こんなの、ちょっと考えたら誰でも話を作る事ができるんですよ!簡単、簡単!
大樹に関する生徒会の方針は、全会一致で決定した。
すなわち――『我関せず』
あれはアビドスの大自然が気まぐれに起こした超常現象であり、我々生徒会も今朝起きてびっくりした被害者の一人である。誰に何を尋ねられても「神秘が溢れたみたいですねぇ」と首を傾げてお茶を濁す。これ以上ないほど強固な完全犯罪の隠蔽マニュアルが今ここに完成したのだ。
「……よし、方針が決まったところで、約束の品だ」
俺は生徒会室の隅に置いてあった雑嚢を引っ張り出し、中身をガラガラと会議用テーブルの上へぶちまけた。
昨日、ヘイロー製ダウジングロッドで引っ張り上げてきた、得体の知れない出土品の数々。
模様入りの青い石、銀色のオカリナ、紫色の『M』字ボール、峰と刃が逆になった日本刀、俺が握るとGのマークが出る石、赤と黄色のガラケー、そして発光し続ける四角い立方体――。
「ほう……!これはまた、実に不可解で魅力的な観測対象ばかり……!」
狂喜の哄笑をようやく収めた黒服が、子どものように目を輝かせてテーブルへ身を乗り出した。
頭部を傾け、手袋の指先で一つひとつのオーパーツを値踏みするように撫で回していく。
「キヴォトスの既存のテクノロジーのどれとも一致しない遺物の山。どれもが強烈な独自の概念を帯びていますね。……だが、その中でも特に――」
黒服の指先が、テーブルの中央に転がっていた一つの物体の上でピタリと止まった。
青と金の美しく装飾された、剣の鞘。中身の刀身は見当たらず空洞のままだが、一切の錆や劣化を寄せ付けず、神聖な静寂を放ち続けている代物だ。
「……これです。この概念結晶は、極めて特異ですね」
黒服の声が、いつになく熱っぽく低く濁った。
「武器を収める『器』でありながら、本質は不可侵の結界そのもの。物理的破壊はおろか、概念的な干渉すら隔絶するほどの【絶対の守り】が内包されている。……いったい何処の神話の、どのような英雄がこれを残したというのか……」
「ただの頑丈な鞘だと思ってたけど、そんなにすごいのか?」
「ええ、計り知れませんよ。ショウさん、許されるなら今すぐ私の研究施設へ持ち帰り、非破壊スペクトル解析から概念層の――」
黒服が早口でまくし立て、他のガラクタにも手を伸ばそうとした、その時だった。黒服のスーツの内ポケットから、甲高い電子アラームが鳴り響いた。
「チッ……」
珍しく黒服が露骨に舌打ちを漏らした。端末を取り出し、画面に走るテキストを一瞥した瞬間、その纏う空気がビジネスマンの冷淡なそれへと一瞬で切り替わる。
「……申し訳ありません、ショウさん。どうやら私の方で少々野暮用が入りましてね。至急、戻らねばならなくなりました。……ああ、無念だ。この未知の結晶群を前にして、退席せねばならぬとは……!」
本気で悔しそうに肩を落とし、名残惜しそうにテーブルの上の品々を見つめる黒服。どうやら本当に時間がないらしく、今にも駆け出しそうな気配すら漂わせている。
俺は横に立つユメ先輩へと視線を向け、耳元で小声で相談した。
「ユメ先輩。どうせ俺たちじゃ使い道も分からないし、あの青と金の鞘、あいつに貸し出してやるのはどうですか? 今後また今回みたいに、何かワケの分からない事態が起きた時に、余り良くないけど頼ることもあるでしょうし。先行投資ってことで」
「えっ? うーん……そうだねぇ。ショウくんがそう言うなら、わたしは構わないよ〜。大事に扱って、ちゃんと後で返してくれるなら貸してあげようか!」
ユメ先輩のあっさりとした快諾を得て、俺はテーブルから青と金の鞘を手に取り、出口へ向かいかけていた黒服へと差し出した。
「おい、黒服」
「……はい?」
「全部は無理だが、その一番気にしてた鞘なら、しばらく貸し出してやってもいいぞ。ただし研究が終わったらちゃんと無傷で返せよ。あと、今後アビドスで何か困ったことがあったら、また知恵を貸してもらう」
差し出された鞘を見つめ、黒服は完全に絶句した。ひび割れた黒球の頭部がカタカタと震え、両の手袋を胸元で彷徨わせている。
「……ほ、本当によろしいのですか? これほどの至宝を、私に無担保で預けるなど……」
「お前、本質はろくでなしだけど、金払いの約束だけはキッチリ守るからな、そこだけは信用してる。ほら、持ってけ」
