カラン…と、真鍮製のドアベルが静かで澄んだ音を響かせる。
俺が足を踏み入れたのは、ゲヘナ自治区の騒がしい大通りから何本も路地を入り組んだ先にある、古びたレンガ造りの小さな喫茶店だった。
いつもなら銃声や爆発音がBGM代わりに鳴り響いているゲヘナにあって、ここだけはまるで別世界のように穏やかな時間が流れている。
磨かれた木のカウンターの奥では、蝶ネクタイを締めたオートマタの店主が、無言のまま丁寧にお辞儀をして俺を出迎えてくれた。
店内に他の客の姿はなく、ただ一人――一番奥の窓際のテーブル席で、白いふわふわとした長い髪と漆黒の角を持つ小柄な少女が、静かにカップを傾けているだけだった。
「よう、待たせたな。ヒナ」
俺が片手を上げて歩み寄ると、空崎ヒナは長いまつ毛を揺らしてゆっくりと顔を上げた。
万魔殿の情報部に所属する1年生の彼女は、俺の顔を見るなり、普段の張り詰めたような険しさをふっと和らげ、紫色の瞳を小さく細めた。
「……早かったのね。本当に五分そこらで片付けてくるとは思わなかった」
「まあな。お土産が冷めないうちに届けたかったし。…すみません、紅茶を一つお願いします。それと持ち込みのお菓子を食べても?」
「かしこまりました。それと、うちでは持ち込みは許可しておりますので」
俺はヒナの向かいの席に腰を下ろすと、カウンターのロボット店主へ軽く手を上げて注文し、饅頭をここで食べていいかの許可を聞いた。快く許可をくれた店主が機械特有の静かな駆動音を立てて紅茶を淹れ始めるのを横目に、俺はテーブルの上へ『黒糖温泉まんじゅう』の箱を置き、パカッと蓋を開けた。
ふわりと立ち昇る、黒糖と蒸したての生地の甘い香り。ヒナは少しだけ目を丸くして箱の中を覗き込み、その小さな口元をほころばせた。
「……まだほんのり温かい。バスジャックに遭っていた人の手土産とは思えない」
「これでもアビドスじゃ毎日お菓子を作ってる身だからな。食べ物を粗末にするような戦い方はしないさ。ほら、一つ食ってみろよ」
俺が竹皮の包みを広げて勧めると、ヒナは「じゃあ、遠慮なくいただくね」と白い指先でまんじゅうを一つ摘み上げ、小さな口でぱくりと一口かじった。
もぐもぐ、と静かに咀嚼するヒナの頬が、みるみるうちにふわりと緩んでいく。
肩の力がすっと抜け、まるで日向ぼっこをする猫のように幸せそうに目を細めるその姿は、普段ゲヘナの混沌を相手に冷徹に立ち回っている情報部員ではなく、年相応の可愛らしい女の子そのものだった。
「……美味しい。黒糖の香りがすごく深くて、中のあんこも甘すぎない」
「だろ? ネットの口コミで絶賛されてたから気になってたんだ。わざわざ並んだ甲斐があったよ」
俺も運ばれてきたばかりの温かいダージリンティーを一口飲み、自分の分のまんじゅうを口に放り込んだ。上品な黒糖のコクと、渋みのキレがある紅茶の相性が抜群にいい。
まんじゅうを半分ほど食べて満足そうに息をつくヒナの顔を眺めながら、俺はふと気づいたことを口にした。
「ちょっと安心したよ。砂まつりの時も思ったけど、初めて会った頃みたいに目の下に酷いクマができてないみたいだな。ちゃんと寝られてるか?」
俺が尋ねると、ヒナはカップに伸ばしかけた手をピタリと止め、少しだけ照れくさそうに自分の頬へと指先を触れさせた。
「……ええ、おかげさまでね。あの時あなたにもらった『青いヘイローの欠片』、今でも大事に小瓶に入れて枕元に置いてあるから。あれがあると、どんなに頭が冴えていても嘘みたいにぐっすり眠れる」
「そいつは良かった。もし効果が薄れてきたらいつでも言えよ、新しいのを折ってやるからさ」
「ふふ、自分のヘイローをまるでお煎餅みたいに言わないでちょうだい」
くすりと小さく笑ったヒナは、残りのまんじゅうを綺麗に食べ終えると、ナプキンで指先を拭い、紅茶を一口飲んで静かにソーサーへとカップを戻した。
カチャリ、と陶器が触れ合う小さな音がした瞬間。それまで穏やかだったヒナの瞳に、鋭く真剣な光が宿った。
「――お礼と言ってはなんだけれど、さっきのバスジャックの件、回収に向かった風紀委員会の部隊からすでに初期報告が上がってきてたの」
ヒナは周囲に誰もいないことを確認するように一度だけ視線を巡らせると、テーブル越しに少しだけ身を乗り出し、声を潜めて切り出した。
