無職転生 異世界行ったら妄想を本気で再現する! 作:ぐちロイド
それとアンケート協力ありがとうございました!。結果として味方女キャラ2、敵キャラ男1、女1で能力はまだ正確には決まってないですがまた新たなアンケートをやりますので参加してくださると嬉しいです。
深い夜の静寂に包まれたベッドの中で、アレン・グレイラットは再び意識の浮上を感じていた。
重いまぶたを開けると、そこは前夜と同じように、星々が神秘的な輝きを放つ果てしない「宇宙空間」のような精神世界だった。
(……やれやれ、またここか)
驚きや戸惑いはもうない。むしろ「またか」という乾いた諦めと慣れさえ覚えていた。
足場のない虚空に立っていると、前方の光の渦の中から、見慣れた美しい影が猛烈な勢いでこちらへ突進してくるのが見えた。
「連ちゃーーーーん!!!♥♥♥♥♥♥♥♥」
「っと……」
前夜と同じセリフ、同じ狂愛の突進。
アレンは一歩も引かず、飛んできた実の母親——月の女神である暁零月の身体を、今や完全に受け止め慣れた手つきでガッチリと抱き留めた。
「はいはい、ただいま母さん。そんなに勢いよく飛びつくなよ、バランス崩すだろ」
零月はアレンの胸元に顔をうずめ、グリグリと頬を擦り付けながら不満そうに声を漏らす。
「もー! 連ちゃん、もっとキャッキャしてよ! 久しぶりの再会なんだからさぁ!」ツキの女神たる威厳は、愛息子を前にすると跡形もなく消え去るらしい。
アレンは深いため息をつきながら、零月の背中をトントンと軽く叩いてから、少しだけ身体を引き離した。
「で、だ。こうしてまた俺をここに呼んだってことは、昨日の続きか?」
「うんっ!」
零月はパッと表情を明るくさせ、満面の笑みで頷いた。
彼女はアレンの腕を自分の両手でしっかりと掴み、誇らしげに胸を張る。
「昨日ね、母さんは連ちゃんに『ヒルダ・ボレアスに接触してね』ってお願いしたでしょ? その後、ちゃんとボレアス家に行って、無事に彼女と顔を合わせてきたこと、母さんちゃーんと見て知ってるんだから!」
「……まあ、昨日ロアの街に行って、ボレアス家の応接室で挨拶はしてきたけどよ」
アレンが少し呆れたように答えると、零月は満足そうにコクコクと頷いた。
「そう! よくできましたっ! それでね、今後の指示なんだけど……」
零月の瞳がふっと真剣な光を帯び、声のトーンが少しだけ低くなった。
「これからもね、定期的にボレアス家に通って、あの暴れん坊のエリスの相手をするでしょ? そのついででいいから、あの屋敷にいる間隙を縫って、ヒルダともっともっと接触して、仲を深めていってほしいの!」
「ヒルダと仲を深める……? 一体なんのためにだ? 母さん、昨日からその理由を全然教えてくれてないだろ」
アレンが鋭いツリ目を細めて問いただすと、零月は「えへへ〜、それはまだ内緒!」と茶目っ気たっぷりに人差し指を口元にあてた。
「でもね、絶対に意味があることだから! 連ちゃんなら、きっとそのうち『ああ、こういうことだったのか』って分かる時が来るからさ。信じて従いなさい、お母さんの命令よ!」
「……はいはい。分かったよ、気が向いたらな」
歯切れの悪いアレンの返事に、零月は「もう、素直じゃないんだからぁ」とぷっと頬を膨らませたが、すぐにパッと顔を輝かせて、パチンと両手を叩いた。
「そうだ! 言うこと聞いてくれたご褒美にね、母さんからステキなプレゼントをあげる!」
「プレゼント?」
零月がふわりと両手を差し出すと、その手のひらの上に、まるで夜空の星を凝縮したかのような、妖しく、しかし圧倒的な美しさを放つ「一つの魔石」がふわりと現れた。
周囲の空間が、その魔石から溢れ出る魔力の波動だけで微かに揺らいでいる。
「これ……は……?」
アレンが息を呑んで見つめると、零月はその魔石をアレンの両手の上にそっと乗せた。
ずっしりと重い手応え。しかし、物理的な重さではなく、そこに宿る魔力の密度が桁違いであることを肌で教えてくれる。
「これね、母さんが神気の力を少し分けて、特別に作り上げた『特製の魔石』なの。……まあ、連ちゃんへの参考用ってところかな?」
零月は悪戯っぽい笑みを浮かべて説明を続けた。
