スパイダーマンになったが別にヒーローする気はないのでアメフトやったりハイスクール生活を漫喫しますが、MJとは絶対に付き合いません 作:ヘルメット助教授
大いなる力には云々…
いや興味ないから。無限に湧いてくる凶悪犯罪モンスターに真っ向から立ち向かうならX-MENとか宇宙忍者とか金持ちメタルマンとか、それこそ軍隊でも呼べよ
はい、俺です
放射性の蜘蛛に噛まれたピーター・パーカーの人格が俺になった、俺です
「大丈夫?具合が悪かったようだけど」
下の階層からメイ叔母さんが体調を心配してくるので、大丈夫だよと優しく返す
声の感じからすると、トムホ版のイカすエロ叔母さんじゃなくてトビー版の優しい叔母さんみたいだな
「ふむ、それにしても…キレてるねぇ」
鏡に映った細マッチョな俺は、指の先だけで壁や天井に張り付けるが腕から蜘蛛の糸は出ない。そんな世界のスパイダーマンのようです
マジかよ、俺は理系じゃないからウェブ機能のマシーンとか普通に作れねぇぞ
ちょっと力が強くて壁を這い回れる細マッチョなヒーローとか、あんま需要ないだろうに
せめて、せめてスパイダープロテクターが内蔵されたブレスレットが貰えれば
「そろそろ遅刻するぞ、まさか入学初日に高校を休むのか?」
頭髪が白い男性、ベン叔父さんが部屋の扉を開けながら尋ねてくる
「それはないよ、マッハで行くから平気さ」
「ならさっさと朝食を食べてしまえ」
叔父が下に戻ると俺はパパッと着替えて朝食を胃袋に流し込み、昼飯の弁当をリュックサックに押し込んで家を出る
すると隣の家から品性と知性が低い怒号合戦が聞こえて振り返る。今の俺は汚物でも見るかのような顔になってるだろう
MJ、俺のスパイダーマン知識の中で新聞社のスパイダーマン嫌いのオッサンの次に嫌いなキャラクターだ
とうぜん作品によっては好きなキャラではあるが…私の記憶が確かなら、この世界のMJはヒステリーで自己中なフェミニストで典型的アメリカ女。出るとこは出てる体型の美人だが自分に逆らうものは同調圧力で従わせるか引き篭もりに追い込む腐れ女ジャイアン。親父さんとは少しでも気に食わないと口喧嘩を年中してるので、近所からは蛇蝎のように疎まれている
ウチも裕福ではないが叔母さんに手入れされた庭や屋内と違い、生活環境が見て取れるグチャグチャなMJ家の庭は酷すぎる有様
アレとくっ付いたら品性が宜しくない父親もパラサイトしてくる。もうこれだけで関わる気持ちが無くなるってもんよ
ふっ、MJよ…聞こえていたら君の生まれの不幸を呪うが良い。ニチャア
君は良くない隣人なのでね、一切合切に関わりたくはないのだよ
ハッハッハッハッ!
「無視無視、下手な同情は性悪女をつけ上がらせるだけですよっと」
スパイダーマッの曲を歌いながら高校に到着すると、玄関前では様々なクラブ勧誘が彼方此方で行われていた
そういえば俺は高校に入りたての1年生だったな
そしてアメリカはスポーツが盛んだ。特に金銭的な意味で大変羽振りがよろしい
俺は考える。スパイダーマンの力(ウェブは出せない)を使えば歴史に名を残すスポーツマンになれるのでは?と
金を稼ぎながら子供に夢を与えて、なにより叔父と叔母に恩返しが出来る
この世界はスパイダーマンだろうと、ここはアメリカのニューヨーク
とどのつまりは資本主義だ
自分の腕っ節、能力で金を稼ぐ事の何が悪い?
さて、となると何のクラブが儲かる?
ゴルフ?プロレス?バスケ?野球?ホッケー?
「おいピーター!」
あん?
「なんだフラッシュか」
なんだフラッシュか
「お前、なんだよその態度。陰険オタクヤローがオレを舐めてんのか!?」
「悪い悪い。今ちょっとどのクラブに入ろうか悩んでてよぉ」
目をバキバキにしたフラッシュは学園カースト上位の陽キャ筋肉マッチョ。手下の陽キャ筋肉を2人も連れた典型的なアメリカのゲスヤンキーだ
「お前が?なんだそれ、かび臭いクラブの勧誘なら裏でやってるぜ。ここはオレみたいな奴しか入れない男のクラブだけだ。カマ野郎はお呼びじゃないんだよ」
「ふむ、では男の中の男フラッシュに聞こう。
君なら将来スポーツマンとして食べていくなら、1番儲かるスポーツは何だと思う?」
「そんなもんフットボールに決まってんだろ。1回の試合で数十万ドル稼げるのはフットボールの花形スターだけだ
スーパーボウルのMVPともなれば、もうそれだけで一生を遊んで暮らせるって評判だ」
フットボール、つまりアメフトか
ボンキュッボンのチアリーダーにチヤホヤされるのも悪くない。寧ろ望むところであります
「ありがとよフラッシュ。俺の自伝を書くときには名前を載せてやるぜ」
「あ?」
言葉の意味が解らない脳筋を捨て置き、俺はアメフトの勧誘を受けた
受付の先輩方はヒョロガリ君を心配してくれるが、半分は吹っ飛ばされる俺を見たいらしく体験をさせてくれる流れとなった
「聞いたよピーター、お前フットボールのクラブに入るんだって?」
昼休み、叔母さん特製弁当を喰らってると背の高いイケメンがやって来た
ハリー・オズボーン。この世界でも俺の長年の友人枠らしい
親父さんのノーマンが事業を乗っ取られてゴブリンになるのは先の話だが、ノーマンを止めるのは果たして本当に俺の役目かね?フラッシュに懸想してたあの阿婆擦れがハリーの横にコバンザメしてたからスパイダーマンに助けてもらって、途中で邪魔をされたゴブリンが…よそう
ハリーはフラッシュが話してたのを聞いたんだろうか
「フラッシュから聞いたのかよ?
