ニニャとのパワーレベリングを開始してしばらく、ニニャは無事
その時点で平原でのゴブリンやオーガ狩りから卒業して今ではエ・ランテルの南に位置する『カッツェ平野』というアンデッドが無限湧きする魔境でのレベリングに移っていた。
ニニャの成長の早さには笑うしかない。
しかしここに出現するスケルトンは一体一体はゴブリンより弱くて討伐報酬は安いし経験値も少ないのだが、無限湧きするのがいい。
ニニャはひたすら俺にバフを掛け続けて俺がメイス二刀流で無双すれば経験値効率が段違いに跳ね上がるのだ。
俺本来の武器は剣なのだが、スケルトンには斬撃耐性があるからね。そのためのメイス装備だ。
「《
「武技《加速》! からの武技《殴打乱舞》! ヒャッハー!」
ニニャからのバフをもらい、新たに習得した武技を使って集まってきたスケルトンたちを一掃する。
「アレス! メイジの魔法!」
「おっけ! 武技《魔法抵抗強化》!」
スケルトンメイジの魔法程度、最近購入した皮鎧の下に着込んでいる鎧下(
「武技《投擲》! おらぁぁああ!!」
スケルトンメイジの魔法を耐え、途切れた隙を狙って左手に持っていたメイスをスケルトンメイジに向かってぶん投げる。
武技により補正を受けたメイスは回転しながらスケルトンメイジに向かって一直線に飛んでいき、射線上に居たスケルトン共々木っ端微塵に粉砕した。
「投げないでよ! そのメイス高かったんだからね!?」
「ごめんて」
「謝ればいいってもんじゃないからね!? 《
ニニャの放った《
「スケルトン相手に第三位階はやりすぎだと思う」
「第二位階じゃ効果範囲が足りなくて倒しきれないんだから仕方ないでしょ? 今のうちに拾って来なさい!」
「ういっす」
おかしいね。どうしてこうなった?
ちょっと頼りない弟分を拾ったので鍛えて一丁前に育てようと仲間にしたのに、いつの間にか立場が逆転してる。
気が付けば「10歳にして第三位階魔法を操るしっかり者の天才
まぁ原因はつい先日『クラルグラ』という
あの野郎、こっちが教わる側だからと報酬まで用意して下手に出て頼んだのに「ハッ!
それだけならまだ我慢できたのだが、よりにもよって俺の出身地であるカルネ村を「クソ田舎」と評した上、第三位階魔法を習得したことで女であることを隠さなくなったニニャに手を出そうとしてきたのだ。
そこから先は……《王者の気迫レベルⅠ》をピンポイントぶち当てて冒険者ひしめく組合内で失禁&気絶コンボを決めてやったのだ。
その場でドヤ顔で仁王立ちしていた俺には『問題児』、隣で周りに頭を下げていたニニャは『しっかり者』と認知されるようになり……今に至る。
ちなみにあの日以降俺はイグヴァルジを見ていない。エ・ランテルには居るらしいのに不思議な話だ。
「アレスー、討伐証明部位の回収終わった?」
「もうちょい」
「まったく……アレスが調子に乗って倒すから……」
「いや、俺は悪くない。コイツらが集って来るのが悪いんだ」
「もぅ……」
その後しばらく時間を掛けて討伐証明部位となる背骨の一部を回収し、さて帰ろうかと立ち上がった瞬間、全身にぞわりと悪寒が走った。
「ニニャ、なにか来る」
「うん、私も感じたよ」
ただでさえ霧が立ち込めていて気温の低いカッツェ平野だが、その気温がさらに数度低下したかのような感覚。
回収した討伐証明部位の入った袋をその場に置き、俺とニニャは周囲を警戒する。
「オオオ……」
しばらく警戒を続けていると、地獄の底から響いてくるような低い唸り声が聞こえてきた。
「あー……うー……」
唸り声とは別に聞こえてくるうめき声、これは……
どこかの騎士か冒険者がこの地で死んで
それにしては雰囲気というか威圧感があるというか……
「……ッ!? ニニャ、上空へ!」
「了解!
感じた気配と聞こえた足音、さらに霧の向こうに見えたシルエットから
ということは周りを囲うように動いているのはタダの
まったく、面倒なアンデッドが出現したものだ。
霧の向こうから現れたアンデッドは、左手に大人の背丈ほどもある巨大なタワーシールドを、右手に波打つ巨大なフランベルジェを持ったアンデッド。
「
レベル30を超えるアンデッドが、大量の従者を引連れて現れた。
19時10分にもう1話更新予定