ゲヘナの街中で夜まで適当に時間を潰した俺は、約束の時刻に合わせて、待ち合わせ場所として指定されていた公園の一角へと足を運んでいた。
夜の帳が下りた公園は、昼間の喧騒とは打って変わって人影もまばらで、街灯の青白い光が木々の影を長く伸ばし、どこか物寂しい空気を纏っている。
……もっとも、遠くの市街地からは相変わらず乾いた銃声や爆発音が時折風に乗って響いてくるあたり、やはりここが混沌のゲヘナ自治区であることを嫌でも思い出させてくれたが。
公園の入り口をくぐり、指定された奥のベンチがある広場へと砂利道を踏みしめて進んでいく。
すると、街灯の明かりの下に集まる四つの人影が見えてきた。
何やらガヤガヤと慌ただしく言葉を交わしているようで、近づくにつれて、鮮やかな水色の髪の生徒が、ヒナへ詰め寄るように何かを訴えている声が耳に届いた。
「本当に大丈夫なんですか?ヒナさんが協力を仰いだという、そのアビドスの男子生徒は……。その、事前に情報網で調べても、あんまりどころかろくでもない噂ばかりが引っかかるのですが!」
バインダーを胸に抱え、神経質そうに眉を吊り上げている水色髪の少女の叫ぶ姿が真っ先に見えた。
まあ、無理もない。裏社会の掲示板や他校の噂で俺を検索すれば、『アビドスのやべー奴ら』とか『頭のおかしいアビドスゲーミング野郎』が真っ先出てくるからな。肝心の噂も敵の銃をお菓子に変えただの、動く木を従えている。といった頭のおかしい感想しか出てこないはずだ。
だが、そんな彼女の懸念に対し、ヒナは白い長い髪を夜風に揺らしながら、静かに首を横に振った。
「心配しないで、アコ。噂がどうであれ、彼は一度交わした約束を違えるような人じゃない。……それに、無理を言って頼み込んでいるのは私の方だもの」
「ですが……っ!」
なおも食い下がろうと言葉を募らせるアコと呼ばれた少女を、その隣に立っていた生徒が静かに窘めた。
白髪に黒いメッシュが混じるショートヘアで、どこか理知的で落ち着いた雰囲気を纏う少女だ。
「アコ、あまりヒナを責めるような言い方はお門違いだよ。本来なら私たちだけで処理しなければならない案件をこうして他校の生徒に尻拭いしてもらう羽目になったのは、あのポンタヌキのせいでもあるけれど……何より、雷帝の動きを読み切れなかった私たち自身の不手際でもあるんだから」
「っ……ヒナさんを責めてなんかいません!!……ただ、こんな大事な局面でヒナさんのお役に立てず、外部の手を借りるしかない自分自身の力不足が、悔しいだけですから……っ」
ギリ、と唇を噛み締め、悔しそうに両拳を強く握りしめて俯くアコという生徒。
その張り詰めた空気を和らげるように、もう一人の生徒がふわりと一歩前に出て、アコの肩へ優しく手を添えた。
鮮やかなピンク色の長い髪を靡かせ、万魔殿の制服を大胆に着崩した、どこか大人びて蠱惑的な雰囲気を漂わせる少女だ。
「まあまあ、そんなに自分を追い詰めて落ち込むものじゃないわよ、アコちゃん。今回は事情やしがらみで私たちがすぐに動けないってだけなんだから、その分、後から別の形でたっぷり活躍して取り返せばいいじゃない」
お姉さんぶった柔らかな声色で宥められ、アコは「うぅ……」と小さく呻きながらも、なんとか振り上げた拳を下ろしたようだ。
なるほど、アレが言っていた反抗組織のメンバーか。ヒナを筆頭に、真面目で忠誠心の強い天雨アコ。予測としてだが、冷静で現実主義な鬼方カヨコ、そして余裕のあるお姉さん肌の京極サツキ、かな?
