ゲヘナ学園 万魔殿 応接室にて。
「……えーっと、状況がよく分からない……もう一回説明が欲しい、というか……」
「…お二人共、わざわざこのような冗談を言われるような性格でないことはよく分かります。なので、信じます。信じますが……」
集められた風紀委員会。
そのメンバーである銀鏡イオリは困惑するばかり。
火宮チナツは理解こそ示すものの容認しきれたわけではない。
「いやぁ〜…なんというか連日変なことだらけで記事に困りませんね。まぁこういう事件なら寧ろこの間の事よりはぜんっぜん面白くて大歓迎待ったナシなんですけれども!!」
「…イブキ、まだよく分からないんだけど…でも、マコト先輩がいつも通りならいっか!」
「…NKウルトラ計画の、副作用…?同時に、多人数の神秘が一つの念波に接続したことによって境界が曖昧になった結果…?でも、こんなの聞いたこともないわ……」
「……マコト先輩は変な事を言うことはあっても、虚勢を張ることはあっても、嘘だけは付きませんからね。何より風紀委員会…ヒナ委員長まで巻き込んでこんなくだらない茶番をするわけがないのは分かります。…分かりますけど…流石に……えぇ…」
同じく、万魔殿・ソサエティーの各幹部。
元宮チアキはとりあえず直近の事件のような緊急性と深刻さはないことに安堵し、寧ろ愉しむように思考をシフト。
丹花イブキも記憶に新しい事件とは違い、敬愛する羽沼マコトが乱心してしまったわけではないことに一安心。
京極サツキはこの出来事の原因を先日の事件と関わりがあるのではないかと一人思考を逡巡させるものの、それらしい理屈こそ思い付くものの実際の関連性を見出せずその思考が落ち着くことはなく。
棗イロハは目の前の珍事を見せ付けられ、非常識な自身の先輩の非常識すぎる姿に困惑しつつ、この先の対応などに頭を悩ませる。
そして、その当事者たる二人。
「…困惑するのも分かる。でも…その…どうしょうもなく現実で、事実。」
"万魔殿ソサエティー・議長 羽沼マコト"は風紀委員会の二名に、普段の仰々しい口調ではなく淡々とした口調で語り掛け。
「ぬぐぐぐぐぐ……一体何故こうなった……どうせこうなるならばイブキがよかったっ……ぇえいっ!!撮るなチアキ!!!」
"風紀委員会・委員長 空崎ヒナ"は怒り心頭といった様子で身体を震わせ、面白がって自らの写真を撮る元宮チアキへ普段では考えられない荒々しい口調で怒鳴りつける。
「…私、空崎ヒナは…」
「…私、羽沼マコトは…」
「羽沼マコトと、入れ替わってしまった…みたい。」
「…空崎ヒナと、入れ替わってしまった…ようだ。」