ベル・クラネルは悪夢を繰り返したくない   作:寝心地

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CASE10 伝える

ザニスとの話し合いを終えたリリルカとベルは【ソーマ・ファミリア】の本拠を後にした。

 

「本当に退団してしまった…………」

 

リリルカはまだ夢心地の様なままベルの後ろをぼんやり着いていく。

 

それから2人の間に会話は無く辿り着いたのは【ヘスティア・ファミリア】の本拠である廃教会。

 

「ここは?」

 

「僕のファミリアの本拠だよ、遠慮せず入って」

 

ベルに招かれ中に入ると外壁と同様ボロボロで何処に座ったものかと考えるとベルが更に部屋の奥に案内される、そこには地下室があり明らかな生活空間があった。

 

「どうぞ、好きな所に座って」

 

ベルにそう言われソファに腰を下ろすとベルは何処からか紅茶を取り出しリリルカの前に置く。

 

「さて、改めて話をしようか、聞きたい事もあるだろうしね」

 

「はい、どうしてベル様は私の様なしがないサポーターを助けてくれたのですか?何より、どうして私の事を知っていたのですか?」

 

「夢を見たんだ」

 

「夢?」

 

リリルカの問いにベルはそれだけ返しプロテクションカプセムを取り出すと回転させる。

 

「こ、これは!?」

 

「大丈夫、僕が見た夢を君にも見せるだけだ」

 

突如現れた映像にリリルカは驚きベルはリリルカに危険はないと知らせ2人でベルの見た夢を見せる。

 

やがて黒竜討伐が失敗した所で映像は終わりベルとリリルカは紅茶を一口飲む。

 

「事情は分かりました、ですがベル様は夢で見たと言うだけでリリをお救いになったのですか?普通はただの夢と切り捨てるのでは?」

 

「ただの夢ならそうなんだろうけどそうじゃなかったからね、それに夢で見たのと同じ事が実際に起きた、だから確信したんだ」

 

ベルはそう言いながら夢の最後に手に入れ覚めても手元にあったデュアルメアカプセムを見る。

 

「リリは今が夢の中だと言われても不思議じゃありません。長年夢見てきた事が突然起こった、なんて質の悪い夢でしょう?ふとした瞬間にまだあそこで搾取されている現実に戻るんじゃないかって」

 

「でも悪夢は終わった、それは僕が保証する」

 

「……………………そうですか」

 

「それに君がまた悪夢を見たなら、その時は僕が助けるよ」

 

「え?」

 

ベルの言葉にリリルカは思わず顔を上げる。

 

「僕は皆の夢を守るエージェントだからね、それに仲間には良い夢を見ていて欲しい、だから守るよ、君の夢を」

 

「あ、ありがとうございます///」

 

「うん、だからリリ、【ヘスティア・ファミリア】で一緒に戦ってくれないか?」

 

「……………………そうですね、どうせ抜け出した後に何処に行くかも決めて無かったですし、ベル様を支えていきます!!」

 

2人は握手を交わすとヘスティアが帰って来ると同時に2人目の眷族としてリリルカを迎え入れた。

 


 

同時刻、【ソーマ・ファミリア】とも【ヘスティア・ファミリア】ともまた違うファミリアの主神室で1人の男神が怪しい笑みを浮かべていた。

 

「それは間違いない情報かヒュアキントス?」

 

「はい、実際に見ていた者の証言とギルドの公表されている情報を照らし合わせた結果間違いない物と思われます。あの特徴的な外見はこのオラリオと言えど他におりません」

 

「そうか、ゼッツ、ベル・クラネル、美しい、その力、このアポロンが頂くぞ」

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