次の話を書き上げてから投稿するので投稿期間はとてもとても長いです。
《残らずの契約》の効果修整。
後書きにフレーバーテキスト追加
――
あり得ない角度に曲がったままの腕でカードを握る。
折れた足で、左右のバランスが狂った姿勢で立つ。
血涙が流れるだけの、虚ろな穴となった目で手札を見る。
気が狂うほどの苦痛に歪み、それでも嫌らしい笑顔を浮かべたままで
『ロぉスト♡』
「――――ッ!!」
夢……。ただの夢だ……。
激しく脈打つ胸に手を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。
少しずつ、少しずつ、呼吸を整えていく。
嫌悪感と恐怖が次第に薄まっていき、汗で肌に貼り付くパジャマの不快感だけが残った。
シャワー浴びよ。
カードショップ″MeeKing″
ボクの職場であり、城であり、
カフェの居抜き物件だったから、窓が大きくて、灯りがなくてもそれなりに明るい。エコってやつだね。
遅めの昼食としてキュウリのサンドイッチをちまちまと齧っている時に、今日最初のお客が入ってきた。
確か――近所の
「
男子生徒君はボクの挨拶に頭を軽く下げて返すと、ケースの中のカードたちを見定めていく。
多くのお客さんは入り口から踏み入れることなく帰っていくけれど、たまのお客さんは品揃えを見ていってくれる。
(何か探してるカードがあるのかな?)
特にする事もないので、お客さんをぼうっと眺めていく。
特に印象に残る髪型や顔つきじゃないけれど、姿勢がいいせいか身長が高く見える。それに、カードを見る目がとても真剣で、見ていると少しドキドキしてしまう。
(あんなふうに、
「あのぅ……」
「ひゃいッ!」
びっ……くりしたぁ。
気がつけば学生君がカウンターまで来ていた。
「あそこの《残らずの契約》なんですけど、今お金が足りなくって、でもバイトして用意するので取り置きしてもらえませんか!?」
DO☆GE☆ZA!
わぁー、ジャンプしてからの土下座なんて初めて見たよ。そも普通の土下座も、生で見たことはなかったけれど……。
あー……。墓地肥やしとサーチを同時にできるカードだっけ。いや、除外だから墓地肥やしにはならないか。
使い道が難しいから需要がないんだけど、それでもレアカードだから学生には高価だよねー。
「うーん。人気の無いカードだから、そんなに必要ならあげてもいいよ?」
「いえ。自分で買わないと遠慮して使い潰せないんで」
そうなんだぁ。……そうかな?
あまりの剣幕に流されそうになったけど、ここは年長者としてのゆとりを見せて……あれ、もしかしてこの子……。
「あのね」
「はい! 取り置きしてくれるんですね!」
「ああいや、うん、それはいいんだけど、そうじゃなくて……」
コホン、とまた流されそうになるのをなんとか押し留める。
どうにも押しの強い子だなぁ。
「あのね。このカードは少し使いにくいカードでね」
「知ってますが何か?」
「知ってるんだ……。じゃなくて! コレはキミには使いこなせないカードだよ」
近くで見たらたぶんわかった気がする。この子、驚くほどに才能が無い。
ファイターの強さを示す共鳴率。感じ方は人それぞれだけど、ボクは夜空の星のように見える。
大きさも数も瞬きも、人によって違うけれど、彼には何もない。
星も見えない夜ではなく、すべてを飲み込んでしまうようで――
「は?」
「
余計なお世話かもだけど別のカードをお勧めするよ」
この時は何でこんなに必死だったのかわからなかったけど、後になってわかったんだ。
彼がショーケースを覗いてた熱い視線。それが失望に変わるのが嫌だったんだ。
「いやいや。ちゃんと使うためのデッキがありますから」
「……じゃあ、今、試してみるかい?
安めとはいえ、レアカードだ。後悔するには痛い買い物だよ」
ショーケースから出したカードを渡すと、少し躊躇ったようだが、デッキの調整を始めた。
その間にボクは全然使っていない店のバトルフィールドの点検と設定を行った。電源を入れるのも久々だけれども、無事に動いてくれるようだ。
スピリットを使い、カードを具現化するボードファイトは、テーブルファイトよりも共鳴率が左右する。
カードの使いづらさを
「デッキ調整終わりました。《残らずの契約》のスリーブはこっちの物に交換しましたけど」
「うん。構わないよ。バトルボードは貸し出せるけどどうする?」
「自前のがあるので大丈夫です」
彼は左腕にボードを展開してデッキのシャッフルをしていた。
分厚い手袋で行なっているのにその動きは綺麗で、少し見惚れてしまう。
ボクもデッキをボードにはめ込み、オートシャッフルを起動。
冷たく感じるデッキからは
「それでは――」
「いざ――」
「「ファイトだ!!」」
「うわー、ダメだー!」
あなたが好き。あなたが欲しい。
あなたのすべてを知りたい。
だから――朝まで付き合って?
――解剖研究所
当初のキャラ設定
風呂キャン型ダウナークールビューティ肉食系ちょっとえっちなおねえさん
完成したもの
ぽ ん こ つ