Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
発明家が扉を開け、ロボットが押さえる。その下を発明家がくぐり、反対側からロボットの道を開く。
モモイがその十秒を映像の中心へ置いた。
モモイ「ここで相棒が戻ってくるのが、見せ場!」
ミドリは同じ場面をパネルへ描く。ユズが動作を合わせ、アリスが映像と実際の操作を見比べる。
アリス「できました! モモイ、いまの、映像と同じです!」
二人分の見せ場は、一本の短い映像に収まった。
モモイが保存すると、ミドリは没にした絵も別のフォルダへ残した。
ミドリ「これは次の更新で使おうね」
モモイ「もちろん!」
映像を短くすると、モモイは一度だけ不満そうな顔をした。自分で作った派手な切り替えを、まるごと消さなければならなかったからだ。
モモイ「ここの音、すごく合ってたんだけどな……」
ミドリ「あとで長い紹介動画を作るなら使えるよ。今回は最初に分かる方で」
モモイ「うん。分かってる」
納得していても惜しい。その気持ちは、ミドリにも分かった。彼女もお気に入りの発明家の絵を小さくし、隣へロボットが入る場所を作っていた。
アリスが画面を見て声を上げる。
アリス「今度は二人とも見えます!」
ユズ「どちらを使うかも、ここで選んでもらえそうだね」
モモイは再生を止め、実際のゲームで同じ場面へ進んだ。紹介で見せたことが、そのまま遊べるかを確かめる。少し動きが合わないところをユズが調整し、ミドリが絵の位置を直した。
アリス「では、アリスが初めて来た人をやります!」
部室の入り口まで戻り、真面目な顔で歩いてくる。モモイも急に姿勢を正した。
モモイ「二人で協力するゲームです! こっちの小さい方は――」
アリス「アリス、ロボットを使ってみたいです!」
モモイ「早い! まだ説明してない!」
ミドリは笑ったが、それでいいのかもしれないとも思った。全部の説明を聞く前に、使いたい方が分かる。それから必要なことを案内すればいい。
ユズは二つの役割を短い言葉に直した。ミドリの絵と同じ順で書き、モモイもその言い方で紹介し直す。アリスは聞いたとおりに操作し、途中で迷ったらその場で言った。
何度か繰り返すうち、四人の説明から余分な言葉が減った。見せるものと話すことと、実際に動くものが、同じ場面に揃っていく。
モモイ「……これなら、私が喋ってなくても分かるね」
ミドリ「お姉ちゃんが喋ると、もっと楽しそうに見えるよ」
モモイ「えっ。……まあね!」
照れた姉が映像を保存した。ミドリは没にした絵も残す。アリスは二人用のコントローラーを、映像と同じ左右に置いた。
ミドリは離れた位置から最後にもう一度パネルを見た。モモイは映像を流し、アリスは二つのコントローラーを持ち上げる。
ユズ「それなら、二人用ってすぐ分かるね」
アリス「はい! あとは一緒に遊ぶ人を待つだけです!」
今度は説明をする前に、四人が同じところを見て笑った。