会議の日の翌日、俺は蒼の薔薇のメンバーと共に王都から遠く離れた森の中へとやって来ていた。
王女様が言うには「証拠は十分、しかし根回しに数日かかる」とのことだったので、一度聖王国へと赴いてスーちゃんを探そうと思っていたのだがリグリットから手伝って欲しいことがあると言われて今に至る。
どうやら八本指襲撃に関して、強力な助っ人に心当たりがあるらしい。
そんなの知ったこっちゃないと断ることも出来たのだが、中途半端な状態でスーちゃんに会うのも格好がつかないし、怒られて正座させられるなんてことになれはカッコ悪すぎてスーちゃんに会わせる顔がない。
このイライラは八本指と悪徳貴族にぶつけてやろうと思う。
リグリットの説明を聞きながら『
「それで、助っ人ってどんな人なの? こんな森の中に住んでるってことは仙人か何かなの?」
確かユグドラシルにおける仙人のフレーバーテキストには『人里離れた場所でなんたらかんたら』と書かれていたような記憶が微かにあるから、当たらずも遠からずだとは思うけど……
自分やスーちゃんが取っていた種族や
「アレス殿は異形種についてどう思いますかな?」
「異形種? 別になんとも」
質問に質問で返すのはマナー違反ですよ?
ラキュースたちは既に聞いていたのか「異形種」という言葉には反応せず周囲の警戒を続けている。
まぁこんな質問をしてきたからにはこの後会う助っ人とやらは異形種なのだろう。
異形種と会う前ならこの質問は仕方ないのかもしれない。
「それは良かった。これから会うのは
「ほう十三英雄とな」
ん? 「儂と同じく」ってことはリグリットも十三英雄なの?
「不思議そうな顔をしておられますな。儂の年齢のことですかの?」
「ああ、女性に歳を聞くのはどうかと思うけど……200歳超えてるの?」
この世界は
長いとはいえ、流石に200年も生きることは不可能だろう。
俺が7歳くらいの時に亡くなったカルネ村の長老的存在のおばあちゃんも享年75歳だったと聞いている。
アーコロジーの外の人間の平均寿命が40歳前後と言われていた
……死因の大半は仕事中の事故と餓死なんだけどね。
「150から先は数えておらんので正確にいくつかまでは……儂はとある儀式を行ったことで寿命を伸ばしておりますじゃ」
「儀式?」
そんなのがあるのか。
そういえば以前にニニャが「儀式魔法を使うことで本来使えない位階の魔法を使うことができるようになる」みたいなこと言ってたな。
第十位階を普通に使える俺には関係ないと思って聞き流していたけど、寿命を伸ばしたりできるのならちょっと興味あるな。
「っと、そろそろですじゃ」
目の前にはかつて都市だったであろう廃墟が広がっていた。
建物は崩れ、石畳で舗装された道からも雑草が顔を出している。
崩壊してから余裕で100年以上は経過しているだろう。
「インベルンの嬢ちゃんならすぐに気付いて……来ましたな」
リグリットの指差す方向を見ると、《
赤いローブに仮面を付けた小柄な……リグリットの言を信じるのであれば少女だろう。
気配は極小、おそらく認識阻害の効果の付与された装備を身に付けているものだと思われる。
少女は俺たちの前に着地して、全員の顔を一通り眺めてからリグリットに顔を合わせて口を開いた。
その声は少女のようにも老婆のようにも聞こえる不思議な声だった。
「誰かと思えばリグリットか。何の用だ? その者たちは?」
「久しぶりじゃな。儂は今リ・エスティーゼ王国で冒険者をしておってな、コイツらはその仲間じゃよ」
そう言ってリグリットは順番にラキュース、アニキ、赤と青を紹介する。
それぞれが名前を呼ばれると「よろしく」と軽く手を挙げて挨拶をしていくが、最後の青忍者だけは好きなタイプや体位を聞こうとしてラキュースにしばかれていた。
懲りないやつだ。
「ふむ、少し身の危険を感じるが……そっちの男は? 私にも強さが読めないのだが」
「こちらはアレス・エモット殿。ぷれいやーじゃ」
「ぷ、ぷれいやー!?」
見た感じ身長はエンリと同じくらい(約140センチ)なので、エンリと重なってなんだか可愛らしく見える。
顔は仮面で見えないんだけどね。
「リグリット、ツアーには?」
「当然伝えておる。一度顔も合わせたそうじゃ」
「そうなのか……今回はそのアレスとやらの紹介が目的か?」
「それもあるが、力を貸してほしい」
「ほう」
リグリットがそう言うと、
「リグリット、私は……」
「ずっとここにおってもつまらんじゃろう。いい加減機嫌を直して出てきたらどうじゃ?」
この
そんな情報よりもいい加減名前を教えてもらいたい。
「という訳で勝負じゃ。儂と蒼の薔薇が勝ったら大人しく着いて来い!」
「……勝手なことばっかり言いやがって! 今日という今日はギッタンギッタンにしてやるからな!」
こうして、蒼の薔薇対
俺は見学なの? 俺、何のために来たの? もしかして転移要員?
俺にも戦わせろよ!
遅くなりました。
決して忘れていたわけではないのです。
普段別サイト様の執筆アプリを使っているのですが、そのアプリが『セキリュティの脆弱性がうんたらかんたら』で利用停止になっていたのでしかたなかったんです。