どうも、常夏鳳梨です。
エルフってさ、えっちいよね←何を今更。
と言うか、オルクセン王国史の影響でエルフの魅力に気づきつつある今日この頃って感じですな。
オルクセン王国史は良いぞ!!エルフは良いぞ!!
あと、今回もまたシリアス寄りの話になります。
存在しないはず男のエルフがオーク達に保護され、そして病院に入院してから数週間が経った。
医療関係者の努力のおかげで徐々に彼らが身も心も回復していた頃、オルクセン王国の首都のヴィルトシュヴァインの王宮では、国王であるグスタフ・ファルケンハインがとある書類を読んでいた。
その書類は、例の男のエルフ達に纏わる報告書だったのだが──案の定、それを見たグスタフは深刻な顔をしていた。
それもそのはずで、何しろ男のエルフ達はその存在がために秘密収容所に収容され、虐待されていたことが発覚したからである。
具体的な虐待な内容としては、男のエルフ達に対する極端な食事制限はもちろんのこと、他のエルフと同じように身なりを整えると言う名目にて、男のエルフに僅かな髭が生えたとしても剃るように矯正したりと、同じエルフとは思えない扱いであった。
だからなのか、グスタフは椅子に深く座ると──その天井を見上げながらこう呟いた。
「これが──同じエルフのすることなのか?」
性別が違うとは言え、ここまでのことをするものなのか?と思い始めるグスタフを尻目に、その場に現れたのは──この世でたった一人の愛する妻であり、このオルクセンの王妃である闇エルフのディネルース・アンダリエルだった。
闇エルフ部隊であるアンファングリア旅団の団長だった彼女は、シュネを含めた団員が男のエルフを発見したことに対し、非常に驚くとの同時に夫であるグスタフのことを心配していた。
と言うのも、彼は何でもかんでも自分で背負い込もうとするクセがあったため、この日もまた彼の様子を見に執務室に遊びに来ていたのである。
「どうかしたの?グスタフ?」
「──ディネルース」
心配そうにそう尋ねるディネルースに対し、そう呟きつつも男のエルフに対する報告書を手渡すグスタフ。
それを見たディネルースは徐々に顔色に変えていき、やがて完全に曇ったかのような表情になっていった。
彼女自身、エルフィンドの残虐な行いの被害者であることもあってか、白エルフ達からの男のエルフ達の扱いに対し、分かりやすく憤慨していた。
それに加え、男のエルフ達が収容されていた秘密収容所の存在も気になっていたようで、グスタフに対してこんなことを尋ねていた。
「ねぇグスタフ──この秘密収容所って、エルフィンド政府は知っていたの?」
「あぁ、正確にはドウラグエル・ダリンウェンを含めた一部の関係者しか知らなかったようだがな」
彼がそう言った瞬間、だから秘密収容所なのねという反応を見せるディネルース。
そんな反応を見せるのと同時に、何故彼らの存在が秘密裏にされていたのかと思い始めたようで、彼女はますますエルフィンドの業の深さに対して複雑な想いを抱いていた。
それはグスタフも同じだったようで、詳しい事実を把握するためにも秘密収容所の場所の特定に加え、その秘密収容所の関係者の確保に関することも考えつつ、砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲んでいた。
一方、その夫の隣で報告書を読んでいたディネルースはというと──男のエルフ達に関するとある箇所が気になったのか、思わず固まっていた。
何故なら、その一文には男のエルフ達が白エルフ達からの虐待の一環として、性的な意味での搾取をされていたということが書かれていたため、それを見た彼女は思わずこう思った。
奴らは、男のエルフ達をオモチャとして扱っていたのか?
