戦極姫~戦乱に導かれしジェダイの騎士~   作:四駆動戦士

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銀河の戦い

帝国の最終兵器である第二のデス・スターの内部で、黒髪の青年が黄色に光るライトセーバーを振るいストームトルーパーの放つビームライフルの光線を全て弾き返していた。

青年の名前はサイラス・セリエース。

ジェダイの騎士として修行を積んだ戦士である。

 

「どれだけ出てくるんだ!コイツら!」

 

無数に飛んでくる光線はどれも当たれば致命傷は免れない出力を誇るが、ジェダイの騎士として厳しいフォースの修行を積んだ青年は、そのフォースの力を使い全ての光線をライトセーバーで弾き返し、敵を倒していった。

 

「こんなところでお前達の相手をしている場合ではないのに!早くルークを助けにいかなければ!」

 

ルークとは、サイラスと共にジェダイの騎士として修行を積んだ友である。

ルークは、名をルーク・スカイウォーカーと言い、あの恐れを知らない英雄とまで言われた最強のフォースの使い手であるアナキン・スカイウォーカーの息子である。

しかし、道なかばでアナキン・スカイウォーカーはフォースの暗黒面に落ち、シスの暗黒卿ダース・ベイダーとなってしまった。

それを知ったルークは絶望したが、父親を助けたいという想いから再起した。

 

「これで終わりだ!」

 

サイラスがライトセーバーを一閃し、最後のストームトルーパーを真っ二つにした。

 

「ハァ!ハァ!.....無事でいてくれ!」

 

サイラスは休む間もなく走り出した。

ルークとの出会いは惑星ダゴバでジェダイマスターであるヨーダの元で修行をしていたときだった。

 

 

 

 

 

 

昔のサイラスはただ一人で宇宙を放浪し惑星を旅するだけの流浪者だった。しかしある時、惑星でたまたま墜落船を見つけ中を調べた時、一番最後尾の貨物室の中で頑丈な金属製の箱を見つけ、サイラスはその箱の中から60センチ程の筒状の機械を見つけた。

サイラスはこの機械が何なのか最初は分からなかった。

しかし、たまたま旅の途中で出会った商人にこの機械を見せたところ、この機械はジェダイの騎士が使うライトセーバーと言う物であると判明した。

商人に売って欲しいと言われたがサイラスはそれを拒否した。

それからだろうかサイラスは正体不明の人間達から狙われるようになった。

その理由もサイラスは理解していた。

ライトセーバーだ。

ジェダイの騎士のみが扱うことが出来ると言われているこの武器はとても希少であり闇市場で高く取引される。

サイラスも一度だけジェダイの騎士の戦いを見たことがあるが、とてもではないが同じ人間とは思えなかった。

しかしある時、全身をマントで隠し顔もフードで隠した男に出会った。

その男は驚くことに同じライトセーバーを持っていた。

 

「あんたはまさか!」

 

サイラスは声をあげると男はサイラスに襲いかかってきた。

サイラスは驚いたが冷静にビームライフルを抜き男に対して撃った。

しかし、男はビームをライトセーバーで弾きそのままサイラスのビームライフルを真っ二つにした。

 

「なっ!」

 

サイラスは、素早く男と距離を取った。

すると男が口を開いた。

 

「ライトセーバーで戦え」

 

「なに?」

 

男はサイラスにライトセーバーで戦えと言ってきたのだ。

しかし、ライトセーバーはジェダイの騎士として修行した人間でなければ扱うことが難しい武器であり、素人が使えば自身を殺してしまうような危険な物だ。

サイラスは迷った。

しかし、このままでは男に殺されてしまうだろう。

サイラスは意を決して腰に吊るしてあるライトセーバーを手に取り、スイッチを入れた。

ライトセーバーから黄色の光の刃が形成される。

 

「思い出すんだ。どうやって戦っていたかを....」

 

サイラスは一度だけ見たことのあるジェダイの騎士の戦いを思い出していた。

そして、サイラスは自ら先に動き、男にライトセーバーを降り下ろした。だが、サイラスの攻撃を男は簡単に受け止めた。

そして男は反撃を繰り出してきた。

サイラスはこの反撃をギリギリの所で受けとめる。

 

「くっ.....少しは素人相手に手加減しろよ!」

 

「無駄口を叩いていると死ぬぞ」

 

男とサイラスの攻防は続いた。

サイラスは、男に手加減しろとは言ったが、男は最初から手加減をしていた。

殺そうと思えばすぐに殺せる筈なのにまるでこちらを試すかのような男の戦いにサイラスは戸惑った。

しかし、その戸惑いは大きな隙を生んだ。

サイラスはライトセーバー弾かれ、男が手をつきだすとサイラスに衝撃波が襲った。

サイラスは、後方に大きく吹き飛ばされた。

 

「うぐっ!」

 

どうあがいても勝てなかった。

力差がありすぎる。

しかし、このままではいずれ殺される。

 

「ん?」

 

サイラスはふとライトセーバーに目を落とすとあることに気が付いた。

ライトセーバーにもう一つスイッチがあるのだ。

 

「何のスイッチだ?」

 

サイラスは何故か迷わずそのスイッチを押した。

すると反対側からもう一つの光刃が生み出された。

 

「これは....」

 

サイラスはライトセーバーを握り直すと何故かどうやって戦えば良いのか、どのようにこのライトセーバーを扱えば良いのか自ずと理解した。

それが何故だか分からない。

しかし、サイラスは理解し、そしてイメージした。

守りと言うものを捨てて攻撃に撤する戦闘スタイルを....。

 