あの暴君『雷帝』を相手に水面下で反逆を企てるだけあって、みんな1年生ながらもしっかりした芯を持っているいい仲間たちらしい。
(さて、あんまり立ち聞きしてても悪いし、そろそろ声をかけるとするか)
俺は昼間に服屋で買い込んだばかりの全身真っ黒なジャケットの襟元を直し、頭からすっぽりと被ったニット製の目出し帽――『銀行強盗に最適!』のキャッチコピーでお馴染みの覆面――の位置をクイッと整えてから、木立の影から街灯の明かりの下へと歩み出た。
「よう、待たせたな、ヒナ。そっちの三人も初めまして」
ジャリッ、と砂利を踏む音とともに、俺が片手を軽く上げて声をかけた瞬間。
「「「…………っ!?」」」
それまで控えめに言葉を交わしていたアコ、カヨコ、サツキの三人の動きが、まるで一時停止を押されたかのようにピタリと止まった。
無理もない。夜の暗い公園の茂みから突如として現れたのは、黒ずくめの服に身を包み、目元しか穴の空いていないニットの目出し帽をすっぽり被った長身の男だ。
しかも、その小さな穴の奥からは、生まれつき極端に鋭い凶悪な三白眼がギロリと光っており、さらには目出し帽のてっぺんを突き破るようにして、七色のヘイローが怪しくネオン発光しているのである。
どこどう見ても今から銀行強盗か要人暗殺に向かう頭のおかしいテロリストにしか見えない不審者の登場に、広場には絶対零度の静寂が落ちた。
「ひっ……!? 変態!? いや、強盗……っ!?」
最初に反応したアコが、バインダーを盾のように構えながら一歩後ろへ飛び退き、ホルスターの拳銃へ手を伸ばしかける。
隣のカヨコも瞬時に臨戦態勢を取りつつ、目出し帽の頭上でピコピコ動く七色の光を見て「……いや、待ってアコ。あのヘイロー、まさか……」と引きつった声を漏らした。さっきまで余裕たっぷりに微笑んでいたサツキに至っては、綺麗な笑顔が顔面に張り付いたまま、目を白くさせて完全にフリーズしている。
そんな三人のパニックをよそに、俺を呼んだ張本人であるヒナはというと――。
「…………っ」
俺の姿を上から下まで見た瞬間、白い小さな両手で自らの顔面を覆い隠し、天を仰ぐようにして深く、深く頭を抱えていた。
「……なに、その格好。あなたが昼間に言っていた『カモフラージュ用の目立たない服』というのは……まさか、それのことなの?」
指の隙間から、心底疲れ切ったようなジト目で俺を睨みつけてくるヒナ。
俺は心外だな、とばかりに肩をすくめ、目出し帽の端を指で引っ張ってみせた。
「いや、ゲヘナの服屋に行ったら『冬の防寒や銀行強盗・カチコミに最適!』ってポップがついててさ。これなら俺の面も隠せるし、他校の生徒だってバレずに潜入できるだろ? 完璧な変装じゃないか」
「どこが完璧なの……っ! 余計に不審者としての純度が跳ね上がっているじゃない……!というか、肝心のその七色のヘイローが帽子のてっぺんから丸見えなのだけれど」
「あ、これはこれから懐に入れて光を消すから心配すんなって。集合場所で最初から消してたら、ヒナたちが俺だって気づかないだろ?」
「その目つきと身長だけで嫌でも気づく……」
ヒナがこめかみを押さえて深いため息をつく横で、ようやく状況を飲み込んだらしいアコが、ガタガタと指先を震わせながら俺とヒナを交互に指差した。
「ヒ、ヒナさんっ!? まさか、この見るからに危険人物そのものの覆面男が、ヒナさんの言っていたアビドスの助っ人……『円ショウ』なのですか!?」
「……ええ、残念ながら本人なの。紹介しておく、この人が噂の円ショウ。……見ての通り少しばかり常識のネジが外れているけれど、腕だけは私が保証する」
「ちょっと待てヒナ、常識のネジが外れてるは余計だろ。俺はいつだって至って真面目だ。これだって油断していても正体がバレないと思ってだな…」
「…なるほどね。ネットの噂で『頭のおかしいアビドスゲーミング野郎』って呼ばれてる理由が、会って三秒で理解できたよ……」
「ふ、ふふ……ヒナちゃんが頼りにするくらいだからどんなクールな仕事人かと思えば、ずいぶんとパンチの効いたお兄さんねぇ……」
俺が抗議する横で、フリーズから復活したカヨコが遠い目をして呟き、サツキも引きつった笑みを浮かべていた。
「……まあ、さすがに挨拶する時まで被りっぱなしは失礼か。よいしょっと」
俺は被りっぱなしだったニットの目出し帽をスポッと脱ぎ、少し乱れた灰色の髪を手ぐしで軽く整えた。
「うっ、脱いでもやっぱり強面なのですね……」
覆面の下から現れた素顔を見て、アコが半歩ほど後ずさった気がしたが、まあ初対面の反応としてはいつものことなので気にしないでおく。そのかわりにカヨコからの視線が優しくなった気がしたが。
「俺がアビドス生徒会1年の円ショウだ。よろしく頼む」
改めて頭を下げると、彼女たちも気を取り直して順番に名乗ってくれた。
万魔殿の生徒会本部に所属しているという、水色髪の『天雨アコ』と、白黒メッシュの『鬼方カヨコ』。そしてヒナと同じく情報部に身を置いている、ピンク色の長髪の『京極サツキ』。
