逮捕の理由は2話分の司様の一人称を『俺』と書き、推敲したのにもかかわらず気づかなかったからです。正しくは『オレ』です。
本当に申し訳ございませんでした。
「さて、巌流島決戦はここで良いかな穂波?」
「うん。わたしもここで戦うのが良いかなって思ってんだ」
「「ちょっと待って」」
現在とある場所にて一歌達は練習をしようとしていた。とある場所から説明しないとややこしくなるので先に話すと、ここは教室のセカイ。一歌達幼馴染の想いから作られた夢が現実か……そこに関しては不明な場所であるが、一歌達はここに集まってバンド練習をする。
そしてそのバンドの名はLeo/need(通称レオニ)メンバーは一歌と咲希。そしてベース担当の
だが、本日のバンド活動は一瞬で終わる事になる。何故なら、志歩と穂波は巌流島だのわけ分からない事を言いながら、穂波はドラムスティックを2本頭上に構えて二刀流の形を取り、志歩はベースを剣道の様に構えて穂波と対峙しているのだから。
「志歩……何してんの?」
「司さんは私の物だから穂波と決闘するんだ」
「ほなちゃんは何してるの?」
「司さんはわたしの物だから志歩ちゃんと決闘するんだよ」
「「意味わかんないんだけど」」
「穂波、覚悟……!」
「志歩ちゃん……わたしを甘く見ないでね……!」
「ちょっと待って! ねぇ、待って!?」
流石に楽器で殴るのは危ないと咲希は慌てて2人を止めにかかるが、2人の顔は既にお互いの距離が0に近いところまで近づいて睨み合っている。やめろ、こんな所で私達幼馴染バンドを終わらすなと咲希は思いながら2人を止めようとしたが……その必要は無かった。
「いっちゃんどうしよう……?」
「貴様ら……落ち着け……!」
「ひゃい!?」
威圧的な声が急に聞こえて驚いた志歩、穂波、咲希。少し冷や汗を出しながら声のする方を見ると。特に武器も何も持っていないが確実に無表情で冷たい眼で3人を睨みつける一歌の姿があった。身振り手振りは少なめだが彷彿とさせるのは天馬翼が本気で怒った姿。明らかに普段の一歌から出ない声と台詞に驚きながら恐怖した志歩達は……
「い、一歌……?」
「お前達、これ以上の争いは無用だろ。兄さんは誰のものでもないのだから、早く捕まえたもの勝ちだとは思わないのか?」
「い、一歌ちゃん……その話し方って……」
「そんな醜い争いを兄さんが見たらどう思うかくらいは分かっておけ……なんて、びっくりした?」
「え……いっちゃん……今の……演技……??」
「結構似せたんだけど……でも、翼が見てたらきっとこう言うよ。だから2人とも、喧嘩やめようか」
「「は……はい……」」
「怒った翼お兄ちゃんみたいに怖かったよ……流石いっちゃん……」
流石に一歌もこれ以上はまずいと思ったのもあり何か手立てはないかと考えた結果、本気で怒った翼の真似をしてみたのだ。数は少ないが、何度か司の件について志歩や穂波が睨み合いをする時があった時に翼がこんな雰囲気で叱っていた事がある。
一歌は自分の好きな人と気持ちを共有したいくらい一途なので、自然と翼の真似ができる様になったのである。流石にクオリティが高過ぎてみんなビビり散らかしているが。
「なんか……一歌に貴様って言われたら……興奮するね」
「黙れ、たわけ」
「流石に今のはしほちゃんが悪いよね……」
「一歌ちゃん……そろそろその演技止めて……わたし怖いから……」
「練習、しようか」
「「「はい……」」」
なんやかんやでギターボーカルの声量はだてじゃないなと3人は思ったのだった。
☆
「お邪魔します。翼、暇だから翼のベッドで寝てていい?」