思わずそう感じたディネルースは、どうりで男のエルフ達があんな反応をするわけだと思ったようで、自身の顔に怒りの感情を滲ませていた。
それを見たグスタフは、彼女が男のエルフ達に関する例の記述を見たのだと察したのか、激しい感情を抱いたことで声を震わせているディネルースの様子を見守っていた。
「白エルフ共は──彼らをことを何だと思っているんだ!!」
一人のエルフとして、男のエルフ達が踏み躙られたであろう尊厳や人権に対し、怒りに染め上がりながらもそう言うディネルース。
彼女自身、エルフィンドでの虐殺やレーラズの森での出来事を体験しているからか、そうなるのも無理はなく──むしろ、男のエルフ達のために憤慨していた。
それを見たグスタフは、彼女が自身と同じ気持ちなのだと言うことを理解したからか、心の中で安堵の感情を抱いていた。
しかし、それはそれとして男のエルフ達の境遇のことを知ったからか、闇や白も関係なく普通のエルフに対し、トラウマを抱いているのだと感じ取ったようで、ヴァルダーベルクへの移住は難しそうだなと考えていた。
そのことはディネルースも考えていたようで、自分達のような女のエルフ達が多く住むオルクセン某所に──ヴァルダーベルクに移住させることは精神的苦痛に繋がるだろうと思ったのか、しばらくそのことで夫婦共々深く考え始めていた。
「しかし──いくらその存在が不都合とは言え、秘密収容所に入れてまで隔離した存在を性的に搾取するとはな」
「えぇ、それは私も思ったわ」
夫の言葉に対し、そう反応しつつも懐に隠していたタバコを手に取ると、それに火を付ける形で吸い始めるディネルース。
秘密収容所に収容された男のエルフ達と、その裏で行われていた白エルフ達による性的搾取。
何故、自分達が優れた生命体だと自負する彼女達がそんなことをするのか?
そう思えば思う程に謎が深まるからか、グスタフは頭を捻るように悩ませていた。
闇エルフであるディネルースに至っては、白エルフ達の内情をある程度は知っているからか、その顔には理解しがたいと言う表情が浮かんでいたのは言うまでもない。
「白も闇も関係なく、たまに私達の中にもアレやコレやをするエルフ達は居るわ──まぁ、私みたいなエルフは例外だけど」
「だとしても、エルフィンドの歴史においては男のエルフとの肉体的な接触はあり得ない事実──ということか」
タバコを吸いながらそう言うディネルースの言葉に対し、呟くように声を漏らすグスタフ。
その顔にはまた一人で背負おうとする感情が映っていたため、その顔を見たディネルースはまた一人で背負おうとしているな?と思っていた。
ベレリアンド戦争後のゴタゴタはあれども、男のエルフ達のことはその中で発覚した問題の一つであり、グスタフがオルクセンの国王として責任を持って対処しなければならない事実であった。
故に、彼はそれらを全部まとめて一人で何とかしようと思っていたのである。
だが、ディネルースはそのことを既にお見通しだったようで
「グスタフ──あなたねぇ、また背負い込んでいるわよ」
グスタフへの愛ある忠告として、そんな言葉を発していた。
なお、その言葉を聞いたグスタフは目をパチパチとさせた後、申し訳ないとばかりの過去になっていたため、ディネルースは呆れたようにやれやれという様子になっていたのは言うまでもない。
「──そうなのか?」
「えぇ、少なくとも私やアドヴィンからはそう見えるけど」
彼女がそう言った瞬間、ヴッと声を漏らすグスタフ。
何しろ、その言葉はある意味で図星だったようで──その顔に苦笑いを浮かべていたのは言うまでもない。
ただ、ちょうどその時──グスタフは何かを思いついたようにこう呟いていた。
「──そうか、その手があったか」
その言葉を聞いたディネルースは、グスタフらしいな思いつつもタバコを灰皿に押し付ける形で消し潰していて、その話を妻として聞き届けようと思っていた。
ちなみに、その顔には年上だからこその余裕が映っていたとか。
そして、ディネルースはグスタフに向けてこう訪ねていた。
「その顔──また何か思いついたの?」
「あぁ、彼らの事情を考えた上でヴァルダーベルクへの移住が無理ならば──ヴァッサービッテに移住させようと思っただけだ」
ヴァッサービッテという単語を聞いた瞬間、彼の意思を理解したような顔になるディネルース。
それと同時に、グスタフらしいなと思ったのか──いつしか彼女はクスッと笑っていた。
ヴァッサービッテとは、オルクセン国内に存在する湖ことシェーン湖付近の街であり、ヴァルダーベルクと同様に自然豊かな土地であり、農事試験場に利用されている場所としても知られていた。
グスタフは自然豊かなヴァッサービッテの地が彼らの心を癒すと信じていたのか、そのまま移住に関する書類を書き始めていた。
それを見たディネルースは、邪魔者は退散しないと思ったのか──そのまま静かに夫の姿を見守りつつ、執務室を後にしたのだった。
こうして、男のエルフ達の保護と移住に関する計画は着々と進んでいったのはここだけの話である。
グスタフ&ディネルース、男のエルフ達の境遇に絶句するの巻。
エルフィンドのことだから──仮に男のエルフの存在を把握したとしても、秘密裏の存在として隔離するんだろうなぁ。
それに、かつての女王のこともあるしなぁ(遠い目)
【結論】
偉大なる支配者の残した遺産はヤベェ