「あなたの見立て通り、あのスケバンたちが乗っていた装甲車も重火器も、ただの街の不良が小遣いを出し合って買えるような代物じゃなかった。シリアルナンバーは削り取られていたけれど、あれは間違いなく、今の万魔殿が管理しているはずの軍用備蓄倉庫から横流しされたものよ」
「……万魔殿の備蓄倉庫?お前が所属してる生徒会の内部から武器が漏れてるってことか?」
俺が眉をひそめると、ヒナは苦々しげに小さく頷いた。
「漏れているんじなくって……今の万魔殿のトップ、『雷帝』の息がかかった連中が、意図的に街のならず者たちへ武器をばら撒いているの。ゲヘナ中に終わらない暴動と混乱の火種を撒き散らして、恐怖と圧倒的な武力による『鉄拳政治』を正当化し、反対派を炙り出して一網打尽にするためにね」
静かな喫茶店の中に、ヒナの低く凛とした声が落ちた。
かつてアロナやハスミたちの口からもちらりと出た、『雷帝』という不穏な二つ名。どうやら俺が思っていた以上に、今のゲヘナの中枢はきな臭い状況になっているらしい。
「……自分の学園の生徒会長が、わざわざ街に武器をばら撒いて暴動を自作自演してるってのか?ずいぶんとまあ、趣味の悪いトップだな」
俺が呆れ混じりに紅茶を一口飲むと、ヒナは白い前髪の下で静かに目を伏せた。
「ええ。自由と混沌を象徴するゲヘナの校風をはき違えて、ただ自分の支配欲と歪んだ秩序のために力を振りかざしているだけよ。少しでも異を唱える生徒がいれば、『反乱分子』のレッテルを貼りつけて徹底的にすり潰す……。今のゲヘナは、あの『雷帝』の息が詰まるような圧政の下にある」
ヒナはカップの縁を指先でなぞりながら、やがて決意を秘めた紫色の瞳を真っ直ぐに俺へと向けた。
「だから今、私たちはあの暴君を生徒会長の座から引きずり下ろすために、水面下で細々と反逆の活動を続けているの」
「反逆……って、クーデターみたいなもんか?」
「そう呼んでも差し支えない。そして、あちこちで無理な火種を撒き散らして雷帝側の戦力と注意が分散している『今』が、あの揺るぎない立場を根底から崩す最大の好機なの」
ヒナは声をさらに一段落とし、俺にも状況が呑み込めるよう、まずは自分たちの反逆計画に携わっている主要メンバーと、それぞれの役割について順番に説明し始めた。
「まず、私。見ての通り『情報部』に身を置いて、雷帝側の部隊配置や武器の横流しルートといった内部の機密情報を、反逆側の仲間たちへこっそり横流ししているの。情報部は万魔殿の中でも審査が厳しくて、誰でも入れるような部署じゃない。……まあ、私が普段から現場の鎮圧や雑務を精力的にこなしているおかげで、今のところ上からスパイだと疑われずに済んでいる」
なるほど、何度目の会った時、珍しくヒナが目の下に酷いクマを作っていたのは、生来の責任感で泊まりがけの激務をこなしただけじゃなく、万魔殿の中枢で疑われずに立ち回るためのカモフラージュという意味合いもあったのか。
「それと、同じ情報部には『京極サツキ』という生徒もいて、彼女も私と同じく裏で協力してくれているの。そして、万魔殿の本部――生徒会の内部では、『天羽アコ』と『鬼方カヨコ』という二人が、雷帝の目を盗んで秘密裏に工作活動や根回しを進めてくれている」
「へえ……情報部に二人、生徒会本部に二人か。ずいぶんしっかりした布陣じゃないか」
俺が感心して頷くと、ヒナは「ええ、そこまではいいのよ。問題はここからで……」と言いかけ、急にこめかみを押さえて深く、実に深々と眉をひそめた。
まるで思い出すだけで偏頭痛がしてくる、とでも言いたげな渋い表情だ。
「……実は、私たち主要メンバーを束ねる『リーダー的存在』として、もう一人、『羽沼マコト』という生徒がいるのだけれど」
「ほお、リーダーか。お前やその優秀そうな仲間たちを束ねるくらいだから、よっぽどカリスマ性がある知将なんだな? どんな奴なんだ?」
俺が興味を引かれて身を乗り出すと、ヒナは氷のように冷え切った目で虚空を見つめ、間髪入れずにこう言い放った。
「――バカ」
「……は?」
「文字通りの意味で、救いようのないバカなの」
あまりにも直球かつ一切の迷いがない一言に、俺は思わず手にしたティーカップを傾けそうになった。
普段は誰に対しても穏やかで理性的なヒナが、ここまでド直球に人を貶すのを初めて見た気がする。
「いやいや、いくらなんでもリーダーに向かって『バカ』の一言はあんまりだろ。もうちょっとこう、具体的な特徴とかあるだろ?」
