目覚めたら潜在犯でした 作:赤いロロ雑巾
…お腹空いてるのか、家に帰りたいのか
果たしてどっちなんだろ?
いつもの
71キロあった体重は、いつの間にか60キロを切った。
ただ…最近、勉強に対するモチベが低くなってきた。
この前、
またしても「判定不能」と帰ってきたのだ。
なぜ急に職業適性考査を受け直す…ことにしたか。
それは、執行官の上司にあたる監視官の
ワクさん…という方が殉職したと聞かされたから。
自分は社会の役に立つことが出来ない…
そういう思いに囚われてしまい、勉強が進まない。
タイピング速度だけなら、毎分250文字にはなった。
それでも…自分には何かが
そう思わざるを得なくなってきたのだ…
ちょうどその頃、公安局内にある
和久監視官が殉職した後、刑事課のメンバーは
大幅な配置転換を強いられた。
彼女も、気づいたら一係担当の分析官になっていた。
ただ…彼女のいつも通りの勤務というのが、
果たして誰でもこなせるものかと言われれば…
誰が見ても「不可能」と言ったであろう。
下手すれば1日16時間こき使われて、
最早、まとまった睡眠を取ることすら難しい。
こんな状況でも、彼女は正気を保つために、
精神薬の大量摂取や、タバコを吸い続けるといった、
最早「命を削っている」レベルの行為を続けていた。
『おう、志恩ちゃん、生きてるか?』
そんな彼女に声をかけたのは、
一係の執行官である佐々山であった。
本来人と接することを諦めていた彼女の領域に、
ある意味土足で踏み込んできた彼は、
自分が人間であることを思い出させてくれる、
ある意味唯一無二の存在であった。
「…一応ギリギリ生きてはいるわ。
いくら自分が『情報の女神』とか呼ばれるくらい
ここでの評価が高い、としても
流石に一係の仕事量は…正直音を上げたいわ。」
『…そんな志恩ちゃんに提案を持ってきた。
出来る仕事はデータ入力だけかもしれないが、
その速度だけなら既に俺等を
ある意味、座敷童子みたいな奴がいるんだ。
…そいつを助手として鍛えてみる気はないか?』
「…ちなみに、ソイツのタイピング速度は?」
『毎分250文字…といったところか。
正直、あいつも和久監視官の殉職のことを聞いて
自責の念にとらわれて
…可能であれば、あいつを救ってやってほしい。
志恩ちゃんが忙しいのはわかっているが、
あいつがここに馴染めば、何となくだけど、
「…ちなみに、ソイツは予測変換とか使ってるの?」
『…いや、よく考えたらそんなもの使ってないぞ?
アイツは、システムも予測出来ない
間違った予測を出し続ける入力システムに
「…予測変換もなしでその速度?
そして、シビュラでも理解できない思考の持ち主…
へぇ、なかなか面白そうじゃない。
とりあえず助手として雇うかは別として、
いいわ。なるべく早く時間を作ってあげる。
その為には…佐々山くんも問題を起こさないで
穏便に事件を解決してきてね」
『…善処する、としか言えねぇな。
じゃ、よろしく頼むぜ。』
ちょうどタバコを一本吸い終えた彼は帰っていった。
シビュラすらある意味
それこそ
二人が出会うまで…あと少し。
…時系列が調べづらい!
多少ズレてるかもしれないけどご了承を…