続けて彼女達が聞くのは【グレ響の生死】に
関する話だった。グレ響はワームか人間か…。
〜過去/グレ響の生死〜
グレ響「兄貴…ここにも居たよ、生存者を狩る害虫が」
ホムラ「お前等は いいよなぁ、
親の権力で好き勝手する事を許されて…」
地獄兄妹が誕生してから2人は迫害している
畜生 以下の連中に私刑を行い、その相手から
追い剥ぎをする事で生計を立てていた。
グレ響「本物の害虫が混ざってた…」
ホムラ「ワームかもしれないから正義だの
制裁だの言いながら お前等がワームなのかよ」
カタツムリのような姿の【コキリアワーム】が
正体を顕にすると幼体のワームも ぞろぞろと現れて
2人はバックルを開いて跳ねてきたゼクターを掴んだ。
地獄兄妹「「変身!!」」
地獄兄妹はキックとパンチのホッパーに変身すると
息の合った連係で幼体のワームを一気に殲滅。
取り巻きが消えた途端にコキリアは弱腰になってか
クロックアップで逃亡を試みる。
キック「カタツムリの癖に速いな…」
パンチ「どうする? 追う?」
キック「ここからは二課の仕事だ。俺等に関係ない」
パンチ「そうだよね…(何を考えてるの私は?
兄貴 以外 誰も助けてくれなかった…だから私も
誰も助けないって決めたはずなのに、なんで…!)」
拳を強く握るパンチホッパー_妹の様子を見て
兄貴であるキックホッパーは溜め息を吐きつつ
その想いを汲む事にした。
キック「はぁ…響、お前はアイツを倒しに行け。
俺はコイツ等から取れるもん取ってくるから」
パンチ「ッ! 兄貴が言うなら仕方ないね!」
〈CLOCK UP!〉
パンチホッパーが去ったのを確認したキックホッパーは
迫害してた人間の首根っこを掴むと高層ビルの屋上まで
ジャンプして生き残りをカツアゲして生活費を入手。
今度は靴を脱ぐように言って迫害した事への
反省文を書かせた後に漫画版クウガに出て来る
バッタのグロンギ【ズ・バヅー・バ】のように
『死にたくなければお前等で殺し合え、
勝った方には生かしてやる』そう脅した途端、
先程まで一緒にライブ生存者を甚振っていた
仲間とは思えないぐらいの手の平 返し。
『俺の為に死ね』とビルから突き落としたりと
殺し合い、生き残った者も蹴り落とされて
裏切りと絶望の顔に染まって転落死した。
キック「地獄を楽しみな」
反省文の上に脱がせた靴を乗せて
自殺したように偽装工作したキックホッパーは
妹の元へとビルからビルへとジャンプしていった。
パンチ「ライダーパンチ!」
〈RIDER PUNCH!〉
コキリア「ッ〜!」
ライダーパンチを受けたコキリアは爆発。
兄の元へ行こうとするとシンフォギアを纏い
ノイズと戦う風鳴 翼の姿が。
パンチ「何をモタモタと…見ていてイライラする!」
〈CLOCK UP!〉
クロックアップしてノイズを一掃したと同時に_
〈CLOCK OVER!〉
_時間 切れで翼に その身を晒す事となった。
翼「立花…!」
パンチ「あまりに仕事が遅いからアンタ達の仕事の
8割 請け負ってあげたのに、その目は何?」
翼「なんだと…!」
パンチ「冗談とか比喩的な表現 抜きに
カタツムリの方が もっと早く動けるよ?
実際さっき戦ったワームもカタツムリだったし…」
翼「ここまでバカにされると怒りを通り越して
逆に笑えるな…次は どんな冗談で私を笑わせる気だ?」
キック「俺の相棒を笑ったのは お前か?」
翼「ホムラ…!?」
キック「俺も笑ってもらおう」
翼「ちょうどいい、
お前達2人には我々の元に来てもらう!」
パンチ「兄貴、コイツの相手は私に やらせて」
キック「相棒…本気か?