俺が苦笑いしてフォローを入れると、ヒナはふぅっと重いため息を吐き出し、堰を切ったように流暢な言葉を紡ぎ始めた。
「そうね、具体的に表現するなら……後先をまったく考えずにハッタリをかます『ゲヘナのウルトラビッグマウス』。圧力鍋のポン菓子より無軌道に弾け飛んだ思考回路の持ち主。そして、全力で床に叩きつけたスーパーボールよりどこへ飛んでいくか予測できない跳ねっ返り……といったところかしら」
「…………」
出るわ出るわ、バリエーション豊かな罵倒の数々が、まるで詩の朗読でもするかのように美しい声で淀みなく並べ立てられていく。
俺は引きつった笑みを浮かべながら、目の前で淡々と毒を吐き続けるヒナを見つめた。
「……おいヒナ、それ本当に味方のリーダーに対する評価か? なんか聞いてる限り、うちのユメ先輩とはまたベクトルの違う混ぜるな危険の匂いがするんだが……」
「否定はしない。あいつに緻密な作戦行動なんて期待するだけ無駄ね。ただ……どういうわけか、根拠のない自信と声の大きさ、それと周囲を強引に巻き込んで突き進む異常な突破力だけは、ゲヘナでも随一なの……」
ヒナは心底疲れ切ったように肩を落とし、冷めかけた紅茶を一口すすった。
どうやら、この『雷帝』に対する反逆計画、敵の強大さもさることながら、味方陣営の舵取りも相当な難事業になっているらしい。
「……ただ、今日の本題はマコトの頭の中身についてじゃなくって」
ヒナはカップに落としていた視線をすっと持ち上げ、これまで以上に低く張り詰めた声で衝撃の事実を口にした。
「実はそのマコトが……つい先日、雷帝の手に落ちて捕まってしまったの」
「……なんだって?」
俺は思わず眉をひそめた。
いくらヒナが散々にこき下ろしていたとはいえ、反逆計画のリーダー格であることに変わりはない。そいつが敵のど真ん中に捕らわれているとなれば、クーデターどころか計画そのものが根底から瓦解しかねない大ピンチじゃないか。
同時に、俺はここまでヒナがわざわざ内部事情を詳しく語ってくれた『本当の意図』がうっすらと分かりかけてきた。念のため、テーブル越しにヒナを覗き込んで確認する。
「そこまで俺に話してくれたってことは……つまり、その羽沼マコトって奴を救出するのに、俺の力を借りたいってことか?」
俺が尋ねると、ヒナはわずかに唇を噛み、コクリと小さく頷いた。
(……なるほどな。そういうことか)
俺は背もたれに体重を預け、腕を組んで小さく息を吐いた。
大切な友人であるヒナがここまで追い詰められて困っているのだ、個人的な感情だけで言えば今すぐにでも一肌脱いでやりたい。……だが、今の俺はアビドス高等学校の生徒会役員だ。いくら友人の頼みとはいえ、他校であるゲヘナの内部抗争――しかも生徒会長を引きずり下ろすクーデターなんかに首を突っ込めば、やっと平和と繁栄を取り戻したばかりのアビドスにどんな火の粉が降りかかるか分かったものじゃない。
そんな俺の慎重な迷いが、そのまま表情に出ていたのだろう。
ヒナは俺の目を真っ直ぐに見据えたまま、静かに、しかし決定的な言葉を継いだ。
「――言っておくけれど、これはあなたやアビドスにとっても、決して無関係な話じゃないの。……今、雷帝はアビドスにも強い関心を持って注目している」
「……なんだって?」
思わぬ言葉に、俺の組んでいた腕がピクリと動いた。
「どういうことだ、ヒナ。なんでゲヘナの生徒会長が、わざわざ遠く離れた俺たちアビドスなんかに注目するんだ?」
「情報部に回ってきた極秘の戦略レポートを見たけれど……どうやら雷帝は、ここ数ヶ月のアビドスの急激な変化を見て、自らが掲げる『ゲヘナの完全支配』のその先――キヴォトス全土の征服において、真っ先に立ち塞がる最大の障害を、宿敵のトリニティではなく『アビドス』に定めたらしいの」
「トリニティを差し置いて、俺たちを……?」
呆気にとられる俺に対し、ヒナは呆れたような、それでいてどこか「自業自得よ」とでも言いたげなジト目を向けてきた。
「……理由は、わざわざ言わなくてもいい?」
「…………うっ」
そう問いかけられて、俺には心当たりしかなかった。というか、心当たりがありすぎて脳裏にこれまでの『やらかし』が走馬灯のように駆け巡る。
街のビルを素手で解体したことも、砂漠のど真ん中に世界樹をぶっ建てたことも、カイザーの大型前線基地を仲間と歩く木の軍勢で一夜にして踏み潰したことも、全部バッチリ知られていたということか。
