親愛なる彼女を救いたい 作:MJより普通にグウェンが好き
原作:スパイダーマン
タグ:R-15 オリ主 アンチ・ヘイト 転生 MARVEL DC(用語、ネタのみ) グウェン・ステイシー エレクトロ 独自設定・解釈 曇らせ スパイダーグウェン
けど変だな、どうして彼女がドンドン曇る方に行くんだ⁉︎
一つくらい…(変なの)入れてもバレへんか!
人間というのは許容範囲を超えた出来事に直面すると何処か他人事に受け止めるらしい。
そう思いながら手から……否、身体中から迸る電撃を呆然と見ていた。
「マジかよ……ホントに上手くいった……」
平凡だったけど順風満帆だった俺の人生はその日、終わりを迎えた。
物語の始まりは、少し前に遡る──。
◇
俺の名前は……まぁ何でも良い。
名前負けしてるから自分の名前があまり好きじゃないから、しがない市民Aだとでも思ってくれ。
トラックか電車か覚えてないけど事故死して、第二の人生を送っている。
「ようレックス、相変わらず陰気臭いな!」
「おうレックス!ほれ、クリプトン石ならあっちだぞ?」
「レックスじゃねえか、相変わらずハゲ散らかしてるな」
……周囲の人間は俺をレックスと呼ぶ。
クイーンズの育ちのティーンのシティーボーイだ。
決して本名では無いが、元の名前を捩ってるのと「スーパーマン」に出て来る永遠の
まぁ要は髪の毛が薄いハゲ弄りだ。……俺はハゲてないけどな。
俺はハゲてないけどな?(二回目)
第二の人生がまさか外国人だとは思わなかったが、前世日本人で英語がダメダメだった俺も住めば都と言ったもので、今では新しい環境にすっかり慣れ……る前に元となった価値観のせいで散々躓きまくったお陰で、今ではこうして日陰街道を邁進している。
けど周囲からの度が越えてる弄りをこうして耐えられているのも、訳があるだ。
「おはよう、レックス。少しは言い返したら?」
「い、いいんだ。慣れてるし。平気だよ。お、おはよう──グウェン」
ブロンドの長髪が太陽の光を反射して眩しく光り、俺を転生させた女神(そんな奴いるわけが無い)がそのままこうして地上に舞い降りてきたかの様なこの世の物とも言えぬ程美しい女性……そう、彼女こそが俺がこうして底辺カーストのスクールライフを歩みながらも学校に来る理由。
……はい、彼女の名前でもう察しの良い人はお気付きになられたことでしょう。
この世界はマーベルコミックスかアニメか映画が元になったと思われる平行世界で、彼女はその中でもネームドのキャラ。
そして、とんでもない悲劇が待っているキャラだ。
近い将来、彼女にはボーイフレンドが出来る。その彼女のボーイフレンドは何と日本でも知名度の高いアメコミヒーロー、スパイダーマッ……失礼、スパイダーマンなのである。
詳細を語ると主観込みでとても長くなるので端的に言うと、彼女がスパイダーマンのガールフレンドであることを知った悪い奴が、彼女を人質に取りスパイダーマンを誘き寄せ、彼女を橋から落として殺そうとする。スパイダーマンは彼女を助けようとウェブを発射するが、ウェブがグウェンを捕らえた時の衝撃で首が折れてしまい、彼女は亡くなってしまうのだ。
端的に言ってこの長さか。要は『スパイダーマンの所為で死ぬ』のだ。
……まぁこの後、彼女に熱烈に思いを寄せる生徒に恋するという大学の激ヤバ先生が彼女のクローンを作ったり、実は彼女の死因を使った仇敵であるグリーン・ゴブリンことノーマン・オズボーンとデキてて隠れて双子を出産していたとか更にとんでもない事実があったりするのだが、それはこの際置いておく。
……俺も初めて知った時はショックで感情が追いつかなかったし、隅に置いておけないの事実なのは兎も角。
事の発端は彼女の死だ。色んなキャラが死んだり生き返ったり、リセットされるアメコミ世界でも、死してピーターに多大な影響を及ぼしたベン叔父さんとグウェンは蘇生される事は今日までなかった。
なら、彼女を救えば来たる悲劇を回避出来るのではないか?
そう思った俺はとりあえず、死因その1である彼を探した。
ピーター・パーカー。全ては彼がスパイダーマンだった事から始まった。
ならば彼を彼女の周りから遠ざけて近付かなくさせれば良いのでは?