「うおおおおお!!」

 

サイラスは駆けた。

頭の中にあるのは攻撃のみ、相手に防がれようと受け流されようと相手に反撃の隙を与えない。

サイラスの猛攻は男に反撃の隙を与えなかった。

男は、サイラスの舞うような連続攻撃に防戦一方の中、サイラスの攻撃を受け流すと距離を取った。

サイラスは、男の距離を詰めようとした。

しかし、男はライトセーバーのスイッチを切り、光刃を消した。

サイラスは、それを見て驚き転びそうにながらも立ち止まった。

 

「なんのつもりだ!」

 

「素晴らしい才能だ。だが、その才能をそのままにしておけばいずれ己を破滅に導くだろう」

 

サイラスは男が何の話をしているのか分からなかった。

 

「いったい何の話をしている」

 

「惑星ダゴバへ行け。そこに居るものにフォースを学べ」

 

「ダゴバ?聞いたことがないぞ。それにフォースってなんだ?」

 

すると男は一枚の紙をその場に置き、身を翻した。

 

「待て!」

 

サイラスは男を追った。

しかし、既にそこに男の姿はなかった。

 

「なんなんだ?破滅だのフォースだの」

 

サイラスは男が置いていった紙を拾い上げた。

そこには、惑星ダゴバの座標が記されていた。

 

「.....ハァ、行かないと行けないのかな~、やっぱり.....」

 

サイラスは少し怠そうな気持ちになりながらも紙をポケットにしまった。

そして、サイラスは紙に書かれた座標を目指した。

 

 

 

 

 

 

「ここか....なんか気味悪いな」

 

サイラスが着いた惑星ダゴバは霧に覆われた惑星で地表も鬱蒼とした森林や沼地だった。

 

「こんなところに本当に居るのか?」

 

サイラスは、辺りを探索することにした。

猛獣も居ることが考えられたため、念のためライトセーバーをいつでも抜けるように心構えをした。

探索を始めてから2時間程が経過した。

 

「休憩するか....」

 

サイラスは、近くの木に腰を下ろし水筒に入った水を飲んだ。

 

「ハァ.....」

 

そもそもどんな人物なのかも知らないのにどうやって探せと言うのか、とサイラスは思った。

それにあの男の正体も一切分かっていない。

そして罠の可能性もあった。

しかし、自分のライトセーバーを奪うのであればあのとき奪えた筈だ。

わざわざ罠に嵌める必要はない。

サイラスが思考を巡らしていると後ろに何らかの気配を感じた。

 

「....っ!」

 

サイラスは、ライトセーバーを抜き両手で左右のスイッチを押した。

左右から黄色の光刃が形成される。

 

「ほう。わしに気付いたか」

 

すると木の影から杖をついた全身の緑色の小柄の老人が姿を現した。

 

「にして、わしに何の用じゃ?」

 

「何故お前に用があると分かる」

 

「こんなところにお主は観光に来たのか?」

 

確かに言われて見ればそうである。

こんな辺境の地に観光に来る物好きはそういない。

 

「それにお主はライトセーバーを持っておる。誰にわしの場所を教えて貰ったかは知らぬがな」

 

「それは....」

 

サイラスは、ライトセーバーの入手と男との出会いと戦いについて老人に教えた。

 

「ふむ.....わしの場所を知っておるものは多くはないのじゃがな」

 

「それで?教えてくれるのか?」

 

小さき老人は顎の辺りをさすっていた。

 

「辛い修行になるが覚悟は出来ておろうな」

 

「いや、キツいのは勘弁だな」

 

サイラスは渋った。

何故辛い修行をしなければならないのかと。

 

「お主はフォースが何なのかを全く理解しておらぬようじゃな。それで今のような戦いをしておったら遠からずお主は死ぬぞ」

 

サイラスは興味なさそうに腰に手を当てた。

 

「またその話か。破滅だの死ぬだの、ライトセーバーを持っているだけで本当に死ぬのか?」

 

「ライトセーバーがお主を殺すのではない。確かにライトセーバーの扱い方しだいでは死ぬだろう。しかしお主は、実際にライトセーバーを使いジェダイの騎士と戦って生き残っとる。問題は戦い方じゃ」

 

「戦い方?」

 

サイラスは疑問に思った。

サイラスは生きるために、無我夢中で戦った。

そこに流派といった高尚なものは存在しない。

ただ、ライトセーバーを振り回しただけだ。

確かにまともな戦い方ではないが自分を破滅させてしまうような問題になるのだろうか。

 

「お主の戦い方は、恐らくヴァーパッドと呼ばれるものじゃ。まだお主の戦い方を見とらんから確証はないがの」

 

「ヴァーパッド?」

 

聞き覚えのない言葉だった。

 

「今は亡き、メイス・ウィンドゥが編み出した戦い方じゃ。本来ならば全てのフォームを極めなければ辿り着けないのじゃが、どうやらお主は本能で体を動かした結果 、ヴァーパッドに辿り着いたのじゃろう」

 

「そんなことはあり得るのか?」

 

「いや、あり得えぬ。あってはならぬ事じゃ。ヴァーパッドは先にも言ったが全てのフォームを極めなければならん。そして、その過程で身に付いた強い精神力と信念がなくては、たちまち暗黒面に落ちてしまう」

 

「俺は別にそんなことはなかったがな....」

 

