Blue Archive Fam-made Gamebook ゲーム開発部と未完成のゲーム 作:瑠璃色ゲンソウ
ユズは最終日の午前を囲んだ。
ユズ「ここは、作らない時間。遊んでもらう時間にする」
残った枠から逆算すると、追加機能は少ししか入らなかった。
モモイは唇をとがらせながらも、三部屋目の紙を残した。
モモイ「じゃあ、同じ仕掛けなのに使い方が違うやつにしよう」
最初は橋を渡る。次は橋を回す。最後は相手を渡すために橋を戻す。
ミドリが絵をそろえ、アリスが説明なしで順番に遊ぶ。
三つ目を抜けた時、ユズの予定表には、初めて一日の空きができていた。
予定表の空いた一日を見て、モモイはすぐにペンを持った。
モモイ「じゃあ、ここに追加の部屋を……」
ミドリ「だめ。いま、遊んで確かめる時間って決めたばっかり」
モモイ「分かってるよ! ちょっと言ってみただけ!」
アリス「アリスも一瞬、四部屋目ができると思いました……」
ユズは笑いながら、その枠へ大きく試遊と書いた。自分でも、空きが見えると何か作らなければと思ってしまう。名前を付けておけば、残しておく理由を忘れずに済みそうだった。
三部屋を揃える作業では、ミドリの絵が役に立った。似た扉でも開く方向が違っていたので、まず同じ形を使い、違いは周りの足場に付けることにした。
モモイ「同じ扉なのに、こっちは高いところにある。じゃあ近づき方を考えるんだね」
アリス「次は何が違うのでしょう! アリス、もう一つ先のダンジョンも遊びたいです!」
ユズ「順番に入れるね。まだ、そっちは絵だけだから」
アリスが待っている間、モモイは最初の部屋を遊んだ。自分で考えた順番と違う進み方をすると、スイッチの前で止まる。ミドリは後ろからその動きを見ていた。
ミドリ「そっちから来る人もいるんだ」
モモイ「もしかして、こっちの方が近道じゃない?」
ユズ「うん。だから、その進み方もできるようにしておきたい」
試遊を予定に入れたことで、見つかった問題を書いておく場所もできた。全部をその場で直す必要はない。次の部屋にも影響するものから、ユズが順番を付けた。
四人が同じ三部屋を見ていると、説明も短くて済んだ。最初の扉と同じように、と言えばミドリに伝わる。二つ目の足場より少し高く、と言えばモモイが比較できる。
夕方、予定より少し早く通しで遊べるようになった。アリスは最初に覚えた操作を最後の部屋でも使い、得意そうに振り返る。
アリス「できました! 最初より、ずっと上手くなりました!」
モモイ「いいね! それを初めての人にも言ってほしい!」
ユズは試遊の枠に丸を付けた。まだ白いところはある。それでも、何をいつ確かめるか分かっている予定表は、さっきまでよりずっと見やすかった。
予定表を壁へ貼る時、ユズは自分にも見える高さを選んだ。モモイが試遊の枠へ小さなコントローラーを描き足す。
ミドリ「ここは作らない日だからね」
モモイ「分かってる! 遊ぶ方の絵だよ!」
アリスはその絵を見て笑った。予定を守ることにも、少し楽しみな理由ができた。