Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
ミドリは時計塔の背景を閉じずに、その隣へ白い画面を開いた。
ミドリ「操作の説明は、こっちで見せよう。二人の絵も並べられるし」
モモイ「じゃあ、私が文章を書く!」
発明家の工具とロボットの手を置くと、白かった画面が少しずつ埋まった。
アリス「冒険に出る前の説明書ですね!」
ユズ「うん。最初にこれが出るようにしてみるね」
ミドリは背景へ目を戻した。描き込んだ窓も、壁の模様も残っている。ここを歩く時には、できれば絵の方を見てほしかった。
説明画面を作っている間、モモイは文字を何度も短くした。ミドリが操作の絵を添えると、ずいぶん読みやすくなる。
モモイ「これなら、飛ばさずに読んでもすぐ終わるよ!」
アリス「はい! アリスもちゃんと読みました!」
ユズ「じゃあ……一回、最初からお願いしてもいい?」
最初の部屋は順調だった。何を押すのか、どちらが運ぶのか、アリスは覚えていた。モモイが横から口を出す必要もない。
しかし次の部屋では、同じ形のボタンが背景の影に入っていた。アリスは一度通り過ぎ、戻ってきて、壁の飾りを触った。
アリス「ここも同じボタンだと思ったのですが……違いました」
ミドリ「影のせいで、色が似ちゃってるのかな」
ユズは説明画面へ戻る機能を付けようかと言った。確かめられる場所は必要だ。ただ、戻るたびに二人の操作が止まる。
モモイ「協力してる途中で説明を読むと、もう一人が待つんだよね」
アリス「少しなら待てます! でも、セーブがないと、どこまで進んだか忘れそうです」
ミドリは椅子へ座り直した。文字は正しい。ただ、伝えるタイミングが、使うタイミングから離れている。
それでも、完成した説明を全部捨てるのは惜しかった。二人の操作を一枚で見せる絵は、会場の案内にも使える。モモイもそう言って、画像を別に保存した。
モモイ「ここは使おう。せっかく分かりやすくなったし」
ユズ「うん。ゲームの中の方は、迷った場所を残しておこう」
アリスが一つずつ場所を教える。ミドリは画面を撮り、印を付けた。すぐ直す時間はなくても、どこに説明が必要かは分かった。
最後の部屋へ進む時、アリスは念のため操作画面をもう一度見た。今度は正しく動けた。ミドリは嬉しさと、少しのもどかしさを同時に感じた。
ミドリ「覚えてくれたら遊べるんだよね。でも……」
モモイ「初めての人にも、すぐ遊んでほしい」
ミドリはうなずいた。背景の美しさは残っている。操作の説明もできた。その二つを同時に受け取ってもらうには、まだ手が足りない。
ミドリは最後に、説明を開く場所だけは分かりやすくしておいた。分からなくなった時、戻って確かめることはできる。
アリス「ここで読み直せるんですね。アリスも忘れないようにします!」
ユズはその操作も記録した。いまできる手当てを済ませてから、四人は次の仕事へ移った。