手短な挨拶も早々に、動揺を抑えて深く息を整えたヒナが、さっそく今夜の救出作戦――という名の、実質俺の能力頼りの『超ゴリ押し単独潜入プラン』について、三人へ説明を始めた。
「――というわけで、万魔殿本部庁舎の警備網や監視カメラは、ショウの『透明化』と『壁抜け』で完全に素通りして、そのまま『建物透視』で地下監獄の最深部にいるマコトの位置を特定し、独房の鉄格子をすり抜けてマコトと接触。帰りは事前に貰ったヘイローの欠片を目印にして、マコトごとここへ『瞬間移動』で直接飛んで帰ってくる……というのが、今夜の作戦の全貌ね」
ヒナが淡々とした口調で説明を終えると、聞いていた三人の顔に、なんとも言えない微妙な沈黙が落ちた。
「壁を抜ける?テレポート?ヒナ、さすがに冗談がすぎるよ」
眉をひそめたカヨコがそう言うのも無理のもない。いくらネットの噂で『アビドスのやべー奴ら』の武勇伝を聞いていたとはいえ、今ヒナの口から語られたのは、戦術でもなんでもないただの超常現象のオンパレード。初対面の彼女たちからすれば、いまいち信じきれないのも当然だろう。
特に、ヒナを強く慕っているらしいアコは、俺とヒナが当たり前のように名前で呼び合い、どこか気心の知れた近い距離感で話しているのを敏感に感じ取ったのか、噛みつくように一歩踏み出してきた。
「ち、ちょっと待ってくださいヒナさん! いくらなんでも、そんな荒唐無稽な話が信じられるとでも!? 壁をすり抜けてテレポートだなんて、魔法使いじゃあるまいし……っ! だいたい、この男がヒナさんにいい格好を見せようとして、適当なホラを吹いているだけかもしれませんよ!?」
「いや、別にホラなんか吹いてないんだが……」
顔を真っ赤にして食ってかかってくるアコに、俺は小さく肩をすくめた。
どうやら言葉でいくら説明するより、実際にちょっとしたものを見せて納得してもらう方が早そうだ。
「まあまあ、とにかく立ち話もなんだし、まずは落ち着いて座ろうぜ」
俺はそう言うと、自分の頭上でピコピコと発光している七色のヘイローへ無造作に両手を伸ばし――それをグイッと手元まで引き下ろした。
「「「……えっ?」」」
三人の目が点になる中、俺は掴んだヘイローを四つに分割した。そのまま一つ一つの光の塊をググッと板のように平たく引き伸ばし、角を整えて四角い座面に成形すると、俺以外の四人のすぐ後ろの空中(ちょうど椅子の高さ)にピタリと固定させた。
「ほら、簡易チェアの完成だ。突っ立ったままだと疲れるだろ、遠慮なく座ってくれ」
「……ありがとう。ちょうど足が疲れていたところなの」
俺がポンポンと空中に浮かぶ七色の光の板を叩いて勧めると、俺の奇行にすっかり慣れっこになっているヒナだけは小さく息をつき、何の躊躇いもなくひょいっとその上に腰を下ろした。
一方、生まれて初めて自分のヘイローを素手でちぎって家具に加工する人間を目の当たりにしたアコ、カヨコ、サツキの三人は、口をあんぐりと開けたまま、再び石像のように完全に固まっていた。
そんな三人をよそに、七色に淡く光る座面の上で足を組んだヒナが、少しだけ目を丸くして座面を手のひらで撫でる。
「……これ、見た目はただの板なのに、中々座り心地がいいね。お尻の形に合わせて絶妙に沈み込むし、腰への負担も少ない。情報部の私のデスクにもこれがあったら、毎日の書類仕事がずいぶん楽になりそう」
「いやヒナ、感想が社畜のそれなんだが……。お前、やっぱりもう少し休んだ方がいいんじゃないか?」
「……はぁ。なるほど、常識で考えたら負けってわけね」
俺が苦笑いしてツッコんでいると、フリーズから真っ先に立ち直ったカヨコが、深いため息を吐き出し、恐る恐るといった様子で自分の後ろに浮かぶ光の板へと腰を下ろした。
「……っ、本当だ。なにこれ、高級な低反発クッションよりしっくりくるんだけど……。あんた、ただの光の塊にどんだけ座り心地のこだわり詰め込んでるの?」
感心したような表情を浮かべたカヨコが、興味深そうに座面の端を優しい手つきで撫で始める。
それを見てようやく正気を取り戻したサツキも、「ふふ、面白そうね」と艶やかに微笑みながら、ふわりと自分の座面へと腰掛けた。
「あらぁ、ほんと、いいじゃないこれ♪ ほんのり温かくて、自分の家にも一つ欲しいくらいだわ。……ねぇお兄さん、これとっても快適なんだけど、欲を言えば背もたれも欲しいわねぇ……」
「背もたれ? ああ、お安い御用だ。よいしょっと」
「まあ、至れり尽くせりね♪」
俺が指先をクイッと動かして念じると、サツキが座っている板の後ろ側の部分がググッと上へ伸び上がり、彼女の背中から肩までを優しく支える背もたれへと変形した。サツキが満足そうに背筋を預けてくつろぎ始める。
これで三人。……だが、最後の一人であるアコだけは、まだ座ろうともせず、自分の前に浮かぶ七色の椅子を見つめたまま、その場でフルフルと小刻みに全身を震わせていた。
(ん? なんだ、まだ警戒してるのか?)