俺が無造作に押し付けると、黒服は壊れ物を扱うかのように、両手で恭しく鞘を受け取った。
その顔の表情など読み取れるはずもないが、漏れ出る声は、明らかに分かりやすく半音ほど上ずっていた。
「……感謝しますよ、アビドス生徒会の皆さん。ええ、必ずや傷一つ付けずに返却すると誓いましょう。この貸しは、今後の情報提供および資金援助において必ずや上乗せしてお返ししますとも……!それでは、失礼!」
黒服はまるで宝物を抱きしめる少年のようにスキップしそうな足早で生徒会室を飛び出し、車で砂煙の向こうへと去っていった。現金な奴である。嵐のようなスポンサーが去り、室内に再び静けさが戻ってきた。
「……ふぅ。怪しい奴でしたけど、まあ、役に立つなら利用してやればいいですよね」
ホシノがパイプ椅子から立ち上がり、背伸びをしながらショットガンを背中に背負い直した。
「さてと。言い分も決まって、不審者も帰りましたし……ショウ、ユメ先輩。そろそろ『いつもの仕事』に行きますよ」
「そうだね! 今日も頑張ってお仕事しなきゃ!」
ユメ先輩も手帳を開き、気合いを入れ直すように拳を握りしめた。そう、世界樹がどうだの古代の奇跡がどうだの周りが騒いだところで、アビドスが直面している現実が消えてなくなったわけではないのだ。
天文学的な負債はまだ残っている。そして何より――カイザーコーポレーションに不当な高金利で巻き上げられ、買い叩かれて奪われたアビドスの広大な土地を、一坪でも多く俺たちの手に買い戻さなければならない。
失われた砂まつりを三人で取り戻すその日まで、立ち止まっている暇はなかった。
「よし、稼ぎに行くか」
「うん。いってらっしゃい」
「行ってきます。ユメ先輩」
俺は制服の袖を捲り上げ、いつものように二人の前を歩き出した。砂漠の照りつける太陽の下、オアシスの奇跡を背に受けながら、俺たちアビドス生徒会の泥臭くも騒がしい日常が再び動き始めた。
が、そんな甘い考えは、これから来る忙しさによって綺麗さっぱりなくなってしまった。
「我関せずを決め込んで、適当に知らぬ存ぜぬを貫いておけば嵐は過ぎ去るだろう」――そう高を括っていた俺たちの見通しは、あまりにも、本当におめでたいほどに甘かったのだ。
事の発端は、どこかの野良ヘルメット団かチンピラが撮ってネットの掲示板に放流した、一枚の画像だった。
砂漠の真ん中に、天を衝くようにそびえ立つ標高一キロの超巨大樹と、その根元を満たす目も眩むようなサファイア色の湖。CGも合成も一切ないその衝撃的な光景は、モモトークのタイムラインやSNSを一瞬で焼き尽くし、瞬く間にキヴォトス全土のトレンド検索ワードを独占した。
『アビドス砂漠に神話の世界樹が出現!?』
『枯れたはずの大オアシスが完全復活!失われた古代文明の遺産か?』
ネットがお祭り騒ぎになれば、当然ながらキヴォトスの各学園や巨大企業が黙っているはずもない。
まず最初にアビドスの上空へ押し寄せてきたのは、蜂の巣をつついたような偵察ドローンの大群だった。
空を見上げれば、光学迷彩をチラつかせた最新鋭のミレニアムサイエンススクール製高高度ドローンが編隊を組んで飛び交い、その少し離れた場所をトリニティの仰々しい紋章をつけた大型観測機が風を切って旋回している。
ちなみに、三大校の一角であるゲヘナ学園からも何か来るかと思っていたのだが、そちらからはドローンの「ド」の字も飛んでこなかった。
不思議に思っていた矢先、俺の端末に風紀委員会のヒナからモモトークが入った。
【送信者:ヒナ】
『そっちの砂漠で何かとんでもないものが生えたらしいわね。本当なら今すぐにうちも調査部隊を派遣して現地を確認したいところなんだけど……ゲヘナは現在、それどころじゃないの。
ゲヘナでの独裁政治が苛烈を極めていて、各部活や反発勢力との内乱が泥沼化しているわ。私達風紀委員会も連日その鎮圧に追われていて、自治区の外に視線を向ける余裕すら一切ないの。
……あなたのくれたヘイローの安眠具?のおかげで、体力と睡眠だけは万全に保てているのが唯一の救いよ。落ち着いたら、また連絡するわ。こんな時に書くのは何だけど、また来てくれると嬉しいわ』
画面越しにヒナの胃の痛みがひしひしと伝わってくるような文面だった。あっちもあっちで世紀末のような大荒れっぷりらしい。ゲヘナが静かなのは助かったが、それはそれとしてヒナの胃壁に穴が空かないことを祈るばかりだ。
