凸凹コンビが事件を解決するのは王道でもやっぱり良いものですね
月野稲荷神社に向かう途中、八重狐はウベに関して考え事をしていたが、1人では考えが纏まらなかった。
「花子よ、少し我の考え事を聞いてはくれぬかの?」
しばしの無言の後、花子はゆっくりと頷いた。
「すまぬの。してウベは男に追われておった。しかも妙に興奮した様子で追いかけておった。普通尾行するならもっと静かにやる物よな?」
「……確かに、私たちも直ぐに分かったぐらいに近かった。でも興奮してたら忘れるかもしれない」
頷きながら自分の意見を言う花子に八重狐も頷いてから続きを話す。
「ふむ、じゃがそこで気になるのは我に対しての反応じゃ。普通尾行しておるなら小声で話すはずじゃが、あの男は関係なしに大声で話しておった。しかもかなり興奮してのう。そこが気になったという所じゃの」
八重狐はそこで話を終える。花子にとってはその話がどういう風に繋がるのか分からないままだった。
月野稲荷神社に再び訪れた八重狐と花子。
目的としてはウベを襲った犯人がどういう行動をしていたのかを知りたかった。
ついでに防犯カメラでも見る事が出来るならば、今日尾けていた男と同一人物なのか分かるかも知れないと八重狐は思っていた。
とりあえず手近な所から当たろうと2人が別れて探していると、外で掃いていた住職に八重狐は話しかけた。
「あー少しよろしいかの?」
「ん?あぁこれはこれは、先ほどいらっしゃった立派なお狐様ではありませんか。私に何か用ですかな?」
柔らかい印象を与える話し方をする住職に少しだけペースをぐらつかされる感覚を覚える八重狐。
だがすぐにいつものように聞き込み始めた。
「いや、昨日の夜に
「ふむ、それなら私も今日聞きました。なんでも警備員が巡回中に見つけたようですが……」
住職も詳細こそは言わなかったが、物騒な事がこの神社で起きている事に思う所はあるようで、複雑な心境を八重狐は察していた。
だが事情が事情な為、出来る限り深掘り出来ないか模索しようとした。
「その時に何か聞いておらぬか?」
「いえ、ただ追いかけていた男性の方はかなり興奮していたのが、警備員に見つかった途端に慌てて逃げた。としか聞いていないですね」
住職は又聞きかつ深夜の事で具体的な事は分からないのは当然なのは、八重狐も重々承知の上で聞いていた。
彼女にとって重要なのは次の質問の方だ。
「ふむ、成程のう。そういえばここの神社は夜に参拝するような文化はあるのかや?」
「いえ、この神社で夜に参拝を勧めているのは、大晦日の除夜の鐘ぐらいで、この時期はむしろ参拝の為に来るのはお勧めしていません」
「では何故夜は閉めないのかや?」
「災害の時の避難場所として備えております。閉めてしまうと、それだけで逃げ遅れてしまう人が増えてしまう事もあり得るので、閉めていないんです。なので代わりに警備員に見回りをお願いしております」
住職の回答で八重狐は一つの謎が解けた。だがまだ分からない事だらけで真相には至っていない。
八重狐はこの住職から聞けそうな話は聞けたと判断した。
「ほぉうそういう事じゃったか。すまぬの、掃除の邪魔をしてしもうて」
「いえいえ、また聞きたい事があったら気軽に話しかけて大丈夫ですよ」
他の謎を追う為に、住職に別れを告げた八重狐。
ウベに聞かなければならない話が出来た。だがこれだけでは彼女から真相が聞き出せないとも思えた。
後は花子がどういう情報を持って帰ってくるかに賭けよう。そう思いながら境内の散策を始めた。
少しだけ時間が戻り、月野稲荷神社で八重狐と別れて情報収集する事になった花子は、大木の木陰で自身の持つ刀身を半分程取り出して考え事をしていた。
自分の顔が刀に写し出されているのを見ながら、深く考える事に集中している。
(何故私は主でも無い人を助けようと思っているんだろうか……いや、それ自体はいい事なのかも知れないけど。自分でもよく分からない……これが自由に生きるという事?)