元 組織の人間として見てきたが
ハッキリ言ってコイツは強い。
変身しても実戦での経験の差で実力は奴の方が上だ。
まぁクロックアップすれば一方的に倒せるがな」
パンチ「私も兄貴の大事な人を撃ち殺した
アイツの事を一発ブン殴って やりたかった…!」
翼「ならばクロックアップの前に、私が斬る!」
お互い接近戦を得意とする者同士。
距離を詰めると同時に翼はアームドギアの
剣を振るい、パンチホッパーは拳を振るう。
しかし翼の方がキックホッパーの言う通り、
埋められない実戦経験の差により追い詰められる。
翼「コレでトドメだァァァァァ!!!!!」
パンチ「うぅ…(兄貴に あんなに大見得を切ったんだ。
こんなところで負けるなんて そんなの、そんなの…!)
そんなの…認められるかァァァァァ!!!!!」
ここでなんとパンチホッパーが放ったのは
得意のパンチではなくキック_回し蹴り。
片足で翼が持つ剣を弾き、もう一撃を翼に
喰らわせようとするも二撃目は受け止められる。
翼「兄と慕うホムラの真似か? そんな軽い蹴りを
私が受け止められないとでも本気で思ったかッ!!」
パンチ「むしろ受け止めてくれる事を願ってたよ?」
〈RIDER JUMP!〉
翼「なッ!?_何ィィィ!?」
本来 跳躍に使われるライダージャンプを発動する事で
受け止めていた翼は吹っ飛ばされてしまう。
壁に めり込んでしまった翼にパンチホッパーは
ゆっくりと近づき必殺技 発動の準備して
いつでも放てるように構えていた。
パンチ「アイドルって顔が命なんだよね?
だったら…歯ァ、食いしばれ! ライダーパンチ!」
〈RIDER PUNCH!〉
翼「ッ!」
咄嗟に両腕を顔の前で交差させて防ごうとする翼。
パンチ「フンッ!」
翼「グハッ…!?」
だがパンチホッパーが殴ったのは
顔ではなく腹部だった。 殴られた翼は
めり込んでいた建物を貫通して吹き飛んだ。
キック「おいおい、クロックアップせずに倒すとは…
しかも『歯ァ、食いしばれ!』って言っておきながら
腹パンかよ…相棒、やっぱり お前は最高だ」
パンチ「…兄貴こそ」
一仕事 終えた地獄兄妹は帰ろうと歩み始めた瞬間_
キック「ッ! 避けろ、相棒!」
_回し蹴りで飛んでくる短刀を弾き返す
キックホッパーだったが、パンチホッパーは
避けきれずに影に短刀が刺さってしまう。
パンチ「兄貴、コレ…!?」
キック「風鳴 翼の【影縫い】だ!
まだアイツを倒しきれてないみたいだな。
とりあえず奴が来る前に この短刀を_ッ!」
影縫いの短刀を抜こうとするよりも早く
翼の【蒼ノ一閃】がキックホッパーを
パンチホッパーから引き離す。
キック「退け、妹の所に行かせろ!」
翼「断る! あの日 殺された
仲間の為にも、貴様だけは…!」
キック「チッ…だったら!」
キックホッパーはクロックアップを
起動しようとするも何も起きなかった。
キック「何ッ!?」
翼「残念だったな…
先程 司令からワームと地獄兄妹の対策で開発した
『【クロックダウンシステム】が完成した』との
報告が入った…小細工 無しの真剣と いこうか?」
キック「その『小細工 無しの真剣』に、
お前は俺の妹に負けたんだろ?」
翼「ッ…煩いッ! ♪〜!」
パンチ「ウゥッ…!?」
ギアの出力を上げる為に翼は歌い出すと同時に
パンチホッパーは苦しみ出すが、2人とも戦いに
集中していた。 剣を振るうもキックホッパーは
余裕で躱して翼にカウンターで蹴りを浴びせ続ける。
キック「クロックアップを封じれば勝てるって、
そんなボロボロの身体なのに本気で思ってたのかよ?