「それは完全なヴァーパッドに至っておらんからじゃ。じゃが、そのまま使い続ければいずれは暗黒面に落ちるじゃろう」

 

「......で、それを防ぐにはフォースを学ぶしかないと?」

 

「そうじゃ」

 

「ハァ.....分かった。俺も死にたくはないからな。頑張って学ばせて頂きますよ」

 

「よかろう。では、ついてくるのじゃ」

 

老人は森の奥へと歩みを進めた。

 

「あっ、ちょっと....」

 

サイラスは老人を呼び止めた。

 

「俺は、サイラスだ。あんたは?」

 

「.....ヨーダじゃ」

 

それからの修行は過酷を極めた。

本来ならフォースの修行は幼少の頃から段階的にするものだがサイラスはこの時点で20才と年を取りすぎていた。

しかし、ヨーダはサイラスの才能をそのままにするのは危険過ぎると判断し、サイラスにジェダイの騎士の修行を行う事にしたのだ。

しかし、あまりの過酷さに時には口論になったり、投げ出したりと問題もたくさんあった。

ある時は、ライトセーバーで喧嘩するような事もあったが、ヨーダはジェダイ・マスターと呼ばれるほど騎士で、その強さは歴代でも1、2位を争う程の強さを持っていた。

そんな者を相手に喧嘩をしたのだから結果は言うまでもなかった。

少し遊ばれた挙げ句、フォースで吹き飛ばされ水溜まりに沈められた。

それからだろうか、サイラスは文句も言わずに修行に打ち込んだ。

サイラス自身が、ヨーダの実力を認めざるを得なかったからだ。

サイラスの才能は修行が進むごとに開花していき、次々とジェダイの戦い方を吸収していった。

そして、サイラスの持つフォースの力は日増しに強くなっていった。

 

 

 

 

 

ヨーダと出会い、一年と言う時が過ぎた。

その時を境にサイラスは同じ夢を何度か見るようになった。

自分とヨーダ、そしてサイラスと同じ年くらいの見知らぬ男が話している夢だ。

 

「師よ。お話が」

 

この時、サイラスはヨーダの事を師と呼んでいた。

そこには、ジェダイの騎士として自覚があり、ここまで教えてくれたヨーダに対する敬意が表れていた。

 

「どうしたのじゃ。サイラス」

 

「実は最近同じ夢を見るのです。私と師、そして見知らぬ男との夢です」

 

サイラスは、ヨーダに夢の話をした。

 

「そうか。恐らくそれは予知夢じゃな。フォースの力が強くなると近い未来を夢で見ることがあるのじゃ」

 

「では、これは現実になると?」

 

ヨーダは、サイラスの問に頷いた。

 

 

 

 

 

それから数ヵ月が経ったある日、修行中のサイラスの耳に何かが墜落したかのような音が聞こえた。

そして、同時に強いフォースの力を感じた。

 

「師よ!」

 

サイラスは、近くにいたヨーダを呼んだ。

 

「ふむ。サイラス、見てきてくれぬか」

 

「わかりました」

 

サイラスは、フォースを感じた方向へと走り出した。

フォースを感じる場所に行くと不時着した戦闘機があった。

サイラスは、生存者を確認するため小型船に近づいくと男が一人小型船から出てきた。

 

「無事か!」

 

サイラスは大きな声を出し男に近づいた。

しかし、サイラスは男の顔が分かるまでに近づくと歩みを止めた。

 

「お前は.....!」

 

小型船から出てきた男は、夢に出てきた男だった。

男は不時着の衝撃で体を痛めたのかその場に崩れ落ちた。

 

「お、おい!」

 

サイラスは急いで男の元に駆け寄った。

幸い気を失っているだけで、目立った外傷はなかった。

 

「さて、こいつをどうするべきか」

 

すると急にどこからか声が聞こえてきた。

 

「すまないがそいつを君の師匠のところまで運んでくれるかな」

 

サイラスは、声の聞こえた方向に目を向けると、そこには半透明の老人が立っていた。

サイラスは、一瞬驚いたがその人間からフォースの力を感じ、彼が何なのかを理解した。

 

「もしや、フォースと一体化したのですか?」

 

サイラスの問に老人頷いた。

サイラスはヨーダから聞いたことがあった。

高位なジェダイは肉体をフォースと一体化させる事が出来ると。

恐らくこの老人がそれなのだろう。

だとすれば、さぞかしこの老人は強い騎士だったのであろう。

 

「師を知っているのですか?」

 

「ああ、長い付き合いだ....」

 

「そうですか。では、こちらへ」

 

サイラスは男を担ぎ上げ、ヨーダの元へと案内した。

 

 

 

 

それから一日が過ぎた。

 

「うっ.....くっ....」

 

男は覚ました。

付きっきりで看病をしていたサイラスは直ぐに水を男に与えた。

 

「大丈夫か?」

 

男は、水を受け取りすべて飲み干した。

 

「ハァ!......ああ、すまない。ここは....」

 

「我が師であるマスター・ヨーダの家だ」

 

「そうか、無事についたのか....」

 

男から安堵の表情が見てとれた。

 

「そういえば、自己紹介がまだだったな。俺はサイラス・セリエースだ」

 

「ルーク・スカイウォーカーだ」

 

サイラスとルークはお互い握手を交わした。

 

「師に君が起きたことを伝えてくるよ」

 

サイラスはそう言うと部屋を出ていった。

 

 

 

 