彼女は自問自答を繰り返していた。
無論そんな疑問は直ぐに解決する訳は無く、こうして思考の渦を堂々巡りする事が大体ではあるが。
(自由とは………使命とは…………………いや、今はウベの事を聴き回らなきゃ)
そうしている内に考える事が止まり、何も考えられなくなってきた所で刀身を鞘に納めて立ち上がる。
そうして彼女はウベの事を調べる為に本殿に行く事にした。
本殿に辿り着いた花子。そこには人がまばらながら途切れない状態が続いており、神社の中では栄えている所だった。
そんな中で花子は話かける相手を探していた。その相手をどう選ぶかは八重狐から聞いていた。
『若そうな奴を探してみよ。ウベと同じ大学に通っておる者に当たったらこれ幸いと色々聞いてみると良い』
そんな事を聞いていた花子は早速、若そうで金髪とメッシュ柄に髪を染めた男2人を見つける。
図書館にはいないタイプだが話しかけようとして、固まる。
理由は単純、どうやって話しかけるのか分からないのだ。
普段話しかけられる事が殆どであるが故に分からなくなっていた。
それでも何とかやるしか無いと自分を奮起しながら声をかけた。
「あっあー……と……少しよろしいか?」
少しぎこちなく呼ばれた金髪の男とメッシュ柄の男は視線を花子の方へ向けた。
「え?なんすか?」
「迷子かなんか?」
メッシュ柄に迷子を疑われたが、首を横に振って否定する。
花子はとりあえず聞かなければいけない事を口にした。
「ウベヤナコという人を知らないか?」
「ん?いや知らないな、お前知ってるか?」
「いや……あーそういえば同じ学科にいたわそんな奴」
メッシュ柄の方は知らないようだが、金髪の方が何か知っているようだった。
すかさず花子は次の質問を投げた。
「知っているなら、何か聞いていない?」
「何かってなんだよ」
あまりに大雑把な質問で金髪の男は困惑していた。花子はその辺り殆ど慣れていないと言っても過言ではなかった。
「噂でもなんでもいいから何か聞いてない?」
「んー……ウベの事はよく知らね、話した事もねぇし。……あ、そういえば噂といえば、最近うちの大学で
「それにウベも関わっている?」
「知らねぇよそんなの。つかお前ウベのダチか?」
どうやら細かい所までは知らないようだったが、踏み込みすぎたのか疑念を抱かれていた。
「友人……では無いが、世話焼き狐のお節介で色々聞いてるだけ」
「……?」
花子の発言がよく分からなくて固まる金髪の男とメッシュ柄の男。
これ以上2人から聞かなくても良いと花子は判断した。
「そういう事だから、失礼する」
そそくさと立ち去る花子の背中を見て首を傾げる男2人だった。
その後は特に大きな収穫もなく、得られた情報は人数に対してそう多くは無かった。
しばらく経った後に八重狐から連絡して花子と神社の中でも御朱印や御神籤の受付で合流した。
周りには相変わらず人がまばらに居るが、やはり大きな九狐の尻尾を持つ者はあまり居ないのですぐに分かったようだ。
八重狐の方も花子に気付いて近付いていく。
(この場で話すにはちと人目がありすぎるのう)
そこまでの間にも色んな人の視線が彼女の方へと向いているのが分かったが、ひとまずは花子に声を掛ける事にした。
「花子、どうじゃった?」
「あんまり……八重狐、何かやった?」
花子も周囲の目が気になり思わず八重狐を疑った。
彼女と接触してから視線が集まっているのが気になったのである。
八重狐はすぐに首を横に振って否定する。
「いや、何もしとらぬ。ただこのふわふわな尾っぽが気になるだけじゃろ。しかしこうも見られ続けるのもなんじゃし、少し移動しようかや?」
花子はそれに頷いて2人でその場を離れ、
「それで花子よ、何でも構わぬ。何か見つかったかの?」
「ウベと同じ大学の男が居たが、薬物が出回っているという噂があるらしい」
「それはまた物騒じゃのう。して、何処の大学じゃ?」