だとしたら俺等の事をバカにしすぎだ…どうせ お前は
今までの人生でシンフォギア適合者として選ばれて、
司令官の親戚で、アイドルで、人を見下してたんだろ?
笑いたきゃ笑えよ。 俺の姉貴を殺した時も、
姉貴が死んで悲しんでた時も、ホントは内心
笑ってたんだろ? そういう人間なんだろ?」
翼の剣とキックホッパーの脚。
2人の技が ぶつかるが、今も この瞬間も
パンチホッパーことグレ響は苦しんでいた。
パンチ「グゥ…グァ…ウァ…!!」
キック「相棒、もう少しだけ耐えてくれ!
さっさとコイツを倒して終わらせるから!」
そして苦しみ続けた末に変身が解除されると_
グレ響「Balwisyall Nescell gungnir tron」
キック「装者がギアを纏う時に必要な聖詠…!?」
翼「『gungnir』って、まさか…!?」
_グレ響の胸の中心が光り出す。その光により
影が消えて【影縫い】から自由の身になると同時に、
グレ響の背中から機械や配線などが出たり戻ったりを
繰り返した結果、シンフォギア【ガングニール】を
身に纏う形でグレ響は落ち着きを取り戻した。
キック「なんで、響が…!?
(そういえば あのライブで天羽 奏が1人の少女を
命がけで守ったものの槍の破片が心臓に刺さった挙句、
破片を全てを取り除けなかったと聞いた事がある…)
まさか、天羽 奏が守ろうとした
少女ってのが…響、お前だったって言うのか?
心臓に刺さった影響でシンフォギアを
その身に纏えたとでも言うのか!?」
グレ響「ハァ…ハァ…身体が、燃えるように熱い…!」
翼「巫山戯るな…!
それは…奏のガングニールだァァァ!!!」
ガングニールを身に纏った事実を認められず
剣を片手に弱ってるグレ響に斬りかかる翼。
しかし間にキックホッパーが入る。
キック「ライダーキック!」
翼「退けッ!」
〈RIDER KICK!〉
突っ込んでくる翼にカウンターとして
回し蹴りライダーキックを喰らわす。
翼「グァ…」ガクッ
既に限界だった翼は身に纏っていた
天羽々斬のシンフォギアが解除されて
気を失ってしまった。
キック「相棒!」
グレ響「兄貴…このシンフォギアってのが原因なの?
身体が…燃え尽きそう…熱くて…耐えられない…!」
キック「ッ…(変身して直接 触れてる訳じゃないのに
なんて熱量、火傷しそうだ…!)この状態の響を
どうにか出来そうな奴は…ッ! アイツなら!」
〜現在/チフォージュ・シャトー〜
キャロル「それでオレに頼みに来た…そうだよな?」
ホムラ「闇の住人として闇が付く医者には
何人か心当たりが あるが、聖遺物が関連だと
どれもダメだ。 でも世界を解剖しようとした
錬金術師で聖遺物の事も分かってる
お前なら医学にも詳しいと思ってな…」
キャロル「しかし期待 外れで悪かったな。
オレの知る限りの錬金術では心臓の
ガングニールの摘出は無理だった」
ホムラ「…別に。 装者の歌を聞かせたり、
フォニックゲインが高まってる所へ
連れてかなければ症状が悪化しないと
教えてくれただけでも助かったと思ってる」
キャロル「今となっては、何処へ行こうとも
問題は無いがな。 何せアイツの身体には
もう聖遺物と融合した心臓なんて無いのだからな」
グレ響「…(それって、
私が擬態したワームだからって事?
