方に青色のベネチアンマスクをつけた男が近づく。

 

「だ、誰だ……お前は」

 

「ごめんごめん、自己紹介が遅れたね。僕は『マスクド・ブルー』だよ」

 

「マスクド・ブルー……?」

 

ソウタが何者かを問うと、彼はマスクド・ブルーと名乗る。

 

「ここはどこだ?」

 

「ようこそ……俺のリングへ」

 

「何者だ」

 

「俺は『マスクド・レッド』だ」

 

「マスクド・レッド……!?」

 

 

 

「この場所は……?」

 

「よぉ〜、お前が侵入者か」

 

「なんだ……お前は」

 

「俺は『マスクド・グリーン』だぜ。よろしくなぁ」

 

「マスクド・グリーン……だと」

 

 

 

「ソウタ達はどこに……」

 

「貴様、何用だ?」

 

「僕は急にここへ連れてこられた。君の名前は……?」

 

「俺はマスクド・イエローだッ!」

 

「マスクド・イエロー……」

 

ベイブレード部のメンバーが相対するのは全員、ベネチアンマスクをつけたブレーダー達だった。

 

色は異なっていたが、何者なのかという不気味さは共通していた。

 

「……まさかあなたが相手だなんて……」

 

「フッ……この私の華やかな実験台になれることを光栄に思いなさい」

 

その一方で、想は黒澤と対戦することとなった。

 

「お前は何のベイを使うんだ?」

 

「君はどんなベイを……?」

 

「僕は……これを使う!」

「ブラックドラグニル!」

 

「ブラックケルベロス!」

 

「ブラックユニコーン!」

 

「ブラックフェニックス……!」

 

「何だって!?」

 

なんとマスクドブレーダー達が使うのは根尾中ベイブレード部のベイのコピーだった。

 

ブルーはドラグニルの、レッドはケルベロスの、グリーンはユニコーンの、イエローはフェニックスのコピーを自分達の相手に見せる。

 

「あなたは何を使うの?」

 

「私の演技に相応しいベイだ……」

「これが美の結晶、『クライスガーゴイル』……!」

 

「クライスガーゴイル……!?」

 

そして実験室の主である黒澤が使うのはガーゴイルモチーフのベイ「クライスガーゴイル」。

 

ブレード下側の出っ張った刃が目を引く非常に特徴的な形状をしていた。

 

危険な香りが極まる実験室のバトル……。

 

ソウタ達はマスクドブレーダー達と黒澤達から相棒を取り戻すことは出来るのか?




__イメージCAST__

蒼龍ソウタ:小林千晃

門守バン:梶裕貴

一角ヒカル:小野賢章

焔ツバサ:榎木淳弥

蒼龍想:高橋李依

――根尾第一研究所――

吉良賢司:戸谷菊之介

黒澤景光:成田剣
(髪型:黒の七三分け/目の色:赤)
(第四の刺客)

天野ソフィア:井上麻里奈
(髪型:薄ピンクのショート/目の色:緑と赤(オッドアイ)(右:緑、左:赤))
(第五の刺客)

マスクド・ブルー:斉藤壮馬 
(髪型:黒と青のハネた形状/目の色:グレー/その他:青いベネチアンマスク) 

マスクド・レッド:三浦祥朗
(髪型:黒と赤のボサボサヘア/目の色:グレー/その他:赤いベネチアンマスク)

マスクド・グリーン:福島潤
(髪型:黒と緑のパーマ/目の色:グレー/その他:緑のベネチアンマスク)

マスクド・イエロー:伊丸岡篤
(髪型:黒と黄色の角刈り/目の色:グレー/その他:黄色のベネチアンマスク)

ナレーション:森川智之

ベイブレード 

新規登場▽

クライスガーゴイル.Lm5.WN
(リミテッドファイブ・ワイドニードル)
(ガーゴイルモチーフのディフェンスタイプ。)

ブラックドラグニル.Lg
(レガシー)
(アルティメットドラグニルのコピー。)

ブラックケルベロス.Tc3.Al
(タクティススリー・アルター)
(チェインケルベロスのコピー。)

ブラックユニコーン.V7.Kp
(バーチカルセブン・キープ) 
(ノヴァユニコーンのコピー。)

ブラックフェニックス.S9.WB
(サバイバーナイン・ワイドボール)
(リヴァイヴァルフェニックスのコピー。)
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