「………………?」
花子が首を傾げるのを見て普段からジト目だというのにさらにジトっとさせた。
「……まさかお主、聞いておらぬとか言わぬよな?」
「……聞いてなかった」
花子のポカに深いため息を吐く八重狐。ウベが何処の大学かボカしていたので、彼女が何処の大学の所属なのか分からなかった。
そして花子が聞きそびれた為、分からずじまいのままと言った状況に陥っている。
「まぁそうなっては仕方あるまい。少しばかし面倒だが調べてみるかの」
無い顎髭を触るようにして考える八重狐は、徐にスマートフォンを取り出した。
SNSのアプリをいくつか開いて、ウベが居るとされる大学を脳内でピックアップして検索を掛けてみる。
ウベはこの近くにある大学に通っているようで、八重狐達を引き連れて行った喫茶店の常連だった事から嘘では無いと考えた。
投稿を最新順にして見てみると、幾つかの投稿が目に入る。
「何をしているの?」
ふと花子が横から覗きに来た。八重狐はそれを横目に見ながら探りを入れ続ける。
「いやなに、今の時代は色々な探り方があるからのう。少しばかりの情報からこうやって調べれば……ほれ見てみよ」
「なにを……?」
八重狐が花子にある投稿を見せる。それはウベが男が一緒に写った写真だった。投稿日はおよそ2週間前になっている。
アカウントのアイコンがウベ本人の顔であるからして、彼女の投稿であるだろう。
だが男の方は昼間に彼女を追いかけていた人物とは別で、整った容姿から人気もありそうな感じがした。内容もデートを匂わせる物で幸せな様相を呈している。
花子はそれを見てもピンと来る物が無かった。
「……これがどうしたの?」
「これはウベのアカウントじゃ。どうやら数ヶ月前から付き合いだしたようじゃのう。そこは微笑ましくて結構。じゃがそれだけでは無さそうとも言える。今度はこれを見てみよ」
「……⁉︎」
別の投稿を見せる八重狐。今度はアイコンが真っ黒で一見すると誰のアカウントなのか分からない。
だがその内容が異常だった。[私の男を取った宇部という泥棒猫を消してやる。許さない]といった内容だった。
「此奴の事を探り入れる為にも、ウベともう一度会わねばの」
八重狐にはウベが追いかけられる原因にある程度、見当がついていた。
ウベに会おうと探し出している中で、八重狐は内心、出てきた情報を纏めていた。
(今手元にある情報は薬物がウベの大学で出回っておる事と、ウベの彼氏がストーカーに狙われておってウベを憎んでいる投稿があった事の2つ)
無い顎髭を触るような仕草で考えを続ける八重狐。
(薬物の件は、ウベが追いかけていた男が異常な様子をしておったから、多分其奴は使っていたのやもしれぬ。だが、今のところウベと直接繋がる訳ではあるまい。ならば有力なのは例のストーカーであろう。其奴の正体を掴むのが先決じゃな)
そう考えて、この後の方針を決めた八重狐だった。
とはいえ、ウベと連絡先を交換していない為、どうしようかと悩んでいると、誰かが
よく見てみると、その手を合わせているのが探していたウベであった。
「ふむ、これは
思わず八重狐はそう呟く。実際会おうとしている所で出くわすのはツキが良いとしか言えないだろう。
それを見て慌てて花子が声を掛けに行こうとする所を、八重狐は止める。
「何故止める?」
少し睨みを利かせる花子に八重狐は小声で返す。
「神社の中で手を合わせるのを邪魔立てするのは野暮の極みであろう。合わせ終えてからでも遅くは無いぞ」
八重狐の説得に納得したのか、花子もウベが手を合わせるのを見守る事にした。
静かな空間が形成される。風の音に混じり、八重狐の大きな耳にのみ、ウベの呟きが聞こえてきた。
「お願いします。あの人と平穏な日々を送らせてください……そして、私たちを狙う人から守って……お願いします……!」
ウベの神頼みを聞いた八重狐は目を閉じて、その言葉の重みを噛み締める。そして無意識のうちに声が出た。
