○○:レミリアの眷属扱いとなった元【普通】の人間。
レミリア:紅魔館の主。○○の…
今日は月が見えない。新月なんだそうだ。
吸血鬼は新月の間が最も力を発揮できるそうで、
今宵が最強らしい。
新月なんて今まで気にしたことすら無かった。
ちなみに赤い満月の日はかっこいいから好きなんだそう。
かっこいいかどうかはおいておこう。
カリスマがなんだかんだと言っていたが、可愛いだけなので関係ない。
いつも通り膝の上にレミリアを乗せ、頭を撫でていた。
半月もしていれば、もう当たり前のこと。
他愛のない会話をして、からかってからかわれて、何気ない一日のはずだった。
紅魔館の上部から何かが天井を切り裂いて突き刺さった。
突き刺さったものをみると、
まるでレミリアのスペルカードみたいな赤い槍。
そしてそこには
「なんで…」
続きを言う前に俺の頭が撃ち抜かれた。
俺は死ぬのか…レミリアは無事だろうか。
死んでほしくはないな。
確かに見たぞ。お前を。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
間違いなく私は○○の前にいた。
彼をかばうように。戦闘準備もしていなかったわけではない。
だが気づいた頃には【銀の弾丸】が私の真横を通り抜け、
彼の頭を撃ち抜いていた。
霧のような、靄のような何か。
正体不明の何かが彼を殺した。
放たれた銀の弾丸は見えたのだ。
吸血鬼には毒である銀の弾丸自体は。
私にとって銀は別になんてことは無い。
その程度では私は死なない。
だが私を一瞬ためらわせる程には効果があったようだ。
その一瞬があれば○○は死ななかったのに。
私の力をもってすれば防げた一撃。今日は新月。
吸血鬼である私が一番力が出せる日のはずだったのに。
私が正体不明の犯人を再び振り返って見たときには既に誰もいなかった。
守るべき相手を失い、倒すべき相手すら消え、正体すら不明。
これが異変でなくて何という。
彼がいなくなったこの世界はよく言えば元通り。いつかは来るそんな未来。
悪く言えば…
私のこの想いはどうすればいいのだろう。
「あぁああああああああああああああああああっ!!!」
沢山泣いた。この私が。
たった一人の人間の為に。
もう何も考えたくは無い。
私の首に光るネックレスが彼を…○○を忘れさせてくれない。
後になって分かった事は紅魔館の皆は綺麗に全員気絶させられていて、
誰も彼を助ける事は出来ず、フランでさえ何もできなかったそうだ。
咲夜の能力すら使えなかったのはどうすることもできないだろう。
死してなお、私の事を縛るあなたをきっと私は…
「愛しているわ。」