ベル・クラネルは悪夢を繰り返したくない   作:寝心地

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CASE9 助ける

リリルカ・アーデを見つけたベルはその後、近場のカフェに誘い話をする事にした。

 

「あの、冒険者様、リリに何のご用でしょうか?」

 

訝しむリリルカにベルは微笑を浮かべ珈琲を一口飲む。

 

「変に聞こえるかも知れないし貴女は僕の事を知らないだろうけど、僕は貴女の事を知ってる。貴女が何に困って何をしていてどうしたいのか」

 

「いきなりなんですか、リリはこう見えても忙しいのでこれで失礼します」

 

「【ソーマ・ファミリア】から抜けたくありませんか?」

 

不審に思ったリリルカは早々にその場を去ろうと荷物を纏めるが次にベルから放たれた言葉に思わず手を止める。

 

「【ソーマ・ファミリア】の実態は知っています。神ソーマは酒造りにしか興味が無くファミリア運営は団長であるザニスが牛耳っている。何をするにも金を要求されそんな地獄から貴女は抜け出したいと願っている」

 

「だから何だって言うんですか?同情のつもりですか?そんなもの要りません!!大体今までだって誰も助けてくれなかった!!だからリリは自分の力で何とかしようとしてるんです!!それをいきなり横から「助けてやる」なんて信じられる訳無いじゃないですか!!リリに恩を売って何がしたいんですか!!」

 

「【黒竜討伐】」

 

ベルの言葉に荒れていたリリルカの言動が鳴りを潜める。

 

「それには貴女の頭脳が必要だ、だから助ける、信用しろとは言いません、今の貴女にそれを言った所で信用してもらえないでしょうから、だから行動で示します。僕がどれだけ本気なのかを」

 

「え?」

 

ベルはそう言うと立ち上がりリリルカの手を引いて何処かへ向かう。

 

「ちょっ!!何処に!?」

 

呆気にとられるリリルカを他所に辿り着いたのは【ソーマ・ファミリア】の本拠。

 

中に入るとリリルカは団員に絡まれない様に俯いたままベルの後に続く。

 

「ん?お前アーデじゃねえか」

 

しかし運悪く団員の1人がリリルカに気付き下衆な笑いを浮かべ近付いてくる。

 

「お前またカモを見つけたんだろ?だったら貯えの1つや2つ出来ただろう、それ寄越せ」

 

そう言ってリリルカに伸ばされた手は別の手によって防がれ団員の手は逆方向に曲げられる。

 

「いででででででで!?て、テメェ何しやがる!!」

 

Don't Touch her(彼女に触るな)、金が欲しいなら自分で稼げ」

 

ベルはそう言うと手を離しリリルカと共にソーマの居る作業部屋に侵入するとそこには団長であるザニスもいた。

 

「アーデ?とお前は誰だ?」

 

「僕はベル・クラネル、彼女を貰いに来た」

 

「もらいに?意味が分からないな」

 

「彼女の力はお前達では有効活用出来ない、僕に渡せ」

 

「断る、と言ったら?」

 

「【ソーマ・ファミリア】の実態をギルドに報告する。ついでにあること無いこと吹聴するかもな」

 

「そうか、ではお前をここから無事に返す事は出来なくなったな、お前達!!この男を叩き潰せ!!そうすれば神酒を好きなだけ飲ませてやるぞ!!」

 

ザニスの言葉が響き渡り数人の男達が襲って来るがベルは変身すらせずにそれらを制圧する。

 

「ッ!!」

 

「それで?次はどうする?」

 

「……………………好きにしろ、ただしこれで終わったと思うな」

 

「そっちもな」

 

2人はそう言うとソーマがリリルカの脱退の手続きをしリリルカは無事【ソーマ・ファミリア】から脱退する事が出来た。

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