そして――上空をブンブンと飛び交う他校の無礼なハイテクゴミ箱たちに、アビドスの切れたナイフのホシノが堪忍袋の緒をぶち切った。
「不法侵入と領空侵犯で片っ端から撃ち落として損害賠償を毟り取ってやろうか!!」
と、鼻息を荒くしたホシノが、大義名分の為に生徒会室の奥の古びた金庫からホコリまみれの土地登記簿と境界線マップを引っ張り出してきたのだ。
結果から言えば、権利関係は拍子抜けするほどあっさりと判明した。嬉しい事に、あの大オアシスとそこに生え散らかした世界樹のエリア一帯は――正真正銘、百パーセント現在進行形でアビドスの領土のままだった。
というのも、長年の激しい砂漠化で完全に干上がり、草一本生えない死の盆地と化していた大オアシス跡地は、あの強欲なカイザーコーポレーションですら「買い叩いて手に入れる価値すら皆無のクズ土地」と見なして買収を完全に放棄していたからだ。
「……つまり、あそこは名実ともに私たちの庭ってことですね」
「うん! カイザーの息がかかってない、れっきとしたアビドスの土地だよ〜!」
ユメ先輩とホシノは胸を撫で下ろしたが、皮肉なことに、この「法的に完全なアビドスの私有地である」という事実こそが、俺たちを未曾有の地獄のワンオペ激務へと叩き落とす引き金になってしまったのである。
『ショウ! また遭難信号です! 自治区第7ブロックの旧繁華街エリア、通信の発信源は他校の生徒らしいですが……完全に砂嵐に巻かれて泣きついてきてます!』
別エリアにいるホシノの無線機から、切羽詰まった声がガガッと響いた。
「了解、すぐ行く。……ったく、アビドスとはいえ、街の中で遭難するってどういう了見だよ」
「仕方ないよぅ、あの一帯はビルも民家も半分以上砂に埋もれてて、目印になる看板も全部吹き飛んじゃってるから……!気をつけてねショウくん!」
ユメ先輩の心配そうな声を背中に受けながら、俺は生徒会室の窓を蹴破る勢いで飛び出し、砂嵐の吹き荒れる廃墟群へと時速数百キロでかっ飛ばした。
砂漠化が進んだアビドス自治区。一部はもはや「街」と呼べるような代物じゃない。
かつて道路だった場所は砂の海に沈み、ビルの隙間を容赦ない熱波と砂塵が吹き抜ける天然の巨大迷路だ。そんな過酷な死地に、噂を聞きつけたキヴォトスの一般人や他校生が無謀にもノリと勢いだけで雪崩れ込んできたのだから、結果は火を見るより明らかだった。
案の定、崩れかけた歩道橋の陰に、砂まみれになって膝を抱えている影を見つけた。
「おい、生きてるか!?」
「ひっ……!? た、助けてくれぇぇぇ!水……水を一杯だけでいいから恵んでくれぇぇぇっ!!」
干からびかけたコーギー犬の獣人の兄ちゃんが、泡を吹いて俺の足元に縋り付いてきた。
「なんだあんた、こんなとこで何やってんだ?」
「いや……あの世界樹の写真を撮ってネットの掲示板にアップしたら、最近発売されてた、アビドス名物の『サボテン羊羹』の移動販売で一攫千金できるんじゃないかと思って……!でも駅から三十分歩いただけで道が全部砂で消えて、気づいたら三時間同じビルの周りをぐるぐる回ってて……死ぬかと…!」
「アホ!水筒も持たずに砂漠の廃墟に突っ込んでくる商人があるか!ほら、これ飲んでろ!」
俺はヘイローの破片でキンキンに冷やしたスポーツドリンクを一本突っ込んでやり、おっさんの襟首をガシッと掴んだ。
「うおおっ、冷たい! 美味い!生き返るぅぅ……って、えっ、持ち上げるの!? ちょっ、高っ!?」
「暴れるな、舌噛むぞ!臨時救護所作ってあるからそこまで運ぶ!」
おっさんを小脇に抱えた瞬間、俺のスマホがけたたましく鳴った。
『ショウ! 次は元集落の外れ、砂丘の頂上です!なんか派手な格好をした生徒が二名、熱中症で動けなくなってると緊急通報が入りました!』
「すぐ向かう! ホシノ、連絡してオアシスに搬送した連中用の麦茶をドラム缶ごと運ばせてくれ!」
『もう手配済みです!パンクして発狂しかけてますけどね!』
俺はおっさんを抱えたまま砂を蹴立て、音速に近いスピードで砂丘へと跳んだ。そこには――見るからに場違いなミニスカートと薄手の半袖を着た、他校の女子生徒二人が、真っ赤な顔をして砂の上にぐったりと倒れ伏していた。日傘は風で骨組みだけになり、横には高級そうなカメラと自撮り棒が転がっている。
