第二話 アウトローはクールに去るぜ
「くたばれ」
そんな物騒な言葉と共にさらに乾いた爆発音のような、さらに物騒な音が家い響き弾丸が壁にめり込んだ。
そう、弾丸は壁にめり込んだ、完璧にそこに座っているそいつに向け放ったはずなのに。
「相変わらず逃げ足は速い」
「クックック...誉め言葉として受け取っておきます」
背後からそんな声が聞こえてくる、振り向くと黒服が俺のソファに座っている、いや、くつろぐなや、俺の家やぞ。
「.....はぁ、で、なんの用だ」
「クク...諦めがいいですね、今回はいつもとは違います」
「そうか、で、なんだ」
「随分と冷たいですね」
そりゃ犯罪者(それは俺も)というか明らかな敵にかける情けなんてある訳もなく、正直この手の人間は反応するだけ無駄なので冷たい視線のみを返す。
「まぁいいです、今回はいつもみたいに勧誘はしません、」
「....そう、じゃあなに、なんの用」
「こちらも貴方の望むものを一つ話します、ですから貴方の目的を教えてください」
「目的?」
目的、そんなの決まってる、この世界を原作以上のハッピーエンドにすること、そして今はそのために先生をさっさと探すこと、それのみである。
「ただ人を探してる、それだけ」
「人...ですか、それは貴方のような人物ですか?」
「.....いや、あまり共通点はないな」
「なるほど、あまり、ということは少しは共通点はあるようですね、例えば、外の世界の者である、とかですかね?」
「.....は?」
こいつは....今.....なんと言った?外の世界の者....だと?外の世界...俺が転生者であることに気づいている?何故?今までそんな素振りは見せなかったし黒服も気づいているような仕草は見せたことがない。
なのに突然なぜそんなことを言い出す?何を考えている?誤魔化さねば。
「何を言ってるんだ、第一に、俺は生徒だ、頭のこのヘイローが見えないのか?」
「クク、珍しく早口ですね、貴方らしくない...もしかして偽物ですか?なら本物はどこに...」
「お前こそおかしくなったか?偽物な訳ないだろう、このヘイローの形が見えないのか?目もおかしくなったのか?」
「クックック、目はおかしくなっていませんよ、ですが、この世界の人間に、自分以外のヘイローの形状を詳しく視認することはできませんよ、如月トア」
「........っ」
嵌められた...完璧に嵌められた。
色々上手くいかなくてカリカリしすぎた、こんなやっすい挑発に...こんな簡単なカマに引っかかるなんて、冷静さを失い過ぎた...クソ...腹の底の見えないバケモンが。
「その反応は図星ということで判断していいですかね?」
「そう思いたいならそう思え」
「クク、ならそういうことにしておいておきます」
正直ここでの沈黙は最早肯定とさほどかわらないだろう、だが正直この何を口走るかわからない今の状態でこいつとまともに話すよりかはマシだろう。
今は原作開始前、正直俺とてストーリーを完璧どころかあまり把握を出来ていない、ストーリーをスキップしていたのが悔やまれる、まぁそれはいいとして現状相手が何をどこまで把握してるかもわからない、会話という行為自体がリスクだ。
俺は黒服をスルーして家にある最低限のものをかき集める。
「?、何をしているのですか」
「家を変える」
「引っ越しですか、クックック、大変ですね」
原因が何を言うか....。
そんなこんなで完璧に黒服をスルーし、荷物をまとめ終え、黒服に背を向け玄関ドアへ向かう。
「では、また会いましょうね、トア君...クク」
「会えるものならな」
俺はドアを開け外に出てから振り返る、そしてお手製の強化手榴弾を中へと投げ込みさっさとドアを閉めた。
「これは.....」
そんな声を置いてけぼりにして通りを歩くと、数秒後に俺がさっきまでいた部屋は一つの爆発音と共に粉々に砕け散った。
結局爆発は全てを解決してくれる。
※爆発オチなんてサイテー
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