俺が気まずそうに頬を掻いていると、ヒナはふぅっとため息をついて指を折った。
「あなたが各地で賞金首を狩りまくっていた頃くらいなら、まだ『どこかから現れた奇抜で強い一生徒』くらいの認識で済んでいた。……でも、先日の『砂まつり』のアレで完全に一線を越えた」
ヒナの視線が、まるで俺の頭上の七色ヘイローを射抜くように細められる。
「怪物のような姿にをした『ビナー』という機械の蛇に、あなたが操るあの『巨大な木の巨人』。レーザーと木剣で砂漠を割りながら殴り合うエキシビションマッチ……。あれは私も現地で見ていて頭痛がしたけれど、情報網を通じて雷帝の耳にもしっかり届いたわ。それに加えて、戦車を素手で投げ飛ばす生徒会長の梔子ユメに、単身で武装部隊を殲滅する小鳥遊ホシノという強大な戦力……」
ヒナはテーブルの上で小さく両手を広げた。
「そして何より、一夜にして莫大な経済力と連邦生徒会・ミレニアムとの強固なパイプを築き上げた異常な復興スピード。……これだけ派手に頭角を現したあなたたちアビドスは、力こそすべてと信じる雷帝にとって、決して放置できない『最優先の警戒および排除対象』に入ってしまった」
「……いやぁ、まさか町おこしのお祭りの余興が、他校の独裁者の危機感を煽ることになるとは思わなかったな……」
確かにあの模擬戦はやりすぎたとは思ったが、そんなところで特大のブーメランになって返ってくるとは。ホシノが聞いたら
『だから言ったでしょうが!!』
とショットガンの銃床で百発くらい殴られそうだ。
ヒナは自分のカップを手に取り、少し冷めたコーヒーを静かに一口飲んで喉を潤すと、ソーサーにカップを戻して、さらにもう一つの重大なキーワードを口にした。
「――ねえ、ショウ。『エデン条約』って、聞いたことある?」
「エデン条約……?ああ、名前だけなら少し前に小耳に挟んだことがあるな」
俺は顎に手を当て、カイザーとの決戦が終わった日のことを思い返した。
確かあの時、トリニティへ帰還するハスミやツルギを相手に、アロナが『エデン条約』だの『雷帝への牽制』だのと少し真面目な顔で密談を交わしていたはずだ。その時は他校の政治の話くらいにしか思っていなかったが、まさかここでヒナの口から同じ単語が飛び出すとは。
俺の反応を見て、ヒナはコクリと頷くと、その『エデン条約』の中身について詳しく語り始めた。
「簡単に言えば、長年犬猿の仲として対立し続けてきた『トリニティ総合学園』と私たち『ゲヘナ学園』の間で結ばれようとしている、歴史的な平和・友好条約のことよ。もっとも、自然に持ち上がった話ではなくて、連邦生徒会のある人物から強く発足を促されたものだけれどね」
「トリニティとゲヘナの友好条約、ね……」
俺は腕を組み、さっきヒナから聞いたばかりの『雷帝』の野望と照らし合わせて首をかしげた。
「でもよ、今の話を聞く限りじゃ、そんな平和条約なんて雷帝にとっては不都合極まりないんじゃないか? キヴォトス全土を征服しようってゲヘナの独裁者が、お上品なトリニティとの仲良しこよしなんてとても受け入れるとは思えないんだが」
「ええ、その通り。――でも、それこそが向こうの『狙い』なの」
ヒナは目を細め、まるでチェス盤の駒の動きのような動作を交えて説明を静かに続けた。
「トリニティの上層部としても、雷帝の下で拡大し続ける今のゲヘナが、これ以上大きくなるのは絶対に望んでいない。だからこそ、あちら側は雷帝に対する強力な政治的カウンターとして、先手を打って『エデン条約の締結を受け入れる』という姿勢を公に示し始めたの」
「……ああ、なるほど! トリニティ側が『私たちは平和を望んでいます』って先に手を差し出しちまえば、それを理由もなく拒絶した場合、雷帝はキヴォトス全体から『平和を乱す危険な侵略者』として大義名分をもって袋叩きにされるし、ゲヘナ内部の……いるか分からないが穏健派からも反発を食らうってわけか」
「そういうこと。力しか信じない雷帝の首に、外交と世論という見えない縄を掛けようとしている」
いやはや、お嬢様学校のトリニティもやることが実にえげつないというか、したたかだ。
……だが、そこまで聞いて俺はふと疑問に思った。いくらヒナが優秀な万魔殿の情報部員だからといって、対立するトリニティの内部事情や、条約を仕掛けた側の「真の狙い」まで、まるで直接本人から聞いてきたかのように正確に把握しているのはなぜだ?