「うぅ……暑い……もう無理、溶ける……」
「誰か……誰かぁ……『いいね』が欲しいだけだったのにぃ……」
「おい!しっかりしろ意識はあるか!?」
俺が駆け寄って声をかけると、二人は虚ろな目で俺を見上げ、信じられない台詞を口にした。
「あ……人……?ねえ、あなた……お願い、世界樹をバックに……わたしたちの自撮り……撮って……」
「はあぁぁぁ!?」
思わず素っ頓狂な声が出た。
「あのなぁっ!体温が40度超えかけてる時に何が自撮りだ!何が『いいね』だ!お前ら、自分が今どこにいるか分かってんのか!?熱射の砂漠ど真ん中だぞ!?」
「だってぇ……! 今アビドスの世界樹のツーショット載せたら、絶対バズるってタイムラインでみんな言ってたからぁ……!」
「インプレゾンビ共が群がる前に、自分の命の残量を心配しろバカ野郎ッ!!」
俺は怒鳴りつけながら、二人の首元にネックリング型ヘイロー保冷剤を押し当てて一気に熱を奪った。
「ひゃんっ!?つ、冷たっ!?」
「いいから黙って俺の背中に掴まれ!カメラは首から提げとけ!」
「えっ、でも、あなた……って、きゃああああああっ!?」
右脇にサボテン羊羹のおっさんを抱え、左腕で一人、背中に一人を背負い込んだ俺は、そのまま垂直に大空へと跳び上がった。
「ひ、人が飛んでるぅぅぅぅぅ!?」
「嘘でしょぉぉぉ!? アビドスってこんなのがいるのぉぉぉ!?」
「ああもう、うるせえ!舌噛むから口閉じてろ!」
眼下に広がる廃墟と、地平線にそびえる一キロの世界樹。風を切り裂きながらオアシスへ向けて急降下する最中、俺の端末は休む間もなく次の遭難者発見をけたたましく鳴らし続けていた。
「……俺はいつから砂漠のレスキューヘリになったんだよ!!」
怒声混じりの俺の叫びは、吹き荒れる砂嵐の音の中へと虚しくかき消されていった。
遭難者をオアシスの救護所へ放り込み、一息つく間もなく次なる頭痛の種が舞い込んできた。人が集まれば、当然ながらそれを食い物にするゴミ虫どもも湧いてくる。
「アビドスに宝の樹が生えた」「オアシスの底には古代の金銀財宝が眠っている」だのといった歪曲に歪曲を重ねたアホなデマに釣られたヘルメット団やスケバン共が、観光客の財布を狙ったり、あちこちの廃墟で略奪を働いたりとやりたい放題に暴れ始めたのだ。
「ショウ!観光客がカツアゲされてます! 行きますよ!!」
「おう!あいつら……ただでさえ忙殺されてんのに、余計な仕事を増やしやがって……!」
連日の激務、睡眠不足、慣れない対応、何故か砂嵐は最近減ったが、そのかわりに人の嵐。
完全にストレスが沸点を突破していた俺とホシノの脳内からは、「手加減」という三文字が綺麗さっぱり消滅していた。ブレーキの壊れたダンプカー二台が、砂煙を上げて現場へと突撃する。
「ヒャッハー! おいおい、身ぐるみ全部置いていきな! アビドスのお宝はオレたち『サビサビヘルメット団』の――」
「おい」
「……あ?」
薄暗い路地裏で観光客を囲んでいた鉄錆ペイントのヘルメット団が、背後を振り返る。そこに立っていたのは、眉間にシワを刻んで鬼のような形相をした俺と、オッドアイをギラリと光らせてショットガンを担いだホシノだった。
「ひいっ、な、何だテメエらは……!? オレたちサビサビヘルメット団を舐めるな――」
「サビだあ?」
俺はヘイローの破片を指先でパキッと折り、それを掌の中で一瞬にして別の概念へと再構築した。
現れたのは、純度100%の練り生ワサビでギッシリと埋め尽くされた、地獄の緑色をした極厚ホールパイ。
「サビの代わりにワサビでも食ってろっ!!」
「はあぁぁぁ!?」
俺は助走をつけて飛び上がり、リーダーの顔面に向けて、そのワサビパイをヘルメットの隙間から直接ぶちかました。
「ぎゃああああああああっっ!?目がああああ! 鼻がァァァ!」
「鼻に直撃してぇぇ!?呼吸するだけで粘膜が焼けるぅぅっ!?」
「アネキの顔面が緑色の地獄絵図に!だ、誰か水!いや水じゃ逆効果だ、牛乳持ってこい牛乳ぅぅぅっ!!」
顔面を致死量のワサビでコーティングされたリーダーが砂の上をのたうち回り、取り巻きたちがパニックになって絶叫する。そこへ、もう一団。銃とスタンロッドを構えた連中が路地の角から雪崩れ込んできた。
「おい、サビサビの連中がやられてんぞ!アタシたち『バチバチヘルメット団』の電撃を喰らえ――」
