バグ魂(ソウル)の不確かすぎる多世界周回   作:カミト6622

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オリ主、原作で絶対に食べたいものの1つ、ワンピースの空島編の料理


第60話:『黄金の鐘と、雲の上の饗宴』

第60話:『黄金の鐘と、雲の上の饗宴』

 

 上空一万メートルに浮かぶ神の国『スカイピア』。俺たちは、スカイピアの住人たちが住む「神の社」をさらに通り過ぎ、天空へ向かって真っ直ぐにそびえ立つ巨大なツル植物『巨大なマメの木(ジャイアント・ジャック)』を上へ、上へと登り詰めていた。

 おでんの案内とロジャーの「万物の声を聞く力」に導かれ、神の社よりも遥か上空、雲を突き抜けた最上層の遺跡へと辿り着いた先――俺たちの目の前に、それは姿を現した。

 

 まばゆい光を放つ純金の輝き。歴史の真実を伝える深い青色をした『歴史の本文(ポーネグリフ)』。

 これこそが、大過去の歴史を伝える伝説の「黄金の鐘」だった。

 

「わははは! 見ろおでん! 本当にあったぞ、黄金の鐘だァ!!」

「うおおおお……! なんという美しさ、なんという巨大さだ! 鳥肌が止まらねェ!」

 

 ロジャーとおでんが歓声を上げ、少年のように目を輝かせて黄金の大鐘を見上げる。バギーも巨大な黄金に目を輝かせる。

 ロジャーはポーネグリフの前に歩み寄ると、そこに刻まれた「声」をじっと聞き取り、確信に満ちた笑みを浮かべた。それを見たおでんは、ノミと槌を片手にロジャーを振り返る。

 

「何て書く?」

 

 おでんの問いかけに、ロジャーは不敵に笑って力強く言葉を紡ぎ出した。

 

「『我ここに至り この文を最果てへと導く』――これだおでん!!」

「お安い御用だ おれが文字を刻めば傷つかねェ 決して朽ちぬ文字となる」

 

 おでんがノミと槌を構え、カン、カンと心地よい音を立てて黄金の台座に文字を刻み始める。

 後に未来の海賊たちが目にする偉大な歴史の足跡が、おでんの強固な意志と共に黄金へと刻まれていく瞬間だった。

 

 そんな歴史的な名シーンの裏で、俺はといえば、すっかり別のものに心を奪われていた。

 島民たちが歓迎の印として雲の上まで運んできてくれた、空島特有の料理の数々だ。

 

「おいクロウ、お前そんなものばかりバクバク食って……。ロジャー船長たちの歴史的な瞬間に少しは感動しろよな!」

「何言ってんだよシャンクス。花より団子、歴史より飯だろ。……っていうか、これ、マジで美味すぎるぞ」

 

 俺が手づかみで口に運んでいるのは、空島名物の『スカイシーフード(空魚のソテー)』や、独特の甘みを持つフルーツ『コナッシュ』を使ったデザートだ。

 

(……おいマタムネ、サクヤ。これ、ちょっと信じられないくらい美味いぞ。青い海の魚とは、身の引き締まり方も脂のノリも全然違う)

 

《クク……。お主、1周目で美味いものは食い尽くしたと思っていたが、雲の上の珍味には一本取られたな》

 

 霊体のマタムネが呆れたように笑いながらも、どこか興味深そうに俺の皿を覗き込む。

 

《本当に美味しそうですね、クロウ様。この世界独自の自然エネルギー(パイロブロイン)を含んだ雲と水が、魚たちの肉質を信じられないほどまろやかに変質させているのでしょう》

 

 サクヤの解説通り、空魚の身は口に入れた瞬間にフワリと解け、濃厚な旨味がジュワッと広がる。爽やかなコナッシュの果汁がそれに完璧に調和して、前世を含めてもトップクラスに美味いと言わざるを得ない絶品だった。

 

「おい、バギーもシャンクスも、歴史の本文ばっかり見てないでこれ食ってみろって。空島の料理、マジで大絶賛だわ。これ食うためだけに空島に登る価値がある」

「あァ!? ……ん、もぐ……う、美味ェじゃねェかコノヤロー!!」

「本当だ! 青い海のどこの酒場の料理より美味いぞこれ!」

 

 俺に釣られて料理を口にしたバギーとシャンクスも、一瞬で目を丸くしてガツガツと食い始めた。神の社よりさらに高い天空の遺跡で、見習い3人組が飯を絶賛して盛り上がっている様子に、レイリーが「お前らなぁ……」と苦笑している。

 

「わははは! 目的は果たした! 雲の上のご馳走をたらふく食ったら、次は青い海へ飛び降りるぞォ!!」

 

「「おおおおおーーーっ!!!」」

 

 黄金の鐘の音が、どこまでも高い空の果てへと鳴り響く。

 歴史の核心に触れ、かつ雲の上の極上の味に大満足した俺は、首元のロザリオを服の中にそっと収め、飄々とした笑みを浮かべながら、次なる伝説の舞台へと向かって舵を切るのだった。

 

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