「なあヒナ、そんな向こう側の手の内みたいな深い話、いったいどこで仕入れたんだ?」
俺が不思議そうに尋ねると、ヒナはふっと口元を緩め、なんでもないことのように言った。
「……少し前に、水色の髪をした連邦生徒会の人が、わざわざ私のところへ来てこっそり教えてくれた。どうやら連邦生徒会としても、雷帝の暴走でゲヘナの混沌がキヴォトス全土へ広がるのだけは、心底勘弁してほしいみたい」
そう言って、ヒナは優雅な仕草でカップを持ち上げ、自分の紅茶を静かにすすった。
「水色の髪の連邦生徒会って……あいつかぁ〜」
俺は天井を仰ぎ見て、思わず苦笑いを漏らした。小脇にタブレットを抱え、『ふふふふ』と俺と一緒に悪巧み笑いをするあの小さな黒幕――アロナの顔が脳裏に浮かぶ。
アビドスの砂まつりに遊びに来た時か、あるいはもっと前からか。あいつは単に仕事をサボって逃げていただけでなく、ゲヘナのヒナたちの双方に接触して『雷帝』を包囲するための巨大な絵図を裏で描き上げていたというわけだ。
(まったく、見かけによらず本当に抜かりない奴だよな、アロナは)
俺が感心半分、呆れ半分でため息をついていると、カップを置いたヒナが再び真剣な眼差しで俺を見つめてきた。
「……わかった、手伝う。ヒナの話を聞く限り、この件を放置して雷帝って奴が好き勝手やり続けたら、遅かれ早かれ俺たちアビドスにも火の粉が飛んでくるのは確実みたいだしな」
俺が背もたれから身を起こしてそう答えると、それまで張り詰めていたヒナの表情が、まるで雲間から光が差したようにパッと明るく輝いた。小さな肩からすっと力が抜け、瞳を細めて心から嬉しそうに微笑む。
「ありがとう、ショウ。……あなたのような予測不能な『最大の不確定要素』が味方になってくれるなら、これほど心強いことはない。本当に助かる」
「いや、最大の不確定要素って……それ褒め言葉なのかどうか微妙なところだけどな」
まあ、いいか。どういう評価であれ、俺が頷いたことで、一人で重圧を背負い込んでいたヒナの肩の荷を少しでも軽くできたのならそれで十分だ。俺は苦笑いしながら、カップに残っていた最後の紅茶をグイッと煽り、微妙なモヤモヤも一緒に喉の奥へと流し込んだ。
コトリ、と空になったカップをソーサーに戻したところで、俺はふと現実的な問題に思い当たり、人差し指を一本立ててヒナに問いかけた。
「でもよ、動く前に一つだけ大きな問題があるぞ」
「問題?」
「ああ。その羽沼マコトって奴の救出作戦に、他校であるアビドス生徒の俺が直接首を突っ込んでも大丈夫なのか? もし途中で俺の正体が雷帝側にバレたら、アビドスとゲヘナの外交問題になるのはもちろんだけど、外部の人間を手引きしたヒナたち反逆メンバーの立場もまずいことになるだろ?」
俺のこの目立つ灰色の髪に極悪な目つき、おまけに頭の上で七色にピコピコ光るオーディオスペクトラム型のヘイローだ。一度でも目撃されれば、「アビドスのゲーミング野郎が万魔殿を襲撃した」と一発で特定されてしまう。
俺の指摘に、ヒナも「……ええ」と再び眉を寄せて、テーブルの上で小さな指先を組んだ。どうやら彼女自身、そこを一番のネックとして悩んでいたらしい。
「あなたの言う通り。前みたいに許可を取って賞金首を狩ったり、今日みたいにプライベートでただ遊びに来るくらいなら何の問題もないけれど……確かに今回ばかりは事情が違いすぎる」
ヒナは声を潜め、決定的な難所を口にした。
「今、マコトが捕らわれている救出予定の場所というのが……万魔殿本部庁舎、そのさらに奥深くにある『特別地下監獄』なの」
「万魔殿の本部のど真ん中かよ……そりゃまた、一番面倒くさい場所に押し込められたもんだな」
敵の本拠地の地下深く。当然ながら警備は雷帝直属の精鋭でガチガチに固められているだろうし、部外者がうろついていれば即座に警報が鳴り響くエリアだ。正体を隠して潜入するにしても、どうやってこの特徴的すぎる外見とヘイローを誤魔化し、どんなルートで羽沼マコトを引っこ抜くか――少しばかり知恵を絞る必要がありそうだった。
「うーん、万魔殿本部の地下監獄なぁ……。まあ、正体がバレずにこっそり潜入して引っこ抜けばいいって話なら、やりようはいくらでもあるぞ」
俺は腕を組み、ここ最近アビドスでの暇つぶしや特訓の合間に試してみて「これ使えるな」と分かった自分の能力の中から、隠密や潜入に使えそうなものを片っ端から挙げていくことにした。