「ふふふ……バチバチぃ?」
ホシノが愛銃のショットガンをカシャンと背中に回し、両手の指の関節をポキポキと鳴らしながら前へ出た。その顔には、普段の様子など微塵もない。見る者が本能で逃げ出したくなるような、邪悪極まりない笑みが浮かんでいた。
「電撃程度のバチバチじゃあ、生ぬるいですよ……ッ!バチバチってのは……こうやるんですッ!!」
「え? ぶへっ!?」
ホシノが踏み込んだ瞬間、空気が爆発した。胸ぐらをつかみ持ち上げると、その顔面目掛けてホシノが腕を振りかぶった。
「あばばばばばばばばばばばっ!?」
「顔面オーケストラ開幕ですね!ほらバチバチ!もっとバチバチ鳴らしてくださいよ!!」
目にも留まらぬ超高速の往復ビンタ。残像すら見える連打がヘルメット団のヘルメットを砕き、頬骨を正確に捉え、火花が散るような勢いでビンタの嵐が炸裂する。十数発叩き込まれたところで、相手の白目が剥かれ、コマのように回転しながら砂の上にド派手に崩れ落ちた。
「ふぅ……。ちょっとすっきりしました」
「お、おう……お前、キレると本当に容赦ねえな……」
「ショウに言われたくないですね!ワサビパイを顔面に擦りつける方がよっぽどエグいですよ!」
数十分後。自治区の境界線に、ヴァルキューレ警察学校のパトカーがサイレンを鳴らして滑り込んできた。運転席から降りてきたのは、公安局員の尾刃カンナ。
現場に転がる、ワサビまみれで気絶している集団と、両頬がアンパンのように真っ赤に腫れ上がって失神している集団を一瞥した瞬間、カンナの鋭い眉間がこれ以上ないほど深く引き絞られた。
「……おい」
「カンナ、悪いな、いつもの身柄引き渡しだ」
俺が疲れた顔で手を挙げると、カンナは深々とため息をついた。
「……お前たちな。犯罪者を捕まえてくれるのは公安としても助かるが……流石にやりすぎだ。何だこのワサビの異臭。それにこのビンタで脳震盪を起こしている連中は一体どういう拷問を受けたらこうなる?」
「正当防衛だろ、正当防衛」
「どこがだ!完全に私怨でボコボコにした痕跡だろうが!」
カンナは怒鳴りつけたが、その直後、俺たちの顔をまじまじと見つめて言葉を詰まらせた。目の下に濃いクマを作り、制服のあちこちを砂で汚した俺。肩で息をして、ショットガンを杖代わりにしてぐったりと体重を預けているホシノ。
「……」
カンナはスッと険しい目つきを緩めると、ポリポリとこめかみを掻きながら、小さく息を吐き出した。
「……まあ、アビドスの現状はニュースでも見ている。たった三人で、あの異常な数の観光客の対応から遭難者の救助、暴徒の鎮圧まで回しているんだろう?ヴァルキューレの署内でも『アビドス自治区がパンクしている』と問題になっていたところだ」
「わかってくれるか、カンナ……」
「ああ。……同情はする。だがな、お前たち」
カンナは俺とホシノの肩にポンと大きな手を置いた。強面同士、どこか不器用な優しさを滲ませた視線が、真っ直ぐに俺たちを捉える。
「無理をしすぎるな。お前たちのアビドスを想う気持ちは立派だが……過労で倒れてしまっては元も子もないだろう。少しは休め」
「……へへ、ありがとな。でも、休む暇があったら今すぐベッドにダイブしたい気分だよ」
「ふは〜……私、もう身体の節々がバキバキですよ……」
パトカーのトランクに不良どもを放り込み、走り去るカンナの背中を見送りながら、俺たちは重い足取りで再びアビドス高校へと引き返すのだった。
そして、過疎と衰退の極みにあったアビドスに突如として万単位の人間が雪崩れ込んできたらどうなるか。
当然、飯を食う場所も、泊まる宿も、喉を潤す売店も必要になる。だがそれは――あくまで『都市としての受け入れ態勢が整っている場所』での話だ。
コンビニもホテルも大半が砂に埋もれ、数えるほどしか店が残っていない限界自治区でそんな需要の津波を受け止められるはずもなく、街のインフラは初日から盛大に破綻した。
『もしもし、ショウか!?すまねえ、情けない話なんだが……手を貸してくれねえか!』
端末から飛び込んできたのは、あの柴大将の悲痛な叫びだった。
『大樹とオアシスを見に来た連中が店に押し寄せてきてな!こんな大勢客が来るのは何年ぶりだってくらい嬉しい悲鳴なんだが、正直、俺一人の手じゃ完全に追いつかねえ!麺もスープも底をつきそうだ!』
