俺の《
未知の遺跡の発見と攻略、これらの功績からラキュースたち蒼の薔薇はアダマンタイト級への昇格が決定した。
なお、冒険者登録をしていなかった赤青忍者も同じく昇格している。
オリハルコン級である俺たち白銀の閃光と、すでにアダマンタイト級冒険者であるリグリットのゴリ押しで特例として認められたのだ。
ちなみに俺たち白銀の閃光は昇格していない。
なぜなら俺たちの本拠地登録はエ・ランテルのままなので、本拠地では無いリ・アインドルの冒険者組合では昇格が不可能なのだ。
この依頼を受ける前に本拠地移転登録を行っていれば昇格も可能だったのだが、今更後の祭りである。
その代わり、この功績はエ・ランテルの冒険者組合へと報告されるそうなので、おそらく戻れば昇格するであろうとのことだ。
別にどうしてもなりたい訳ではないのだが、してくれると言うなら大人しく昇格させてもらおう。損は無い。
「じゃ、先に王都に行ってるね」
「ええ。私たちもすぐに追いつくわ」
遺跡から帰還した翌日、俺たちはリ・アインドルの門の前で別れの挨拶を交わしていた。
組合への報告は合同で行ったが、ラキュースたち蒼の薔薇はこれから昇格したり、各方面への報告があるため数日はリ・アインドルを離れることが出来なくなった。
なので身軽な俺たちが先行することにしたのだ。
「二週間以内には王都に行けるように頑張るわ」
「儂らより先に儂の知り合いが尋ねるかもしれん。その時は対応を宜しくお頼み申す」
ここから王都までは馬車を飛ばせば五日ほどらしい。
二週間以内にということは一週間は街を離れられない可能性があるということか。
ラキュースが貴族の娘ということもあるのだろうが、アダマンタイト級への昇格って大変なんだね。
「了解。組合には言っておくから、王都に着いたら組合に声をかけてみて。リグリット、その人はどんな人なんだ?」
「白銀の全身鎧に身を包んだ戦士風の男ですじゃ。目立つのですぐにわかるかと」
「わかった」
白銀の全身鎧か……強いのなら仲間に入れてもいいかな?
いや、仲間にしたらチーム名的にその人がリーダーみたいになっちゃうからやっぱ辞めとこう。
ちなみにラキュースと俺が気安い感じで喋っているのはラキュースからの提案によるものだ。
曰く「
敬語とか使い慣れていないのでその方がありがたいと思い、受け入れた。
「じゃあラキュースさん、頑張ってね」
「ええ。ニニャも気を付けてね」
蒼の薔薇との別れを済ませ、ハムスケに乗って次の目的地、リ・ボウロロールへと向かって出発した。
◇◆
リ・ボウロロールで丸一日使って情報収集を行った結果、ボウロロープ侯爵は真性のクズであり、八本指との癒着はもちろん王権の簒奪まで目論んでいることが発覚した。
もはや擁護のしようも無く、リアル世界の富裕層より腐っているとしか思えない。
本人は現在帝国との戦争に参加しているため不在だったが、もし屋敷に滞在していれば思わず斬っていたと思うので、居なくて良かったと思う。
「そんな感じで、第一王子に娘を妃として送り込んで思うがままに操ろうとしてるみたいだよ」
「クズだね……それでも帝国との戦争には必要なんだよね……」
「クズだけど、戦上手って話だしね」
これまで数年おきに発生していた帝国との戦争において、毎回のように戦果を上げることで今の地位まで上り詰めたと言うのだから戦に関する才覚だけは確かなのだろう。クズだけど。
「『鮮血帝』が皇帝になってからは毎年開戦してるし、今斬っちゃうと大変なことになりそうだね」
「アレスが帝国との戦争を止められるのなら斬っても問題ないと思うよ」
戦争を止める……ねぇ。
「めんどいからやらない。そもそも王国とか帝国とかどうでもいいし」
「例に漏れず『出来ない』んじゃなくて『やらない』なんだ……」
被害がデカくていいのなら三重化して最強化した《
万が一スーちゃんが巻き込まれたら大変だから絶対やらないけどね。
「それで、ボウロロープ侯爵はどうするの?」
「執行猶予で。ニニャのお姉さんを助けてスーちゃんを見つけたあと殺っても問題なさげなタイミングでこの資料を王様の寝室にでもお届けしようと思います」
「それがいいね」
対応次第では家族と希望者を連れて他国に亡命する。
それこそ帝国なんて王国と比べて遥かに暮らしやすくて発展してるって聞くし。
俺はスーちゃんと家族とその他大切な人たちと安心してのんびり暮らしたいのだ。
それが出来るのなら王国でも帝国でもどっちでもいい。
聖王国も情報があまり無いけど、なんでも亜人の脅威を跳ね除けて最近即位した
あとは竜王国、法国、評議国だが……
竜王国は滅亡寸前らしいからちょっと行きたくないし、法国は宗教国家だから肩凝りそう。
評議国はそもそも人間中心の国じゃないから肩身が狭そうだから、行くなら帝国か聖王国の二択だな。多分王国はダメ。
「ま、それもこれもニニャのお姉さんとスーちゃんを見つけてからの話だね」
「そうだね。まずはそこからだね」
リ・ボウロロールでの情報収集を終えた俺たちは、改めて王都に向かってハムスケを走らせた。