【アークナイツ】私だけの静寂   作:ひよっこドクター

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今回も、文字数の関係上、
エピソード9と、エピソード10をまとめています。


第4話

エピソード9

 

霧は、熱とともに溶けて消えていく

 

 

液体から身を起こし、浮遊感を手放し、重力を受け入れる

 

 

壁ひとつ乗り越え、

 

 

ほんの少しの間、本来の骨と肉の重さを再認識する

 

 

湿ったザラついた地面に体重を預ける

 

 

目の前には、黒鉛もどきのためのヌメリ気のある液体

 

 

手に取り、雫が付着した肌の表面に滑らせる

 

 

腕を背中に回し、感覚で固形物を避けるようにして滑らせる

 

 

自身の勘を頼りに

 

 

………………………

 

………………

 

…………

 

 

一通り繰り広げた後、摩擦で無数の気泡を作る

 

 

管を手に取り、管の中にヌメリ気の無い液体を走らせ

 

 

その勢いのままの液体を体にぶつける

 

 

衝突した液体は、無数の気泡を肌から引き離し、流れていく

 

 

……………

………

……

 

 

管の中を空気で満たし

 

 

肌には雫だけが残る

 

 

枠組みを乗り越え、乾いた空気が身を包み込む

 

 

柔らかな布を手に取り、雫を染み込ませていく

 

 

熱を帯びた風を全身に浴び、僅かな湿り気も吹き飛ばされる

 

 

馴染みのある布を手に取り、体を通していく

 

 

黒鉛もどきは布に覆われ、いかなる主張も曖昧にさせる

 

 

形すらも、

 

 

冷えた金属を腰にかけ

 

 

先程とは逆の方向で、僅かな摩擦音とともに枠組みを乗り越える

 

 

足音を響かせる度に、消毒液の匂いは、錆びた鉄の匂いにかき消されていく

 

 

やがて匂いは、陶器と陶器の甲高い音が空気を震わせると同時に

 

 

空腹を刺激させる匂いへと変わる

 

 

 

甲高い音が鮮明になるにつれ、複数の独立したリズムが絡み、ノイズへと変わる

 

 

いつものように

 

 

ノイズがノイズと絡み合い、何度か繰り返した後に

 

 

数える気が失せる程の人影が見える。

 

 

 

 

 

エピソード10

 

 

枠組みを越え

 

 

流動する、多数の絡み合ったノイズの進む方へと、独自のリズムを倣わせる

 

 

見慣れた長方形を両手で固定し

 

 

比較的鮮明なリズムを追う

 

 

習慣じみた動きで、過去の自分を参考に

 

 

選別するまでもなく、長方形の上に置いていく

 

 

そして、慣れた足取りは、比較的静寂な空間へと

 

 

その空間へと近づく度に、背後で感じるノイズの鮮明さは、より曖昧へと

 

 

長方形を手放し、腰を下ろす

 

 

 

口に運び、咀嚼

 

 

 

混ぜ込まれた複数の要素を、一定に

 

 

 

だが、ノイズの中から、特定の空気の振動が鮮明に

 

 

 

「「ラテラーノ」」

 

 

 

……………ラテラーノ?

 

 

 

ほんの少しだけ、一定が乱れる

 

 

 

だが、直ぐに再開する

 

 

 

私にとっては馴染みがなかった

 

 

 

どこかの国なことだけは分かる

 

 

 

ただ、それだけのこと

 

 

 

咀嚼するべきものは無くなり

 

 

 

役目を終えた長方形を、両手で固定し

 

 

 

ノイズから解かれたいくつかのノイズに倣うように、足を運ぶ

 

 

 

長方形を、僅かな衝突音とともに手放し

 

 

 

解けていくノイズを背後に、枠組みを乗り越える。

 

 




ここまで読んでくれてありがとうございます。
今回で、エピソード10までを第1章として、一旦区切らせていただきます。
理由としては、大学生としての生活と、エピソードのストックを作るためです。
明確な再開時期については未定ですが、用意でき次第、また20時頃に投稿する予定です。
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