「師よ。ルークが目を覚ましました」

 

「ああ、サイラスか。今ちょうど話が終わったところだ」

 

ヨーダと霊体の男は、昨日からずっと話していた。男の名前はオビ=ワン・ケノービと言い、師であるヨーダとは古い付き合いだそうだ。

 

「ルークの事を頼む」

 

霊体の男はそう言うとサイラスはヨーダの方を向き、

 

「では、ルークに」

 

「うむ、ルークにフォースの修行をすることにした」

 

それを聞いたサイラスは笑みを浮かべた。

ルークとは歳が一緒らしくサイラスにとっても共に修行する仲間が出来るのは喜ばしいことだった。

それからは、サイラスとルークは共に修行励んだ。

二人の仲は直ぐに良くなり親友と言えるほどになった。

ルークのフォースの才能は素晴らしく、サイラスと同等、若しくはそれ以上の才能を持っていた。

しかし、ルークもまたフォースが強くなるにつれてサイラスと同じ予知を見るようになった。

それは、大切な人が窮地に陥ると言うものだった。

 

「ルーク!冷静になれ!」

 

「レイヤとソロが危ないんだ!見捨てることは出来ない!」

 

「師が行くなと言っていただろう?それにまだ修行は終わっていない」

 

「お前はレイヤとソロよりも修行が大事だと言っているのか!?」

 

「そうは言っていない。だが今の段階では救うことが難しいと言っているんだ」

 

「それでも僕は行く。大切な者を救うために.....修行を途中で投げ出してすまない、でも必ず戻ってくる」

 

ルークはサイラスの呼び止めに応じず、惑星ダゴバを後にした。

 

サイラスは、ヨーダのもとへ戻りルークの後を追う許可を求めた。

 

「ダメじゃ!」

 

ヨーダはこれに強く反発した。

 

「しかしこのままではルークが....!」

 

「それでもじゃ!お前を暗黒面に触れさせる訳にはいかん!」

 

「私は貴方の修行のお陰で強くなりました。暗黒面に屈する事はありません!」

 

「何を傲慢になっておる!今のお前では誰も救うことはできん!」

 

「くっ.....!!」

 

サイラスは、ヨーダの叱責に怒りを感じたものの直ぐに冷静になった。

 

「修行に戻ります」

 

そして、サイラスは身を翻し外へと出ていった。

サイラスが外へと出ていったのを見送るとヨーダは嘆息した。

それを見たオビ=ワンはヨーダに話しかけた。

 

「ルークにもあれくらいの我慢強さがあればよかったですな」

 

「いや、サイラスも一昔前はルークのように我慢のない子じゃったよ。今はかなりましになった方じゃ」

 

ヨーダの言葉にオビ=ワンは苦笑した。

そこには、サイラスの成長を認めるヨーダの気持ちが感じられたからだ。

そしてその頃、サイラスは一心不乱に修行をしていた。来る時に友の助けになるために。

 

 

 

 

 

 

 

それから1年と言う時が流れた。

サイラスは、心身ともにジェダイの騎士として成長を果たしていた。

その力は、ヨーダですら推し量れない程のものであった。

しかし、そのヨーダも病床に伏してしまいヨーダ自身も己の死を悟っていた。

サイラスもヨーダが病床に伏してからと言うもの修行よりもヨーダの看病に力を入れていた。

 

「大丈夫ですか?師よ」

 

「ああ、ルークが戻ってくるまでは死ねんからのう」

 

「大丈夫です、もうじき来ます。フォースがそう教えてくれました」

 

「サイラス、お主のフォースは強すぎる。フォースにバランスをもたらす者以外にこれ程のフォースを持った者が居るとは思わなかったのじゃよ」

 

「師よ。私が暗黒面に落ちることを心配しているのですか?」

 

ヨーダは肯定するかのようにサイラスから目をそらした。

 

「フォースにバランスをもたらす者は暗黒面へと堕ち、シスの暗黒卿へとなってしまった」

 

「はい。だからこそ私とルークがいます。貴方の教えは暗黒面に屈する事はありません」

 

その時ヨーダとサライスは強力なフォースの力を感じた。

二人はそのフォースが誰の者なのか直ぐにわかり、別段驚きもしなかった。

来るべき時が来たのだから当然である。

 

「来たようですね」

 

「そうじゃな」

 

「迎えに行ってきてもよろしいですか?」

 

サライスの問にヨーダは頷いた。

 

 

 

 

 

「久しぶりだなルーク!」

 

「サライスか!よくわかったな」

 

「お前ほどのフォースを感じとれないわけないだろう?」

 

二人は、お互いの再会を喜ぶように抱擁を交わした。

 

「サイラス」

 

ルークは笑顔から一転、真剣な表情になりサイラスの名を呼んだ。

サイラスもその意味を理解していた。

 

「わかっている。こっちだ」

 

サイラスは、ルークをヨーダの元へと案内した。

しかし、病床に伏したヨーダの姿を見たルークは驚き、悲痛の声をあげた。

 

「マスター!!」

 

「ルークか....待っていたぞ」

 

「何故っ....僕は修行を終えるためにここに来たのに、まだ貴方から全てを教わっていない....」

 

「ルークよ。もう儂から教える事は何もない。じゃが、ジェダイの修行を終えるためには、皇帝とベイダーを倒さなければならん」

 

「父さんを....そんなこと....」

 

「師よ。ルークの父を救う方法はないのですか?」

 