でも妊婦に擬態して腹の子まで
コピーした話だって聞くし…)」
狸寝入りして2人の内緒話に聞き耳を立てて
『やはり自分は立花 響 本人ではなく擬態した事を
忘れたワームなのでは?』と不安になるグレ響だった。
〜過去/グレ響の生死 Part2〜
キック「相棒、無理すんなよ!」
パンチ「大丈夫…
もう、あんな苦しいのは纏わないから」
ホムラは心臓の事もあってグレ響を戦わせるのも
どうかと思ったが本人の意思を尊重して一緒に
ノイズとワーム、そして生存者を迫害する連中の
害虫駆除と忙しくも この地獄を生き抜いていた。
ホムラ「…(このまま戦い続ければ、
遅かれ早かれ響は死ぬ。 どうせ俺には相棒を
救う事なんて出来ない。 それだったら…)
もう一度 求めてみるか、『光』ってヤツを」
グレ響「急に どうしたの兄貴?
『俺達は闇の住人だ。光を求めるな』って、
いつも言ってたのに」
ホムラ「確かに、
俺達みたいな ろくでなしが、
少しでも光を掴もうとなんて思ったら、
痛い しっぺ返しを喰らう…でも、
既に お前は痛い思いしてるだろ?」
グレ響「…」
胸の部分をギュッと握るグレ響に
ホムラは1枚の写真を見せる。
ホムラ「俺達にも掴める『光』が ある。
一緒に行こう真夜中の太陽を求めて、白夜の世界に」
グレ響「うん…光を求めて旅に出よう」
そして旅立つ数時間前に彼女の運命を
大きく変えるイベントが発生した。 それは_
未来(蠍)「響…?」
グレ響「ッ!…未来」
未来(蠍)「響ッ!!」
_小日向 未来との再会だった。
未来は響を見つけると同時に抱きついた。
未来(蠍)「響、ゴメン…私が誘ったライブで
あんな事件が起きてたなんて…本当にゴメン!
謝っても許される事じゃないのは分かってる…けど_」
グレ響「_そう思うなら近づかないで…」
未来(蠍)「響…」
グレ響「大体なんで今になって来たの?
未来…私にとってアンタは『光』だった。
けど未来、アンタは何も言わずに居なくなった。
私は『光』を失った…けど『光』を求めて
旅に出る事にしたの。 兄貴と一緒にね」
未来(蠍)「『兄貴』って…
響、一人っ子だったでしょ?」
グレ響「兄貴分だよ。
私にとっての…義兄妹ってヤツ」
ホムラ「響、旅の支度は出来_珍しいな、相棒。
お前が側に誰かを置いてるなんて…誰だソイツは?」
未来(蠍)「この人が響の お兄さん…?」
グレ響「そう、私にとっての兄貴。
この地獄での生き方を教えてくれた大切な人。
私の事を地獄へ堕としておいて勝手に居なくなった
何処かの自称『親友』とは違う大事な人…」
ホムラ「あぁ…ソイツか?
お前をライブに誘っておいてドタキャンした挙句に
逃げた『元親友』ってのは?」
グレ響「ゴメン、兄貴…ちょっと邪魔が入った。
行こう、私達の『光』を掴みに…」
ホムラ「あぁ、俺達の『光』を掴みに…
響、お前は いつもの【兄弟ラーメン】を
箱で買ってこい。 白夜が見れる所は冷えるから
俺は上着やら毛布を買ってくる…あとで落ち合おうぜ」
グレ響「うん…」
未来(蠍)「待ってよ響!」
追ってくる未来(蠍)にグレ響は寸止めで拳を放つ。
グレ響「ついてこないで…小日向」
未来(蠍)「ッ!? そんな、響…」
もう二度と会う事は無いという意思表示も込めて
名で呼ばずに今度は自分から未来から離れていった
グレ響だったが、白夜に向けての長旅の食料を
買い終えて店から出ると未来が待ち構えていた。
未来(蠍)「響お願い。
少しだけでいいの…私の話を聞いて!」
グレ響「お前は偽物の友達だ。 だから聞く気は無い」
未来(蠍)「待って!」
グレ響「しつこいッ!」
未来(蠍)「もう私は、響の『光』に なれないの…?」
グレ響「ッ! (兄貴を裏切りたくない…
でも兄貴は『もう一度 求めてみる』って。
私達 地獄兄妹にとって白夜が『光』…
だけど、立花 響にとっての『光』は?
