この超ポジティブまぬけがっ!番外編   作:甚三紅

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魚類様、リクエストありがとうございます!

本編終了後1部の吸血鬼になる直前の体と記憶をもったディオ様がトリップ(肉体と記憶が退行?する感じで…)

という事でしたのでやってみました。
ポジティブまぬけ世界のDIO様か一回目のディオ様か判断できなかったので一回目のディオ様にお越し頂きました。
ちょっとシリアスめ?



リクエスト作品

とある日の夜、いつものようにディオの家を訪ねた花京院は中の違和感に首を傾げる。とうに起きている時間の筈だが電気がついていない。

寝坊でもしたのだろうか、と合い鍵を使い家の中に入る。

几帳面な彼にしては珍しくも家の中が所々散らばっており、驚いた花京院はディオを探す。彼に限って何かあるとは思いたくないが以前のように突然居なくなったら、と思うと気持ちは焦るばかりだ。

書斎の電気を点けた時に見慣れた金色の髪と背中を見つけて花京院は心底ほっとした。

 

「ディオ、探したよ。電気もつけないで何を…」

「誰だ貴様、気安く触るんじゃあない」

 

声を掛けながら肩を掴むとディオは振り向きながら花京院の手を払った。そのまま冷たい視線と言葉を向けられた花京院は、一瞬何をされて何を言われたのか理解できず目を瞬かせる。

 

「…冗談かい?それにしては面白くないんだけど」

「冗談はそっちだろう。ここはどこだ、このおれを誘拐でもしたつもりか?」

 

 

 

- - - -

 

 

 

「由々しき事態が起こったんだ。ディオがツンドラになった」

 

ジョナサン、承太郎、ジョルノの三人がテーブルを囲みながら大真面目な顔をして話し合いを始めた。花京院は部屋の隅っこで体育座りをして果てしなく落ち込んでいる。様子のおかしいディオに、辛うじてジョナサンを呼びはしたがディオに更に冷たい言葉を浴びせられて力つきたのだ。

ジョナサンは解決策を話し合うべく己の子孫である彼らを呼んだのだが、他の面子を呼ばなかったのは今のディオに会ったらショックが大きすぎるだろうという配慮だった。

 

「パードレが花京院さんにあんな態度をとるなんて考えられません。何かあったと考えるのが妥当です」

「そうだな。あいつは口も態度も悪いがあれで愛情深い、今のディオからは欠片も感じられねェ」

「…今のディオは目も青いし力も普通の人間と一緒だし、もしかしたら吸血鬼になる前なのかも…」

 

難しい顔をして話を続ける三人。当の本人はジョナサンとの話し合い(物理)によりベッドで寝ている。

 

「エジプトへ行った時、アレッシーとかいう野郎が子供に戻すスタンドを使っていたが…それに近い事が起きたんなら元凶を叩かねーとやばい」

「昼間はぼくらは完全に寝ちゃうからなァ…」

「とはいえ、この家の周りにはちゃんと護衛をつけています。それをかいくぐって侵入するのは難しいのでは?」

 

解決策など出ないまま、ただ悪戯に時間だけが過ぎていく。

暫く経ったころ、話し合いをしていた部屋の扉が開いた。顔を覗かせたのは実に忌々しそうな顔をしたディオだ。

足音も荒くディオはジョナサンに近づいていく。他の二人は目に入っていないらしい。

 

「ジョジョォ…お前やってくれるじゃあないか」

 

ディオは本気で怒っている。身内にただ純粋に怒りだけを見せるディオは初めてで、その事に承太郎とジョルノはたじろぐ。話し合い(物理)により無理矢理気絶させられたのだ、プライドの高いディオにはそれが許せなかった。

 

「パードレ…」

「見知らぬやつに父と呼ばれる筋合いはない」

 

小さく呟かれた言葉はディオの耳に届きチラリとジョルノに視線を向ける。それと同時にぴしゃりと言い切るとジョナサンの前に勢いよく手をつき強く睨みつける。

慕っている父に否定されてジョルノは落ち込んだ。

 

「石仮面は取り上げたらしいな?だがおれを殺さなかった事を必ず後悔させてやる」

 

怒り、憎しみ、といった負の感情のみをぶつけられたジョナサンは酷く悲しくなった。子孫達、自分、彼が長年守ってきたものをゴミくずのように扱われている事が悲しかった。

ディオ自身はずっと頑なに否定し続けていたが、それは言葉だけだったのを知っている。

それを彼自身が(今のディオは人間だった時と確信した、きっと重ねてきた記憶などないのだろうけど)否定する事に目頭が熱くなる。

 

「てめーいい加減にしやがれッ!」

「ふげぇっ!」

 

とうとう耐えきれなくなった承太郎がスタープラチナでディオを殴りぬいた。

ディオは声を上げながら吹き飛び棚に激突する。棚こそ倒れなかったが中身は容赦なくディオの上に降り注いだ。

自分でやっておきながら簡単にディオが吹き飛ばされた事に承太郎は驚く。いつもの彼ならば受け止めるか避けるかしていた筈だ、やはり自分が知っている人物とは違う事に戸惑いを隠せない。

 

 

何とも言えない空気が流れ、少し時間が経ってからガラリと音を立ててディオが自分の上の物を退かした。

その事に花京院も含め全員に緊張が走る。

 

「…なぜおれはこんなめにあっている…」

 

顔を歪めながらゆっくりと体を起こすディオ。その瞳は赤く、物が落ちた際切ったらしい頬や額の傷が瞬く間に再生されていく。

ディオは髪についたくずを払い立ち上がると首に手を置き軽く頭を回す、その顔には呆れと仕方がない奴が、といった風な擽ったい愛情のようなものが隠れていた。

 

「またジョジョが何かしたのか?」

 

ディオは溜め息と共に問いかけるも部屋にいる全員に凝視されて不思議そうな顔をする。ようやく詰めていた息を吐き出す四人。

 

「いや、おれがやった。悪いな、ちょっとしたお茶目だ」

「お前…いい年になったくせに何だそれは」

 

帽子を深く被り直し原因は自分だと言う承太郎に、ディオは眉を寄せ承太郎に近づくとザ・ワールドを出現させる。

 

「お茶目にはお茶目で返さんとなァ、久しぶりに遊んでやろう」

 

今のディオも怒っている。怒ってはいるが先程とは違いじゃれるような怒りだ。

その事に一同安堵する。と、同時に承太郎は逃げだした。

衰えを知らない吸血鬼様と違ってこちとら年をとっているのだ、加減はしてくれるだろうが遊ぶのはしんどい。

さっさと逃げた承太郎を追いかけるディオ、そして復活した花京院がディオの後を追った。

残ったジョナサンとジョルノは顔を見合わせる。

 

「この事は誰にも言わないでおこうか。勿論、ディオにも」

「そうですね、それがいい」




もしかしてポジティブまぬけのDIO様トリップでギャグだったり…。
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