ま、稼げるらしいからな。叔父さんと叔母さんへ恩返しする為にもやるだけやってみるのさ」
「危険じゃないか?」
「ダメだったら骨は拾ってくれよ若社長
オズボーン社の駐車場係としてこのピーター・パーカーは終生真面目に働くから」
「そうなっても良いように怪我だけはするなよ」
ケタケタ笑う俺を真面目に心配してくれるハリー
まったく良い男だよ、お前はさ
だから忠告しとく
「MJは辞めとけよハリー。アイツとくっ付くなら俺はお前と縁を切るぜ
アレは世の男は全て自分を照らすスポットライト係ぐらいでしか見てない。お前に本当に必要なのは帰りを家で静かに待って疲れを優しく包んでくれる母性本能あふれる大人の女性だからな」
途端に真顔になって邪口を開いた俺に、ハリーは何も返せなかった
そして放課後、俺は勧誘を受けた者達と一緒にグランドに集合。多いな総勢で60人は下らない
そこで1年生の全員は先輩から熱烈な歓迎を受けた
反吐が出るほど走らされ、反吐が出るほど腕立て伏せをやらされ、そして罵声と嘲笑を浴びせられながら先輩の強烈なタックルを受ける
スパイダーマンとなって力が強くなっても、やはり体重はそこまで変わらないらしく簡単に倒されてしまう
「どうしたかわい子ちゃん!?怖くなったか!」
元気なオッサン(1つ年上)に床ドンされ、密着されたまま耳元でがなられる
(うるせーな聞こえてるよ)
罵声を好き勝手に浴びせて満足したオッサン()は、また俺を定位置に戻してタックルしてくる
しかし、スパイダーマンの感覚は凄い
危険を察知すると世界がスローモーションになるのだ
ゆっくりと叫びながら迫るオッサン
その顔面にカウンター式ケンカキックを入れたい感情を抑え、俺は周囲を観察する
フラッシュが、フラッシュの手下2人が、他の1年生が、泥だらけで芝生の破片まみれになり、とても苦しい表情で先輩の歓迎を堪えている
中には泣きそうな顔をしてる奴もいるが、まだ誰も降参はしてない
つまり1年生は負けてないって事か、そりゃオッサン達も気合が入るってもんか
俺は迫るオッサンに視線を戻す
自分がやられると全く想像もしてない一方的に振る舞う腐った人間の顔に、激しい苛立ちを覚える
もういいよね、やっちゃって?
俺はオッサンの両肩に手を置いて跳び箱の要領でジャンプ、【決まり手。はたき込み】
オッサンはグランドにダイブしたのを確認すると、俺は転がってたボールを目掛けてダッシュした
「駆けっこしよや、先輩
レディ…ゴー!!」
ボールを持ち、グランドの奥に聳える反対側のゴール目掛けて走り出した
確かアメフトはラグビーと同じで、ボール持った選手が相手側のポール付近にボールを置くと最高得点になるだったよな
舐めるなとオッサンの声が後方から聞こえ、他のオッサンからも負けるなとか潰せとか殺せとか聞こえてくる
しかしスパイダーマンの力を持つ俺はグランドを独走。誰にも触れられる事無く青い芝生を走破した
「タックルの受け方や根性試しはもう充分でしょ、そろそろポジションやらに合わせた練習しません?」
俺を可愛がってくれたオッサンを飛び越え、チームキャプテンの3年生に正論を提案すると、1年生ごときがと何人かが怒鳴ってきた
「まぁ良いだろう
おい生意気な1年、お前の名前は?」
「ピーター・パーカー」
そうかと言ったキャプテンは、チームで最速らしい先輩と同じ練習メニューを出してくれた
「お前は見たことろフットボールの素人だ。パスは投げられないだろうが、パスを取るのとボールを持つテクニックを次の練習試合までにマスターしろ。走ればお前は誰にも負けない」
「次の練習試合までにって事は、俺を使うって事ッスよね?