何やら下を向いてブツブツと高速で独り言を呟いているので、俺は少しだけ耳を澄ませてみた。
「お、おかしいですよ……そもそも他人のヘイローがこんなにくっきり物質として見えている時点でおかしいのに、素手で触れるどころか、ちぎって形を変えて空中に固定するなんて物理法則への冒涜です……っ! い、いえ、ちょっと待ってください……そもそもキヴォトスにおいて『ヘイロー』とは、その生徒自身の象徴の様なもの……っ。だ、だとしたら、そのヘイローの上にヒナさんが直接お尻を乗せて座っているということは、即ち……っ!?」
ブツブツと呟いていたアコの言葉がピタリと止まり、その場の空気が急にガラリと変わった。
ガバッ! と顔を上げたアコの瞳は血走り、耳まで真っ赤に染め上げながら、どういうわけか俺に向かって猛烈な勢いで突っかかってきたのだ。
「な、なな、なんという破廉恥で羨ま……いえ、不敬な真似をさせているのですか貴方はっ!! ヒナさんの気高く尊いお尻を、自分の体の一部も同然のヘイローで直接受け止めるだなんて、羨まし……けしからんにもほどがあります!! ずるいです!! そこを今すぐ私と代わ――っ、いえ、ヒナさんが座るなら私が変わりに四つん這いになって椅子になりますから、そんな怪しい光は今すぐ引っ込めなさいっ!!」
「……は? いや、なんで俺が怒られてんだ!? というか最後にとんでもない本音が漏れてたぞお前!?」
どうやらこの忠誠心が高すぎるお嬢さんは、ヒナが俺のヘイローに座っているのを目の当たりにして、謎の嫉妬と羨望で脳みそがショートしてしまったらしい。
夜の公園に響き渡るアコのあんまりな強硬クレームに、隣で優雅に座っていたヒナが、こめかみを押さえて今日一番の深いため息を吐いた。
そしてヒナは光の椅子から静かに立ち上がると、自身の身の丈ほどもある巨大な黒い機関銃『終幕:デストロイヤー』を無言で取り出し、ギャーギャーと騒ぐアコの脳天めがけて、その重厚な銃身を軽く振り下ろした。
「あだっ!?」
「……アコ、うるさい。少し黙っていて。これから真面目な作戦の最終確認をするのだから、四つん這いになるのは後にしてちょうだい」
「ひ、ヒナさんっ……!? は、はいっ、申し訳ありません……っ(でも『後にして』ということは、作戦が終わったら一度くらいは座っていただける可能性が……?)」
頭を押さえて涙目でしゃがみ込みながらも、まだ何かブツブツと危ないことを呟いているアコ。
……なんだろう。さっきまでは「しっかりした芯のあるいい仲間たちだな」と感心していたはずなのに、蓋を開けてみれば、アビドス生徒会と大差ないカオスな匂いがプンプンしてきたぞ。
頭を押さえて涙目でしゃがみ込んだアコがようやく大人しくなったところで、俺はいまだに半信半疑といった様子の三人へ、さっきヒナに説明した潜入能力を軽く実演してみせることにした。
近くにあった公園の街灯の柱を幽霊のようにスッとすり抜けてみせたり、光をいじって自分の体を一瞬で透明にして消えてみせたり、そのまま5メートル先の木の枝に刺しておいたヘイローの欠片まで音もなくテレポートしてみせたり――。
「……ええ、よく分かった。確かにこれなら、どんな警備網も意味をなさないね」
俺がほんの数十秒で一通りの「手品」を披露して戻ってくると、アコ、カヨコ、サツキの三人は、もはやツッコむ気力すら失ったように乾いた笑いを浮かべ呆気なくその有用性を認めてくれたのだった。
「よし、話がまとまったなら、まずは現場がよく見える場所まで移動しようぜ。座ったままでいいから、ちょっと舌を噛まないように気をつけてくれよ」
俺が夜空へ浮かび上がると同時に、四人が座っている七色の『ヘイロー椅子』もそのまま空中へと浮遊させた。
「えっ、ちょ、椅子ごと飛んで――きゃあああっ!?」
しがみつくアコの悲鳴を夜風に溶かしながら、俺たちは夜のゲヘナ市街の上空を滑るように移動し、万魔殿の本部を眼下に一望できる高層ビルの屋上へと音もなく降り立った。
冷たいビル風が吹き抜ける屋上の縁から見下ろせば、サーチライトに照らされた巨大な万魔殿の威容が黒々と聳え立っている。
俺は潜入の前に、まずはヒナたち自身が描いている反逆計画の全体像について、改めて詳しく聞いておくことにした。
「――私たちの本来の計画では、いきなり雷帝本人を取り押さえるのではなく、まずはその周囲を固める直属部隊や資金源、武器庫を順番に削いでいく方針だったの」
屋上のフェンス越しに万魔殿を見据えながら、ヒナが静かに語る。