柴関ラーメンは、俺とホシノの入学祝いに特製ラーメンを奢ってくれた、数少ない尊敬すべき大人の店だ。見捨てる選択肢などあるはずもなく、俺は砂煙を上げて厨房へ直行した。
「大将、手伝いに来たぞ!何をやればいい!?」
「おお、ショウ!すまねえ!寸胴の火の番と、麺上げと、トッピングと、あと表の行列の整理を頼む!」
「ほぼ全部じゃねえか!」
ツッコミを入れつつも、孤児院育ちで家事全般を極めた腕前がここで無駄に火を噴いた。右手に平ザル、左手に中華鍋。四つの寸胴の灰汁を音速で引き抜きつつ、一度に十人前の麺を宙に舞わせて完璧な湯切りを決め、チャーシューをミリ単位でスライスして丼へ滑り込ませる。
「はいお待ち、特製醤油ラーメン十丁! そっちの席は替え玉二つな! 水のおかわりはセルフで頼む!」
「す、すげえな……!ショウ。お前さん、昔はプロの料理人か何かなのか!?」
「昔取った杵柄ですよ!大将、ネギ切れたから裏から取ってきます!」
だが、悲鳴を上げているのは柴関ラーメンだけではなかった。交通機関から商店街の個人商店まで、何から何までが「アビドス生徒会」というたった三人の極小組織に救いを求めてきたのだ。何年間も停止していた自治区の歯車が、一瞬でレッドゾーンまでフルスロットルで回り始めたのである。
特に酷かったのが、キヴォトス全域の物流と旅客を担うハイランダー鉄道学園の運行トラブルだった。
「だ、ダメです先輩!アビドス南部の砂嵐で視界ゼロ、レールの上に吹き溜まった砂で先頭車両のスカートが削られて前進できません!これ以上の運行は危険です!」
「ううっ、このアビドスが観光客で満員なのに……僻地に飛ばされ、過疎ってきても何とか運行してきた私にスポットライトが当たったと思ったら……この仕打ち!こんなのってないよー!!臨時ボーナスがー!!」
「先輩!そんな事言ってる場合じゃないですよ!!」
線路上で悲鳴を上げていたハイランダーの運行乗務員たちの前に、俺は砂を蹴立てて現れた。
「おい、止まるな!ここで止まったら車内の客が熱中症で全滅するぞ!」
「ひっ、誰ぇ!?…って、噂のアビドスの生徒さん!?でも砂嵐が強すぎて進めないんです!」
「ちょっと待ってろ、今なんとかする」
外に出た俺は頭上のヘイローをパキッと毟り取ると、取り出した布ガムテープで、先頭車両のノーズ部分にペタッと雑に貼り付けた。
「えっ……ガムテープで何を貼ってるんですかぁ!?」
「ちょ、ちょっと、何をして!?」
ハイランダーの生徒たちが目を丸くした次の瞬間――貼り付けたヘイローの破片から、目に見えるほどの強烈な突風が噴き出した。
風は列車の前方を包み込むように巨大な半球状のドームを形成し、猛烈な砂嵐や吹き飛んでくる岩くれを、見えないエアカーテンのように外側へと豪快に弾き飛ばし始めた。
「よし、これで風のバリアができた。全速力で突っ込め!」
「な、何これぇぇぇぇぇぇぇっ!?ガムテープ貼っただけなのに風のバリアができたぁぁぁ!?」
「砂嵐が……砂嵐が綺麗に避けていくんですけどぉぉぉ!?物理法則どうなってんの!?これがアビドスの神秘!?」
「理屈は気にするな!そのまま駅までノンストップで行け!」
ハイランダーの生徒たちが車窓から泡を吹いてドン引きする中、俺はすぐさま商店街へと取って返した。
だが、戻ってきた商店街も地獄絵図だった。
人手が足りずにレジが長蛇の列になっている雑貨屋、冷房が壊れて客が倒れかけている青果店、両替機が詰まって暴動寸前の自動販売機コーナー――。
「ああもう! あっちもこっちも人手不足! 俺の身体が三つくらいあればいいのに!!」
あまりの忙しさに頭が沸騰し、半ばやけくそになった俺は、子どもの頃に漫画で読んだ忍者のポーズを真似て、胸の前で冗談半分に指を組んで手印を結んでみた。
「――分身の術!!」
目の前で発生した白い煙とともに、目の前に自分と寸分違わぬ姿をした男が、七色の光を微かに散らしながら綺麗に三人出現した。
「「「呼んだか、本体」」」
「え、マジでできたの……?」
まさか本当に成功するとは思わなかった。自分のデタラメさ加減に自分自身でドン引きしつつも、背に腹は代えられない。
「お前は青果店の冷房修理と品出し!お前は雑貨屋のレジ打ち!お前は自動販売機の両替と列整理!俺は柴関ラーメンに戻る!」
「「「了解!」」」