「連ちゃん、今自分でやってる『星焔の創世宮』の第二段階……ついに次のステップに入るでしょ? そう、『魔核(コア)』を作るんでしょ?」
「っ……!」
アレンの心臓が跳ねた。
まさに今、狼座、鷹座、虎座をクリアし、最大の難所である龍座の素体を極限まで高め、次に控えているのは「守護獣の心臓」となる人工魔石(魔核)の自律制御と錬成のステップそのものだったからだ。
「この魔石の中にはね、母さんの神気と、完全無欠に調律された『膨大な魔力の循環術式』がびっしりと刻み込んであってね。連ちゃんがこれから作ろうとしている『魔核』の、これ以上ない最高のお手本……つまり『完璧な参考書』になるはずよ」
アレンは両手の上にあるその魔石をじっと見つめた。
ただの魔石ではない。女神である母親が、自分の術式の進捗を見越して用意してくれた、文字通り神域の結晶。
「……母さん、これ……」
「ふふ、連ちゃんなら、これを解析して自分の魔力回路に組み込めば、どんなに難しい魔核の構築だって一発で理解できるようになるはずよ。役立ててね!」
零月が嬉しそうに微笑んだ瞬間、彼女の身体が昨日と同じように、ふわりと淡い月の光の粒子となって透け始めた。
別れの時間が近づいている。
「あ……」
「あはは、もうタイムリミットみたい。名残惜しいけど、また来るね、連ちゃん!」
零月は最後に満面の愛しい笑みを浮かべると、アレンの首元にすっと両手を回し、その唇にふわりと優しく「キス」をした。
甘く、どこか切ない温もりがアレンの意識を包み込む。
「じゃあね、連ちゃん! 愛してるわよ——♡♡♡」
「おい、ちょっと待て――っ!」
アレンが声を上げるより早く、零月の身体は完全に光へと変わり、そのまま底なしの温かい引力に引き込まれるように、アレンの意識は再び暗闇へと落ちていった。
◇
「はっ……!!」
ガバッ!! と、アレンは自分のベッドの上で跳ね起きるように目を覚ました。
部屋の中はまだ薄暗く、夜明け前の静寂が広がっている。
だが、両手の上には——夢の中で零月から手渡されたはずの、あの妖しく輝く「特製の魔石」が、現実としてしっかりと握り締められていた。
「……本当に、持っていやがった……」
アレンは額の汗を拭いながら、その魔石をじっと凝視した。
夢と現実が曖昧にリンクしている感覚。しかし、手元にあるこの異常なまでの密度を放つ魔石が、すべてが現実であったことを証明している。
(……母さんの言う「魔核の参考書」か。これがあれば、龍座を100%に仕上げた後のステップが劇的に変わるはずだ……!)
驚きはあったが、アレンはすぐに頭を切り替えた。今やるべきことは、目の前にある課題を一つずつ確実にクリアしていくことだ。
アレンは魔石を空間収納(魔法の袋)の奥底へと丁寧にしまい込むと、ベッドから素早く抜け出した。
いつものルーティンである朝のハードなランニングをこなし、全身の筋肉を限界まで追い込む筋トレを済ませ、家族と一緒に賑やかな朝食をとる。
そして、気合を入れ直して庭へと向かい、相棒であるニルシィとの魔術修行へと合流した。
◇
その日の午後——グレイラット家の庭園。
「ふう……っ!!」
アレンは両手を地面に突き、持てるすべての魔力を一点に集中させた。
目の前には、全長50メートルに及ぶ東洋龍型の土素体——『龍座(ドラコ)』が、威厳をまとって鎮座している。
これまで数ヶ月にわたって修正と改良を重ね、前日までの完成度は「80%」だった。しかし、今のアレンの頭の中には、先ほど手に入れたばかりの「女神の魔石」から得た膨大な構造理論と、完璧な魔力循環のイメージが鮮明に焼き付いていた。
(いける……! すべてのピースが噛み合った……!)
——『星焔の創世宮:第四段階・龍座(ドラコ)の劫火、完全構築(100%への収束)』!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ…………!!
庭全体の地面が、これまでとは比較にならない規模で激しく鳴動した。
地表から噴き出した高密度の土魔力と純白の熱魔力が、龍の巨大な素体の隅々まで一気に駆け巡る。鱗の一枚一枚がカチリと音を立てて噛み合い、長大な胴体がうねりを上げ、鋭い角と牙が眩い光を放ちながら完璧なまでに固定された。
ドォォォンッ……!!
