リ・ボウロロールにてボウロロープ侯爵の悪行の証拠をこれでもかと発見。
木っ端貴族の屋敷ならそのままパクるが大貴族の屋敷から盗むとバレそうだったので《
俺たちを乗せてひたすら走り続けたハムスケはよく頑張った。感動した。
王都の入口を守る兵に止められそうになったが、ドヤ顔でオリハルコン級の冒険者プレートを見せつけることで通過、冒険者組合に蒼の薔薇への伝言を頼み、教えてもらった宿へと向かい宿泊の手続きを行った。
「それで、どうするの?」
「そうだなぁ……俺はニニャの村近辺を治めてる豚が持ってた『貴族派貴族リスト』に載ってた貴族の屋敷に片っ端から忍び込んでこようかな」
ニニャのお姉さんが売られたのはいくつもある八本指の部門の中のひとつ、『奴隷部門』だと推察されるが、その奴隷部門の本拠地がどこにあるのかが分からない。
なので知っていそうな貴族の屋敷に忍び込んで情報を集めようと考えた。
「わかった。それなら私はアレスの集めてきた情報の取り纏めを担当するよ」
「よろしく」
それから一時間程どの順番で忍び込むかなどの打ち合わせを行い、暗くなり始めたので闇に紛れて貴族の屋敷に侵入するために宿の部屋を後にした。
◇◆
王都での情報収集を開始して数日、いくつかの娼館を発見した頃に冒険者組合から連絡員がやってきて、蒼の薔薇が王都に到着したことを知らせてくれた。
早速合流するために組合へと向かうと、会議室で蒼の薔薇が俺たちを待っていたのだが、一人だけ別れた時と様子が変わっていた。
「久しぶり。ラキュースさん、それどうしたの? めっちゃかっこいいんですけど」
俺たちを待っていたラキュースの背後に、数本の剣が浮かんでいたのだ。
「お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。こちらはアインドラ家の秘宝『
ラキュースは瞳を輝かせているが、蒼の薔薇のほかのメンバーは苦笑を浮かべている。
おそらくかっこいい武器を手に入れたラキュースにずっと語られていたのだろう。
その気持ち超わかる。
「あー……それで、今どんな感じなんだ?」
ラキュースが語り始めそうな空気を感じ取ったのか、ガガーランニキが会話に割り込んでくる?
ラキュースは少しだけ不服そうだが、話は八本指を壊滅させてからゆっくり聞かせてもらおう。
ラキュースが許してくれるのなら一回装備してみたい。
話を戻して、今の現状を説明していく。
「何人かの貴族の屋敷に忍び込んだ結果、何件かの違法娼館、賭場、麻薬製造工場なんかの場所を見つけられたよ」
アイテムボックスから作成した王都の地図を取りだし、皆に見せる。
「貴族の屋敷に忍び込んだって……大丈夫なの?」
「問題無いよ」
ラキュースたちは心配してくれているが、俺が本気で隠れればユグドラシルの100レベルプレーヤーですら発見することは不可能、なんの問題もない。
「今夜にでも見つけた娼館に忍び込んで、ニニャのお姉さんを探そうと思ってる。見つけ次第保護、それから改めて情報を集めて一気に八本指を叩き潰そうと思ってる」
実は貴族の屋敷に忍び込んだ時にとんでもない資料を発見してしまったのだ。
その資料を見た瞬間、八本指はこの世から消えることが確定した。
その資料とは『麻薬栽培計画書』
トブの大森林に近い村で麻薬の原料となる植物の栽培を行わせるという計画書だ。
その候補地としてカルネ村も上がっていたのだ。
俺の故郷に手を出す計画があるなら消えてもらうしかないよね?
それらのことを簡単に説明すると、蒼の薔薇全員が真剣な顔で頷いてくれた。
「ひとつ確認したいのだけど、ニニャさんのお姉さんを助けたあとはどこで匿うの?」
「一応俺たちが泊まってる宿で保護、お世話と護衛にニニャを残そうと思ってる」
ニニャもお姉さんを助けたらそばに居たいだろうしね。
突入する人手が減ってしまうけど、その時にはカルネ村付近を警備している分身を二人連れてくればいいだろう。
必要とあらば召喚魔法で強力なモンスターを召喚してもいいし。
「わかりました。ひとつ提案があります」
「なんですか?」
「協力してもらいたい人が居ます」
ラキュースが言うには、この国の第三王女である『ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ』と知己であり、その王女様は大変に頭がよろしいらしく、まさに端倪すべからざる人物らしい。
端倪すべからざるってなんだろう?
「そうなんだ」
「ええ。アレスさんが集めた資料を見せればおそらく全ての拠点を洗い出せると思うわ」
それは一を聞いて十を知るってレベルじゃないよね?
一を聞いて十を知るのは当然、三十くらいまでは予想できるみたいな感じ?
自分で言ってて何言ってるか分からない。
「だから協力してもらおうかと思うのだけど……」
「なるほど……いいんじゃないですか?」
ラキュースが信用している人であるなら問題は無いだろう。
一応、ニニャに視線を向けてみるが、彼女も頷いているので大丈夫だ。
こうして、ラナー王女に協力を要請することが決まり、この日は解散となった。
しかしこの国の王女様はそんなに賢いのか……