Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム   作:瑠璃色ゲンソウ

44 / 118
044

モモイは止めていた映像を再生し、音楽の終わりまで聞いた。

モモイ「やっぱり、ここまで見てほしい!」

ミドリ「私も、この大きさなら絵と説明を一緒に見てもらえると思う」

二人はそれぞれの画面へ戻った。使える場所が決まると、止まっていた手も動き始める。

アリス「できたら呼んでください! アリス、お客さんになって遊びに来ます!」

モモイ「任せて! 遊びたくなる紹介にするから!」

ユズは椅子を少し引き、机の中央にゲームを置く場所を空けた。展示の練習は、これからだった。

 

別々に見た時は、どちらにも良さがあった。モモイの映像は遠くから目を引き、ミドリのパネルは近くでじっくり読める。

モモイ「歩いてる人には映像、遊ぶ人にはパネル。これでいいんじゃない?」

ミドリ「うん……それなら、私の説明も使えるし」

ユズは起動したゲームを間へ置いた。初めて来た人の役を続けていたアリスが、入り口から近づき、映像を見てコントローラーを持つ。

アリス「ロボットで、さっきのところへ行きたいです!」

モモイ「いいよ! まず発明家がボタンを押して……」

アリス「発明家も一緒に使うのですか?」

ミドリはパネルを指した。二人用であることは書いてある。ただ、映像を見てすぐ遊びたくなった人は、まだそこを読んでいない。

逆の順番でも試した。パネルで操作を覚えたアリスが映像を見て、そこに載っていない速い動きを真似しようとする。モモイは慌てて、そこは練習してからでいいと言った。

アリス「うう……どっちから覚えればいいのでしょう?」

ミドリ「ごめんね、アリスちゃん。説明する順番、決めてなかった」

どちらも、単体では正しかった。ただ、別の相手へ向けて作ったものを一度に並べた時のことを、誰も考えていなかった。

モモイは映像を短くしようとしたが、音楽の区切りまで変わってしまう。ミドリも絵を組み直しかけたものの、文字の置き場が足りなくなった。

ユズ「今日はまず、書いてあることが間違わないようにしようか」

ミドリ「うん。操作の言い方も、こっちに合わせるね」

アリスは最初に伝える一言を練習した。二人で遊ぶこと、どちらかを選んでもらうこと。それだけでも、さっきより迷わずコントローラーを渡せる。

モモイ「明日は私も、ちゃんと一緒に説明する」

ミドリ「喋りすぎて、遊ぶ時間がなくならないようにね」

モモイ「それは気をつける!」

四人は笑ってから、まだ揃っていない箇所を書き留めた。作品は見せられる。案内する人が補えば、最後まで遊んでもらえる。ただ、その補う仕事まで展示物へ入れておく時間は残らなかった。

 

ユズは当日の説明の紙を二枚印刷した。机の両側で案内しても、同じものを見られるようにするためだ。

ミドリ「ありがとう、ユズちゃん。これ、こっちへ置いておくね」

モモイも一枚を受け取った。口で補うことになった分、何を言うかだけは忘れないように、最初の一行を小さな声で読み直した。

 


 

▶ 開発状況を確認する [SAVE 027]

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。