サイラスの問にヨーダは首を横にふった。

それを見たルークは唇を噛み締めた。

 

「ルークよ。皇帝は恐らくお前を狙っておる。くれぐれも気を付けるのじゃ」

 

「分かりました、マスター。今までありがとうございました」

 

そう言うと、ルークはヨーダの家を出ていった。

 

「サイラスよ。お主も行くのじゃ。ルークの助けになってくれ」

 

「勿論です。その為に修行をしてきました」

 

サイラスの言葉にヨーダは微笑みを返した。

 

「最後にお前たちを育てることが出来て良かった」

 

「師よ。逝かれるのですか.....」

 

サイラスは、別れを惜しむかのように目を落とした。

そんなサイラスにヨーダは優しく語りかけた。

 

「 フォースが強くても死は免れん。わしはもう黄昏時だ。すぐに夜が来る。

それが人生だ。フォースの定めだ」

 

「......分かりました。師よ....今までありがとうございました」

 

その言葉を聞いたヨーダはゆっくりと目を閉じていった。

そして、オビ=ワン・ケノービと同様に肉体とフォースが一体化していった。

それを見届けたサイラスはルークの元へと向かった。

 

「サイラス。マスターは....」

 

ルークも分かっている筈だった。

ヨーダが時を迎えたことは。

 

「フォースと一体になったよ。これからも見守ってくれるだろう」

 

「そうか....」

 

「それよりルーク。本当に父親と戦うのか?」

 

「いや、まだ迷ってる。でも、父さんと戦って負けたとき父さんは僕を殺さなかった。もしかしたらまだ父さんには『善』の心が残っているのかも」

 

「なるほど。しかし、暗黒面から光明面に戻ることが出来るのか?」

 

「出来る筈だ。フォースはつまり心の在り方で決まる」

 

「ならその役目はルークじゃないといけないな。その他の些事は俺に任しておけ、ルークは父親と皇帝の事だけを考えて先に進め」

 

「.....ありがとうサイラス」

 

そして二人はダース・ベイダーとパルパティーン皇帝のいるデス・スターへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

フォースの力を使い超人的なスピードで走るその姿は敵にとってまさに脅威だろう。

サイラスは、進路を妨げる敵だけを倒しルークの元へと走っていた。

同盟軍の帝国への攻撃は順調のようだった。

しかし、惑星一個程の大きさをもつ最終兵器デス・スターを制圧するにはやはり動力室を抑えてその機能を停止させる必要があった。

そして、そこにはルークの父親と皇帝がいる筈だ。

もしかしたらルークは既に戦っているのかもしれない。

サイラスは走る足を更に加速し動力室へと目指した。

 

 

 

 

 

 

ルークは自分の父親と今まさに戦っていた。

その戦いは熾烈を極めた。

それも当然である。フォースにバランスをもたらす者と言われたルークの父親の強さは確かに圧倒的だが、その遺伝子を継いだルークもまたその才能を持っていた。

二人の力量は互角であった。

だがルークは、父親と倒しに来たのではなく救いに来たのだ。

その思いは本来のルークの力を妨げた。

しかし、一方のベイダーは自分の息子にも関わらず本気でライトセーバーを振るってくる。

 

「父さん。僕は父さんと戦いに来たんじゃない!」

 

「そんな甘い考えで私の前に来たのか」

 

ルークはベイダーの攻撃を防ぐものの反撃を一切しなかった。

いや、出来ないでいた。

 

「私を救う前に別に救うものがいるのではないか?」

 

「何!?」

 

「例えばレイヤ姫....」

 

ベイダーの言葉にルークは驚愕した。

 

「レイヤに何をした!!」

 

「彼女は今や人質だ。私を倒せなければレイヤ姫の命はない」

 

ベイダーの言葉にルークの中で何かがキレた。

そこには、レイヤを人質にとったベイダーへの憎しみと怒りがあった。

 

「ぐっ....うあああああ」

 

ルークは絶叫しベイダーへと突進した。

ルークの攻撃はベイダーの予想越えるものだった。

ルークの連続攻撃にベイダーは次第に対処しきれなくなっていく。

 

「ハァッ!」

 

ルークの激情に任せた攻撃はベイダーのライトセーバーを持った右手首を切り落とした。

 

「ぐうっ!!」

 

ベイダーは崩れ落ち方膝をついた。

ベイダーの喉先にライトセーバーが突きつけられる。

 

「父さん、貴方の敗けだ....」

 

その時、後ろから声が聞こえてきた。

 

「さあ殺すのだ。父親を....」

 

声の正体は黒色のローブを纏った老人だった。

そしてこの老人こそがすべての元凶であり、ルークの父を暗黒面に堕としいれた原因であるダース・シディアス、パルパティーン皇帝である。

 

「........」

 

「どうした。さあ、殺すのだ。憎いのであろう」

 

ルークはライトセーバーを納め、毅然とした態度で皇帝に言い放った。

 

「.....僕は父さんを殺さない」

 

「なんだと?」

 

「僕はジェダイだ。かつて父がそうであったように!」

 

皇帝にとってルークの言葉は予想外だった。

皇帝は今いるベイダーの代わりにルークを新たにシスの暗黒卿として仕立てるつもりだった。

しかし、パルパティーンの誘惑はジェダイの騎士として成長を果たしたルークには通用しなかった。

 

「そうか....ならばお前には用はない!」

 

パルパティーンは手からフォースの雷を放ちルークに襲いかかった。

 

「くっ.....」

 

こんなところで....

