Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
TITLE:名称未定
PLAYER 1:発明家(名称未定)
PLAYER 2:ロボット(名称未定)
CORE:ACQUIRED/楽しさの芯を掴んだ
DESIGN:要調整
TEAM:要調整
三部屋はつながった。説明や操作の調整に課題が残る。《br》
各担当の仕事は完成。作品と展示のすり合わせは十分でない。
最初に選んだ作業を終えると、残っていた項目にも手を入れた。
床をすり抜ける不具合には修正を入れ、進行を妨げる箇所をもう一度確かめる。展示物をそろえ、少なくとも会場で最後まで遊べる版を保存した。
その先まで確かめられたことと、間に合わなかったことが、いまの開発状況に残っている。
時計塔の鐘が鳴った。
アリスが、机の上で小さく拍手した。
アリス「最後まで行けました!」
ユズが実行ファイルを保存する。ミドリは展示パネルを抱え、モモイは搬入用のケースを出した。
仕上がりの課題も、よかったところも、そのまま一つのゲームに入っている。
あと一つだけ、公開前に決めなければならないものがあった。
搬入用の箱を開くと、入れるものが思ったより多かった。パソコン、電源、二つのコントローラー。ミドリのパネルをどこへ入れるかで、モモイが早くも困っている。
モモイ「これ、ちょっと曲げても……」
ミドリ「だめ!」
アリス「アリスが持っていきます! 折らずに運べます!」
ミドリ「ありがとう、アリスちゃん。じゃあ、袋に入れるまで待ってて」
ゲームを作るためだった机の上に、今度は箱へ詰めたいものが少しずつ積み上がっていく。ユズはデータを入れた機器を確認し、いつもとは別のパソコンでも起動するか試した。
画面が黒いままだった数秒間、全員が黙った。タイトル未定の文字が出た途端、モモイが長く息を吐く。
モモイ「びっくりした……。いまになって起動しなかったら泣くよ」
ユズ「わ、わたしも……。でも、大丈夫そう」
アリスが発明家を少し動かした。次にロボットを動かし、二つの入力が入ることを確かめる。さっき部室で動いたことは、明日の保証にはならない。
ミドリはパネルの角へ小さな傷を見つけ、指でならした。モモイはそれに気づいて、大きな箱の下へ入れないよう置き場所を変えた。
モモイ「せっかく描いたんだもんね。ちゃんと見てもらおう」
ミドリ「うん。……ゲームの方もね」
明日、初めて遊ぶ人が何と言うかは分からない。自分たちの好きな場所で喜んでくれるのか、思いもしなかった場所で迷うのか。
ユズは感想を書いてもらう紙を数えた。たくさん用意するのは少し怖かった。誰も使わなかったら、という考えが浮かぶ。
アリス「ユズ、アリスも一枚書いていいですか?」
ユズ「え……? アリスちゃんは、作った方だから」
アリス「はい。でも、好きなところもたくさんあります。まだ全部、言えていません!」
ユズは紙を一枚渡した。アリスはすぐ書き始める。モモイがのぞこうとして、ミドリに止められた。
モモイ「明日、私の知らないところ聞かれたらどうしよう〜!」
ミドリ「……その時は、分かってる人を呼ぶしかないね」
箱を閉めるのは、あと少しだけ待つことにした。画面の仮の文字がまだ残っている。持っていく準備を終えた四人は、最後の相談のためにもう一度椅子を寄せた。
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