翌朝、レメディオスが起きる前に帰ろうと言う話となったので日が昇ってすぐに転移魔法を使ってカストディオ邸のリビングへと戻ったのだが、予想に反してレメディオスは既に起きており、腕を組んで俺たちを待ち構えていた。
「おかえり。遅かったな?」
「ね……姉様、どうしてこんなに朝早くに?」
「うむ。なんとなくそうすべきと思ってな……どうやら正解だったようだ」
レメディオスは鋭い目で俺とケラルトの顔を見て、重々しく口を開いた。
「正座」
「……え?」
「私は正座をしろと言っている」
ケラルトは若干戸惑ったような様子を見せながら膝を曲げ、床に正座する。
まったく、慣れてないからなのかケラルトは正座をするのが遅すぎる。
俺なんて最初のレメディオスの発言の時点で正座してるぞ?
見習いたまえよ。
「さて……まずは言い訳があるのなら聞いてやろう。アレス、言いたいことはあるか?」
俺からなんだ……てっきりケラルトからかと思っていたけど、予想が外れたな。
まぁこういうシチュエーションは慣れているから問題ない。
こういう時には下手なことを言わない方が正解なのだ。
「ありません。責任は取ります」
「そうか、潔いな。本来なら私の許可無く私の妹に手を出したのだから万死に値すると言いたいところだが……剣神ペニーの名前に免じて今回だけは見逃そう。ではケラルト、言いたいことはあるか?」
乗り切った。いや、まだかもしれないけどとりあえず乗り切った。
あとはケラルトも下手な言い訳をせず二人でごめんなさいをすればどうにかなるはずだ。
「はい。昨日もお話した通り、私とアレスは前世からの付き合い、所謂恋仲です。そんな私たちが数年ぶりに会えたのです。仕方の無いことだと思いませんか?」
ケラルト!?
なんで言い訳しちゃうの!? ここは素直に黙ってごめんなさいしておくところだよ!?
「ふむ、仕方の無いことか」
「はい」
「しかしケラルト、私は昨夜『えっちなことはダメだ』と言ったな? それにケラルトはなんと答えた?」
「『しません』と……」
「つまりケラルトは私に嘘をついたわけだが……それについてどう思う?」
「大変申し訳なく……」
ケラルトは力なく項垂れ、謝罪の言葉を口にした。
……ほらね?
「初めから謝ればいいのだ。私だって鬼では無い、お前たちの事情はある程度理解したし、二人が真剣に交際したいと言うのなら認めて祝福するのも吝かでは無いと思っていたのだが……」
再びレメディオスは冷たい目で俺とケラルトを睨みつける。
「認める前にこんなことをされて……私はどのような顔をしていればいいのだ?」
ごもっともです。はい……
「では二人とも、私に何か言うことは?」
「「ごめんなさい」」
ケラルトと並んで頭を下げて謝ると、レメディオスは満足そうに頷いた。
「よろしい。ではこの話はここまでだ。二人とも立っていいぞ。ああ、私は認めるが、父上たちには自分たちで認めて貰えるよう頑張るように」
立ち上がろうと動いていたケラルトの動きが一瞬停止した。
表情も渋い。これは……お義父さん怖い人なの?
もしかして100年以上昔に流行った「お義父さん、娘さんを僕にください!」「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いは無い!」
が展開されるのであろうか?
俺はカストディオ家の玄関の前で三日三晩正座し続けなければならないのだろうか?
望むところである。
なんなら三日三晩と言わず一ヶ月でも半年でも続けて見せよう。それで結婚が認められるのであれば安いものだ。
こちらには
さらに《上位物理無効化III》と麻痺無効装備もあるのでいくら正座を続けても痛くならないし痺れもしない。まさに完全無欠である。
……さすがに卑怯か? 装備無しレベル1で挑むべきか?
「そうだ、アレスには頼みがあるんだ」
「頼み? 俺に?」
「うむ。私を鍛えて欲しい」
ほぅ……強くなりたいとな?
「それはいいけど、なんで俺に?」
「私は剣神ペニーの信者だぞ? 本人が目の前に居れば頼むのは当然ではないか?」
ふむ、一理あるな。
「分かった。それでレメディオスはどんな風に強くなりたいんだ? やっぱり剣士?」
「もちろんだ。私に魔法の才能は無いからな!」
多分俺がステータスチェックを使って弄れば
「ケラルトはどうする?」
「私も強くなれるのならなりたいです」
「分かった。任せて」
この世界の人は普段の生活や訓練でレベルアップしたり新たな
なのでそこそこレベルが高い人でも無駄な
俺のステータスチェックを使えばその不要な
ケラルトやレメディオスくらいレベルが上がっている人ならそれをするだけでかなり違ってくると思うんだよね。
なので、二人のステータスを確認することから始めようと思う。
そのことを二人に説明すると、レメディオスはよく分かっていない表情を浮かべているが、ケラルトの方は驚愕に目を見開いている。
「ということで二人のステータスと取得
「よくわからんが構わないぞ!」
「私も構わないけど……何そのチート……」
私そんなの持ってないとブツブツ呟くケラルトは放置して、まずはレメディオスのステータスを確認してみることにする。
◇◆
名前……レメディオス・カストディオ Lv32
年齢……19
種族……人間種
異名……カストディオの天才姉妹(姉)、剣神の使徒
役職……アダマンタイト級冒険者チーム『白翼の剣』リーダー
属性……善(カルマ値100)
種族Lv
人間種のため無し
ファイターLv10
ホーリーナイトLv5
パラディン(ジーニアス)Lv5
ノーブルファイターLv4
イビルスレイヤーLv3
バーサーカーLv3
アデプト・オブ・ペニーLv2
種族Lv0、
【ステータス】
HP37
MP8
物理攻撃35
物理防御27
素早さ25
魔法攻撃7
魔法防御10
総合耐性50
特殊10
◇◆
「ふむふむ、なるほどなるほ……ど?」
ステータスチェックを使用してレメディオスのステータスと
「アデプト・オブ・ペニー?」
なんぞそれ?
俺の持っているユグドラシルの知識をいくら探っても出てこない。
そもそも俺のプレイヤーネームが入っている時点でユグドラシルには存在しない
いや、真面目に考えてみたけどほんと何? 何をどうしたら俺の名前が
おしーえてーおじいーちゃんー。
「アデプト・オブ・ペニー……面白い
「ケラルト、知ってるの?」
「はい。私は《
聞いた事のない魔法だったので詳しく聞いてみると、《
「そんな魔法があるんだ」
「ユグドラシルには無かった魔法ですね。アデプト・オブ・ペニーは信仰心の強い前衛職の人が稀に就くことがある職業で、タイプはバリバリの前衛アタッカーですね」
「その信仰心の向かう先って剣神ペニーだよね?」
「当然です」
即答だった。
まぁ剣神ペニーの名前が入っているのだから当然なのだが、思うところがありすぎる。
しかし……ケラルトが創ったオリジナルの神様が
他にも俺の知らない
「ちなみに
「何それ俺も欲しい」
「反対に敵が弱くて少なければ弱体化します」
「やっぱりいらないです」
敵の強弱って多分レベルのことだと思うし、この世界にレベル100を超える存在って居なさそうだからデメリットしかないじゃんね。
「でもまぁ……うん。面白いね」
とりあえずまずは他の
例のやつ、高評価貰えれば続きを書くかもと書きましたがよくよく考えたらアレに高評価するのってとてもハードルが高い事に気が付いた愛飢夫です。
代わりにこちらに高評価してくれてもいいですよ。