華麗に冒険者組合を後にした俺たちはバレアレ薬品店へと到着、体液の回収も済んだそうなので代金を受け取りさぁ出発しようかと言う時にバレアレさんからひとつの提案があった。
「せっかくギガントバジリスクを狩ったんだから、コイツを素材にして装備を作成しないのかい?」
このギガントバジリスクというモンスターの外皮はそれなりに硬い。
ミスリル製の武器で攻撃しても弾くことがあるくらいには硬いのだ。
「そうですね……」
「いや、今回は見送ります」
この世界基準でなら相当硬い金属なのだが、俺から言わせてもらえば「たかが」ミスリルだ。
ミスリルとかガチ勢ならユグドラシルを初めて二日目くらいに装備する金属だからね?
「アレス、いいの?」
「うん。注文してたら今日中に出発とか無理そうだし」
採寸とかデザインとか時間かかるんだよね。そんなことをしていたらカルネ村に帰るのが遅くなってしまう。
俺は早く両親や妹に会いたいんだ。
それに、ユグドラシルのことやアイテムのこともニニャに話すと決めているし、これからはどんどん活用していくつもりなのでギガントバジリスクの素材を使った装備とかいらないです。
ユグドラシルの装備品には9つのランクがあり、下から最下級、下級、中級、上級、最上級、
俺が普段着用している鎧下が
ニニャにも今後まずは最上級の装備一式を渡そうと思っているのでギガントバジリスクの素材を使った装備なんていらないのだ。
「二人がいいのなら私たちは構わないけど……」
「大丈夫です。早く行きましょう!」
いざ、家族の下へ!
◇◆
元々はバレアレさんが荷馬車を操作、ンフィーレアが荷台、俺とニニャが徒歩でカルネ村に向かう予定だったのだが、ギガントバジリスクとイグヴァルジのせいで時間をかなり無駄にしてしまったのでズルをする。
馬から馬車を取り外して丸ごとアイテムボックスに収納し、馬と俺にバフを掛ける。
そして馬にバレアレさんとンフィーレアを二人で乗せて《
途中現れたゴブリンやオーガ、ウルフなどのモンスターは俺の《空斬》やニニャの魔法で撃破、討伐証明部位の回収すら行わずに放置した。
たまたま通りかかった駆け出し冒険者が回収して小遣いにすればいいと思う。
俺は早くカルネ村に帰りたいんだ。
その甲斐もあって、本来予定した野営地に日が落ちる前に到着することが出来た。
「これは……中々……」
「お尻が痛い……」
案の定バレアレさん親子は疲れ切っているが、これは仕方の無い犠牲だと思って諦めるしかない。
野営地に着いてへたりこんでいる二人を尻目に俺とニニャは二人でさっさと野営の準備を整え、完成した夕飯を四人で食べる。
「見張りは俺たちがやっておくんで、バレアレさんたちは飯食ったらゆっくり休んでください」
「すまないね……そうさせてもらうよ」
食事を終えた頃、丁度日も落ち始めたのでバレアレさん親子に休むよう伝えると、遠慮する余裕も無いのか二人は素直にテントに入って行った。
「ニニャ、もう少ししたら二人に《
「わかった」
そのまま30分ほど待ち、二人が寝入った頃を見計らってニニャに魔法を唱えてもらい、余程のことがなければ起きてこないようにする。
これから聞かれたくない話をするから念には念をね。
「一応《
「ありがとう。じゃあ話の前にこれを渡しておくから身につけておいて」
アイテムボックスを開いて中から指輪をひとつ取り出してニニャへと差し出す。
「また指輪?」
「これは『
「……は?」
「《
ニニャはおそるおそるといった様子で魔法を使う。
「……本当だ」
「これを装備してたら睡眠も不要だから寝ずの番にはピッタリでしょ」
小腹も減らないからとても便利だよ。
ニニャは左手の人差し指に指輪を嵌めてまじまじと指輪を観察している。
「これ、国宝レベルなんだけど……ギガントバジリスクの時の指輪とネックレスもそうだけど、アレスはなんでこんなものを持ってるの?」
「それをこれから説明しようと思って」
一晩で説明し切れるかわからない。
そのための
「わかった。聞かせて」
「長くなるから覚悟しといてね? まずは――」
そうして俺は若干薄れつつある記憶を辿り語り始めた。