1年生で、くそ生意気で、ど素人の俺を」
「チームが勝つためだ。その為にキャプテンとして出来る事をするのが俺の役割だ」
アメフトの高校リーグの公式試合はレギュラーシーズン: 8月下旬または9月上旬に開幕し、10月〜11月頃にかけて9試合程度(州や地域、学校の規模によっては最大10試合)が行われ、上位のチームがポストシーズン(州大会)のプレイオフに駒を進める
レギュラーシーズン終了後、上位チームは11月下旬から12月にかけてトーナメント方式の州プレイオフに進出し、勝ち進んだ場合はさらに数試合が追加される
公式試合まで新入生は、激しいタックルに壊されない体作りがメインとなる
「わかった。俺はこのチームに愛着は湧かないがアンタの為にやるさ、やってやる」
「好きにしろ。但し今後は勝手な行動は許さん」
「了解キャプテン、そういえばアンタの名前は?」
「レックスだ。チームでは司令塔とパス出しであるQB(クォーターバック)を担当している」
キャプテン・レックスは話のわかる大人だったので、俺は少し自分が恥ずかしくなった
その後、俺達1年生はフットボール経験者と素人に別れてそれぞれの練習をこなす
俺はキャプテンに渡されたメニューに則り、ボールの握り方、パスの取り方、ディフェンスを掻い潜るテクニックを頭に叩き込んで練習を重ねる
後で聞いたが俺が担当するポジションのWR(レシーバー)はグランドを駆け回って自身に貼り付くディフェンスを振り切り、QBからパスを貰って最高得点のタッチダウンを狙うヤツだった
「よし!今日はここまで!解散!」
撤収の合図が出ると先輩共は大した汗をかかずにドヤドヤと賑やかに帰り、俺も含めた1年生は全員グランドに突っ伏しながら荒い呼吸を整えていた
「おいピーター、てめぇなんで今まで黙ってたんだよ」
「主語が抜けてて分かんねぇよ、フラッシュ」
「なんでそこまで走れたのに、って事だよ!察しろ」
案外に近くに居たらしく、フラッシュが俺に怒ってきた
全く、今日はピーターになってから怒られてばっかだな
「成長期だよ、成長期。ある日突然にこれまで知らなかった自分の強さに気付くのは誰にもあるこったろ?」
「あと、話し方も変だ!お前そんなキャラだったか?」
「そらオメー、まぁ厨二病みたいなヤツ、かなぁ」
「なんだそりゃ?
オタク用語か?わけわかんねー」
ケタケタ笑う俺と苦笑いのフラッシュであった
その日の夜、俺は叔父夫婦にアメフトのクラブに入った事を告げた。叔母さんは心配してたから叔父さんはその場では合わせてたが、部屋にこっそり尋ねて来た時【思いっ切りやれ、悔いは残すな】とサムズアップ付きの激励をしてくれたので、嬉しくなった俺は叔父さんを招き入れて初めての練習の事や次の試合に出れるかもとペラペラ喋りまくった
心配してたハリーにも電話で報告し、とりま駐車場係は保留にしてくれる事となったので一安心である
「じゃあ、行ってきます」
「気をつけてね」
朝練の為に早出すると隣の下品な家庭は物音がしない。ふむ、朝練のタイミングならアレとエンカウントしないのだな。夜は夜で体力回復の為に早寝するからエンカウントしない。これは覚えておこう
練習着の格好で高校まで流すように走り、グランドに一番乗りするとパス出しをしてくれるマシンを引っぱり出し、パス受けの練習を開始する
スパイダーマンの感覚、スパイダーセンスでスローモーションの世界の中を飛んで行くボールを本能で追い掛けて空中でキャッチ、着地までに片手でボールを正確な掴み方でしっかり押さえ、芝生に降り立つと走り抜ける
スパイダーマンならば空中キャッチはその気になれば跳躍10メートルは軽いだろう。しかし高校生だろうとプロだろうとそんなに飛べる人間は普通は存在しないので、まあ2メートル位で抑えてるので安心だ
常識外れが過ぎれば化け物あつかいされるだけだし
「よぉピーター、早いな」
「あ、おはようございます。キャプテン・レックス」
俺がこの高校で唯一、名前をおぼえてる先輩が登場したので互いに挨拶をする
「新入生は次の日、筋肉痛で動けないのがセオリーなんだがピーターはそんな事ないようだな」
「ん、まぁ回復力はそれなりに自信ありますんでね
と言ってもウルヴァリンほどじゃないですが」
「すまん、ヒーローとかあまりよく知らないんだ
フットボール一筋で育った家系でな。つまらん男だろ?」
「あ、いやキャプテンは悪くねぇッス。それよかパス出ししてくれません?マシンだと正確すぎてイマイチ実戦的な感じが足らなくて困ってたんス」
「良いだろう。但し1個でも落としたらペナルティだ。その度にダッシュ6本、わかったな?」
「うす」
その後、俺はキャプテン・レックスの出す鬼のようなパスに食らい付き続ける
マジでこの人、俺が届くギリギリのその先にボール落としやがる
常に限界突破をしながらグランドを走り回され続け、俺はあっという間に疲労困憊となった