文字通りの『人海戦術(一人)』で、俺と分身たちは商店街の足りないポジションを片っ端から埋めて回った。
どれだけ走り回っても息一つ乱れず、炎天下で何時間ぶっ通しで働いても熱中症にすらならない頑丈すぎる身体。どんな無茶振りも「なんか知らんけどできた」で成立させてしまうデタラメな神秘。
……たくさん動けるのは、本当にありがたい。アビドスの人たちを助けられるのは嬉しいし、この身体じゃなかったら初日で過労死していただろう。
(ありがたい……ありがたいんだがよぉ……)
俺はラーメンの麺を湯切りしながら、ツツーッと目頭に熱いものが込み上げてくるのを感じていた。
(どれだけ働いても筋肉痛にすらならねえから、倒れて病院のベッドで合法的にサボることすらできねえ……。永遠に働けてしまうこの頑丈さ、流石に今はちょっと恨むぜ……)
頑丈すぎる社畜の悲哀を噛み締めながら、俺は涙目でチャーシューを刻み続けた。
そして――最悪なことに。
砂嵐を弾き飛ばし、分身して街のピンチを救いまくる「アビドスの超人男子生徒」の噂は、SNSのタイムラインをさらに熱狂の渦へと叩き落としてしまった。
『アビドスにいるあの生徒、分身して店番してたんだけど!?忍者!?』
『電車になんか貼って砂嵐消し去ったの見た!マジで何!?』
『会いに行ったら分身のほうから水もらった!アビドスすげえ!』
「……おい、嘘だろ」
夕暮れ時、スマホのトレンド欄に自分の目撃情報がずらりと並んでいるのを見た瞬間、俺の血の気はサーッと引いていった。
翌朝、アビドス自治区の境界線には、世界樹目当ての観光客に加え、「噂のびっくり人間」を一目見ようと押し寄せてきた野次馬たちの長蛇の列が、昨日までの倍以上の規模で形成されていた。己の善意とパワーが生み出した、完璧な自縄自縛。
俺は自らの手で、自分の首を限界まで締め上げていたのだった。
外回りから帰って生徒会室の扉を開けた瞬間、耳朶を殴りつけてきたのは、もはや事務所の環境音ではなく何かの工場のような狂騒だった。
部屋の隅に置かれた年代物のコピー機が、断末魔のようなモーター音を響かせながら止まることなく紙を吐き出し続けている。その正面、生徒会長のデスクには、天井に届かんばかりの高さまでそびえ立つ複数の書類のタワーが塔のように乱立していた。
「あ、はい……!アビドス生徒会です……!ええ、あの樹はですね、アビドスに眠っていた古い神秘がですね、なんかこう、ドバッと出ちゃいましてぇ……!はい、失礼しま――」
ユメ先輩が受話器を置いたコンマ数秒後、ベルが再びけたたましく悲鳴を上げる。先輩の瞳からは完全にハイライトが消え失せ、焦点の合わないぐるぐる目で受話器を引っこ抜いた。
「はい、アビドス生徒会です……えっ?リゾート会社の方……?『大オアシス周辺の独占開発権を一括買収したい』……!? だ、ダメです売れません!…はい、もしもし!…えっ、カイザーの子会社さん!?『樹木伐採と資材転売の優先契約書を送ったから今すぐ判子を押せ』!?だ、誰が押すもんですかぁ!…はい、こちら生徒会!……えっ、旅行代理店さん!?『ツアーバスを日帰りで50台ねじ込みたいから専用駐車場を用意できますか?』!?無理です、砂に埋もれちゃいます!ひ、引き受けても誘導する人がいません〜〜っ!!」
切った瞬間にまた別の回線が鳴り響く。
もはや抗議や取材だけでなく、金と利権の匂いを嗅ぎつけたハイエナ企業どもからの商談や買収アプローチまで怒涛の勢いで押し寄せていた。先輩は完全に壊れた留守番電話のように、涙目で受話器を耳に押し当て直した。
「あ、はい……神秘がドバッと出ちゃいまして……えっ、木材の先物取引……?ズバッとお断りしますぅ……」
そして、その隣。普段なら気だるげに欠伸でもしていそうな同級生の相棒は、もはや人間の形をした別の何かに変貌していた。
「……ウ……ア……ッ、ガ……ッ!」
言葉にならない獣のよう深いうめき声を喉の奥から絞り出しながら、ホシノは狂ったような速度で右手のペンを走らせていた。
自治区の通行許可証、物資の搬入申請書、被害届、カイザーからの抗議文書――紙が机に置かれた瞬間にサインが刻まれ、摩擦熱でペン先から煙が立ち昇りそうな勢いだ。目を血走らせ、髪を振り乱して書類の束を捌き続ける姿は、地獄の業火で永遠にペンを握らされる亡霊そのものだった。
だが――この生徒会室において、誰よりも悲惨で、誰よりも過酷な境遇に置かれていたのは、間違いなく俺。