ルークは目を閉じた。

しかし、パルパティーンの雷は一向に襲ってこなかった。

ルークは恐る恐る目を開くと目の前に一人の男が立っていた。

 

「サイラス!!」

 

「ルーク!すまない遅くなった!」

 

サイラスはルークの前に立ち、ライトセーバーで雷を受けていた。

 

「誰だ貴様は!」

 

パルパティーンは突然のサイラスの乱入に動揺した。

 

「お前の嫌いなジェダイの騎士だよ。さて、ルークの父よ」

 

サイラスはパルパティーンを横目にベイダーに話しかけた。

 

「ルークは暗黒面に打ち勝った。次はあんたがルークに示す番じゃないのか?」

 

「いつまで余裕でいるつもりだ!」

 

パルパティーンの雷は更に威力を増してサイラスに襲いかかった。

 

「ぐっ......」

 

いくらサイラスとて暗黒面の化身であるパルパティーンのダークフォースを受け続けるのは難しかった。

 

「父さん!」

 

ルークはベイダーに手を差し伸べた。

 

「ルーク....」

 

ベイダーはルークの手を握った。

するとベイダーは自分の中のフォースが変化したことに気付いた。

そしてそれはこの場いる誰もが気付いた事だった。

 

「父さん...!」

 

「私は....」

 

それは、ベイダーの暗黒面から光明面へのフォースの帰還だった。

 

「おのれぇ!ジェダイぃぃ!」

 

パルパティーンはジェダイへの憎しみを更に増幅させてダークフォースの力を強くした。

 

「ぐうっ!!」

 

サイラスは限界に近づいていた。

後ろにルークがいた状態だったため雷をライトセーバーで受け、更にその余波をも自分のフォースで打ち消していたのだ。

 

「流石に....限界だな....」

 

「サイラスと言ったか。もう少し耐えてくれ」

 

「父さん何を....」

 

するとベイダーはフォースの力で宙に浮き、パルパティーンに突進していった。

 

「ちょ、あんた!まさか!」

 

「これで終わりだパルパティーン!」

 

「な、何をする!」

 

ベイダーはパルパティーンを掴み、巨大な動力炉へと投げ入れた。

パルパティーンの断末魔が響き渡りやがて沈黙が訪れた。

 

「やったのか?」

 

「父さん!」

 

ルークが父親の元へと駆け寄る。

ベイダーはパルパティーンを動力炉に投げ入れたあと力尽きるように仰向けに倒れていた。

サイラスもベイダーの元へと駆け寄よった。

 

「これは....!」

 

ルークに続いてベイダーの元へとたどり着いたサイラスは顔を歪ませた。

その理由はベイダーの胸に取り付けられている機械にあった。

ベイダーがパルパティーンを掴んだ際にパルパティーンの雷がベイダーの胸の機械を壊していた。

そしてその機械はダース・ベイダーが生きるために必要不可欠な物である生命維持装置だった。

 

「そんな!父さん!」

 

「同盟軍に持っていけば直せる筈だ。取り敢えず運ぼう!」

 

ルークとサイラスはベイダーを担ぎ上げ、同盟軍と合流すべく脱出をはかった。

動力室の出入り口にさしかかろうとしたところで担がれているベイダーが口を開いた。

 

「......降ろしてくれ」

 

「今そんな余裕はない!我慢してくれ」

 

サイラスがベイダーの言葉を拒否した。

 

「頼む.....」

 

しかし、ベイダーはそれでも降ろすよう懇願した。

 

「サイラス、降ろそう」

 

「ルーク....」

 

サイラスはルークの言葉に従ってベイダーを降ろした。

 

「ルーク....すまないがマスクをとってくれるか」

 

「でも、そんなことしたら....」

 

「最後にこの目でお前の顔が見たいのだ」

 

「父さん...」

 

ルークはマスクに手をかけゆっくりと外していった。

そこには青白く、しわくちゃの老人のような顔の父がいた。

 

「ルーク....すまなかった」

 

「いいんだ.....父さん....もう....」

 

「最後にお前の成長を見れて良かった....」

 

「僕も....父さんに会えて良かった」

 

ルークの目から大粒の涙が流れた。

そして、ベイダーはゆっくりと目を閉じ息を引き取った。

そしてそれは最初で最後の親子の再会と別れを意味することになった。

シスの暗黒卿ダース・ベイダーは最後の最後でジェダイの騎士としてパルパティーン皇帝を倒し、そしてフォースにバランスをもたらす者アナキン・スカイウォーカーとして役目を果たし、その生涯を閉じた。

 

「帰ったらちゃんと供養しないとな。これほどのフォースの持ち主だ。フォースとの一体化が出来る筈だ」

 

「ああ、そうだな」

 

ルークとサイラスはベイダーの体を持ち上げ、再び歩き出した。

 

「「........!!」」

 

その時だった。

二人の背筋にゾッとするほどの寒気が襲った。

二人は後ろを振り向きライトセーバーを抜いた。

サイラスとルークの視線の先にはパルパティーン皇帝を投げ落とした動力炉があった。

しかし、明らかに様子がおかしかった。

 

「これは....!」

 

それは動力炉の中からパルパティーン皇帝と同じフォースの雷が放たれていた。

 

「ルーク、父親を連れて先に行け」

 

「な、何を言っているんだ!」

 

「最初に言っただろ?些事は俺に任しておけと」

 

「ば、馬鹿かお前は!」

 