「キャプテン、アンタ…鬼だよ」
「試合では相手側のディフェンスを置き去りにしつつボールを取らねばならんのだ、これくらい出来ないでプロになることは愚か、得点を重ねる事など出来ん!」
「そりゃそうだ。ならもっと走り込んで体力つけないとダメかぁ」
言った俺はとうとう大の字になって撃沈した
「お前の走りは直ぐに他校に知られる。そして試合になればその分、敵のマークは相当に厳しくなるが他の者にもチャンスが広がる」
「目立つ俺は敵を引きつけ、可能ならボールを貰って得点する。言うのは簡単ですがね、ディフェンスがいる練習といない練習では…」
「ならば丁度いいヤツ等が来たかもな」
レックスの視線の先には筋肉痛に苦しむフラッシュが、手下2人と共にヨロヨロとグランドに入ってきてた
「は、ははは。マジですか?」
「知ってるだろ?俺はフットボール一筋の男だ」
「これまでに彼女がいたことは?」
「全て向こうから来るが直ぐに別れる。お前は?」
「いないッスね。スーパーボウルのチアリーダーとかで漸く釣り合うかもって思ってますし」
「ふっ、彼女達は国中から選び抜かれたエリート中のエリートだ。生半可な選手だと相手にもされないぜ?」
「なら結構、その全員に俺の遺伝子を欲しがらせてやりますぜ
よっこいしょ、おいフラッシュ!ちょっと付き合え!」
俺の声に振り向いたフラッシュとその手下はディフェンスとなり、キャプテンからの鬼パスを受ける俺を妨害する役にされ、共にキャプテンのトレーニングに付き合わされるのであった
「ゼェゼェゼェ…おらぁ、どしたぁ、もっとこい」
「いっそ殺して…殺して」
「よし、今朝はこれまでだ
授業に遅れるなよ!解散!」
元気なキャプテンは走って部室に戻り、俺はパス出しマシンを運び終えてからフラッシュ達を叩き起こし、簡単なシャワーを浴びて着替えると教室を目指す
「キャプテン、マジでとんでもない体力だったな」
「そうだなフラッシュ。ってか気付いたか?
俺達以外、誰も朝練に来てなかったぜ?」
「あ、そうだ、そうだぜ。むしろ俺達が来なかったらキャプテンが独りで朝練を…」
「フットボールって最低でも11人のスポーツで、本格的な練習がいるなら22人は必要なスポーツだよな?
3つの学年を足せば60人はいる筈なのに、だ
このチームで勝つのはその辺から変えないと根本的にキツいぜ」
「キツいと言えば、俺もう眠くて死にそうだ」
「…俺も…」
こうして俺達はその日、授業は全て轟沈し、終日ハリー大先生に泣き付いたのは言うまでもない
俺もフラッシュ達も必死になってハリーに頼み込んだが、嫌な顔ひとつしないでレポートを見せてくれたこの友人を絶対に不幸にしてたまるかと心に刻み込むと同時に、ほらハリーって凄く素敵で便利でしょ顔をする阿婆擦れと取り巻きガールズに心の中で中指を立てるのであった
あ、因みにフラッシュ達と阿婆擦れガールズはカースト上位のグループに属しているが、クラブに属してからはそこまで接点は無いらしくフラッシュとMJは付き合ってない
そんなことより、放課後の練習では流石に朝練が尾を引いてたのをキャプテンが見抜いたらしく、俺とフラッシュ達は試合で使う作戦の数々を覚える時間にしてくれたので助かっている
「じゃあ、お疲れ様です
キャプテン、明日も朝練がんばりましょう」
俺もフラッシュ達もわざと他の先輩共に聞こえるように別れの挨拶をして素早く引き上げる。残ってたらどんな陰険なシゴキを受けるか分かったもんじゃないからな
「これを毎日か、それで少しは朝練の人数も増えるかぁ?」
「なってくれないと、俺達が壊されちまうよ」
フラッシュの手下達がそう言い合う
名前は金髪の垂れ目がボストン生まれのトッド、褐色黒髪がチェコ人の移民でトカマクだそうだ
フラッシュが日本人なら間違いなく苗字は座間だろうね
「そう言うなよ、練習がツラすぎるとかえって試合が楽になるもんだ
あと俺を抑える練習をしときゃ、殆どの連中には対応できると思うから、1年で正規のレギュラーだって夢じゃなくなるぞ?」
「そうかなぁ」
トカマクが弱気な発言をする。スパイダーマンの身体能力を持つスポーツマンなんてゴロゴロいる訳がないから、俺で慣れておけば大丈夫なんだよ
但し、何故か悪の組織が毎年入れ替わりし、宇宙やら別次元とかから怪獣やら宇宙人やらが集まる日本という真の魔境は除く
あと何故か広いアメリカなのに、局地的にヴィランが集まる俺達が住まうニューヨークとかね
「初日に俺達に結構な挨拶をしてくれた奴等に仕返しするなら、それが1番効果的だろうよ
なんか言ってくるなら実力で奪い返してみろってな
それでチームが活気づくなら良いことだぜ」
フラッシュも続いてくれるので2人とも付いてきてくれるようだ。最近はフラッシュ達と一緒になることが多いので昔みたいに粗雑な扱いは受けてない
