ベル・クラネルは悪夢を繰り返したくない   作:寝心地

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CASE28 狂う

【精霊の六円環】の一角を瞬殺したベルはその足で【都市の破壊者】の第二の切り札である【ニーズホッグ】を滅する為その対象が眠る場所に着く。

 

敵が来たことを察知したニーズホッグはゆっくりゆっくりとその体を動かし無いはずの目でベルを見る。

 

そんなニーズホッグに対しベルもゆっくりとニーズホッグの顔を見ると

 

「お前を壊す」

 

そう宣言しトリプルゼッツァーを取り出しストリーム・プラズマ・ワンダーの順にカプセムをセットする。

 

エネルギーが銃口に貯まるに連れてニーズホッグもその攻撃の脅威を感知したのかその攻撃を撃たれる前に仕留めてしまおうと襲い掛かって来る。

 

「壊れろ」

 

ベルは銃口をニーズホッグに向けてそう言うとニーズホッグの口が周囲一体ごとベルを口内に収める。

 

ゴクリと音が響き暫く静止した後急に苦しみだし体がボコボコと膨れ上がる。

 

トリプルバスター!! ゼゼゼッツ ゼゼゼッツ ゼゼゼッツ!!

 

そんな音声と共にニーズホッグの肉体が弾け中から【ヘスティア・ファミリア】を抱えたベルが出て来る。

 

着地するとベルは変身を解きニーズホッグの死を確認する。

 

「プハッ!!ハァ……ハァ……ハァ……ハァ、し、死ぬかと思った」

 

「もう駄目かと思いました」

 

「見たこともない母上が三途の川の向こうで手を振っているのが見えました」

 

それぞれがそれなりに死の危険を感じながら無事ニーズホッグを倒しその場にへたり込む。

 

「皆、後は僕に任せて」

 

ベルはそう言うと休憩もそこそこに何処かへ向かおうとする。

 

「本当にやるおつもりですか?正直、今からベル様がやろうとしている事は野暮以外の何物でも無いですよ、夢の通りにすれば都市の破壊も防げます」

 

リリルカの言葉にベルは一瞬足を止めるが再び歩き出す。

 

「分かってる、リリの言う通りだよ、でも僕のミッションは何も変わらない、あの悪夢を見て目覚めたあの時から」

 

「ええ、そうですね、貴方はそういう方です。だから私達は貴方の後ろを着いていくんです」

 

リリルカの言葉にその場にいる全員が何も言わないまでも笑顔でベルを見送った。

 


 

一方クノッソスのとある場所、そこではロキが全ての首謀者である【都市の破壊者(エニュオ)】と対峙していた。

 

その正体は善神として知られる【デュオニュソス・ファミリア】の主神デュオニュソス、しかしそれは彼の目的を遂げる為の茶番に過ぎなかった。

 

その筈だった

 

「巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな!!何だよこれは!!何なんだアイツは!!」

 

怒りを顕にするデュオニュソスに流石のロキも同情を禁じ得ない、神の無限に近い時間と手間を掛けて迎える筈だった最高の【狂乱】は文字通りその基盤が丸ごと【崩壊】した。

 

「哀れやなデュオニュソス、自分が手間暇掛けて築いた計画はたった1つの未知に崩壊させられた、もう諦めぇ」

 

ロキの言葉にデュオニュソスはピタリと動きを止める。

 

「フ、フフ、フフフフフフハハハハハハハハハ!!確かに私の計画は途絶え切り札も封じられた、しかし私の目的が遂げられなくなった訳では無い」

 

「…………何やと?」

 

「私の唯一にして最高の【2つの人形】が私の求める【狂乱】を巻き起こしてくれる」

 

その言葉にロキの頬を汗が1筋流れた。

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