そう思い探した所、時間は掛からなかった。
というか、自分が気付かなかっただけで同じクラスのクラスメイトだった。
いつも俺を弄ってくるヤツに聞いた所、「お前自分のクラスメイトも覚えてねえのかよ」と呆れられた。
俺の名前も満足に覚えない奴に言われたくない。
漫画でも描く作家によって顔が全然違うから、分からないのは当たり前。巨匠スタン・リーが描いたの何年前だと思ってるんだ。
……と言い訳をしておく。
どうやらまだ蜘蛛に噛まれる前みたいな様だ。
当面はまだ大丈夫だな。
ただグウェンとも仲が良いので、そこだけが気に入らない。
最も、これはただの僻みである事は自覚している。あとハリーもいた。この世界でも二人は仲が良いらしい。……暫くは様子見だな。
次に死因その2であるノーマン。
これもまぁどうしようもない。
此方から何かアクションする事はない。というか、出来ない。
相手は大企業の社長であり、何の力も後ろ盾もない一介の学生がアポを取り付けて会える訳もない。
しかし、幸いな事にこれはグウェンも同じだ。
いくら彼女が才色兼備と言えども、未だに接触できる様な理由もない。
援助交際的なことをグウェンがしてるなら兎も角、グウェンがそんな事するわけ無いだろ(過激派)。
この先の事は何とも言えないが、此方も当面はまだ大丈夫だろう。
次に、そんな彼女をどうすれば守れるか、だ。
力がいる。とびっきりの力、金や権力といった比喩的なモノではなく、文字通り人智を超越した力……スーパーパワーが。
自分が知ってる限り、何パターンか入手経路はある。
1.先天性の遺伝子からミュータント・若しくはインヒューマンズ(メタヒューマンでも可)に覚醒。
前述した通り、俺は市民A。
そんな物はない。
ていうかミュータントもインヒューマンズも、血筋だからな?ジャンプ主人公みたいに結局血筋問題は俺一人の意思でどうにもなりはしない。
2. 薬品実験や事故・特殊な生物との接触。
超人血清やガンマ線の実験で事故る予定もない。
スティーブ・ロジャースみたいに揺るぎない正義感もないし、ブルース・バナーみたいに自制してハルクになれる自信もない。
それに両者とも愛する女性と何らかの理由で離別してる、俺はグウェンと離れるのは嫌だ。……自分が付き合えると思ってる訳でもないが。
3.特殊な生物との接触……スパイダーマンとかヴェノムとかモービウスとかがそれに当たるけど、全部御免だね。
それにスパイダーマンになったら何かの因果関係でグウェンが死んじゃうかもしれない。
却下だ。
3. 魔術や武術の修行
そういった特殊な力には憧れがないといえば嘘になるが、将来的に世話になる予定はあっても身につける予定はない。
それなりに修行するとなれば、ここを離れなくてはいけない。
さっきも書いたが、グウェンと離れるのは嫌だ。
…あ、いや、学校もある。
流石に学歴が高校中退は今の社会で冒険し過ぎてる。
4. ハイテク・パワードスーツの開発
散々言ってるけど、俺はモブ中のモブ。
トニー・スタークみたいに大金持ちじゃないし、バットマンみたいな特技が金持ちとか言っちゃう御曹司でもない。
勿論レックスみたいに何してるか分からんけど金を持ってるわけでもない。…俺じゃなくてスーパーマンに出てくるハゲの方ね。
そしてそんなに頭も良くない、それなりだ。
「詰んでるな……」
俺がこうして学校で授業を受けながら、頭を抱えてどうすればグウェンの死を避けられる様にするか考えている間にも時は待ってくれない。
その瞬間がいつ来るかもわからない。
明日か明後日か、来週か一年後か?
所詮アメコミにわかの偏った知識だ、限界もある。
俺なんて最初スパイダーマンみたいに、バットマンはコウモリに噛まれたからコウモリ男になったと思ってた。最初に観た実写版のバットマンでキャットウーマンが猫に噛まれて猫女になってたから、バットマンもその口だと思ってた。
「にしても今日は雨が強いな……」
窓から見える外の景色を眺める。
雨足も強く、遠くで雷が落ちているのが見える。
帰るのも大変そうだ、傘を持ってきて良かった。
雷といえば、DCコミックのヒーロー、フラッシュは(正確には二代目フラッシュ)落ちて来た雷でスーパーパワーに目覚めるとかあったな。
あの雷にもそういった力があって、俺に落ちて来てくれたらなぁ。
……ん?
雷……待てよ?
「そうだ、雷だ!」
俺はヒーローがスーパーパワーを得るのを参考に考えていた。
力を得るなら、別にヒーローに拘る必要はないのだ。
ヴィランが得ている力でも良いのだ。
何かでも言ってたっけな、正義は悪から生まれるって。
スパイダーマンは放射性物質を浴びた蜘蛛に噛まれたからスーパーパワーを身に宿す事になった。
それと同じような経路で力を宿すことになったヴィランがいははた。
実写版スパイダーマン二作目、アメイジング・スパイダーマンの2で最強の敵と銘打って出て来たヴィランは、感電事故というのもあったが、遺伝子操作を施されていた電気ウナギに噛まれてその力を得た。
彼は作中で並外れた強さで描写されており、前作のヴィランであるリザードは何とか一人で倒したスパイダーマンが、一人で倒すのは困難だった程だ。
なら、その力を宿すのも手ではないか?