「その現場での蜂起や、反抗勢力を束ねる音頭を取っていたのが、リーダー格であるマコト。……けれど、そのマコトが数日前に突如として失踪し、雷帝側に捕まって地下監獄へ収監されたことが判明した。正直、それを知った瞬間は、私たちの計画もすべて漏れて作戦は失敗に終わったかと覚悟した」
「でも、実際にはそうじゃなかったんだろ?」
俺が尋ねると、隣で腕を組んでいたカヨコがコクリと頷いて引き継いだ。
「マコトが捕まったにもかかわらず、なぜか雷帝側の勢力は私たちを摘発しようと一向に動かなかった。不気味なほどにね。……つまり、あのマコトがどれだけ厳しい尋問を受けても、私たちの名前や作戦を何一つ喋っていないってこと。だから私たちは、向こうが痺れを切らしてマコトを処分する前に大急ぎで救出し、当初の予定通り雷帝の勢力を一気に削ぎ落とすことにした」
そして最後に、ヒナが冷徹な光を宿した紫色の瞳で万魔殿の最上階を見上げた。
「外堀をすべて埋め、マコトを取り戻して内部の反抗勢力を蜂起させた上で、トリニティとの『エデン条約』を政治的な盾として突きつける。……そうして逃げ場を完全に塞いだあと、私たちの手で雷帝を直接抑え込み、『卒業』してもらうことになっているの」
『卒業』、か。
その言葉に込められた凍りつくような響きからして、きっとヒナたちが言う『卒業』と、もうすぐうちのユメ先輩が笑顔で迎えようとしている「卒業」とでは、意味合いがまったく違うのだろう。権力の座からの永久追放か、あるいは学園、いやキヴォトスそのものからの放逐か。
まあ、いずれにせよそれはゲヘナの彼女たちが決めることだ。部外者の俺が今ここで深く詮索することじゃない。
「なるほど、状況と段取りはよく分かった。……じゃあ、さっさとそのマコトの位置を正確に把握しちまおうか」
俺は再び自分の頭上のヘイローから以前ミレニアムやカイザー基地でやった時のように、それを両手でググッと細長い『筒状』へと成形し、分厚いコンクリートの壁や地面を透かして見る『透視望遠鏡』へと変化させる。
もっとも、俺一人が覗き込んでいるだけではヒナたちに状況が伝わらない。
俺はポケットからスマートフォンと充電用のUSBケーブルを取り出すと、ヘイローでできた望遠鏡の側面にケーブルの端子を直接挿し込み、もう片方を自分のスマホへと直結した。
ピロリ、 と軽快な認識音が鳴り、俺のスマホの画面に、望遠鏡が捉えた万魔殿本部庁舎の内部透視映像が鮮明な色で映し出される。
「あら、ずいぶん便利ねぇ。ケーブルを挿してスマホに映像を出力するなんて、ミレニアムのエンジニアが見たら泡を吹いて倒れそうだわ」
後ろからスマホの画面を覗き込んだサツキが、目を丸くしながらも素直な感嘆の声を漏らす。
俺はピント調整のリングを回しながら、軽く笑って答えた。
「一人で見るより共有できた方が早いからな。実はこれを使って、砂漠の巣穴で寝てる自然の動物たちをこっそり観察するのが、今、俺たちアビドス生徒会での密かな流行りなんだ」
ユメ先輩なんか、地面の下で丸まって寝ている砂狐の親子を見るたびに『わぁ〜、ふわふわだよぉ〜♪』と大喜びしているからな。
すると、俺の何気ない言葉にピクリと反応した人物がいた。カヨコだ。
「……ねぇ、ちょっと聞いていい? その望遠鏡って、たとえば路地裏とか、屋根裏で丸まってる『猫』なんかも見れたりするの?」
クールな普段の態度から一転、どこかソワソワと真剣な眼差しで尋ねてくるカヨコ。俺は笑って親指を立てた。
「ああ、バッチリ見れるぞ。なんなら毛並みのツヤから、お腹が減ってるかどうかまで数値で出せるぜ」
「……そう。それは……すごくいいね。うん、すごくいい……」
カヨコは小さく拳を握りしめ、何やら一人で深く頷いている。どうやらこのクールな少女は、相当な猫好きであるらしい。機会があったら見せてやろうかな。
そんなやり取りをしつつ、俺は望遠鏡を動かして万魔殿の地上フロアから順番にスキャンしていった。
透視した庁舎の中は、夜間ということもあってか驚くほど人気がなく、武装した巡回の生徒が数人、規則正しいルートで廊下を歩いているだけだった。
「……ショウ、今の3階東側の部屋、少し拡大してくれる?」
「ん? ここか?」
ヒナが気になった場所を指差すたびに俺が映像をズームし、そこに映し出された武器の保管状況や警備端末の配置といった内部情報が画面に写る。
「なるほど、第3隔壁のロックシステムが変更されていますね……」
