オーバーロード〜約束の指輪〜   作:愛飢夫

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組み換えチート

 ンフィーレアを我が家で保護することが決まった日の深夜、俺は真っ暗な中一人起きて【ステータス】を開いていた。

 

「まずは魔法特化ビルドに組み替えて……」

 

 最初に行うは索敵。街道のどの辺りで襲われたのかまでは聞いていないのでなるべく広範囲に渡り索敵、監視系の魔法を使用してモンスターの群れを探していく。

 

「……居た。これはゴブリンか? オーガも居るみたいだな」

 

 見える範囲に存在するモンスターを数えていくと、総数100匹程の群れであることがわかった。

 数が少々多いとはいえ所詮はゴブリン、これくらいならなんの問題も無いな。

 

 再びビルドを組み換え、隠密系の職業(クラス)を取得して特殊技術(スキル)を使って立てないように家から出る。

 そして外に出ると同時に【飛行(フライ)】の魔法を使って先程発見したモンスターの群れへと向かって飛翔した。

 

「みーつけた」

 

 家を出て数十分、モンスターの群れの上空へと辿り着いた。

 

「さて……どうやって倒そうか」

 

 かつてユグドラシルでの俺はバリバリの前衛職。この程度の群れ単騎で突撃して殲滅することは朝飯前だった。

 今でも当時とほぼ同じビルドを組むことは可能なのだが、それにはひとつ問題があった。

 

「戦士職って装備が揃ってナンボだからなぁ……」

 

 その辺に落ちてる木の棒を拾って《次元断切(ワールドブレイク)!》とかやっても虚しいだけだしね。

 そもそも木の棒じゃ武器の耐久値が足りなくて技自体が発動しないような気もするし。

 

「そういえば試してなかったな……」

 

 最近ふと思ったのだが、ステータスが見れるのであればアイテムボックスも開けるのでは無いだろうか?

 

「確かユグドラシルの時はこんな感じで……」

 

 空間に穴を開け、その中に手を突っ込むようなイメージを浮かべながら右手を動かすと、目の前に真っ黒な穴が出現した。

 

「なんとまぁ都合のいい……」

 

 予想通りアイテムボックスを開く事に成功したので早速その中に手を入れてみる。

 

「中身は……おお、不思議と何処に何があるのか分かるんだな」

 

 アイテムボックスに手を入れると同時、俺の頭の中にアイテムボックスに収納されているアイテムが浮かんでくる。

 

「それなら……」

 

 俺が取り出すは『ユグドラシル』時代の主装備である刀。コンニャク含め全てを断ち切る至高の刃。

 

 七色鉱やヒヒイロカネを潤沢に使った紛うことなき神器級(ゴッズ)武器である。

 

「またつまらぬものを斬ってしまうのか……」

 

 銘は『神裂(かんざき)

 スーちゃんの苗字を捩った名前の神刀だ。

 

「これが使えるなら戦士系ビルドで戦って見ようかな? 《次元断切(ワールドブレイク)》使ってみたいし……」

 

 でも《次元断切(ワールドブレイク)》を使うには相手が弱すぎるんだよなぁ。

 どうせ使うなら使うに足りる状況で使いたい。

 

「そもそもこの体には長すぎて振り抜くのが大変そうだし……やっぱり魔法で薙ぎ払うか」

 

 数秒程神裂の刃をうっとりと眺めた後、アイテムボックスに放り込んでどの魔法を使うか検討する。

 

「薙ぎ払うなら《攘夷(ナパーム)》とか派手でいいんだけど、そこまでやっちゃうとバレアレさんたちの死体まで燃え尽きるよな」

 

 そもそも魔力系の高位階魔法の時点でダメな気がする。

 それなら死霊系?

 

「お、いい魔法発見」

 

 死霊系にちょうどいい魔法を発見したので、急ぎ死霊系に特化したビルドへと組み替える。

 

「よっし!」

 

 上空をモンスターの群れの真ん中まで移動して一気に降下。群れの真ん中に着地すると同時に魔法名を唱えて発動させる。

 

「《嘆きの妖精の絶叫(クライ・オブ・ザ・バンシー)》」

 

 俺が魔法を行使した瞬間、甲高い絶叫が聞こえてきて俺の周辺の命という命を全て刈り取った。

 

「全滅確認っと……ゴブリンやオーガ程度に抵抗(レジスト)するのは無理だよな」

 

 《嘆きの妖精の絶叫(クライ・オブ・ザ・バンシー)》は高位階の即死魔法ではあるのだが、広範囲型の魔法であるため即死成功率はあまり高くない。

 しかしゴブリンやオーガ程度の低レベルモンスターが相手ならばほぼ確実に成功する。

 

「あとは……」

 

 モンスターの死骸を蹴散らしながらバレアレさんたちの死体を捜索する。

 

「見つけた……」

 

 死体はすぐに見つけることが出来たが、かなり無惨な状態であった。

 

 所々食いちぎられ、腕や足がもがれていたりと見るに堪えない。

 

「蘇生させるにしてもここじゃダメだよな……街道付近まで運ぼうか」

 

 運ぶと言っても俺のこの小さな体では一度に一人運ぶのが精々だろう。

 死体ならアイテムボックスに入れられるかもしれないが、さすがに遠慮したい。

 

「《下位アンデッド創造》」

 

 この特殊技術(スキル)はアンデッド系の異形種のみが使える職業的特殊技術(クラス・スキル)なのだが、本来人間種では絶対に就けない『エクリプス』の職業(クラス)に就いている俺からすれば造作もない。

 5体のアンデッドを召喚してそれぞれにバレアレ夫妻と護衛の冒険者の死体を背負わせた。

 

 全員の死体を回収出来たので、《上位転移(グレーターテレポーテーション)》を使ってカルネ村にほど近い街道まで転移で移動した。

 

「持っててよかったアイテムボックス」

 

 これが無ければ敵討ちは出来ても蘇生は諦めるしかなかった。

 蘇生魔法に使う金貨なんてカルネ村にあるわけがないのだ。

 

「えっと……」

 

 アイテムボックスを開いて中から金貨を流し出す。

 それを召喚したアンデッドが五等分して死体の周りに積み上げた。

 

「よし」

 

 ところで《真なる蘇生(トゥルー・リザレクション)》って《集団標的(マス・ターゲティング)》できるのかな?

 

 もしも失敗したら大変なのでこの場では試さないが、いつか試してみようと心のメモ帳に書き込んでおく。

 

 それから全員に《真なる蘇生(トゥルー・リザレクション)》をかけて復活させ、意識が戻るまでに野盗やモンスターに襲われないよう念入りに防御魔法を施し、家族にバレないよう隠密系ビルドに組み替えてからベッドへと戻った。

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