ブルーアーカイブ スターダストクルセイダース   作:さるとる

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スタプラ題材にしてますが、スタプラと同じくらいザ・ハンドも好きです。







入学式 その②

 

 

「ウオオォォォォ———ッ!!」

 

 急げ!急ぐんだ丈三郎ッ!!全力で走れッッ!そう!ランニングマシンで全力ダッシュする岸辺露伴先生のようにッ、テスト時間残り10分で裏面がある事に気づいた学生のようにだッ!!そう!!10分だッ!入学式開始まであと10分しかないんだぜ!

 

 なんか通行人がロボットだったり、犬だったり猫だったりと明らかにおかしいが、そんなこたぁ今はどうでもいいんだぜ!俺は時間内に学校に着くことだけを目指していればそれでいいんだ!

 

 幸いな事に行き先の分かりづらい入り組んだ道は無い。おそらくダッシュすればギリギリ間に合う距離だ!

 

 いけるぞッ!間に合うッ!勝ったッ!第3部完!

 

 ———丈三郎の目には、すでにトリニティの校舎がはっきりと映っていた。星の白金(スタープラチナ)を使わずとも確認できる程にまで、彼はトリニティ総合学園に近づいていた!

 

 一歩一歩地面を踏み締めるのと同時に、疲労感とこれなら間に合うという安堵の感情が彼の心を満たしていく。

 

 だがしかし!更に近づき校門が見えたその瞬間ッ!彼の安堵は絶望へとひっくり返った!

 

「な、なにィィィ———ッ!?!?」

「門が閉められている——ッ!?!?」

 

 5分前行動!!高校生となる年齢の人間なら身につけておくべき常識のひとつ。トリニティ総合学園は問うてきた!お前はその常識を持ち合わせているのかと!入学式くらい5分前に着いておけと!校門を閉めるという行動で問うてきたッ!!!

 

 こ、こんなことが……こんなことがあっていい筈がない!こんなのあんまりじゃあないか!

 

 どうする……スタプラで門を破壊するか!?パワーが原作据え置きなら校門くらい余裕で壊せるが……そんなことしようもんなら反省文じゃあ済まないことは明白!!

 

 丈三郎は他の方法を考えたが、無情にもアイデアは浮かんでこない。もはやこれまでと潔く門を破壊して正面突破しようと星の白金(スタープラチナ)を出したその時!彼の視界がある階の教室の窓を捉えたッ!!

 

「あれは……まだだ、まだ終わっちゃあいないッ!あの教室……空いているぞ!窓がッ!!」

 

 大きさは十分!スタプラのパワーで思っ切り地面を踏み込んでぶっ飛べば、あの窓から教室に入れる!!そして教室にいる先生から俺の所属するクラスを聞き出せばいける!これしかない!!

 

「〝星の白金(スタープラチナ)〟!!」

「オラァッ!!」

 

 道路がひび割れる程のパワーで地面を蹴り、丈三郎はそのまま窓目掛けてかっ飛んでいく。

 

「オオオオオオオオオ!?!?」

 

 そして、狙い通り窓から教室の侵入に成功した。

 

 無事に侵入成功だぜ。目の前でフリーズしてるロボットがこの教室の先生かな?早速この人にクラスを聞くとするか。

 

「ボンジョールノ。空承丈三郎です。俺の所属するクラスを教えて下さい」

 

「……それよりも先に指導室まで連れていきます。」

 

 オーマイガー!!

 

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 あの後みっちりお説教を喰らったぜ。承太郎さんへ、窓から登校するとマジでクレイジー。

 

 あぁ、ちなみにクラスは俺が窓から入った教室だったみたいだ。ラッキーラッキーハッピーうれぴー。

 

 てんやわんやあったが、無事に学校について着席できたことだし、お隣の席の人への挨拶といこうじゃあないか。

 

「やあ、頭の羽イカすね。俺、空承丈三郎。よろしくね」

 

「え?は、はい……〝守月スズミ〟です。よろしくお願いします」

 

 ———守月スズミはこの時、一瞬恐怖を感じた。遅刻ギリギリの時間に窓から教室へと突っ込んでくるクレイジー野郎が、よもや自分に話しかけてくるとは思わなかったからである。だがしかし、彼女は善人であった。故に窓から突っ込んできたアホアホ野郎にも真面目に対応してしまう。

 

「守月さん、いきなりで悪いんだけどさ、いくつか質問してもいいかい?俺入学式に合わせて転入してきた感じからさ、この場所について全く知らないんだよね」

 

「そうなんですね。私でよければ……お答えします」

 

「ありがとう、じゃあまず1番気になってるんだけどさ、なんで皆んな机の横に銃置いてるの?」

 

 なんかもう当たり前のように皆んな銃を持ってるけどよォ〜、これって日本じゃあ銃刀法違反になっちまうんじゃあねぇか?

 

「まさか……銃を所持していないのですか?〝キヴォトス〟では銃を所持していない人は裸で外を歩いている人より珍しいと言われるくらいだというのに……」

 

「キヴォトス……?」

 

「失礼しました。キヴォトスというのはトリニティを含めた全学園が形成する都市の総称です」

 

 オイオイオイ、とんでもねースケールの話じゃあないか、それに加えて銃所持が当たり前だと?世紀末にでもなっちまってんのかここはよォ。てか銃所持許されるなら窓から入るくらい許せよな。

 

「な、なるほどね。ていうか皆んな銃持ってたら人なんてバンバン死んじまうんじゃあないか?」

 

「い、いえ……余程威力の高い代物か、長時間に渡って射撃を続けない限り、軽傷で済む筈ですが……もしかして、丈三郎さんは違うのですか?」

 

「違うどころかまともに1発喰らっちまったら3秒でお陀仏だよ」

 

「そんな……〝ヘイロー〟があるのにですか?」

 

「へ、ヘイロー?」

 

 また知らない単語が出てきやがった!舞台設定が複雑すぎて3巻くらいで打ち切られるSF漫画の第一話かよこの世界はよォーッ!!