私にとっての『光』は、目の前の…!)
未来、私は_ッ!?」
グレ響が未来(蠍)に想いを伝えようとした瞬間、
いつの間にかノイズの集団が2人を取り囲んでいた。
未来(蠍)「ノ、ノイズ…!?」
グレ響「怯えないで…ホッパーゼクター!」
さっさとノイズを殲滅するべくパンチホッパーに
変身しようとホッパーゼクターを呼び出すも、
ノイズによってホッパーゼクターが弾き飛ばされる。
グレ響「ホッパーゼクターが…!
(この力は使いたくなかったし、
兄貴に止められてるけど…仕方ない!)
未来、合図したら逃げて。 私が突破口を開く」
未来(蠍)「何言ってるの!? ノイズに触れたら_」
グレ響「_Balwisyall Nescell gungnir tron」
ガングニールのシンフォギアを纏ったグレ響は
パンチホッパーでの実戦経験で得たパンチを
主体とした我流の戦法でノイズに拳を叩き込む。
グレ響「今! 早く逃げて!」
未来(蠍)「ッ…!」
グレ響「♪〜
(変身してないけど…ライダーパンチ!)」
地面に思いっきりブン殴り、足場を揺らして
ノイズ達の体勢を崩すと首に巻いたマフラーを
鞭のように振るい、ノイズ達を一掃した。
グレ響「フゥー…短時間でケリが着いて良かったぁ」
未来(蠍)「響ッ!」
グレ響「未来…逃げてって言ったのに」
未来(蠍)「私は…もう響の前から逃げたくないッ!」
グレ響「未来…!」
下手すれば死ぬかもしれないというのに
ノイズ出現 地点に戻ってきた未来(蠍)を見て
その想いが どれ程のモノか伝わったグレ響は、
未来(蠍)に近寄ろうとした その瞬間_
翼「立花ァァァァァ!!!!!」
_シンフォギアの反応を検知して現場まで来た翼が
出会い頭に未来が居る事も気にせず斬撃を放っていた。
グレ響「ッ!? 未来、危ないッ!!」
未来(蠍)「響!? あの人って、風鳴 翼さん!?
響と似た格好してるけど、いったいソレなんなの!?」
グレ響「ゴメン、巻き込みたくないから下がってて」
翼「そのギアは奏のだ…今日こそ返してもらおう」
グレ響「そんなに死んだ人の形見が大事なの?
また周囲に生きてる人が居るのに
その人達を殺そうとしてまで…!」
シンフォギアを纏った後、絶不調ながらもグレ響は
翼と渡り合っていた。 全身が燃えるように熱くて
今にも意識朦朧で倒れそうになりながらも戦うグレ響。
グレ響にとって、本当の『光』を見つける事が
出来たのだから。 しかし身体は もう限界だった。
グレ響「ガハッ…!」
翼「それは…奏のガングニールだ!
アームドギアを扱えないのもガングニールが
貴様を認めてないからだ! さっさと渡せッ!」
グレ響「私だって…渡せるなら、捨てられるなら、
さっさと手放したいよ…こんな力、要らないんだよ!」
翼「『こんな力』だと…巫山戯るなぁぁぁ!!!」
剣を振り下ろす翼だが、黒い腕に掴まれる。
翼「ッ!? なんだと…!?」
グレ響「だから言ったんだよ…
『こんな力、要らないんだ』って!!」
その言葉を最後に、グレ響が纏うガングニールの
シンフォギアが黒く染め上げて意識を手放した。
グレ響「アレ…? 確か私…パンチホッパーに
変身 出来なくて、代わりにシンフォギアを纏って…」
周囲を見渡すとアチコチに出来たクレーターに
ボロボロに倒されてる翼。 どうやら暴走していて
意識が無い間に全て解決したと理解したグレ響は
身を守るように言った未来(蠍)を探していると、
怯えたように隠れている未来(蠍)の姿を見つける。
グレ響「良かった…未来、そこに居たんだ_」
未来(蠍)「来ないでッ!!」
グレ響「_…え?」
未来(蠍)「あのライブでの生存者への迫害と
その理由も知ってた。宇宙人が擬態してるかもって。
けど響は生きてるって、人間だって、
そう信じてたのに…まさか、響が」
化け物だったなんてッ!!