「ショウくん!給水所のバルブが壊れたって!分身飛ばしてぇ!」
「ショウ!自治区西側の境界線でまた暴徒です!本体は行ってください!分身Aはこっちの書類の束に認印!分身Bは物資の輸送の応援をお願いします!!」
「「「任せろ!!」」」
俺の本体と分身たちが、阿吽の呼吸で生徒会室の内外を猛スピードで交差する。
そう――あの商店街でやけくそになって『分身の術』を披露してしまったのが、すべての運命の分かれ道だった。俺に「自己増殖が可能」だと知った瞬間、極限状態だった二人の遠慮のリミッターが完全に吹き飛んだのだ。
人道配慮も労働基準法も窓から放り投げられ、事務作業から過酷な現場のトラブルシューティングまで、ありとあらゆるタスクが容赦なく俺の頭上へと雨あられのように降り注ぐようになった。
しかも最悪なのは、俺の持ち前のスペックとデタラメな能力のせいで、どんな理不尽な無茶振りもすべて完璧に解決し、業務が問題なく回ってしまっていることだった。
普通なら組織がパンクして強制終了するところを、俺という規格外の肉体労働マシーンが力技で全部処理してしまうがゆえに、次から次へと新しい仕事が雪崩れ込んでくる。成功がさらなる地獄を呼ぶ、無限のデス★マーチ。
肉体は無傷だ。筋肉痛にもならないし、熱も出ない。
だが――精神の摩耗だけは、どうしようもなかった。
「……あ、れ……?空って、こんなに七色だったっけ……」
書類にハンコを連打していた分身の一人が、ふっと光の粒子となって消滅した。過労の供給過多で、脳の処理限界が近づいている証拠だ。視界が急速にセピア色に染まり、足元の床がふわふわと雲のように柔らかく感じられる。
(あ、これ……幽体離脱する時のやつだ……懐かしい…)
俺の意識が天へと昇りかけ、魂が口から半分飛び出しかけた、その時だった。
スッ……と、視界の隅に淡い桜色の光が揺らめいた。見上げれば、机の書類の山の隙間に、ちょこんと座り込んでいる小さな影があった。ふわふわと揺れる大きな狐の耳と、立派な尻尾。
以前、こっくりさんをやった時に呼び出してしまい、それ以来なぜか俺に毎日いなり寿司を要求・納品させられている、あの正体不明の狐耳少女だった。
彼女は、いつもなら余裕を持った優雅な姿でふんぞり返っているはずの眉をこれ以上ないほど情けなく下げ、まるで『今にも死にそうな哀れな野良犬』を見るような、底知れぬ同情と憐憫に満ちた目で俺を見つめていた。
「…………」
狐耳の少女は何も言わなかった。ただ、小さな両手で、俺が今朝納品したはずの甘辛いタレがじゅわっと染み込んだ、ツヤツヤのいなり寿司を一つ持ち上げると。
震える俺の口元へと、そっと、慈愛を込めて差し出してくれたのだ。
『……其方に何があったかは知らぬが、そのままでは死ぬぞ。収めた稲荷の余りじゃ。食せ』
言葉には出さずとも、その小さな瞳がそう雄弁に語っていた。
「……あ、りが……とう……」
差し出されたいなり寿司を口に含んだ瞬間、甘い油揚げの旨味と酢飯の風味が、乾ききった俺の精神の奥底へとじわじわと染み渡っていった。あまりの人の情けの温かさに、俺の目頭からツーッと一筋の熱い涙が零れ落ちた。
幽霊か神様か知らんが、今このアビドスで、俺の心を真の意味で救ってくれたのは……間違いなく、この自作のいなり寿司だった。
ちなみに黒服にアヴァロンを渡したのは、一番マシそうだったとかショウのヘイローが言っていたから。
飛行石:機能の一つとしてエネルギーの生成、機械に対しての情報伝達があるのでアウト
時のオカリナ:特定のメロディーが分かってしまえば、時空間が乱れてしまうのでアウト
マスターボール:生徒に効くか分からないが、ここでは怪異に効くので当然アウト
逆刃刀:不殺のテクストが付くが、反転すれば殺戮のテクストになる。安牌よりのアウト
Gストーン:ゲマトリアでは絶対使えないが、無限情報サーキットの時点でアウト
ファイズフォン:中のデータを見たら絶対ベアトリーチェが悪用するのでアウト
コズミックキューブ:存在がアウト
アヴァロン:繋がりがないと著しく効力が発揮しない、真名解放は名前が解っていない、魔力がない、そもそも防御宝具など。後黒服がウッキウキでこの神秘の塊を研究したいので、分かってくれるマエストロ位にしか明かさない。
ベアトリーチェ?論外