『翼、トリックオアトリート。私が買ったチョーカー付けないとイタズラとして翼にチョーカー付けちゃうぞ☆』
『そんなアンハッピーハロウィンがあってたまるか。選択肢同じじゃねぇか』
そんな夢を見た。なんか分からないしハロウィンでもないのに一歌にチョーカー付けられる夢。末期である。
「ここまで俺は一歌の事が好きなのか……まぁ、キスされたから……いや、その前から大好きなんだけど……だとしてもチョーカーは流石に……」
「翼くんー!!」
久しぶりにのんびりと街を散策していたら聞き覚えのある声が聞こえた。同時に抱きつかれたのだが、翼くんと呼んで突っ込んでくるのは一歌ではなく……
「雫姉さん、アイドルが何してんですか?」
「翼くんに抱きついてるのよ?」
「そういう話じゃありませんよ……この前のフェスタの時は大人しかったのに……」
「雫! あんた何してんの……って誰よその男!!」
「最早誰だよこの人……あ、この前出店の時サンドウィッチ渡した人か?」
どうやら雫1人が歩いていたわけではないらしい。綺麗なピンク、青、茶髪の花びら(髪色)が雫を追いかけて来た。ピンクは雫に突っ込み、青は少し黙りながら翼を見て、茶髪はなんかあわあわしてる。ピクミンかな?
「愛莉ちゃん、この子は私の弟よ」
「弟!? 雫は妹しかいないはずでしょ!?」
「愛莉、もしかしたら言ってないだけかもしれないよ」
「えっと……もしかして天馬翼さんですか?」
「花里みのりさん? どうして俺の名を?」
「みのりもみのりを知ってるの!?」
「どういうことなんだよ」
「いや……みのりもアンタのこと知っててアンタもみのりのこと知ってるってことよ……なんかごめん。興奮しちゃって」
茶髪の女の子が翼の名前を出したことに驚いたが、すぐに一歌の友達だと名乗った。彼女は
「雫ちゃんから志歩ちゃんの事聞いてたんです。それで一歌ちゃんが天馬翼って言う志歩ちゃんと同じ幼馴染がいてって聞いてたから……何となく」
「貴方の言うとおりだ。俺は天馬翼。えっと……天翔る馬に翼を授けた男って覚えてくれれば漢字も分かりやすい」
「本当司くんそっくりな自己紹介ね翼くん」
「分かりやすいのがこれしか無いんですよ……んでこの人達一体何処の組のものなんですか?」
「その筋の人みたいに言うのやめてくれない!? わたしは……って知らないの!?」
「多分雫姉さんのアイドル仲間ですよね。モヤモヤジャンプみたいな」
「MORE MORE JUMP! よ!! そんな迷いながら飛ばないから!」
「流石愛莉、知らない人にもそのツッコミで返せるなんて凄いね」
「うるさい! って遥の事も知らないの!?」
「アイドルは雫姉さんしか知りませんよ。推しなんて雫姉さん1人で充分ですし……後、超ムキムキ☆宣伝部のオリバーさんとか」
「嘘……あの遥すら知らないなんて……って割と有名人よねその人!?」
「かっこいいですよねあの人」
「推しとかいないの?」
「雫姉さんです。人間なんて友達と好きな人と推しは1人ずついれば充分でしょ。あ、幼馴染は4〜5人で」
「幼馴染多すぎよ!?」
最早悟りである。とりあえず自分達が名乗らないわけにも行かないので、ピンクのツインテールに近い髪の人間ことハッピーエブリデイさんが軽く名乗りをあげた。
「知らないなら教えてあげるわ。わたしは……」
「ハッピー! ラッキー! スマイル! イエーイ! の
「いや知ってんのかい!?」
「愛莉落ち着いて、前半凄く違ったから」
ラブリー! フェアリー! 愛莉ー! である。普通に一歌達の影響でバンドに興味があるので翼はとあるハロー! ハッピー! なバンドの言葉が出て来てしまった。
「それで……そちらの方は……?」
「雫の幼馴染なら問題無いかな。私はきり……」
「元『ASRUN』の
「だから知ってんのかい!? さっきまでの話は何だったのよ!?」
「桐谷さんに関しては同じ神山の杏から聞いてましたので。同い年で青髪で頭も顔も良くてペンギン好きでクールビューティーの割には仲間思いでみんなに大人気って全部杏から……」
