グラビティの力でゆっくりと安全に着地した3人は思わず息を吐く。
「ど、どうなるかと思ったぜ」
「助かりましたベル様」
「2人共無事で良かったよ、多分今は16階層だと思うけど、このまま18階層まで行こうか」
「そうですね、その方が寧ろ安全かもしれません」
「悪いな2人共、俺のせいでこんな事になっちまって」
「気にしないで、ヴェルフのせいじゃないから」
「そうですよ、怒るならあの冒険者達です。ヴェルフ様のせいではありません」
そんな事を言いながら時々遭遇するモンスターを倒しつつ17階層を経て18階層に辿り着く。
「あれ?」
そこでふと思った事がありヴェルフにバレない様にリリルカに耳打ちする。
「ゴライアスに遭わなかったね」
「今回はリリもヴェルフ様も怪我をしなかったのでその分歩みが速かったのでしょう」
「ああ、成る程」
「お前ら何してんだ?早く行こうぜ」
「うん、直ぐ行くよ!!」
そうしてベル達は無事18階層に辿り着き何処か休める場所が無いかと散策していると
「あ」
「あ」
偶然にも同じく散策していたと思われるアイズと遭遇する。
(そう言えばこの時確か【ロキ・ファミリア】では下層のモンスターの毒に侵された団員が出ちゃったんだっけ?)
「こんにちはアイズさん」
「貴方、ゼッツさん…………ッ!!」
アイズは物凄い速さでベルに接近しその手を取る。
「お願い、私達を助けて!!」
アイズはそう言ってベルを抱えるとリリルカとヴェルフを置き去りにして自分の野営に走って行った。
「べ、ベル様が攫われました〜!?」
「なに〜!?追え!!追え!!」
2人は数秒して漸く作動し慌ててアイズの後を追った。
一方【ロキ・ファミリア】幹部が会議をする為に張った天幕でアイズは正座させられていた。
「もう一度確認するぞ、散策していたら彼を発見し碌な説明もなく彼の仲間を置き去りにして連れてきた、そういう事か?」
「うん、ごめんなさい」
「ハァ〜」
アイズの言葉にリヴェリアは深いため息を吐きガレスが豪快に笑いフィンもどうしたものかと苦笑いを浮かべる。
「えっと、取り敢えず僕の力が必要なんですよね?」
「まぁ、必要か不必要かで言えば必要かな、ただ君じゃないといけない訳でも無いんだけどアイズが先走ったみたいでね、事情を説明するから力を貸すかどうかはその後判断してもらっても…………」
「良いですよ」
フィンの言葉が終わるより先にベルはそう返答し3人は目を見開く。
「アイズさんがあんなに必死だったって事は多分誰かの命の危険ですよね、なら目的はリカバリーかな?」
ベルはそう言いながらリカバリーカプセムを取り出す。
その後、アイズに案内されやって来た負傷者テントに足を踏み入れる。
「結構な数居ますね」
「リヴェリアの魔法でも治らないから困ってる、お願い、皆を助けて」
「分かりました」
そう言うとベルはドライバーとリカバリーカプセムを使って負傷者の治療を行った。