それに自分が知ってる限り、雷を使うヒーローは強い。
雷神ソー、フラッシュ、シャザム。
エレクトロはヴィランではあるが、ここに名を連ねても役不足にはならない。
寧ろ上記三人よりも、電気系操作能力者として他の追随を許さない強みが数多くある。
あと、本家エレクトロとかマイルスとか電気能力者は総じて黒人が多い。
ついでにカミングアウトすると俺も黒人だ。
こう言うと今は人権団体みたいなのが煩いが、事実なのだからしょうがない。
これで行こう。
そう思ってる俺の肩に、ポンと手が置かれた。
「授業中に余所見とは、随分と良い身分だな?レックス」
額に薄らと筋が浮いてる、学科の先生が居た。
因みに担任で、マッツ・ミケルセンに似てる。
周りの連中はクスクスと笑っている。
───この後無茶苦茶謝り倒した。
●
で、冒頭に戻る訳だ。俺は見事に望んでいたスーパーパワーを手に入れた。
丁度数日前に学校の社会科見学でオズコープに行くのを知り、計画を実行。
計画というには些末な物だ。
皆と逸れたフリをして、社内に潜み入した。
その一部始終が此方だ。
『え、こっちかこっち?……蜘蛛のブースのサンプル多くない⁉︎』
※彼は迷子です
『……やべ、人来た。……(物陰に隠れて)セーフ(微妙に見えそう)』
『……おっ電気ウナギ、これか』(地図も無い為、数十分同じ所を周回していた果てにようやく辿り着いた)
『(水槽の上のヘリに四つん這いで掴まってかは)待てよ?とりあえずこの水槽から一匹だけ、捕まえればいいのでは?俺態々水槽入る必要無くね?いや別にね、チキってる訳じゃなくてね?というかこの姿勢なんか今にも落ちそうなくらい不安定だし『押すなよ?押すなよ?』って感じでダチョウ倶楽部みたいじゃ(チクッ)痛ッ、手に何か刺さったァァァァ⁉︎(ザッバァーン)』
──という訳だ。
凄かったでしょ、俺が落ちる所が特に。
え、落ちた後?何か奇跡的にバレなかった。
まるで皆、
スーパーパワーを手に入れた全能感から俺は、そこからは一種の酩酊状態みたいになりながら何とかクラスメイトの一団と合流。
その後は普通に帰ったが、あまりの気分の悪さに寝込んだが一日寝て起きたら体の調子がとても良い。
「当然か、こんな力が身に付いているんだからな」
手元で発生する雷を弄びながら、俺は一人呟く。
今日は学校を休んで(勿論ズル休み)、この力で何が出来るか試している。
雷を無造作に操ったり、雷状になって移動したり、ヒューマントーチの雷verみたいな移動を試したり。
……しかし、
母親にも今朝「アンタ隠れて筋トレでもしてる?」って聞かれたし。
「これもスーパーパワーの影響か?」
関係あるのかなぁと頭を捻りながら、この間も自分に何が出来るかを試していく。
バク宙、ロンダート、色んな動きを試していく。
ここまで身のこなしがいいと最早体操選手だな。スーパーヒーローじゃなくてスポーツ選手になってオリンピック目指すか?
……そういえば。
「もしかしなくても昨日がピーターが蜘蛛に噛まれた日か?」
自分の目的に夢中過ぎて忘れていたけど、不味いな。
スパイダーマン誕生阻止できなかった訳だ。
ピーター自身が特に変わった様子は無さそうだったけど……周りに合わせて不自然にならない様に振る舞ってて、あまり分からなかっただけか?
……にしてもオズコープ社出た時にピーターの方からなんか凄い鋭い感覚がした気がしたんだけどなぁ。
なんか凄い
……気のせいだったか?
兎に角。
この力を持って、俺は来たる悲劇に備えよう。
身体を鍛え、デザインを起こし、コスチュームを作り、街に蔓延るチンピラをブン殴る。
上手く行ってた。
全て順調だと勝手に思ってた。
上手くいってると、思ってたんだ。
───あの日までは。
●
崩れた瓦礫の中に、運良くその中で埋もれずに人が倒れていた。
俺は、見覚えのある顔の少年が上半身裸で横たわっているのをみて愕然とした。
──
この作品のグウェンはエマ・ストーンでイメージしてます。
作中で多少(?)美化してる傾向があるのは作者がエマ・ストーンのグウェンが凄い好きだったからです。
キャストした人天才だと思いましたね。
簡単な人物紹介
レックス(仮称)…この作品の主人公。DCとマーベル知識(にわか)とその他サブカルに詳しいだけの一般転生者。
グウェンを救いたい。自分の名前が好きじゃないらしい。
電気を出せるぞ!…何やら別の力も秘めているらしいが?
グウェン…一般女神。君が見た光、僕が見た希望。
ピーター…レックスが目の敵にしてる一般ナード。
彼の身に一体何が?