「ニニャ、コイツの討伐証明部位ってどこか分かる?」
「ごめん、分からないよ。そもそも見たことも聞いたこともないモンスターだし」
「あー……」
ニニャは暇さえあれば冒険者組合の資料室で色々なモンスターの出現場所や弱点なんかを調べている。
そんなニニャが知らないと言うのなら、
「とにかく……
「うへぇ……」
「気持ちはわかるけど、腐ってないだけマシだと思って頑張ろう」
死体であることから大抵の場合腐っているのだが、今回の
おそらく
「ねぇアレス」
「ん?」
「これ……どうやって持って帰るの?」
俺たちが持ってきた袋には既にスケルトンの討伐証明部位の骨がパンパンに詰まっている。
他に袋は持っていないし、よしんば持っていたとしても運ぶことが出来ない。
討伐証明部位だけでこれなのだ。
せっかく
「うーん……」
実は方法はいくつか思い付く。
一番手っ取り早いのは、俺のアイテムボックスに入れて持ち帰ることだろう。
もしくはアイテムボックスに入っている『
「ニニャ、アイテムボックスと
どちらを使っても目立つだろう。
それならどちらがマシかしっかり者で評判のニニャに決めてもらおう。
どっちの存在も知ってるしね。アイテムボックスの中身の存在までは教えてないけど。
「うーん……それならアイテムボックスの方がいいんじゃないかな?」
「その心は?」
「アイテムボックスなら
「なるほど」
「それと、アイテムボックスをアレスの
「それは何故?」
ニニャって10歳だよね?
数ヶ月前まで頼りなくて、知識も無かったニニャだよね?
それがなんでこんなに頭が回るようになってるの?
レベルが上がると賢くなるの? だとしたらなんで俺は賢くならないの?
「もしノーリスクでいくらでも入るってバレたら大変だよ? 冒険者はチームに入れようと躍起になるだろうし、商人は……言うまでもないよね?」
「あーね」
なるほど完全に理解した。
「だからデメリットがあるってことにした方がいいと思うんだけど……」
「そうだねぇ……」
「例えば三日で中に入れた物は消滅しちゃうとか」
「いいね。それ採用」
それからいくつか相談し、アイテムボックスの設定を決めていく。
「じゃあそういうことで……今日から俺の
「了解。堂々と使えるようになるなら楽になるね!」
こういった少し遠出をしてのレベリングもそうだし、ニニャの姉やスーちゃんを捜索する時にも役に立つだろう。
「それにアイテムボックスならこのアンデッドの体も入るよね?」
「試してみないと分からないけど、多分入るよ」
試しに
どういう仕組みなのかさっぱりわからないが、便利なので気にしてはいけない。
それから全ての討伐証明部位や装備、プレートを回収して全てアイテムボックスへと放り込み、これ以上変なアンデッドに襲われては堪らないと急ぎエ・ランテルへの帰路に就く。
途中で一度野営して街道を除く進んでいると、前方に見慣れた冒険者チームを発見した。
「ペテルくん!」
ペテル・モーク。『漆黒の剣』という男性三人組のチームのリーダーを務める俺のふたつ年上で
「やぁアレス、ニニャ、依頼帰りかい?」
俺が声を掛けると、ペテルはいつもの様に爽やかな笑みで返してくれる。
「お、ニニャちゃんちょっと髪伸びた? 女の子らしくなってきたね!」
その横からチャラ男……漆黒の剣の
うちの妹に粉掛けようっていうならお前もチビらせるぞ?
「アンデッド狩りであるか……怪我は無いのであるか?」
「ダインさん、大丈夫です」
続けて声を掛けてきたのは
聞いた話によればペテルくんやルクルットと同い年らしいのだが、その立派な体躯と髭を見ると自然に敬語になってしまう不思議な魅力の持ち主である。
いつも柔和な笑みを浮かべているのだが、その風貌故か逆に怖い。
「それなら良かったのである!」
「そうだね。戦士と
「そりゃあニニャちゃんみたいな天才魔法少女が居れば当然だろ? ニニャちゃん、アレスみたいなポンコツ戦士なんか捨ててうちに来なよ!」
「なんだとこのチャラ男め、表出ろや!」
さりげなくルクルットがニニャを引き抜こうとしているが冗談じゃない。
こんなチャラ男に預けてしまったらどうなることやら……
そんなこんなで合流した漆黒の剣の面々と共にエ・ランテルへと帰還した。
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