グレ響「…違う、私は…人間だ。
ワームなんかじゃない、ちゃんとした地球人_ッ!?」
『自分は人間』だとハッキリ言い切れなかった。
何故なら鏡に映った今の自分の姿を見て、
何も言えなくなり、グレ響は逃げるように
その場から去っていった。
〜深夜/港〜
ホムラ「…(この気配、来たか)遅かったなぁ、兄妹。
てっきり俺よりも親友の所に行ったのかと思ったぜ」
グレ響「兄貴…私さ、分かったよ。
この世には『表』があれば『裏』があるように、
『闇』の存在も『光』があってこそ…だから、
『光』に否定されてしまえば『闇』は存在すら
出来なくなる…それが この世界の仕組みなんだね…」
ホムラ「急に どうした_ッ!?
響、お前…その姿は…!!」
振り返ってグレ響の様子を見てみると、
グレ響の身体の大半が黒く染まっており、
全身から結晶のような物体が内側から
体外に飛び出していた。
ホムラ「まさか、シンフォギアを纏ったのか!?」
グレ響「兄貴…ゴメン。 私…未来の事を、
忘れきれなかった…私にとっての『光』だって…。
でも…未来に この姿を見られて、言われたよ…
『化け物』だって…『光』に否定されたんじゃあ
私達『闇の住人』は存在を保てない…ねぇ、笑ってよ。
コレは…ろくでなし の 癖に…身の丈 以上に
『光』を求めた結果の しっぺ返しだって…
私への罰だって…笑えるよね…こんな私を笑ってよ…」
ホムラ「…」
グレ響「白夜、連れてってもらいたかったけどさ…
一瞬でも兄貴を裏切って…未来の所へ行こうとした
こんな私には…その資格が無いし…『光』に否定された
私には…もう自分が、この世に存在してるのかさえ
分かんないよ…こんな心臓が無ければ…!」
ホムラ「…」
グレ響「兄貴…せめて私…
死ぬ時は人間として死にたい…
裏切ろうとしといて頼み事するなんて…
最低だと思うけどさ…せめて、兄貴の手で…」
よろめきながらパンチホッパーに変身するグレ響は
その弱りきった状態で無防備に背中をホムラに晒した。
パンチ「さよならだ、兄貴…」
キック「相棒…!」
苦しむ妹からの最期の願いとして
哀しみの込められた その背にライダーキックする兄。
キックが命中すると体外に出た結晶は砕け散り、
変身が解除されるが、それだけでは兄は止まらない。
翼「目撃情報では、
ここにホムラが居るはず…ッ! 見つけた!
しかも仲間割れか? 今なら簡単に倒せ_ッ!?」
パンチホッパーの背にライダーキックを喰らわせる
キックホッパーの姿を見て仲間割れかと思った翼だが、
ここで翼は とんでもない光景を目にする。
なんとキックホッパーは変身解除されたグレ響から
心臓を抉り取った。
翼「な…」
キックホッパー「…」
その衝撃的な光景を前に翼は声も出せず、
ただキックホッパーがグレ響の死体を運んで
通り過ぎて行くのをタダ見ているだけだった。
そして船に乗り込んだ後、変身を解除して
ホムラはグレ響の死体に寄り添った。
ホムラ「相棒、俺達は永遠に一緒だ」
グレ響「…」
ホムラ「行こう、俺達だけの『光』を掴みに…」
こうして2人だけの『光』を求めて
白夜を見に旅立ったのであった。
並行世界のホムラと響、地獄兄妹の過去について
語り終えた その頃、ウォズ達の世界ではザババの
コンビを倒したカブト系ライダーが目的の為に
暴れていた。 敵の狙いは…ザビー!?