「まず基本として、壁抜けができるだろ? それから建物の構造や敵の配置の透視。あと、事前に自分のヘイローの欠片か神秘を宿した物を置いておけば、そこを目印にして一瞬でテレポートもできる。他には、コンクリートの地面を水みたい泳いで進むこともできるし、地上から透過する釣り糸を垂らして地下のターゲットを一本釣りすることも可能だ」
俺が両手の指を順番に折りながら淡々と説明し始めると、コーヒに再び口をつけたヒナの動きがピタリと止まった。
「あとはそうだな……全身を透明にしたり、他人の姿をそっくりそのままコピーしたり、実体のある分身を出したり、棒倒しやダウジングで探し物の場所を特定したり、赤外線とか幽霊とか色々見えるようにしたり、石をバターにしたり……ええと、他には……」
俺が指を折って一つ語るたび、ヒナの瞳から急速にハイライトが消え、まるで深淵でも覗き込んだかのように目が死んでいくような気がした。
「…………も、もういいわ。ストップ」
カタカタと小刻みに震える白い手でカップを持っていたヒナは、それを割らないよう細心の注意を払って静かにコースターの上へと置いた。そして、深く、魂が抜けたようなため息を吐き出すと、すべての思考を放棄した顔で頷いた。
「……そこまでデタラメができるなら、もう何も心配はいらないね。ええ、安心した。私が真面目に警備シフトや換気ダクトの図面を頭に入れてきたのがバカらしくなるくらいにね……」
「お、そうか? なら良かった」
「全然良くないけれど、いいわ……。じゃあ、マコトの処遇が決まる前に手を打ちたいから、決行は今日の夜ということでお願いするね」
ヒナの言葉に頷き、俺はポケットからスマホを取り出して、まずはアビドスのホシノとユメ先輩へ連絡を入れておくことにした。
あまり詳しく書いて二人を心配させてもいけないので、モモトークのグループチャットに『ちょっとヒナに頼まれごとをされたので手伝ってくる。今日は泊まりになるけど、明日には帰るから心配しないでくれ』とだけ簡潔に打ち込んで送信する。これでよし。
「それじゃあ、夜にまた合流ってことで一度別れようか。お互いに作戦前の準備もあるだろうしな」
俺が伝票を手に取りながら言うと、ヒナは半分閉じたジト目でじっとこちらを見上げてきた。
「……今の話を聞いたあとだと、あなたに一体どんな『準備』が必要なのか、皆目見当もつかないのだけれど?」
「いやいや、いくら俺でもアビドスの制服のまんま万魔殿の地下に乗り込むわけにはいかないだろ? 最低限、カモフラージュ用に目立たない服くらいは調達しておかないとさ」
そう言って席を立とうとした俺は、ふとヒナの小さな口元の端に、さっき食べた温泉まんじゅうの黒糖の皮のカスがちょこんとついているのに気づいた。
「おっと、ヒナ。口の横にまんじゅうがついてるぞ。ほら、右の端」
「え……? あ、こ、ここ?」
ヒナが慌てて自分の指先で口元を拭おうとするが、鏡がないせいか微妙に場所がズレていて、なかなか上手く取れそうにない。
見かねた俺は、ポケットから洗濯したての清潔なハンカチを取り出すと、テーブル越しにひょいっと身を乗り出し、ヒナの小さな顎にそっと指を添えて、口元の端を優しくトントンと拭ってやった。
「ほら、じっとしてろって。……よし、綺麗に取れたぞ」
「…?……なっ、あ、あぅ……っ!?」
ハンカチを離した瞬間、ヒナの白い頬が、まるで熟れたリンゴのように耳の先まで真っ赤に染まった。
紫色の瞳がぐるぐると描き、長い白い髪とぴょこぴょこと揺れる。普段のクールな姿はどこへやら
「わ、私は子どもじゃないのよ……っ! じ、自分で拭けたわよ……もうっ!」
「あ、ごめん。つい」
両手で自分の口元を覆い隠しながら、消え入りそうな声でわたわたと慌てふためいている。
昔の孤児院のチビどもを世話していた時の癖でつい普通にやってしまったが、そのあんまりにも年相応で可愛らしい反応がなんだか面白くて、俺は「はは、悪かったって。じゃあまた夜にな」と軽く手を振って喫茶店を後にした。
真鍮のドアベルが澄んだ音を響かせ、背の高い彼の背中が、冬の冷たい風が吹く路地の向こうへと消えていく。
静まり返った喫茶店の奥の席で、私――空崎ヒナは、まだ熱の残る自分の口元へそっと指先を触れさせたまま、閉じたドアをじっと見つめていた。
「……ほんと、どこまでもマイペースな人ね」
誰もいないテーブルに向けて小さく呟くと、さっきハンカチで優しく拭われた場所が、またじんわりと熱を帯びるような気がした。
彼――円ショウと初めて出会った時のことは、今でもはっきりと覚えている。
最初の印象は、正直に言って少し怖かった。誰もが一目で震え上がるほど鋭い目つきと、キヴォトスの常識ではあり得ないほど鮮明に輝き、ピコピコと上下に動く七色のヘイロー。ゲヘナ故に不良や暴徒を見慣れているはずの私でさえ、目の前に立たれた瞬間、思わずたじろいでしまったほどだ。