俺の中でフラッシュ達は嫌いな陽キャから、嫌いじゃない筋肉マン。に格上げされたみたいだな
シャワーを浴びて帰路につくと、グランドを囲むフェンスの向こうに男性カメラマンがまだいることに気付く
そういえばアイツは練習の途中から来て、フェンスに齧り付いてたな。キャプテンが言ってた他校のスパイかもな
「諜報活動ですか?」
「うわぁ!?」
抜き足で近付いて声を掛ける。そして振り向いたカメラマンの身なりはそれなりに年上で少しボンヤリとした印象、だが中々いい肉体をした人だった
どうみても他校の生徒とは違う
「今度やる他校の関係者ですか?」
「あ、違うよ俺はフリーの記者で、たまたま近くを通り掛かっただけなんだ」
彼は写真付きの記者バッジを見せて自己紹介してくる
「有効期限が2週間だけ、君は正規の記者さんじゃないね?」
「分かっちゃったか、大学の課題なんだよ
名前はエディ・ブロック。本当に騙すつもりは無かったんだ」
エディさんですね。はい知ってます
マッドがMAXでシンビオートのヴェノムに好かれそうな顔立ちですもんね
「そう言うことなら大丈夫ですよ
俺はピーター・パーカー、初めまして
ところで我が校のフットボールクラブは良いネタになりそうですか?」
「そう、だな。出来ることなら明日はもう少し早くから練習風景を見てみたいよ」
ややハッキリしないが、主張してくる所はしてくるのがエディらしい
これは面白くなりそうだ
「ならばコーチとキャプテンに掛け合ってみます。合否の報告のためにブロックさんの電話番号だけ教えてくれませんか?」
喜んでとエディは自宅アパートの電話番号を教えてくれた。まだ携帯電話が普及してない時代なのでローカルなのは仕方ない
彼と別れると俺は高校に戻り、コーチにエディの事を掛け合えば最初こそ渋り顔だったコーチも、チーム全体のやる気に関わるとなると最終的にO.Kを出し、キャプテンの説得もしてくれた
俺はコーチに礼を言うと帰宅し、直ぐにエディに電話をする。電話越しだか嬉しそうなエディは約束通りに明日の放課後に来る事となった。よかよか
「ピーター、こないだ話してた夜の町を独りで出歩くなって話、本当にお前がプロになるまで守らないとダメなのか?」
ベン叔父が自身の死亡フラグの話をしてくる
「ぜったいダ~メ。特に参加型の賭け試合をする建物の近くは!じゃないと俺はフットボールを辞めるからね
夕方や夜に叔父さんが叔母さんを守ってくれてないと、俺は安心して練習や生活できないんだから」
「あのなぁ俺は良い歳のオッサンだし、たまには俺だって甥っ子の活躍をしっかり見てろって酒場の連中に大声で自慢したくなるんだぞ?
練習をチラ見したが俺は確信した。俺とメイの自慢の甥っ子は必ずプロになる、スーパーボウルでも活躍できる男だってな」
なんだよソレ、ちくしょう
あんまり真っ直ぐにそんな事を言われちまうと、思わず顔が暑くならぁな
っていうか練習を見に来てくれてたんだ
「じゃあさハリーの親父さん、ノーマンさんと飲みに行きなよ。お互いに高校生を持つ男親だから話も合うと思うよ」
ノーマン・オズボーンは大企業の社長だから無理だとゴネまくるベン叔父だったが、俺は直ぐにハリーに電話をしてノーマン自身に確認を取ってもらった
今はグリーンゴブリンに心が汚染されておらず、会社も乗っ取られてないので性格は温厚だった事もあり簡単にO.Kが出てしまった
「えへへ、O.K出ちゃった。今度の週末にノーマンさんの運転手が向かえに来るって」
OMGと言ったベン叔父を部屋から追い出し、俺は隣の家から知性の低い喧噪が始まった事を確認すると耳栓をして寝に入るのであった
そして次の日、相変わらず人数が少ない朝練を終えてハリー先生にレポートを見せてもらい、フラッシュ達と昼飯を終えて駄弁ってた頃、1人の女に声を掛けられた
スクールカースト的には中くらいで、まぁそれなりに美人の同学年の女生徒だった
その女生徒【オメガ】に聞けば俺の練習風景を見て興味が湧いたらしく、お近づきになりたい様子
顔立ちは美人だが、少し自分に自信が無い感じ
その胸の緩衝材は控えめであった
まぁ、自信があり過ぎてMJしてる女は論外だから少し新鮮ではある
しかし俺はスパイダーセンスで辺りを注意深く観察し、これが仕組まれたドッキリじゃないかと疑る
なにせ少し前までスクールカーストの底辺だったピーター・パーカーだぞ?それがフットボールを始めて直ぐに先輩共をヒネった程度で美人さんが声を掛けてくるか?まず怪しむのが当たり前だ
「オメガさん、俺に興味を持ってくれたのは素直に嬉しい。しかし今は他校との試合前で、貴女の為に費やせる時間は極めて少ない。そこをまず理解して欲しい」
とりあえず影でニヤついてる連中は見つからなかったので、俺は女生徒に事実を申せばオメガさんは知った顔で頷く