「帰れよ貴様」
その翌日、一歌は翼の家に(家主は違うが)遊びに来た。別にベッドのくだりは置いておいて好きな人と一緒に部屋で過ごしたい乙女心を翼は気づかない。
「夜まで兄さんと咲希、両親いないから飯は俺が作るからな」
「じゃあ僕はベイクラフトしてるね」
「だから貴様何しに来た??」
しかも一人称が違う。そもそもキャラが違う。いや作品も違う。何なんだろうか、一歌は結構自分と遊んでいたり、2人きりの時にこんなキャラ変換をする事が多い。
「もしかして兄さんの好みに合った演技を? だから僕っ子?」
「違うよ? ってか司さん僕っ子好きなの?」
「違うよ? じゃあ女優か?」
「違う。翼だから」
「意味わかんねぇ……とりあえず上がれよ」
玄関内の会話をやめてそのまま自分の部屋に案内した翼。一歌はすぐに荷物を置いて翼のベッドに飛び込んだ。
「クンカクンカ」
「除菌したから臭わないぞ」
「スゥーハァー」
「食うなよ?」
「他の女の子の匂いが……しない」
「しないんかい」
台詞は伴ってないが、ヤンデレ演技も割と出来る一歌である。
「ねぇ翼。暇だから愛してるゲームしない?」
「愛してるの響きだけで強くなれるやつか?」
「そんなゲームじゃないけど??」
一歌は最近どんな事を言うか予想出来ない。何となく我儘……ではないが気ままに自分と話している気がする。ありのまま……では無さそうだが……
とりあえず言い出しっぺの彼女がいるので頭の中でやってみるかと考えた翼は、一歌の名を呼んで彼女両手を握りながら……
「俺は……一歌を愛してる」
「あ、好き……」
「負けんの早いんだが!? 俺の方が恥ずかしいわ!」
そのまま顔を真っ赤にしてベッドにぶっ倒れた一歌。それを支えようとそのまま体勢を崩した翼。そして……
「お兄ちゃん、ただいま。用事早く終わったから帰ってきちゃ……」
運悪く予定を済ませた妹の咲希がなんか知らんけど夕方くらいに帰ってきやがったせいもあって成るべきことはたった一つ。
「と思ったら、いっちゃんが悪ノリでお兄ちゃんに愛してるとか好きとか言ってみてなんて言いながら実際やられたから恥ずかし過ぎて顔を真っ赤にしてお兄ちゃんのベッドに倒れた所をお兄ちゃんが支えようとしてこうなったんだね! アタシにはお見通しだよ! ドーンだYo!」
「流石咲希だな。その通りだ」
「うーん……翼……好きぃ……愛してるぅ……」
「気絶しながら寝言言うな。黙れ小娘」
「お兄ちゃんそれ多分いっちゃんの本心……」
「な訳ねぇだろ。一歌は兄さんが好きなのに」
「だからそれは誤解……」
——ベシッ!
「痛い!?」
「起きろ焼きそばパン」
「お兄ちゃんそれ人を呼ぶ呼び方じゃない!?」
「焼きそばパンどこ!?」
「黙れ星乃ミク」
「ミクどこ!?」
「うるせぇ……」
「はーっはっはっは! 天馬司ただいま参上!!」
「何でお前ら兄妹は時間通りに帰ってこねぇんだよ、後兄さんうるさい」
「お前もオレの弟なんだが!? 所で……何をしてるんだ3人で」
「愛してるゲームしてました」
「翼……一歌は兎も角、咲希は妹だぞ……?」
「大波乱の大誤解だよ司」
最早収拾がつかない状態になった挙句咲希が、お兄ちゃん大好き(黒いハート)みたいな供述をしやがったせいでもっと現場は酷くなった。
「だめ! 翼は私の!」
「貴様のではない。我が名は夢を羽撃く者也」
「最早誰なの翼は……」
「翼、演技上手くなったな!」
「縁起でもないこと言わないでください」
「お兄ちゃん笑わせないで」
「翼は私がいいよね? ね?」
「湿地みてぇな女だな」