ルークはサイラスに怒りにも似た怒声をあげた。

 

「お前には大事な父親の供養が残ってるだろう?」

 

サイラスは茶化すような表情で言った。

 

「お前が死んだら意味がないだろう!」

 

「いつ死ぬなんて言った?ちゃんと戻るから心配するなって」

 

その時、雷がサイラスを襲った。

サイラスはライトセーバーでこれを防ぐとルークを急かした。

 

「早く行け!お前が生き残らないとジェダイの再興何て出来ないだろう!」

 

「お前!まさかそれが....」

 

「ハハハ、俺は存外めんどくさがりでな。ジェダイの再興なんて言うめんどくさい事はしたくない」

 

「サイラス....」

 

「早く行け!....なぁに死ぬ気なんてこれっぽっちも思ってない。直ぐに合流してやるさ」

 

「ぐっ....すまない」

 

ルークは拳を握りしめるとライトセーバーを納め、父親を担ぎ動力室を出ていった。

 

「俺もいい友達を持ったものだ。.....ハァ!」

 

サイラスは雷を縦一閃に両断する。

 

「さあ、パルパティーン。決着を着けよう」

 

サイラスはライトセーバーを納め、手をつき出しパルパティーンのフォースを自分のフォースで迎え撃った。

 

「ここからはお前の大好きな力勝負だ!」

 

雷の正体は、パルパティーンが死に際に残した力の残滓だった。

しかしそれはパルパティーンが死に際にジェダイへの憎しみを最大まで高めて残した力で残滓と言えどその力は他に類見ない強力なものだった。

しかしサイラスもフォースの力では最強と言われていたヨーダですら危険と感じるほどのフォースの才能を持っていた。

そしてその潜在能力は今、パルパティーンと言う最強の相手を前にして命の危険を感じ、そして友のために道を切り開くためにと言う想いがサイラスの潜在能力を限界まで開花させた。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

サイラスのフォースはパルパティーンのダークフォースすら飲み込む勢いだった。

しかし、空前絶後の正と負の力のぶつかり合いはやがて破壊のエネルギーに変わり空間を震わせた。

そしてその時だった。強烈な閃光がフォースがぶつかり合っている境から生み出されサイラスを包み込んだ。

 

「なに!?」

 

サイラスの意識はその光に包み込まれた瞬間暗闇へと墜ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ......!」

 

サイラスは目を覚まし、脳を覚醒させた。

 

「はっ!ここは!?」

 

サイラスは身を無理矢理起こし周りを確認した。

周りは暗闇に包まれ、木に囲まれていた。一見すると夜の森の中に見える。

 

「デス・スターの中ではないな。ならダゴバか?」

 

しかし、その可能性は低かった。

理由はダゴバと比べるとあまりにも清廉な空気が流れていたからである。

それに身の危険を全く感じないのである。

惑星ダゴバには危険なクリーチャーが数多く住み着いておりサイラスも何回も襲われた事があった。

今でも思い出すだけで寒気がする程だ。

 

「取り敢えず辺りを調べるか」

 

しかし、どうしてこのようなことになったのだろうか。記憶ではパルパティーンの力の残滓と戦っていたところまで覚えている。そのあと何が起こった?

サイラスはあやふやになっている記憶の映像を鮮明にしようと脳をフル活動させた。

 

「......!そうだ!」

 

サイラスは何か思い出し空を見上げた。

 

「光だ!あのとき光に包まれたんだ」

 

だが、あの光の正体はなんなのかは皆目検討もつかなかった。

だが、銀河の何処かの惑星であると言うのは確かであろう。

 

「取り敢えず人を探すか....」

 

方角も定かではないがここいるよりはましだろう。

 

「しかし、暗いな。ライトセーバーで照らせば見えるか?」

 

サイラスは腰のライトセーバーに手をかけようとしたが少し考えるとその手を降ろした。

 

「いや、止めておこう。師にバレたら大目玉を食らうからな」

 

それにフォースを使えば周りが見えなくても道くらい進むことができる。

サイラスは、フォースを使って木々を避けながら進むことにした。

 

 

 

「な、なんだお前たちは!」

 

サイラスが道を探して進んでから数分が経った所で何処からか男の声が聞こえてきた。

 

「人か?!」

 

サイラスは声の聞こえてきた方向へと急いだ。

するとサイラスが探していたしっかりと整備された道へと出た。

そして、幸運なことに5人の人間も発見することが出来た。

 

「助かった。すまないがここが何処か教えてくれるか?あと、惑星間通信が出来る場所も教えて欲しいのだが」

 

サイラスの言葉に目の前の人間は何をいっているだといった感じでサイラスを見ていた。

 

「兄貴、変なやつが出てきましたよ」

 

5人の中で一番小柄な男が口を開いた。

 

「ああそうだな。見た感じ金目の物は持ってなさそうだがな」

 

次は、逆に一番体格の大きい男が何やら不吉な言葉をしゃべった。

そもそもよく見たら5人のうち4人は見たこともないボロボロの装甲を身にまとっており、もう一人も見たことがないような形状の服を着ていた。

 

「すみません!助けてください!」

 

装甲を身に纏っていない男が急ぎ足でサイラスの元へと駆け寄って来てサイラスの後ろに隠れた。

 

「なんだ襲われていたのか」

 

「はい。あいつらが急に現れて金目の物を全て置いていけと」

 

「そうかそれは災難だな。そうだお前この辺りには詳しいか?」

 