隣でアコが先ほどまでの動揺が嘘のようなプロの手際で淀みなくバインダーへと記録していく。
マコトを救出した後、彼女たちが本格的にここへ攻め込むための重要な事前偵察なのだろう。みんなの真剣な空気に当てられ、俺も自然と画面を操作する手つきが丁寧になる。
そうして地上フロアのあらかたの構造と警備状況を探り終えたあと。
「――よし。じゃあ、いよいよ本命を探すか」
俺はヘイロー望遠鏡の筒先をぐっと下へ傾け、ピントの焦点を万魔殿の床面――そのさらに奥深くへと沈み込む『特別地下監獄』の階層へと一気に合わせた。
俺がヘイロー望遠鏡のピントを地面のさらに奥深く――『特別地下監獄』の階層へと合わせていくと、スマホの画面に無機質な鉄格子の並ぶ牢屋の列が映し出された。
そしてその最深部。通常の独房とは明らかに異なる、分厚い鉄の装甲板で四方を厳重に覆われた異質な部屋が目に飛び込んでくる。
「……ここか」
俺が内部の様子へピントを絞ると、画面の中の光景が鮮明に浮かび上がった。
薄暗い部屋の床で、グレーの長髪と立派な二本の角を持つゲヘナの女生徒が、太い拘束用のワイヤーで全身を縛り上げられてうずくまっている。身体のあちこちには禍々しい電極のような機械が直接取り付けられており、時折ビクンッと全身を痙攣させては、脂汗を流して苦しげに息を荒げていた。どう見ても、ただの監禁ではなく何らかの過酷な拷問にかけられている真っ最中だ。おそらく彼女が羽沼マコトなのだろう。
その痛ましい姿を見た瞬間、後ろから画面を覗き込んでいたサツキが真っ先に声を上げた。
「マコトちゃんっ!!」
「無事……ではなさそうね。……それに、マコトの前に立っているのは、子供?」
カヨコが眉をひそめて呟く。
そうだ、部屋にいるのは縛られたマコトだけじゃない。何より異常だったのは、全身を震わせて苦しがっているはずのマコトが、なぜか唇の端を必死に吊り上げて「無理やり作った不自然な笑顔」を浮かべ、それを自分の目の前に立たされている小さな女の子へ向けていたことだ。
マコトの前に立っているのは、まだ七、八歳くらいの幼い金髪の少女。
彼女もまたゲヘナの生徒と同じ特徴を持っており、しかもマコトやヒナたちとは違って、小さな頭には『角』、背中には『黒い翼』、そして腰からは『尻尾』という三つの特徴をすべて揃えている。
だが、その幼い少女の顔はひどい怯えと後悔でぐしゃぐしゃに歪み、大きな瞳からポロポロと涙をこぼして、今にも崩れ落ちそうなほど小さく震えていた。
(……いったい、あそこで何が起きてるんだ?)
俺は画面の端に別の人影が映っていることに気づき、望遠鏡の視点を部屋の奥へとずらした。
そこには、豪華な椅子に深く腰掛け、足を組んで座る一人の女生徒の姿があった。
泣いている金髪の幼女と同じ黄金色の髪を持ち、同じく角と翼と尻尾を揃えた姿――違いといえば、あの幼い少女がそのまま冷酷に成長したらこうなるのではないか、と思わせるほどよく似た顔立ちをしていることだ。
そいつは両脇に二人の重武装したゲヘナ生徒を直立不動で従わせ、縛られたマコトが苦しみ悶える様子を、まるで極上の喜劇でも鑑賞するかのように心底楽しそうな微笑みを浮かべて見下ろしていた。
「……ヒナ。もしかして、こいつが……?」
「……ええ。あいつが、今の万魔殿のトップ『雷帝』よ」
ヒナの低く凍りついた声が響く。
画面の中で、椅子に座った雷帝がゆっくりと口を開いて何かを喋り始めた。さすがに地下深くの防音室から音までは拾えないため、俺は即座に雷帝の口元の動きから言葉を読み取り、スマホの画面の下部にリアルタイムで『字幕』として強制表示させた。
『――イブキ。どうして私の命令に従わないのですか?』
雷帝の冷ややかな問いかけに、制御盤のような機械の前に立たされた金髪の幼女――イブキと呼ばれた子が、涙声で首を横に振る。
『だって、マコトさんがかわいそうだから……っ。イブキがこのスイッチを上げたら、マコトさん、またビリビリって痛がっちゃう……!』
その字幕が画面に浮かび上がった瞬間、横で見ていたアコがハッと息を呑んだ。
「画面に字幕が……!? い、いえ、それよりも『スイッチを上げたら痛がる』って……まさか!」
「こいつ……っ、もしかしてあんな小さい子に、マコトが苦しむ拷問装置のスイッチを無理やり操作させているっていうの!?」
カヨコが怒りで声を震わせる。
こんな小さい子を利用しての拷問だと…!?何を考えていやがるんだ、あの女は……!