けれど、実際に言葉を交わしてみれば、その印象はすぐに覆された。
自分の欲求のままに暴れ回るだけのゲヘナの生徒たちとは違い、彼は私の話をどこまでも真摯に聞いてくれた。
賞金首を相手にした時も、物理法則を無視した無茶苦茶な戦い方こそするけれど、決して必要以上に相手を傷つけないよう手加減を忘れない。
その不器用なほど真っ直ぐな背中を見て、『ああ、この人は本当はとても優しい人なんだな』と気づくのに、時間はかからなかった。
高校に進学した当初から、私は周囲から過剰なほどの期待と役割を押し付けられていた。
こんな性格だ。誰も頼れず、一人で何もかも背負い込んで睡眠不足でフラフラになっていた私の危うさを一目で見抜き、当たり前のように手を差し伸べてくれたのも彼だった。
『これ、枕元に置いて寝てみろよ。ぐっすり眠れるぞ』
そう言って、自分の頭上のヘイローを素手でパキッと割って渡してくれた時の衝撃といったら。
……いくら嘘みたいに疲労が抜ける安眠効果があるとはいえ、人の目の前で自分のヘイローをチョコみたいに割るのは本当にやめてほしい。あの時は心臓が止まるかと思うほど驚いたのだから。
けれど、あの青い欠片のおかげで深い眠りを取り戻し、さらにショウたちがゲヘナ中の目ぼしい賞金首を根こそぎ狩り尽くしてくれたことで、私の日常は劇的に変わった。
『アビドスのやべー奴ら』と、噂を恐れて不良たちが活動を抑え始めた結果、私の心と身体には、ずっと失われていた「余裕」が生まれたのだ。自分の私生活に目を向ける時間もできたし、誰かと他愛のない人付き合いをする心の隙間もできた。
仕事が早く片付いた休日に、アビドスから遊びに来たホシノやユメさんも交えて、四人でゲヘナの街を回って遊んだ日のことは忘れられない。
ショウのデリカシーのない言葉を聞いて、ホシノが怒りのまま銃で殴りかかっているのに、平気な顔でユメさんにどこが可笑しかったを聞いている姿。それを見てつい、可笑しくなってお腹を抱えて笑ってしまった。あんな風に年相応の女の子みたいに声を上げて笑ったのは、いったいいつぶりだっただろう。
そんな彼に対して、今の私が抱いている感情を一言で表すなら――きっと『特別な、親しい人』ということになるのだと思う。
本来、私は根っからの面倒くさがりだ。できることなら朝はいつまでもベッドの中で寝ていたいし、食事だって栄養を摂る必要がある時以外はカップラーメンで適当に済ませてしまう。おしゃれな服だってほとんど持っていないし、山のような書類仕事なんて見たくもない。
……そして何より、誰かが苦しむ顔なんて、本当は一つだって見たくないのだ。
そんな灰色の怠惰と諦めの中にいた私にとって、先日の『アビドス砂まつり』は、目が眩むほど眩しい時間だった。
面倒くさがりの私でも、あの賑やかな夜は、ショウ達といる時間は心の底から「楽しい」と思えたのだ。
太陽みたいに温かいユメさんが何かと気遣ってくれて、ホシノが「こっちの屋台も行きましょう!」と私の手を引っ張ってくれて、その反対側ではショウが屋台の料理や街のことをあれこれと優しく説明してくれて。
トリニティのツルギやハスミ、ミレニアムのリオにヒマリ、ネル……。あの日、彼らを通じてたくさんの新しい人たちと知り合った。
このまま、万魔殿の薄暗い部屋と硝煙の匂いしか知らないまま、灰色の青春を送って終わるのだと思っていた。
けれど今、私の目に映る世界は、まるで彼のヘイローのようにとても色鮮やかで――。
……だから、なのかな。あの『雷帝』の魔の手がアビドスにまで迫っていると知った時、居ても立ってもいられなくなったのは。
だからなのかな。このクーデターは私たちゲヘナの内部問題だから、自分たちの手だけで最後まで蹴りをつけようと、あれほど固く心に決めていたはずなのに。
今日、街のカメラであなたの姿を見つけた瞬間、どうしても直接声が聞きたくなって。
目の前で微笑むあなたの顔を見たら、張り詰めていた糸が緩んで、全部話して頼りたくなってしまったのは。
それなのにあなたは、面倒そうな顔ひとつせず、『わかった、手伝うよ』と当たり前のように私の重荷を半分持ってくれた。
……ほんと、ずるい人だな、と思っちゃった。そんな風に優しくされたら、どこまでも甘えたくなってしまうじゃない。
でも、わかっている。あなたはアビドスの人だ。
私とは違う場所で、あの温かい砂漠の街を背負って、遠いところで眩しく活躍する人。