「兄さんがそうだから大丈夫だよ。なにせ私が物心ついた頃からフットボールに夢中なんだ」
「へぇ、お兄さんもフットボールに」
「うん、この高校でキャプテンやってる」
おや?それはつまり
「キャプテン・レックスの妹さん?」
「そうだよ」
俺がヤバイと即座にフラッシュにヘルプの視線を向けたが、途中までゲラゲラ笑ってた連中はキャプテンの妹さん発言に、一気に他人の素振りをしてハリーとレポートを作っていた。てめーら覚えてろよ
「えっと~」
「兄さんはフットボールしか興味ないから、私が誰と付き合おうと基本的には気にしないよ
気になった理由はね、あの兄さんが食卓で貴方やそちらの仲間の話をするようになったからなんだ
初めてだったんだよ?兄さんがフットボールに関する事とは言え、年下の事を家族に話すなんてさ
だけどまぁ、気まずいよね。3年の先輩の妹とか
迷惑だったら言って、別に初めての事じゃないし」
「そうまで言われちゃ男が廃る。特に迷惑とか感じてないからある程度は好きにして付いてこい
但し、俺は俺だから。付いて来れなくなったらいつでも離れてくれて構わん」
「うん、分かった」
適当な女を近くに置いておけば本当に厄介な奴等の撹乱に使える。と最初は思ってたがあのフットボール狂のキャプテンに言わせたとあってはね
まぁ緩衝材が少ない分、顔をしっかり見ながら話を出来るのは良しとしよう
「じゃあピーター、クラブ頑張ってね。兄さんの友達に見つかりたくないから遠くから見てるよ」
「応、せいぜい俺の走りを見てな」
オメガは自分の教室に戻っていく後ろ姿を見て俺は思う、良い尻と脚をしているなぁと
するとフラッシュ達がワラワラと戻ってきて冷やかしが始まるが、むかついた俺は腕力で連中を黙らした
【注】スパイダーマンは作品ごとに個体差がありますが通常時で片手25トン以上、全力では数千トンの物体を持ち上げられるほどの超人的な怪力を誇ります
ただハルクには負けちゃいます。凄いねハルク
「よし、そろそろレギュラーの発表を行う
コーチ、お願いします」
普段は高所から全体を見て指示を出すコーチが、珍しくグランドに来たと思ったらスターティングメンバーを発表すると言う
へぇ、やっとかい
「基本的にメンバーは変わらない。だが1年のピーター、フラッシュ、トッド、トカマク
お前たちはベンチに入ってろ。出番が来たら即いくからな、油断するんじゃないぞ!」
「はいコーチ」
コーチの発表に少し回りがザワつき、カメラマンのエディもその際には何度かシャッターを切ってた
俺は当然と言った顔だが、フラッシュ達は驚いており互いに顔を見合わせてた
「ふん…パーカー!お前のヘマでチームが負けたなら俺様が完全に潰してやるからな!」
「なら俺が出るまでに点差をできるだけ広げておいてくれよな、先輩
少なくとも俺が無得点でも、このチームが負けるのを防ぐ為にもな」
知りうる限りでチーム1の性悪男、歓迎会で俺を構ってくれたオッサンがなんか言ってきたので、俺は正論で返す
「ところでコーチ、相手の強さは如何ほど?」
「相手校のクラブ【オールホワイト】は前回における地方大会のベスト4。因みに前回のウチは彼等に1回戦で当たっている
その時のオールホワイトとは96対3。終盤のキックで無得点だけは避けたが、結果はウチの完敗だ」
なるほど、つまり
「今度の試合は雪辱戦、って訳ですか
良いね、点差を逆にした上でグチャグチャにしてやりましょう
舐められたままで終わっちゃ男じゃねぇ」
言うとコーチとキャプテンは頷くが殆どの先輩は、マジかコイツと顔に書いてあった
その情けない姿勢が俺の怒りの導火線に火を付け、邪口を開かせた
「オイオイオイ、あんたらまさか負けるために今まで練習してたのかよ?」
もしそうならとんでもないマゾ豚だぜ
それは流石に言葉にしなかったが含みの眼差しは伝わったかも、何人かが凄い顔で睨んでくる
「俺を睨む前にする事があるでしょ?
その、オールホワイトに勝つ練習とかさ」
「お前に言われるまでも無い!」
2年の先輩、だったかな。そいつが即座に応える
キャプテン以外の3年は諦めの境地なのか、冷ややかな視線を向けるのみ
「だったら時間を惜しまず練習してみせろよ。朝練にも来ないで夜には遊び倒す口先だけの根性無し共が
見れば分かるんだよ。その目の下の隈、血色の悪い顔、だらしない体、毎朝の登校は全員ギリギリで寝ぼけ眼に寝癖が付いてのもよ
ハッ!そのくせレギュラーだけは欲しいくせに練習は不真面目、年下にはイキり倒すとかクソどうしようもなさ過ぎで本当、マジで全員潰すぞ?」
やってみろとガタイの良い3年が目の前に立ち塞がるが、俺は邪魔だと1割以下の力で横に投げ飛ばす
吹っ飛んだソイツは派手な音を立てて転倒、俺とのあまりの力の違いにその目には怯えの色が見えた
「なんだ来ないのか?
ほらな、やっぱりだらしねぇ
もうさ、やる気無いなら辞めちまえ!