砂煙が晴れた時、そこに現れていたのは——もはや隙の欠片もない、圧倒的な威容と美しさを誇る、完全無欠の「龍座(ドラコ)」の素体そのものだった。
「…………」
少し離れた場所でその一部始終を見守っていたニルシィは、あまりの完成度の高さと、わずか一日で一気に最高潮まで跳ね上がった仕上がりに、開いた口が塞がらなかった。彼女はシアン色のポニーテールを揺らしながら、信じられないものを見る目でアレンを見据えた。
「おいおい……嘘だろ……?」
ニルシィは呆然とした足取りで歩み寄り、完全に完成した龍の素体をそっと撫でた。
「たったの三週間前まで、全体の完成度が80%であと一歩って言ってたのに……今日この短期間で、一気に『100%(完全完成)』まで持っていきちまったのかい……!? お前、どうやったらこんな化け物じみた精度の素体を一日で組み上げられるんだよ……!」
ニルシィの驚愕はもっともだった。通常ならここからさらに数ヶ月、下手をすれば年はかかる調整を、アレンは一晩の「夢(神からのチート級の参考書)」によって完全にショートカットしてやり遂げたのだから。
アレンは少し息を整えながら、すまし顔で肩をすくめた。
「まあ、いろいろうまい具合にインスピレーションが湧いてな。構造のボトルネックが一気に解消されたんだよ」
「インスピレーションってレベルじゃねぇだろ……! お前、本当にとんでもない天才を超えた変態だな……!」
ニルシィはあきれ顔で笑いながらも、そのシアン色の瞳には誇らしさと深い感心が浮かんでいた。
彼女はパンと両手を叩き、気持ちを切り替えるようにアレンの肩を軽く叩いた。
「はぁ、驚かされっぱなしだけど……めでたいことに変わりはないね! よし、アレン。これで『狼座』『鷹座』『虎座』、そしてこの『龍座』の四体すべてにおいて、素体の完全構築(100%)が完了した!」
「ああ……長かったが、ようやくここまで来た」
「なら、いよいよ第二段階の本当の核心(フィナーレ)へ進むぞ!」
ニルシィはキリッとした表情を引き締め、師匠としての真剣なトーンでアレンに向き直った。
「これより、星焔の守護獣を完全に自律稼働させるための最重要ステップ——『魔核(コア/人工魔石の錬成と埋め込み)』についての説明を始める。よく聞いておきな、アレン」
「……頼む。聞かせてくれ」
アレンは気を引き締め、ニルシィの言葉に全神経を集中させた。
◇
ニルシィは指を一本立て、ゆっくりと解説を始めた。
「いいかい、アレン。これまでお前が作ってきた守護獣の素体ってのは、いわば『最高級のガワ(外殻)』でしかない。どれだけ見た目が完璧で、筋肉のバランスが整っていても、心臓と脳がなければただの土の塊だ。それを動かすのが『魔核(まかく)』……すなわち、お前の魔力を無限に循環させるための『人工魔石』だよ」
ニルシィは地面にしゃがみ込み、小枝で簡単な図を描きながら説明を続ける。
「通常の魔石ってのは、魔物の体内で自然生成されるもんだ。だが、お前の『星屑の錬成』と『星焔展開』の技術を使えば、お前自身の体内で練り上げた純度の高い魔力を、特定の幾何学術式(マジック・サークル)に沿って圧縮・固形化させることで、人工的な魔石……つまり『魔核』をゼロからブチ抜いて作り出すことができる」
「ふむ……魔力を圧縮して固形化させる、か」
「そうだ。ただし、ここからが一番難しい。ただ固めただけの石ころじゃ、ただのバッテリーの切れ端だ。その魔核の内部に、お前の『意識のリンク術式』と、守護獣を自律制御するための『行動アルゴリズム(思考回路の模倣)』を同時に刻み込まなきゃならん。……これが少しでもズレるとどうなると思う?」
「どうなる?」
「暴走する。お前が流し込んだ魔力の圧力に耐え切れず、魔核そのものが内側から高熱で爆発し、周囲を更地にする大爆発を起こす。最悪の場合、お前の魔力回路そのものが焼き切れて、二度と魔術が使えなくなるどころか廃人になりかねない。それほど危険で精密な作業だ」
ニルシィの声音には、これまでにないほどの強い警告の色が滲んでいた。
それだけ『魔核の錬成』という作業が、一歩間違えば死に直結する危険な領域であることの証左だった。
だが、アレンの胸の内に恐怖心は微塵もなかった。
なぜなら、アレンの空間収納の奥底には、今夜あの夢の中で月の女神である母親・零月から直接託された「完璧な参考書(特製の魔石)」がしっかりと眠っているからだ。
(……魔力の圧縮と循環のズレを防ぎ、自己修復と完全自律制御を両立させる幾何学術式。あの魔石の中に刻まれていた構造をトレースすれば、暴走のリスクなんて完全にゼロに抑え込める)
アレンは確かな勝算を胸に抱きながら、ニルシィに向かって力強く頷いた。
「危険性はよく分かった。……だが、俺には十分すぎる勝算がある。理論の構築も、すでに頭の中で完璧に出来上がっている」
「……っ! 流石だな、その自信満々な顔……! よし、そこまで言うなら、まずは一番扱いやすい小さめのやつ……『狼座(ルプス)』か『虎座(ティグリス)』のいずれか一つを選んで、最初の『魔核の錬成』の実践をやってみせなさい!」
ニルシィがニッと不敵な笑みを浮かべ、挑戦状を突きつけるようにアレンの胸元を軽く突いた。
「ああ、見ていてくれ。俺の『星焔の創世宮』は、ここからさらに上の領域へと突入する……!」
完全に完成した全長50メートルの龍座の素体を背に、アレンの瞳には、次なる最強のステップ『魔核の創造』に向けた燃え盛るような闘志の炎が宿っていた。
静かな庭園の中で、少年とエルフの師匠による、新たな神域への挑戦が、今まさに静かに、しかし力強く幕を開けたのだった。
味方キャラ女の片方に持たせる能力について(イメージとしては赤血橾術)
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水
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血