「え?まあ土地勘はありますよ」

 

「何を喋ってやがる!そこの変わったやつも死にたくなかったら身ぐるみ全部置いていけ!」

 

「断る」

 

サイラスは考える間もなく即答した。

 

「はん!どうやら死にたいようだな!おい!」

 

リーダー各と思われる大柄の男が合図を出すと三人の男がサイラスの前に立ちはだかった。

サイラスはため息をついて三人の男たちに話しかけた。

 

「悪いことは言わないから止めておけ」

 

すると男たちはゲラゲラと笑いだした。

 

「ハハハハハ、こいつ頭おかしいぜ」

 

「ああ、そうだな。さっさとやっちまおうぜ」

 

「そうだな。さっさと済まして酒でも飲もうぜ」

 

三人はそう言うと腰に差してあった剣を鞘から抜いた。

サイラスは再度ため息をつき、目を閉じた。

 

「なんだ?死ぬ覚悟が出来たのか?」

 

そう言うと三人は同時に駆け出しサイラスに剣を降り降ろした。

 

「もうダメだ!」

 

サイラスの後ろの男は目を強く瞑った。

 

「.........」

 

しかし、訪れるはずの肉を裂く音や肉を貫く音が一向に訪れなかった。

男は恐る恐る目を開けると、目の前の光景に目を見開いた。

 

「な、何がどうなっているんだ」

 

男が見た光景とは、サイラスに襲い掛かった三本の刀がサイラスから30センチメートル程だ離れた位置で止まっているのだ。

男たちもいったい何が起きているのかわからないでいた。

 

「どうした?さっさと終わらせるんじゃなかったのか?」

 

「こいつ....なんなんだ!刀が全く動かねぇ!」

 

サイラスは手を自分の外側へと払うと三人の男は大きく後ろに吹き飛んだ。

 

「「「うわあああああ!!」」」

 

「て、テメェら何してやがる!」

 

「あ、兄貴あいつなんかおかしいです!」

 

「分かっただろう。だったら直ぐにこの場から去れ」

 

サイラスはこれ以上の争いは無意味であると伝えた。

正直サイラスはこれ以上争いたくなかった。

何故ならこれ以上争えば相手を傷付ける事になる可能性があるからだ。

それはジェダイの騎士の掟に反するものだ。

 

「ふざけやがって!なら俺が相手をしてやる!」

 

サイラスはこの展開が予見できたのか、首を横にふり人生で一番のため息をついた。

ここまで来ると仕方ないと、サイラスはリーダー各の男を倒すことにした。

倒すといっても殺すわけではなく、装甲が無い脇腹に一発入れるだけだ。

 

「おおおおおお!」

 

男が野太い雄叫びをあげながら剣を抜き突進してきた。

サイラスはギリギリまで引き付けたのち、降り下ろしてきた剣を必要最小限でかわしすかさず男の脇腹に一発入れた。

男の顔が苦悶の表情に変わり、その場に両膝をついた。

 

「ぐふっ!」

 

「あ、兄貴!!」

 

男たちが大柄の男の元へ駆け寄ってくる。

しかし、大柄の男は大声を出し男たちを制止した。

 

「来るな!」

 

大柄の男はサイラスに向き直るとそのまま両手とおでこを地面につけ土下座の姿勢をとった。

 

「何のつもりだ?」

 

「すまねぇ。俺はあんたを見誤っちまったようだ。完全に俺らの負けだ」

 

「そ、そうか。わかってくれたか」

 

サイラスは、男の態度の変わりようについていけてなかった。

 

「本来なら俺達はあんたに殺されても文句はいえねぇ。だが頼む!俺はどうなったっていい、あいつら三人は見逃してくれ」

 

「い、いや待て!別に俺はお前たちを殺そうなんて思ってはいない。ただ、抵抗を止めて、反省すれば何もしない」

 

「ほ、本当ですかい!?」

 

男は両手膝を付いたままサイラスの足元まで寄ってきた。

 

「あ、ああ本当だ。だから頼むから離れてくれ」

 

「あ、すんません、つい」

 

「まあ、今後は悪いことは止めて。正しく生きるんだな」

 

「へい!あんたに救ってもらった命、無駄にはしません」

 

「そ、そうだな。その通りだ」

 

何故だろうか、話が成り立っているようで成り立ってないようなそんな違和感をサイラスは感じていた。

恐らく価値観がかなり違うからだろうとサイラスは思った。

 

「そうだ。あんたにこの刀をやるよ。名のある刀匠が打った刀らしいですぜ」

 

男は一本の刀を手渡してきた。

サイラスはこれ以上話が長引くのは嫌だったので大人しくその刀を受けとる。

 

「なんだ....その...ありがとう?」

 

「いえいえ、これで命が救われるなら安いもんです。それではあっしはこれで。おいいくぞ!」

 

大柄の男は三人の男を連れて何処かへ歩いていった。

 

「いったいなんだったんだ?」

 

サイラスは首を傾げ貰った刀を見た。

鞘はとてもシンプルな作りで無駄はなく、

ライトセーバーよりも重いが形がライトセーバーに似ているので扱う事は出来る。

 

「申し訳ない。助かりました」

 

後ろにいた男が深く頭を下げた。

 

「無事でなによりだ」

 

「私は天城颯馬と言うものです。仕官先を探して旅をしている者です」

 

「サイラス・セリエースだ。同盟軍のジェダイの騎士だ」

 

 

 

 

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