「お主の願い、聞き届けたり……」
「何か言った?」
何も聞こえてなかった花子は八重狐が何を言ったのか分からなくて、つい聞いてみたが彼女は目を開いて首を横に振った。
「何でもあらぬ。それよりもそろそろ去りそうじゃ。行くぞ花子」
八重狐の言葉通り、ウベが去ろうとしていた。今度こそ慌てて花子達は声を掛けに行った。
ウベが神社で祈った後、振り返ると八重狐と花子が立っていた。
ウベが思わず会釈すると、花子は会釈を返して八重狐は彼女の目を見据えていた。
「ウベよ、お主かなりの厄介ごとに巻き込まれておるじゃろ」
境内の中の休憩所、
ウベは沈黙を貫く。否定も肯定もしない彼女の様子で八重狐はそこは事実であると確信した。
「お主の彼氏にストーカーがおるのは知っておる。そして其奴がお主の事を憎んでいるというのもな」
八重狐の指摘に顔を逸らすウベ。沈黙が訪れる。
凝視を続ける花子に対して、少し目を閉じる八重狐は視線気にしてか彼女に無言でジュースのペットボトルを渡すと、花子の視線がそっちに移った。
誰も何も話さなず、目も合わせない中で彼女は、ようやく口を開いた。
「……そうです。彼にストーカーが居るのは彼本人にも私も気付いていました。SNSでの発言も見つけています…………私が狙われる様になったのはここ数日です。でも、彼女の投稿を見ていると、やってもおかしくは無いかもと思って……」
(何かを思い出そうとするのに、視線を目まぐるしく変えるかのう?)
ウベの独白を聞いて様子を見ている八重狐には、ほんの僅かに違和感があるように感じた。
彼女が話している時に視線が頻繁に移っているのが、どこか引っ掛かる。
今話している事は事実であるだろう。だがもっと深い何かを隠しているような気がする。だがそれが何かは今の八重狐には分からない。
(じゃが、その話が事実ならば我の推測とのズレはなさそうじゃの)
だが今のところは八重狐の思った展開であるので、一旦は違和感の事は気にしないことにした。
「ふむ。やはりそういう事じゃったか。ならここは一つ、其奴と話をつけてこようかや?」
「え?でも彼女が今何処にいるのか……」
八重狐の提案に思わず顔を上げて反応するウベ。だが今、彼のストーカーが何処にいるかなんて分からない。
それならばと八重狐はある事を聞いてみた。
「なら、お主の彼氏が今どこに居そうかを教えてくれぬかの」
「……多分今は趣味のビリヤードを漫画喫茶でしていると思いますが、一体何をするつもりですか?」
「其奴はストーカーなのじゃろ?ならそれを逆手に取れば行けるというものじゃ」
疑念の目を向けていたウベはなるほどと感心して頷く。
それぐらいは当然の事と考える八重狐は、その視線を感じつつもいつもの様相を装って話を続けようとしたが、ウベの携帯が唐突に鳴り出した。
ウベが手に取って画面を見た瞬間に目を見開いて慌てて立ち上がる。
「ごめんなさい!ここで失礼します!」
「夜は外に出てはならぬぞ」
慌てた様子で立ち去ったウベに、八重狐がまた違和感を抱いた。
(着信の相手を見ただけであの慌てよう……もしや例の奴が近くに?)
周りを見渡すが誰の気配もしない。そうなると八重狐の中で違和感が強まった。
「まぁそれよりも今は例のストーカーじゃな。花子、漫画喫茶へ向かおうぞ」
八重狐の呼び掛けに力強く頷く花子。2人は急いでウベの彼氏が居るであろう場所に向かう事にした。
ウベの彼氏が居るとされる漫画喫茶は直ぐに分かった。
というのも、ビリヤード台が置かれた漫画喫茶は八重狐達が今居る街にはあまり多く無い為である。
その入り口近辺で明らかに視線が一点に向かっている人物を探す八重狐と花子。
「ふむ、何処かで張っておるとは思うがの……」
「………………八重狐。あっち」
「花子、お主目が効くの……っとあやつ逃げおった!」
花子が遠く離れた場所に指差すと、誰かが慌てて逃げ出した!
