「よし、じゃあ行きましょう!」
ラキュースの号令で俺たちは遺跡の奥へと向けて出発する。
俺とニニャはここで別れてこの遺跡のマップ作成に向かおうと思ったのだが、赤青忍者が待ち伏せ位置を決めるために前もってマップを完成させていたのでそれを貰った。
あとは現れたモンスターを書いて組合に提出すれば俺たちの依頼は完了である。
そのマップを確認した限り、最奥までもうすぐだし、ラキュースたちに誘われたのでついて行くことに決めたのだ。
「しかしモンスター出てこねえな」
「だから私たちはここを襲撃場所に選んだ。ここなら邪魔は入らない」
「隠れてたら
隠れてたら
ちなみにだが、改めて見たところこの赤青忍者のレベルは20前後。ラキュースやアニキと同程度だ。
これなら襲われた際に俺が戦わなくても二人が持ちこたえているうちにリグリットが処理していたことだろう。
余計なことをしてしまった。
「それで、本当に最奥はもうすぐなのか?」
「もうすぐ。そこの角を曲がってまっすぐ進めば扉がある。そこが最奥」
「中を覗いたけどヤバいのが居る」
俺の問いかけに赤青忍者がスラスラと答える。
ヤバいやつか……この遺跡に出てくるモンスターから考えて悪魔系だよな?
この二人がヤバいと言うくらいなんだからレベル50超えの悪魔でも居るのかな?
高レベルの悪魔代表である『
たまには歯ごたえのある近接戦闘がしたい。
レベルを調整すればそれなりに楽しめはするのだが、やはり緊張感が無さすぎる。
その点レベル80を超える
「到着。開けてもいい?」
「ちょっと待ってね。リグリット、私は防御魔法を掛けるからリグリットは強化魔法をお願い」
「うむ。《
「あ、私も手伝いますね。《
ラキュースの指示でリグリットが強化魔法を唱え始めたのを見て、ニニャもそれに加わり一緒に魔法を唱え始めた。
「凄いじゃないか、その歳で第四位階の強化魔法が使えるなんて大したものだね」
「頑張りました」
リグリットはニニャの返答を面白そうに聞いている。
「頑張って使えるようになるものでも無いんだけどねぇ……じゃあこれはどうだい? 《
「それなら私も使えますよ。《
「はぁ!?」
ドヤ顔で第五位階の強化魔法を唱えたリグリットだったが、間髪入れずにニニャも同じ魔法を行使したことにはさすがに驚いたようだ。
ラキュースやガガーランニキも驚愕の表情を浮かべているが、赤青忍者はそこまで驚いていない。
おそらくだが、
「ニニャたん凄い。私にも掛けて欲しい」
「私にも。ババアの強化魔法より効果ありそう」
「お前たち……」
リグリットは苦々しい顔をしているが、赤青忍者は何処吹く風といった様子でニニャの周りをぐるぐる回っている。
青い方に至っては、ニニャの後ろを通る度に尻を触ろうとしてニニャに叩き落とされている。
これ、女同士のセクハラにはどう対処すればいいのだろうか?
青いのが男であれば問答無用でその手首から先を切り落とすのだが、女同士でそれはやりすぎな気がする。
「いや、本当に驚いた……嬢ちゃん、本当に10歳なのかい? 10歳で第五位階魔法を使えるのかい?」
「本当ですよ。死にものぐるいで頑張りました」
ニニャは本当に頑張っていた。
普通の人なら決してついて来られないであろう俺の狩りについてきたのだから本当によく頑張った。
そう思いながら後方師匠面でうんうんと頷いていると、リグリットの視線がニニャから外されて俺へと固定された。
「お主が鍛えたのかの?」
「俺は鍛え方を教えただけですよ。ニニャの実力はニニャの努力の賜物です」
レベリングなんて手伝うことは出来ても行うのは本人だからね。
本人のやる気が無ければレベリングに意味なんて無い。
「そうか……ひとつ、聞きたいことがある」
「なんでしょう?」
リグリットの真剣な眼差しが、俺の瞳を捉えて離さない。
老婆に見つめられても嬉しくない。
「ぷれいやー、という言葉に聞き覚えは?」
「ぷれいやー?」
なんの?
この世界にはゲームやスポーツは無かったと思うんだけど……俺が知らないだけで存在するのかな?
「ふむ、ピンと来ておらんようだ。では『ゆぐどらしる』という言葉はどうじゃ?」
「ユグドラシル……」
知っている。知っていて当然だ。
「その反応……知っておるな?」
「ええ。知っています。先程の『ぷれいやー』と合わせるなら……俺が『ユグドラシルプレイヤーか否か』という事が聞きたいのでしょうか?」
「その通りじゃ」
「是、です」
別にひけらかすつもりもないが、隠すつもりもない。
聞かれたら答える。それだけだ。
「……そうか」
リグリットは目を伏せ、大きなため息を吐いた。
現地人としては破格のレベル40越えの
これは……もしかして……
もしかして、リグリットがスーちゃんなのだろうか?
ちょっと勘弁して欲しい。