だが、俺たちの憤りを嘲笑うかのように、画面の中の雷帝は冷酷な笑みを深めて言葉を続けた。
『情けをかける必要などありません。あれはゴミ、ですよイブキ。私の統制に従わず、体制に反抗し、あまつさえ留年までした無価値なゴミでしかありません』
『ぐ、ぅ……っ、キ、キキキッ……! どうした雷帝、ずいぶんと必死じゃあないか! そんなに、この私がお前に反抗したのが気にくわないのかァ……!?』
床に転がっていたマコトが、焼けつくように苦しいはずの身体を無理やり引きずって持ち上げ、牙を剥くような不敵な笑みを浮かべて雷帝を挑発する。
その反抗的な態度に、雷帝の目がスッと細められた。
『――イブキ。出力を上げて、もう一度押しなさい』
『やだ……やだよう……っ! これ以上したら、マコトさんが壊れちゃうよぉ……っ!』
泣きじゃくりながら後ずさろうとするイブキ。そんな彼女に向かって、マコトは血の滲む唇を必死に歪め、いつも通りの豪快な笑い声を絞り出した。
『キ、キヒヒッ……心配するな、イブキ! 泣くんじゃあない! こ、こんなちっぽけな電撃など……この無敵の羽沼マコト様に、効くはずがないだろうがァ……っ!』
――マコトのその痛々しいまでの強がりの発言を見て、俺はあの部屋で起きている状況のすべてを理解した。
雷帝の奴……マコトから反逆計画の情報を吐かせるためだけに、マコトが可愛がっているであろう、いたいけな子供を人質兼「拷問の実行役」として利用し、二人の心を同時にへし折ろうとしているのか!?
しかも、同じ特徴を持つあの容姿……血縁か何かは知らないが、あんな小さな子供を自分の歪んだ支配のための『道具』としてしか見ていない目だ。
(――ふざけるなよ)
ギリッ、と奥歯が音を立てて鳴った。
脳裏にフラッシュバックしたのは、俺が育った外の世界の孤児院に、身勝手な理由で置き去りにされてきた小さな子供たちの姿だった。親の都合や大人のエゴで傷つけられ、道具のように扱われ、自分が悪いわけでもないのに『ごめんなさい』と怯えて泣いていたチビどもの顔と、画面の中で涙を流して震えているイブキの表情が、完全に重なった。
まるで、あの頃のクズな大人どもとまったく一緒じゃねえか……!!
腹の底からドス黒い怒りが沸騰し、今にも血管がブチ切れそうになる頭を、俺は深呼吸して無理やり押さえ込んだ。
ここで俺まで我を忘れて暴走するわけにはいかない。――なぜなら、俺のすぐ後ろでスマホの画面にかぶりついて見ているヒナたち四人の表情の方が、俺以上に限界寸前でひどいことになっていたからだ。
サツキは唇から血が滲むほど歯を食いしばり、カヨコとアコは怒りで全身を小刻みに震わせている。
そして一番前に立つヒナに至っては、瞳を見開いたまま呼吸すら忘れたように硬直し、その小さな手から今にも暴発しそうなほど殺気を噴き上げていた。
「ヒナ……おい、ヒナっ!」
俺はヒナの両肩をガッと掴んで強く揺さぶり、凍りついていた彼女の意識を現実へと引き戻した。
「……っ!? ……ご、ごめん、ショウ……」
「今はいい! それよりも、予定変更で今すぐマコトたちを救出した方がいい! 俺が今から最速で地下へ突っ込むから、その後のヒナたちの動きを簡潔に教えてくれ!」
俺が早口で問いかけると、ヒナはハッと息を呑み、瞬時に情報部員としての冷静な頭脳を回転させて答えた。
「……っ、ええ! あなたがマコトを救出した後に、私たちが万魔殿の四方に待機させている反抗部隊で庁舎を完全包囲し、そのまま内部へ突入して雷帝を直接抑え込む!」
「そっちの動かせる戦力はどのくらいだ!?」
「私たち1年生がほとんど! 2年生は全体の半分くらいが同調してくれているけれど、雷帝の息が深くかかっている3年生は、味方としては期待しない方がいい!」
「包囲部隊がここまで突入するのにかかる時間は!?」
「事前に雷帝側へバレないよう分散して配置しているから……今から召集をかけても、万魔殿の本部まで辿り着くのに早くても『二十分』はかかる!」
「二十分か、分かった! そっちの戦力の援護はいるか!?」
俺が最後に確認すると、ヒナはギュッと拳を握りしめ、力強く首を横に振った。
「……大丈夫。マコトたちの救出以外は手を出さないでほしいの。……これは、これからこの学園を生きていく私たち『ゲヘナ』自身の手で乗り越えなきゃいけない壁だから」
迷いのないその言葉に、俺は「分かった」と短く頷いた。
即座にスマホからUSBケーブルを抜き、ヘイロー望遠鏡と自分のスマホをセットで隣のアコの胸元へと押し付けるように渡す。そして、昼間に用意した黒い目出し帽を頭からすっぽりと被り、常に発光している七色のヘイローをグイッと引っ張って黒いジャケットの内側へと押し込んで光を完全に隠した。