それと同時に花子が一気に走り出して追いかける!
脚の速さで花子が勝り、距離が一気に詰まる。いつの間にやらストーカーの女性と花子との距離は僅かな物になり、彼女はストーカーの女性に対してタックルの要領で飛び込み、抑え込んだ。
「は、は、離せ!」
「聞くことがある。ついてきて」
「は、はぁ⁉︎何を言って」
ジタバタする女性を抑え込み続ける花子。普段から刀を振るっているお陰で、細身の身体からは信じられないぐらいの力で抑えられている。
そうしているうちに後から追いついた八重狐がスマホの画面を見せると、女性の動きはピタッと止まった。
見せた画面は、この女性が書き込んだ[私の男を取った宇部という泥棒猫を消してやる。許さない]という投稿の画面。
「え、あ、はい。ソウデス」
それを見せられては認める他無く、止まって落ち着いたのを見て花子は立ち上がらせた。
小さな公園まで移動して、ストーカーの女性を座らせて、八重狐と花子は立ったまま詰めていた。
「して、うぬよ。何故我らが見つけた瞬間に逃げおった?」
「き、急に指刺されたら、怖いじゃないか……」
「それなら逃げるまではしなくとも良いとは思わぬか」
八重狐の指摘に目を逸らすストーカーの女性。その様子を見て、また違和感が八重狐を襲うがとりあえず尋問を続ける事にした。
「まぁそれはそうと、うぬはあの場所に居るであろう
「……はい」
「それで、いつも通りにストーキングしている最中に、ウベを男に襲わせようとした。麻薬を買っている所を見つけて脅し、従わせたのではあるまいか?」
「……?な、何のことかさっぱり」
首を傾げて八重狐を見つめるストーカーの女性。
あくまでも認めないのか、それとも本当に知らないのか判断がつかないまま、八重狐の尋問は続いていく。
「時期に証拠も上がってこよう。とぼけても無駄じゃぞ?」
圧をかける八重狐。ストーカーの女性はその圧に圧倒されるが、それでも彼女は何のことか分かっていない様子だった。
だからこそ少し苛立った様子で反論した。
「本当に知りませんよ⁉︎というよりもここ数日、
「なんじゃと?」「え?」
ストーカーの女性の一言で目を見開く八重狐と花子。
あまりに想定外の発言で八重狐の前提自体が崩れた。
「一応確認じゃがタクマというのはウベの彼氏の事で」
「当たり前でしょう!」
「う、うむ……」
「バレて引っ越しをしたと思ったけど、家の郵便受けに名前もあって中身もあまり溜まって無いから無いし、バイトや大学、趣味まで把握しているのに一度も会わないなんてありえない!」
このストーカー女性がそこまで把握しているのであれば、確かに変だ。
知って行動パターンを変えたとしても、引越ししなければ根本から逃げきれない。
八重狐は頭の中で考え直す。何故ウベが男に追われているのか?
(まず、此奴とは関係ないとすれば今有力なのは麻薬絡み。じゃが……いやウベの前で話題にはしておらなかった。可能性は残っておるか。そして彼氏の実質的な失踪……いや、失踪では無い?であれば……そういえばウベの奴電話を。あれは此奴では無いとすれば……不味い!このままではウベが危ういぞ!)
「花子!急いで月野稲荷神社に向かうのじゃ!」
「え?」
「早く!ウベの身が危ういぞ!」
花子は凄い剣幕で焦った様子を見せる八重狐に分かったと一言言うと、神社に走り出した。空は茜色に染まり、帳が下りる事を知らせようとしていた。
キャラ紹介
花子
真面目系刀少女。緑の目の周りに実は隈っぽいのがある。
日々の鍛錬で“主を守る”のが使命だと思っているが、彼女の周りには自由人から夢追い人までいる中でどういう生き方を見つけるんでしょうね?