練習の邪魔なんだよ!邪魔!」
「ピーター、そこまでだ!」
カラカラ嗤うとキャプテンから待ったが掛かったので、俺はレックスの面目を保つ為に口を閉じる
「こっちへ来い、制裁だ
手を後ろに組んで歯を食いしばれ」
彼から制裁として頬を力強く張られると俺は元の位置に戻り、今度はキャプテンがチームに向けて口を開く
その広い背中を見て話を最後まで聞く
レックスはチームを纏めようと必死だった。コーチも粘り強く援護射撃をした。しかし心胆まで腐りきった連中には時間の無駄に終わる
レギュラーの殆ど、というか3年はレックスを除いて全員がその日にクラブを去り。2年は半分ほどが残ったのである
俺を可愛がってくれたオッサンは何故か残り、キャプテンに従っている
「試合メンバーは後日、改めて発表する
今日はお疲れだったな、解散
ピーター、お前は今日のことは何も気にしなくて良い
それからレックス、明日からも頼むぞ」
「はい!」
「うす」
コーチの言葉に俺達は帰宅、観覧してたオメガはレックスに駆け寄り何か喋っていた
カメラマンのエディからは、大変だけど良くなる事を願うよ。それから明日もよろしく。と励ましの言葉なのかよく分からない言葉を貰う
次の日の朝、俺はグランドに到着するとたまげた
残ったメンバー全員が朝練に参加していたのである
あのオッサンも普段の横暴さが何処へやら。ミットに激しいタックルを何度も何度も決めていた
「1年の全員はピーター達に遅れるなとレギュラー獲得に燃え、触発された2年は見ての通りだ」
キャプテンも何処か吹っ切れた様子で、噴き出た額の汗をリストバンドで拭っていた
「新たなチームの始動ッスね。減らず口を叩いた甲斐があったってもんだ」
「これを機にコーチが新しくチーム名を変えようと言ってる。ところで何か良いチーム名はあるか?
俺?俺はフットボール狂いだからダメだ」
へぇ、チーム名を…
「キャプテン、そいつはオタク野郎だから期待しない方が良いッスよ
そうだな俺なら、スーパー・フラッシュとか!
う~ん、スーパー・フラッシュ…良い響きだぁ」
「死ね」
「ははは…それは、うん、どうかと思うぞ」
どうやらフラッシュは自ら進んで役を降りた様子
恍惚な顔で自分の名前にスーパーを付けるとか、なによりもあのキャプテンを引かせるとは、それも一種の才能か
チーム名は放課後の練習までに各自で考え、出し合った中から多数決で決められる事となり、俺は朝練に集中する
「いいか!チームに残ったからには妥協は許さん!」
攻撃側の壁を担当するアタックラインのメンバーが横一列になり、壁を突き破ろうとするディフェンスラインの突進を正面から受け止める
「泣く事も、足踏みする事も、後悔する事も許さん!
ただひたすら練習し、徹底的にチームに貢献しろ!」
壁に守られたQBのレックスが安全圏でボールを持ち、グランドに散る俺や他のWRを動きとそれを妨害する側、CB(コーナーバック)のフラッシュ達の動きを見る
「チームの為に自分に勝て!」
しつこいCBを捻り、グランドの中央に侵入した俺はディフェンスの視線を釘付けにしたのを確認するや、持ち前の身体能力で爆発的な加速で残りを振り切るとパスを貰える状態になった
そしてレックスからパスが、来なかった
長いボールの軌道は他のWRの2年を目指す。正確なロングパスが通ると彼はそのままタッチダウンを決めた
悔しくないのかって?これが全然、いや全く
なにせ俺がフリーになると見抜いたディフェンス側の最終防衛ラインのS(セーフティ)が猛烈な速度で迫ってたし
パスは長くなればなる程にインターセプト、奪われる可能性が高くなる。アメフトとラグビーもフィールドの支配権が重要になるスポーツだ
ボールを奪われて敵側に支配権をひっくり返され、逆に得点されるなんてのは絶対に避けねばならないのは俺だって知ってる
「ヒュッー、お見事!」
「お、おう」
得点した2年を賞賛すると少しぎこちない態度になる。まぁあれだけ騒がせたヤツといきなり仲良くやるとか無理だわな
それにしてもコーチって結構、熱い人だったんだね
嫌いじゃないぜ、正直に勝てって言える人はよ
よおし、やってやるぜ
「おら、もう一丁!今度は俺が決めるぜ!」
「ピーター、フラッシュ」
「お、おう。なんだよハリー」
いつものように授業を轟沈した俺達はハリー大先生にレポートの写しを頼みに行ったのだが、どうやら度重なる浅慮な行動が大先生の機嫌を損ねたらしく、柔らかな顔を浮かべてるのに纏ってるオーラがとてつもなく怖い
俺のスパイダーセンスが危険シグナルを出してくる程に
「僕は君達がクラブ活動に熱心に取り組んでるのは知ってるし、今度の試合に向けて少ないメンバーで乗り切ろうと全員が必死になってるのも知ってる。そして僕自身が君達を邪魔するつもりは全く無いのは分かるよね?」
「ハイ…存じております」
「いつも感謝しております」
「だけど君達は最近、僕を便利な道具か何かだと思ってないかな?」
「イエ…全く」
「少しも…」