「照れるよ……」
「可愛いっすね」
「遥が負けた!?」
「「なんの勝負なの??」」
愛莉は初対面で遥と戯れあえる翼に驚いた。突っ込みは翼とみのり。そもそもなんで翼がここまで知ってるかと言うと雫と杏のおかげである。ついでに前のバーチャルファンフェスタで会った人もいるので何となく知っていた。ただ、アイドルという事もありなるべく知らない赤の他人のふりでもしておこうと思ったのである。アイドルとの距離感とか知らないし。
「んで、何でこんなとこにいるんですか?」
「街中で撮影中なのよ。その休憩中に雫が何処かに走って行ったもんだから何事って思ったんだけど……」
「幼馴染だったんだね。天馬くんって呼んでも良い?」
「天馬は3人いるんで下で呼んで貰った方が分かりやすいですね。なんなら歳の土俵同じなら口調適当で良いよ」
「じゃあ翼だね」
「呼び捨てOK。そこの限界オタクはどうすんだ?」
「え!? 何でわたしが遥ちゃんのオタクって……」
「桐谷遥を見過ぎ、そんなに見てたら穴開くぞ」
「流石みのりちゃんねー」
「じゃあみのりで」
「よ、よろしくお願いします! 翼さん!」
「同い年、タメ、OK?」
「よ、よろしく……ね?」
「良いね、最高だよみのりんりん」
「あんた実はみのりの大ファンとかない!? というか私は?」
「かおりさんで」
「愛莉よ!? しかもその人大女優じゃない!?」
桃井の有名女優は名前が違う。結局愛莉以外はさん付け無しでタメになった。雫? (翼曰く)俺のお姉ちゃんだよ(おねショタ)!!
「そんなわけねぇだろ地の文。お、そうだ。唐突にアレなんだけど……雫姉さんは何か用でもあったんですか?」
「用なんてないわよ、ただ翼くんがいたから走って来ちゃったの」
「犬かよ」
「ねぇ、わたし知らないけど雫と翼っていつもこんな感じなの?」
「たまにカフェでお茶して志歩の話をする仲です」
「そうね、翼くんも私の弟みたいなものだからつい可愛がっちゃうわー、あ、この前のサンドウィッチありがとう翼くん」
「えっ……あ、もしかして雫が天馬って言った店員って……!?」
「あの時はご挨拶もなしに申し訳ない。雫姉さんがお忍びだと言ってたので」
「なるほど……あの時はありがとうね。サンドウィッチとっても美味しかったわ、まるでプロね」
「料理人目指してるんで」
「翼と雫って仲良いんだね」
「遥の言う通り俺と雫姉さんは仲がいいな。あ、そういえば愛莉さん。ありがとうございます」
「何がよ?」
「雫姉さんのスキャンダル防止を手伝ってくれたんで」
翼の言葉に愛莉は言葉が出なかった。あの時愛莉が雫の元に走って行った時知らない男がいたのもあり警戒したのは事実である。結論幼馴染で弟の様な人だったので事なきを得たが、雫の隠した男とか赤の他人ならどうしてたか分からない。
「不安でしたよね、雫姉さんが勝手に知らねえ男に走って行って抱きついてたら」
「ええ……そうね」
「雫姉さん、今度から俺を見かけても走るのは最悪良いけど抱きつかないでください。アイドルでしょう?」
「嫌よ」
「話聞けよ」
「嫌よー! 翼くんとしぃちゃんは私の可愛い妹と弟なのー! 離さないわ!」
「おかしいなこれで嗜めて終わりかと思ったのに……これじゃあ本当におねショタだよ……誰がショタだ一個差だぞ」
「誰に突っ込んでるのよ!? まぁ、わたしはもう良いわよ……翼、ご愁傷様ね」
「お互い苦労しますね愛莉さん」
なんか愛莉とは仲良くなれそうだなと思った翼である。結局その後撮影に戻った4人だったが……
「おはよう翼」
「おはよう杏、そう言えば遥に会ったぞ」
「えっ……名前呼び……??」
その翌日学校で杏と遥達の話をしたら普通に怪しまれた翼である。
「雫姉さんの知り合い扱い」
「なるほど……そう言えば幼馴染だっけ?」
「幼馴染のお姉ちゃんだな」
「アイドルがお姉ちゃんって凄いよね」
「幼馴染がアイドルなのも凄いだろ」
どっちもどっちである。