◯◯トレーナーの弟です 今回の件について全てをお話します 作:タンゴンゴン
俺は平凡なこの春から大学生になったしがない学生
特に目立った特徴もない一般庶民で
少し人と違う部分があるとするなら俺の兄が中央トレセンのトレーナーだという事だ
少し歳の離れた兄は少し抜けた所があるももの贔屓目に見ても優秀で3年前に中央トレセンのトレーナーになった
そんな兄は新人ながらも担当ウマ娘と巡り合い担当ウマ娘を数々のG1優勝へ導く様は圧倒された
劣等感が無かったといえば嘘になるし
子供頃は周りによく比較されて嫌になったが今では折り合いもつけて何だかんだ担当ウマ娘をG1に導いた姿は誇らしく尊敬している
そんな兄がまさか……
担当ウマ娘に対してクソボケをかましているなんて思いもしていなかった
頻繁に送られる義理の姉となるウマ娘からの愚痴の数々とそんな担当ウマ娘の事などつゆ知らず俺へ仕送りはしっかりしてるかだのしっかり食べてるかだの連絡をよこし
挙句の果てにはお前も良い人見つけろ等とのたまう
このクソボケどうしてくれようか
何度画面越しにキレそうになった事か
義姉を宥めるクソボケにも対応する
どちらもやらなきゃいけないのがトレーナーの弟の悲しい所だ
G1ウマ娘とそのトレーナーを兄弟に持つ俺は担当ウマ娘を紹介して欲しいやらサインを貰ってきて欲しいだのと大学の同期にパシリられそうになったりもするし
しっかりとオハナシはつけてたが
そんな日々が続くと流石に
やってられないそう思った
だからだ
本の冗談のつもりで
そう冗談だったんだ
義姉を焚き付けてしまった
それまで続いていた義姉の愚痴はピタッと止まり
何だかんだと心配する兄のメッセージも同じく止まる
それからの事はあまり思い出したくない
少しして両親から慌てた様子の連絡が届いた時には心臓が止まるかと思った
両親から連絡を受けて実家に帰えるその時の足はまるで今から罰を受ける罪人のように重かった
気づいたら家に辿りついていた
玄関を恐る恐る開けるとそこには両親と兄、そして何処か見覚えのある靴が並んでいた
居間へ続く廊下には喜ぶ両親と若い女性の声が響いている
ドアを開き居間に入り目に入ったのは両親を挟んで座る兄とその担当ウマ娘
兄と担当ウマの薬指にはそれは綺麗で
まるで兄の命の輝きを放つ様な指輪が光っていた
干からびた何かになっている兄の姿に俺は思わず膝をついた
そして時は経ち
PCのカメラ前に1人座り深く深呼吸し俺はLIVE配信を始めるボタンを静に押した
「◯◯トレーナーの弟です 今回の件について兄に代わり謝罪します」