「はいどうも皆さんこんにちは!!【ガネーシャ・ファミリア】のイブリ・アチャーでございます!!」
【戦争遊戯】でお祭り騒ぎのオラリオにそんな声が響く。
そんな声を聞きながら【ロキ・ファミリア】は神の力により【戦争遊戯】の場を映し出した鏡に注目している。
やがて開始の銅鑼の音が鳴りベルが姿を表す、同時にベルに無数の矢と魔法が振り注ぐ。
「ほぉ、単身で乗り込むとは度胸がある、或いはその方が動きやすいと考えての行動か?」
リヴェリアが考察している間にベルはデュアルメアカプセムを取り出し【ロキ・ファミリア】は首を傾げる。
「なんだアレは?」
「あのボールみたいな奴じゃないね」
「ロキの言ってた通りまた別の姿かしら?」
「………………………………」
「アイズさん?どうかしたんですか?」
「ううん、大丈夫」
ベルの瞳が少し仄暗くなっているのにアイズだけが気付きベルはデュアルメアカプセムを左右に展開しドライバーに嵌める。
CATASTROM メェッツァメロ メェッツァメロ メェッツァメロ
そんな音声が鳴り響きベルが顔の前で構えた手を横にスライドさせ何かを握り潰す様に拳を握る。
「変身」
Parbarize Rider ゼッツ ゼッツ ゼッツ CATASTROM
そんな音声と共に現れたゼッツは今までのスマートな姿と異なり筋肉質な大柄な体型をしていた。
「ねぇ、何か」
「うん、凄く怖いね」
「フィン、これは流石に…………」
「決め付けは良くないよリヴェリア、もう少し様子を見よう」
『お前達を壊す』
鏡の向こうでソーマとアポロンの眷族にそう宣言するベルに【ロキ・ファミリア】は少なくない警戒を抱いた。
「ベル君!!そこまでしなくても!!」
一方、神々が見ているバベルの塔、その一室でヘスティアが椅子から立ち上がった。
(何故だベル君!!ソーマが加わったとはいえアポロンの眷族は君の敵じゃない筈だ、紫の力でも十分対処出来るし何ならあの黄色の力で良かった、何故その力を…………もしかして僕達の為に?)
ヘスティアはこの時初めてベルを見誤っていた事に気付いた。
ベルに見せられた夢の中では純粋で優しい少年だったから。
人を傷付ける事を嫌い困っている人がいれば助けずにはいられない、心優しい少年、それがヘスティアの知るベル・クラネル。
しかしその夢こそがベルを変えてしまった。
ベルは奪われる恐怖を知ってしまった、奪われる理不尽さを知ってしまった、そして奪われない様にする方法も。
その方法とは、奪おうとする者より強い力を持てば良い、そしてその力を振るう為の覚悟も。
覚悟が無ければ戦う事は出来ない、力が無ければ大事なものを守る事は出来ない、そしてそれが備わってしまえば後は目標に向かって進むしかない。それを邪魔するなら
『お前達を壊す』
「ッ!!ベル君、君は…………」
『酒が飲みたきゃ、1人で溺れ死ぬまで飲んでろ』
そう言ってザニスに止めを刺すベルにヘスティアは拳を握りしめる。
「分かったよ、君がその覚悟なら僕も君の覚悟を信じるよ」
誰に聞こえるでもない誓いをベルにも秘めてヘスティアはベルを信じると心に誓った。