白銀樹の異端児   作:常夏鳳梨

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副題:哀れな子に救済を

どうも、常夏鳳梨です。
何かさ、色々コネコネしてたらさ、こんなのが出来ちゃったのよ。
自分ってさ、本当に末期のオタクだよね(遠い目)。
まぁでも、書いたモノは仕方ないしね←開き直りで草


醜い白銀樹の子

時は星歴八七七年の八月半ば──エルフの国のエルフィンドが野蛮なオーク達の国であるオルクセン王国に敗北し、降伏調印が行われてから三ヶ月が経過した。

 

闇エルフの亡命から始まった二つの国々の戦争は、エルフィンドの抵抗も虚しくオルクセンの勝利で終わった。

それに伴い、その戦争の舞台となったベレリアンド半島はオルクセンの領土として統合され、エルフィンドと呼ばれる国は事実上消滅していた。

 

しかしながら、オルクセン軍の元帥であったアロイジウス・シュヴェーリンの統治の腕が良かったのか、ティリアンなどのエルフィンドの都市を中心にした多少のいざこざはあったものの、それでも一応は平穏を保っていた。

 

やがて、ベレリアンド半島からオルクセン王国へと移り住む白エルフ達も多くなり、軍部を筆頭にしたオルクセン側はその対応を追われていた。

ちょうどその頃、この日もまた旧エルフィンド側からの移民がやって来ていたため、オルクセンから派遣された軍人達はもちろんのこと、闇エルフの部隊であるアンファングリア旅団もまた、国境近くの関所の手伝いをしていた。

 

と言うのも、エルフィンド側から良からぬモノを持ち込もうとする白エルフが少なからずいるため、オルクセン側はその密売人の検挙に力を入れていたのである。

そのため、いつもよりもコボルト兵の数が多かったため

 

「──待て!!」

 

一台の馬車に対し、とあるコボルト兵(シェパード種)が待ったをかけていた。

その言葉を聞いた瞬間、その馬車の御者はやましいことがあるとばかりにビクッと反応しており、直後にその額から冷や汗をタラリと流していた。

 

それを見たオルクセン軍、そしてアンファングリア旅団の面々は何かあると踏んだようで、その馬車に対して調査を行なうとしていた。

そして、一人の闇エルフがそのまま手を伸ばそうとしたその瞬間、こんな声が彼ら彼女らの脳内に響き渡っていた。

 

〈嫌だ──死にたくない!!〉

〈同族に殺されるのなら、オークに殺された方がマシだ!!〉

〈姉様、怖いよ──〉

 

その声を聞いたコボルト兵は何だこの声は?と思っていたのに対し、闇エルフで構成されたアンファングリア旅団の団員達は真逆な反応を見せていた。

それはまるで、信じられないとばかりに。

 

その結果、一人の闇エルフが他の軍人の制止を振り切ってその馬車を覗いたところ、そこに居たのは白エルフや闇エルフ──だった。

しかし、その闇エルフは馬車に乗っていたエルフ達の姿に対し、その疑問を確信に変えたような様子になっていた。

 

と言うのも、馬車に乗っていたエルフ達はエルフとして当たり前の格好をしていたのだが、化粧は不自然な程に濃い上に服装もエルフにしては着飾りすぎていたため、それを見た闇エルフ達は言葉を失っていた。

 

「──男だ」

「は?」

()()()()()が──何でここに?」

 

一人の闇エルフがそう呟いた瞬間、その場に数秒間だけ静寂が流れたかと思えば、その場に流れていたピリついていたはずの空気は騒然となっていた。

 

それもそのはずで、何しろ今のエルフは諸事情で女しか居ないがために、男のエルフの存在自体があり得ないことだった。

更に言えば、そう思えば思う程に納得できる節があったようで、闇エルフ達は信じられないと思うのと同時にこうも思い始めていた。

 

もしかすると、エルフィンドは男のエルフの存在も知っていたのではないか?と。

 

その証拠に男エルフ達は濃いめの化粧で隠されているとは言え、その頬が痩せていたのに加えて、腕には打撲と思われる痕がチラホラあったため、闇エルフ達はエルフィンドの闇の深さを実感していた。

彼女達は──白エルフ達は、闇エルフだけではなく男のエルフも差別していたのだと。

 

一方、そのことにオルクセン側の軍人達も気がついたようで

 

「オイ!!誰か衛生兵を呼んで来い!!」

「今すぐシュヴェーリン閣下に連絡しろ!!」

 

男のエルフを発見するという前代未聞の事態に対し、当然ながらパニック状態となっていた。

 

それはアンファングリア旅団側も同じだったようで、まさか男のエルフが──!?と言う反応になっていた。

何しろ、男のエルフはエルフィンドにおける神話の時代──即ち、存在するかどうかも分からない存在であったがために、彼女達は現実味を持てなかったのである。

 

そういうわけで、白も闇も関係なくオルクセン軍に保護された男のエルフ達だったが、化粧やドレスの下に隠されていた暴行の痕を見た衛生兵達の判断により、本格的に治療を施すためにオルクセン国内の病院に送られることになった。

 

その後、この一件はグスタフ王を含めた本国の上層部はもちろんのこと、エルフィンドのことを任せているオークの軍人──アロイジウス・シュヴェーリンにも届いたようで、それを聞いたオルクセン側は騒然となっていた。

特にグスタフ王、それからアンファングリア旅団の団長であったディネルースは驚きのあまり、椅子から立ち上がったとも言われているが、その話の真偽は定かではない。

 

ともかく、彼らの存在は間違いなくオルクセン王国内に大きい上に強い衝撃を与えたようで、かの出来事をキッカケにエルフィンドに隠された深い闇が曝け出されていった。

後に、この出来事はエルフという種族における大きな事件となるのだが──それはまだ遠い未来の話である。




Q:何でオルクセン世界には男エルフは居ないの?
A:大体は三代目女王と偉大なる支配者のせい

Q:原作にも出て来てないのに男エルフを出すのってアリなの?
A:自分に需要があるのならオールOKです!!
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