「アコ! その望遠鏡とスマホがあれば、万魔殿の中の敵の行動はリアルタイムで筒抜けにできるはずだ。うまく使えよ! それと、さっきお前たちが乗ってきたあの4つの『ヘイロー椅子』、制御権はもう一度座った奴にそのまま譲るように書き換えておいたから、空中からの移動や盾代わりに自由に使え!」
「……っ、は、はいっ! ありがとうございます……っ!」
さっきまで俺に噛みついていたアコが、複雑な、しかし覚悟を決めた真剣な表情で機材を抱え、深く頭を下げた。
「っと、そうだ。念のためにこれもうまく使ってくれ」
何かを思い出した俺は、ジャケットの内側に隠した自分のヘイローの『中心部分』へズボッと右手を突っ込み、亜空間倉庫のようになっている内部の空間から、七色に輝くピンポン玉サイズの塊をジャラジャラと掴み出して、カヨコとサツキの二人へ五個ずつ手渡した。
「昔、自分のヘイローで遊んでた時に作った『特製閃光弾』的なやつだ。床に叩きつけて割ると、ランダムな効果で周囲の相手に強烈な状態異常や精神的ダメージを与える。とりあえず合わせて10個渡しておくから、数が足りない時の足止めに、できるだけ味方がいない場所へ投げ込めよ!」
「え、ええ……なんだかよく分からないけれど、ありがとう。ありがたく使わせてもらうわね」
「『ランダムな効果』っていうのがちょっと使うの怖いけど……まあ、今の状況じゃ贅沢は言ってられないね。試してみるよ」
以前、アビドスの生徒会室を黒歴史博覧会にして地獄絵図に変えた代物だが、まあ敵に向けて投げる分には絶大な効果を発揮するはずだ。少しビビりながらも受け取るサツキと、冷静にポケットへしまい込むカヨコを見届け、俺はクルリと踵を返した。
「じゃあな、ヒナ。行ってくるわ」
ビルの屋上の縁へ向かって歩き出した俺の背中に、小さな、しかしよく通る声がかけられた。
「――ショウ」
足だけを止め、目出し帽を被った顔だけを後ろへ振り向く。
そこには、夜風に白い髪を揺らしながら、祈るような神妙な顔つきでこちらを見つめるヒナの姿があった。
「……マコトを、お願いね」
「ああ、任せとけ」
俺は短く請け負うと、さっき画面の中で涙を流していた小さな少女の顔を思い浮かべ、一つ付け加えた。
「それと、あそこにいた子供……『イブキ』だったか? あいつも一緒にここから連れてくるけど、いいな?」
自分のくだらない支配欲のために、あんな小さな女の子に仲間の拷問を強要して心を踏みにじるなんて――俺の中の絶対に譲れない一線を、あの雷帝という女は土足で踏み越えたのだ。
目出し帽で隠れているとはいえ、今の俺は、きっと自分でも引くくらい凶悪で、あまりいい顔をしていないだろう。
だが、俺の目元の奥に宿る静かな業火を見たヒナは、何も言わずにただ深く、コクリと頷いてくれた。
(――許さねえ。どこの世界の誰であれ、子供っていうのはな、美味しいもん食って笑っているべきなんだよ)
俺は沸き上がる怒りのすべてを両足の裏へと込め、屋上のフェンスを蹴り砕く勢いで夜の虚空へと飛び降りた。
重力の楔を完全に解き放ち、黒い一筋の流星となった俺は、眼下に聳える万魔殿の本部庁舎めがけて一直線に翔け下りていった。
原作での描写としては、ヘイローに巻き付き精神を壊そうとした洗脳装置。それって雷帝がヘイローに干渉できたとも捉えられる。それとも精神を壊されるのを分かりやすくしたイメージかのかな?
もしもイブキが雷帝の身内、もしくはクローンだとしたら。精神が壊れ、ヘイローも壊れた肉体に、別の意識が入った場合はどうなるのだろうか。意識が乗っ取られるのと同時にヘイローも変わるのかな。
もしそれが成功したならば、ゲヘナで永遠に生徒として君臨できるのかも。でも大人なのに生徒会長として存在したベアトリーチェや、コクリコの様な存在もいるし、生徒として居なければならない理由でもない限りする必要はなさそう。
だが仮にそうだったら、イブキがされていた事は教育ではなく、心を壊させる為に……
なんて考察もどきの妄想を考えてみる。
1〜3話を目安に書きます
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ゲヘナ雷帝編(雷帝ナシ)
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アヤメ誘拐編
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どっちも書いて♡
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別にいらないな、回想でいい