夏目アンアンや他の魔女達を幸せにしたいTS幼女さん 作:雨神 白那
前日譚その2
まま、ぱぱはどこにいるの?
ふわふわとした感覚がする。
目の前をみて、これは夢だと理解した。
何度もみた、ある少女の話だ。
「かわいいね」
「………?」
「お母さん、頑張るから!」
「………!」
「わっ、握った!」
「………♪」
「………かわいいねぇ。」
………記憶の始まりはこんな感じだった。まだ幼い少女に見られながら、赤子としての始まりを自覚した。
「………あんまり泣かないね?」
「………」コクッ
「………えっ。」
「………?」
「………分かるの?」
「………」コクッ
「………えっ天才かな?」
「………」フルフル
「違うの?」
「………」コクッ
時折少女と問答をしながらも、反応を楽しんで過ごしていた。年月がたち、言葉を発するのも苦労しなくなった頃。
「………まま。」
「ん?どしたの?」
「………きいてもいい?」
「ん?うん。」
「言いたくなかったらいいから。」
「???」
「ねぇ……
その言葉を聞いた少女は大泣きしながらごめんねと繰り返し続けた。そんな少女に泣かないで欲しかった。そんな時にこの力を自覚した。少女は泣き止んだ。………正確には、心が【鎮静化】された。………してしまった。
心を鎮静化されて、悲しさと共に、生きたいという意思や、幼子を守るという意思が【鎮静化】された。………だから、そうなるのも当然だっただろう。
朝起きたとき、目にした最初のものは、ごめんなさいと書かれた紙と首を括って死んだ少女だった。すでに冷たく、動かないそれを見て泣いていた。恐怖していた。怒りを持っていた。そんな時だ。
「………まま。」
「おっ?」ガラガラ
「………?」
「ガキか?………っ!?」
「………ぱ………ぱ?」
「………おい、そこの首を括って死んだ女の………俺のガキか?」
「………………」コクッ
「………ハッ」
「………?」
「ハッハハハハハハハ!!!」
「………!?」
「そうかこのゴミ女ようやく死んだか!ようやくだ。清々するなぁ!」
「………………うぇ?」
「………なに見てんだよガキ。てめえなんぞここで野垂れ死にするだけのゴミだろうが?」
この時、本当に救い様の無い存在なのだと理解した。心の怒りを吐き出すように、ソイツの………父親にあたる人間の
するとどうだろうか。瞬く間に崩れ落ち、呼吸を止め、脳の電気信号が無くなり、そのまま息絶えた。肉体が二度と動かないのを確認してから、ソイツの事をキチンと殺せたことに、母の死体を背に、ソイツの前で嬉しさのあまり踊り狂った。
疲れて寝て、朝起きたとき、目の前にある死体二つを前にして、自分自身にずっとずっと【鎮静化】をかけ続けた。一定以上にならないように、そのまま自殺しないようにと。
まだ魔法が拙い頃だったから、味覚や呼吸、視覚や聴覚とかが吹っ飛びかけたが、心は壊れる前に【鎮静化】出来た。そうして【鎮静化】状態で、両親の二人を無駄に広い家の裏庭に置き、警察に通報して自分にはどうしようも無いから弔ってくれと任せた。その時の私はまるで聖女のように微笑むことが出来ただろう。
それからしばらくは家でじっとしていた。親が死に、親族も一切無いこの身には財産がそれなりにあった。恐らくはあの男が何らかの方法で稼いだ金だろう。気にするほどでは無かったが、今思うとあまり褒められた金では無いように思うが。
そうして久々に外に出たら、眩しい太陽と、隣の家の窓に見える絶望し、泣いている少女を見つけた。その子が心配で家を訪ねるところで目が覚めた。
なのちゃん「………(絶句)」
アンアン「………(絶句)」
ヒロちゃん「………(絶句)」
本人「こんな感じかな。」ニッコニコ