 

「ごめんなさい、またやってしまいましたね……。ヘイローというのは、キヴォトスにいる生徒は皆持っています。丈三郎さんにもあるので、私たちと同じ筈なのに……どうしてでしょう……」

 

「あー、ヘイローってもしかして頭の上にある奴のこと?」

 

「はい、どんな形でどんな存在なのかは私たちにも分かりませんが……そこに〝在る〟というのは分かります」

 

 え?俺普通に形ハッキリ分かるんだけど。なんか綺麗な輪っかしてる。……いや、言うのはやめとくか、これ以上謎増やしてもどうにもならんし、なんかよくわからんけど俺には形が分かる。それでいいだろう。

 

 しっかし頭の上の輪っか、ちゃんと名称あったんだな。

 

 ……そういえば、このヘイローってやつが俺に付いてから、自分の身体の変化については見た目以外確認していないな、もしかして肉体の強度は変わってて、俺も銃弾平気になってるのか?後で誰かに小指でも撃ってもらおうかな……。

 

「色々教えてくれてありがとう守月さん、最後の質問なんだけどさ……なんでここ俺以外女子しかいないの!?」

 

 銃と皆んなにある頭の輪っかと同じくらい疑問に思ってたわ!ここまで常識が違うとなると、実は男は女装が義務だったりするんじゃあねぇのか?

 

「そ、それについては丈三郎さんのような私たちと同じような容姿をした男性がキヴォトスにいることの方が私たちにとっては疑問と言いますか……キヴォトスのどこを探しても丈三郎さんのような男子生徒という存在はいないと思います」

 

 OK OK、この世界に俺の常識を当てはめようとしたのがバカだったようだぜ、もう理解は諦める事にしようか、別に女子ばっかに関しては俺の肩身が激狭になりそうな事以外は支障はないしな。

 

「守月さん、ありがとうね。色々教えてくれて」

 

「いえ、配慮の足らない部分が出てしまって申し訳ないくらいです」

 

 この人めっちゃ謙虚な人だな……黄金の精神か?

 

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 守月さんから色々教えてもらった後、とりあえず入学式を終えた。常識が俺のいた日本とじゃ違いすぎるこの世界だけど、入学式の内容はなーんにも変わらなくてちょっと変な感覚になったよ。

 

 んで、次は委員会、もしくは部活決めか。入学して早々決めさせるだなんて、やれやれ、せっかちな学校だぜ。

 

 ……にしても、どれに入ろうかな……。廊下にポスターとかがいっぱい貼られているが、そもそもこのキヴォトスとかいう場所の常識を完全に理解してないから、活動内容も掴めないぜ。けど、どうせならなんかには入っておきたいよな、面白そうだし。

 

 こういう時は守月さんに聞くに限るぜ。……入学式早々隣の人に頼りすぎでは?

 

「なあ守月さん、どれに入りたいか決めた?」

 

「そう、ですね……私は〝正義実現委員会〟に入ろうと思います。」

 

「イカす名前じゃあないか。活動内容とか知ってるの?」

 

「主に、暴力行為の鎮圧など、治安維持活動が主軸の組織です。詳細については、入ってからでないと分かりませんが……」

 

 暴力行為……銃あるんだから当たり前か、コーラ飲んだらゲップが出るくらい当たり前だな。

 

「治安維持かぁ、危なそうだし、怪我には気をつけてね」

 

「お気遣い、ありがとうございます。治安維持活動は、誰かがやるべき事です。それなら私は、その〝誰か〟になりたいんです」

 

「ッッッ……!!ディモールト!!素晴らしい!!!」

 

「!?」

 

 突然の大声に、スズミは驚きで身体をビクつかせる。

 

「ああ悪いね、思わず口に出してしまった。守月さん!君のその精神性ッ!俺は敬意を表するッ!」

 

「あ、ありがとう……ございます……?」

 

 こうして、空承丈三郎はトリニティに数多に存在する富豪よりも、『守月スズミ』に憧れるようになったのだ!

 

「決めたぜ、俺も正義実現委員会に入ろう」

 

「えっ!?大丈夫なんですか?銃弾1発で命の危険に晒される状態で治安維持はあまりにも……」

 

「大丈夫だよ、多分銃弾くらい耐えれる。うん、そんな気がしてきた」

 

 銃弾だろうが爆弾だろうがミサイルだろうが〝スゴ味〟で耐えてやるぜ。いざとなったらスタプラで全部殴り飛ばしてやる。

 

「勘で命を危険に晒すのはしてはいけない行為だと思います」

 

 純度100%の正論パンチを放つんじゃあないぜッ!守月スズミッ!

 

 

 

 

 





スズミと同級生同じクラスです。つまりメインストーリーが始まる頃には二年生というわけですね。

ちなみに遅刻と戦うシーンにて、スタプラのパワーで校門飛び越えれば良くね?と考えた読者様。その通りです。

ご閲覧いただきありがとうございました。
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