目覚めたら潜在犯でした 作:赤いロロ雑巾
(ジャンル名だとニエンテ)
…私はBPM95のやつしかまともに叩けないですが、
脳内に流れていたのはEX仕様です
音楽とは決別して、執行官としての責務を果たす。
私、
はずだったのだが、そこは想像とは大分違っていた。
中央部は、確かに机が並んだオフィスだった。
しかし、端に設けられた一角で、筋骨隆々の男性が、
近づいてみると、随分とテンポの早い音楽が聞こえる。
このリズムに合わせて矢印が流れてくるようだ…
流れてくる音楽は…シビュラ社会に出そうものなら
一発で発禁処分を喰らいそうな
自分が一時期表現しようと試みていたような、
ハイテンションや衝動を音にしたような感じだった。
曲が終わると、彼は眺めていた私に気がついたらしい。
『おう、六合塚。今日が初出勤だったか…
ゲームがいいところだったんですっかり忘れてた。』
そう言ったのは、私をスカウトしてくれた、
監視官である狡噛慎也だった。
「あの…ここって刑事課一係の詰所で合ってます?
職場にゲームが置いてある…って普通なんですか?」
『まぁ、ただのゲームだったら許可されないな。
このゲームは、トレーニング機器も兼ねている。
足元に投影されてる8枚の矢印パネルを、
音楽のリズムに合わせて踏んでいくんだ。
中には踏み続けないといけない矢印もあるし、
逆に、矢印が来た瞬間にジャンプしないと
ミス判定になってしまうものもある…
見た目に反して、意外とやりがいがあるぞ。
最初は分析室が暇つぶしに作ったものなんだが、
テストプレイをしてるうちにハマってしまった。
1曲も2分程度で終わるし、色相もクリアになる。
案外君もハマるんじゃないか?』
確かに、リズムに乗って身体を動かすことは、
色相をクリアにすることに繋がるのかもしれない。
そう思っていると、デスクの方から声がかかった。
『狡噛、新人にいきなり暇つぶしを教えるな。
まずは書類作成とか基本からやるべきだ。
第一、それをまともにプレイ出来るのは、
余程の身体能力がある人間を辞めた奴だけだ。』
『ギノ…俺に対抗して高難度の譜面に挑んで、
転倒して捻挫したことを今でも根にもってるのか?
ちゃんと自分にあった難易度でプレイすれば、
色相もクリアになるし、座りっぱなしも防げる。
志恩からも局長からも推奨されてるプログラムだ。
そこまで敵視することはないと思うぞ。』
そう言われると、デスクにいた宜野座…さんは黙った。
「…私はつい最近まで芸術活動をしてましたが、
リズムに合わせて身体を実際に動かすゲームなんて
正直聞いたことかありません。誰の発案ですか?」
そう言うと…狡噛さんは少し考えてから話し始めた。
『…まだ正式なメンバーではないんだが、
さっき説明した唐之杜志恩のほかに、
彼女の弟子として訓練中の潜在犯がいるんだ。
アイツはかなりの
正直、ある程度この職場に慣れてからじゃないと
接しただけでエリミネーターに狙われかねない。
最初に施設にぶち込まれた時なんて、
犯罪係数291なんて数字を叩き出した化け物だ。
…だが、そいつはシビュラ社会では存在しない
落ち着いたら会ってみるといい刺激になるかもな。
監視官ならともかく、潜在犯なら多少犯罪係数が
悪化してもそこまで問題にはならないだろう。』
…もっと殺伐としてると思った職場は、
少しだけだけど、家族みたいな雰囲気を感じた。
この人たちと長く仕事を続けていきたい。
そのためには、早く一人前の執行官にならなくては。
社会も同僚も、強くならないと守れないから。
この話を書き始めるのに、実に3週間近くかかりました
思いっきり締め切りギリギリです…
精神薬の処方が変わったせいなのか知らないけど、
思いっきり感情がフラットになってしまいまして、
何かを書きたい、って衝動もなくなっちゃってました…
ストーリーはちゃんと思いついてるので、
なるべく早く次の話を書いていきたいところです。