『いいなあ、ユメさんやホシノは』――なんて、柄にもなく羨ましく思ってしまったことが何度もある。
自分の弱さも、わがままも、全部全力でぶつけて、それを真正面から笑って受け止めてくれる人がいつも隣にいる彼女たちが、たまらなく羨ましいと。
だから、お願いだから、そんな風に自然な手つきで私の口元を拭ったりしないで。
これ以上、私の心を優しくくすぐらないで。
じゃないと、私は――。
「…………ううん」
私は小さくかぶりを振り、まだほんのりと甘い黒糖の香りが残る空気を深く吸い込んだ。
今は、これでいい。まだ、何でも話せる『親しい友人』のままでいい。
だって、これ以上一歩でも踏み込んでしまったら――今日みたいに優しく差し出されたその温かい手を、もう二度と離したくなくて、ずっと握りしめたくなってしまうもの。
私は冷めたカップに視線を落とすと、胸の奥の小さな疼きにそっと蓋をして、夜の決行に向けた情報整理へと意識を切り替えた。
ヒナと別れたあと、俺は潜入用の目立たない服を調達しようと、冬の冷たい風が吹くゲヘナの市街地を一人で歩いていた。
「……しかし、なんだか妙に静かだな」
大通りを歩きながら、俺は周囲の景色に目を巡らせて小さく呟いた。
さっきの派手なバスジャックに遭遇したのが嘘のように、今のゲヘナの街並みは不気味なほど静まり返っている。ヒナが言っていた『雷帝』による恐怖と暴力の圧政が水面下で街全体に蔓延しているせいだろうか。通りを行き交う生徒たちもどこかピリピリと周囲の目を窺うように足早に歩いており、俺が以前賞金首狩りで訪れた時の「底抜けに騒がしくて混沌としたゲヘナ」とは明らかに空気が違っていた。
知っているはずの街が見せる異質な光景に、背中がザワつくような若干の気味の悪さを感じていると、大通りから一本入った通りに、手頃な衣料品店の看板を見つけた。
「お、あそこでいいか。さっそく入ってみよう」
俺は店のドアを押し開けて中へと足を踏み入れた。
店内を見渡してみると、さすがはゲヘナと言うべきか、並んでいる服はどこか黒やダークグレーといった暗い色合いのものが圧倒的に多い。しかも、ただのアパレルショップのはずなのに、なぜか棚の半分近くにスパイク付きの肩当てや防弾チョッキ、ゴツい膝当てといった戦闘用プロテクターがズラリと陳列されている。
(こんなところで学園ごとの地域差を実感するとはな……)
心の中でツッコミを入れつつ、俺は奥の防寒具コーナーへと足を向けた。
もう冬が近くて冷え込むからだろう、そこにはマフラーや手袋に混じって、頭から顔全体まですっぽりと覆い隠すニット製の『目出し帽』が何種類も並んでいた。
しかも、値札の横に貼られた店員の手書きポップには、赤い極太マジックでこう書かれている。
『伸縮性抜群で視界も良好! 冬の防寒や銀行強盗・カチコミに最適!!』
「……『銀行強盗に最適!』って。さすがはゲヘナの服屋だな、キャッチコピーの倫理観がぶっ壊れてやがる……」
呆れ果てて苦笑いした、まさにその時だった。
俺の視線が、棚に並んだカラフルな目出し帽の一点にピタリと吸い寄せられた。
俺は無意識のうちに手を伸ばし、その目出し帽をひょいっと手に取っていた。
顔をすっぽり覆い、目元の部分だけに穴が空いた、どこかユーモラスで怪しさ満点のその布切れをじっと見つめる。
「……待てよ。これを使えば、俺のこの顔も完璧に隠して、正体不明のまま潜入できるんじゃないか……?」
アビドスの生徒だと一切バレず、ヒナたちにも迷惑をかけない究極の変装アイテム。ゲヘナの服屋の片隅で、俺はとんでもない天啓を得てしまったのかもしれない。
言い訳パート2をさせてください。
なんだかんだいって作者の性癖に、苦労していたり、責任感で潰れそうな強い女の子がベッタベタに甘えてくるのが好きです。
やらかしもするが、最終的に全部何とかしてくれるショウの安心感に何処か惹かれるのか、それとも作者のせいなのか。ヒナだったりツルギだったりホシノだったり、気づいたら最強格ばっかりヒロインムーブしてくるんですけど。
でも、二人っきりだと膝の上に収まって頭をグリグリ押し付けてくるツンデレホシノや、勇気を出して真っ赤な顔で手をつないできたツルギにそっと肩を寄せてより照れさせたり、厄介事を全部片付けたお礼として遊びに行った先で、クレープを一口づつ分け合って休みを満喫しているヒナの笑顔を。
みんな見たいでしょ?書けないけど作者は見たい、誰か書いてプリーズ。
1〜3話を目安に書きます
-
ゲヘナ雷帝編(雷帝ナシ)
-
アヤメ誘拐編
-
どっちも書いて♡
-
別にいらないな、回想でいい