「うん、そうか
それじゃこれからは授業を半分でも真面目に受けて、レポートは自分達で頑張れるって今ここで誓えるかい?」
「ガンバリマス」
「ガンバリマス」
「ありがとう2人とも。レポートの取り方とかはちゃんと教えるから、幾つか要点さえ抑えれば難しくないよ
それと…ここだけの内緒話だが、僕の父が開発チームを引き連れて今度のフットボールの試合を見に来るらしい
新薬の開発を兼ねて優秀な逸材を探してるんだってさ
もしそれがコケたら、1人用の軍用ホバークラフトと専用の耐圧スーツを開発するとかって噂もある
場合によっては父の会社オズコープが個人的なスポンサーになってくれるかもよ」
「ノーマンさんが?」
「マジかよ!うっひょー、遂にこの俺にスポンサーが付くのか!」
楽観的なフラッシュは捨て置き、聞き捨て鳴らない単語が飛び交った
ノーマンさんの会社オズコープの新薬、そして軍用ホバークラフトに耐圧スーツ。もうこれグリーンゴブリンの流れじゃんかよ
「ピーターどうした?険しい顔して」
「ハリー、その新薬だがこれまでに人間に投与したと聞いたか?」
「そこまでは知らない。ただ父が息子の同級生を実験台にするなんて思えないよ
君だって父を知ってるだろ?」
ええ、ノーマンさんの人柄は良く知ってる。だからベン叔父を預けられるんだ
但し、その新薬が例のアレだとしたら手放しでは喜べないな
「おいおいピーター、名うての企業主がその辺の高校生を捕まえて人体実験まがいの事なんてするわけないじゃん
科学者って人は世界を良くする事に頑張る人間だろ?」
フラッシュ、お前は科学者という人間が全く分かってない
特にこの世界の科学者なんて、好奇心を満たす為なら家族をバラバラに引き裂くのも惜しまない奴はわんさかいるぞ?
「フラッシュよ、お前はこのニューヨークにいる宇宙忍者4人組のリーダー格、ゴームズみたいなエゴサイコパス科学者がいるのを忘れてないか?」
「え?あの人ってそんなにヤバいの?俺よく知らないんだけど…」
「あの人は正義の味方じゃなくて、悪の敵なだけ
たまたま自分の敵が人間側への加害者だったから結果として正義の味方やってるに過ぎないんだよ
極論を急ぎすぎるあまり核爆弾や放射能兵器を町に落とすなんて朝飯前にやる。少しでも気に食わない相手がいれば言い掛かりをつけて亡き者にし、ソイツの研究がどれだけ人間にとって益になるかも気にせず封殺する
軽い所だと自分の野望の為に親友や恋人やその弟を巻き込んで怪人に変えた時や、反対に人間に戻った時に心配よりも好奇心が勝り、その状態を詳しく聞き出そうとするくせに解決策を考えもしない。そんな人間だ」
かなり端折った話だが、あのゴームズの悪評を並べたら切りが無い
見ろよ、フラッシュもハリーもドン引きしてるぜ
「お、俺、実は宇宙忍者のガンロックのファンだったけど考え直そうかな」
意外、フラッシュは宇宙忍者のパワー担当であるガンロックのファンだった
コイツは普段はアホだが、ガンロックに目を付けるとはお目が高いぞぉ
「あ~ガンロックに関する評判は寧ろ本人の希望と、ゴームズやファイヤーボーイの影響や印象操作で過小評価されすぎてる所がある、そこは変えないで大丈夫だよ」
「ほ、本当か?」
「うん、彼は正真正銘の聖人だ。俺が保証する
ファイヤーボーイは無機物と無抵抗な敵には強いがそれ以外はからっきしのイキリヤンキー。スージーは能力を直ぐに忘れてチームの足を引っ張る事に特化した痴呆症。この姉弟に極悪ゴームズが加わった宇宙忍者3人組を抑制しているのが我らがガンロックだ。誇りに思って良いよフラッシュ」
そう言って右手を差し出し、フラッシュは考える間もなく握り返してきた
フラッシュと初めて固い握手をした俺は別に後悔してない。ガンロックに対する僅かばかりの猜疑心を払拭したのだ、後悔はしていない
「ゴームズ博士がそんな人だったとは、あの新薬の一件には彼が深く関わってるらしいが…父さんには内緒で成分を詳しく調べてみるか…」
ハリーの独り言をバッチリ聞き取った俺は驚いた。同じニューヨークとはいえこの世界だとオズコープ社とゴームズが繋がっていたとはな…あの極悪人め
下手したらグリーンゴブリンと化したノーマンさんは宇宙忍者に殺され、復讐に燃えるハリーも返り討ちにあってしまうぞ
そしてオズコープ社はゴームズの支配下にされ、骨の髄までシャブられちまう
ゴームズ「宇宙忍者に復讐を考えるとは無駄だと、これで分かったろう?」
ファイヤーボーイ「本当にバカだね~。悪い父親と同じ薬を使えば自分も変になるって知ってるのにワザワザ復讐なんて本当にバカだね~」
スージー「あらやだ、彼を助けるタイミングをすっかり忘れてたわ」
ゴームズ「どうってことないさ。オズボーンの野望は我々宇宙忍者が阻止した事に変わりは無い」
嗚呼、幻聴が聞こえる
スパイダーマンとスパイダーマッを見てたら執筆してしまいました。
次の投稿は未定です
発破をかけられないと頑張らないの
ありがとうございました。