真・恋姫†夢想-革命-覇気と六爪流を使う転生者 作:ヒーロー好き
「…………え?」
目を開けた瞬間。高杉勇作の目の前に広がっていたのは、戦場だった
「これは……どういう状況?」
回りには、兵士らしき人と黄色ベースの変な格好をした人たちが武器を持って、俺をぐるりと取り囲んでいる
「(師匠……いったいどこに送ったんだよ)」
なんて考えていると
「こっちに!」
「え……!?あっ!?」
誰かに手をつかまれ、ぐいっと引っ張られた
「鈴々ちゃん!後はお願い!」
「わかったのだ!!」
女の子に引っ張られ、走っている勇作は周りを見渡す。周りにあるのは昔の中華風の建物の列で
「(一体どこなんだ?夢なわけないし?)」
前を走る女の子と、つないだ手の温もりが、夢じゃないことをわかる勇作
「(……カワイイ女の子だな…………って俺、今、女の子と手を繋いでいるのか!!)」
なんてことを考えていると
「もう少しで安全な所に着きますからね、天の御使い様!」
「はい?」
「でもびっくりしましたよ。黄巾党と戦ってる所に、いきなり降ってくるんですもん」
「………ええっと?」
女の子の言葉に困惑する勇作
「(天の御使い?黄巾党?)」
「ふえ……?違うんですか?」
女の子は驚いた様子で走る足を緩め、その場に止まってしまう
「俺、御使いなんて大層な人じゃないのに……」
「……天から流れ星になって降りてらっしゃいましたよね?」
「えっ!!そんな派手な登場をしてたの!?」
「だからわたしも、貴方が予言にあった天の御使い様なのかな……って思ったんですけど」
「いや……まあ、その気持ちはわかるけど」
「ごめんなさい。私も勘違いしちゃっただけなので」
あからさまにがっかりする女の子
「それより……ここどこなの?日本っぽくないんだけど」
「ここは青州の平原ですよ」
「青州?どこだそれ……それに黄巾党って?」
なんて思っていると
「見つけたぜ!アニキ!」
「ん?」
さっきの黄色ベースの変な格好をした人たちがやってきた
「おうおう!よくも色々と邪魔ァしてくれたな!」
「く……っ。御使い様は逃げて下さい!」
そういうと女の子は腰から下がっていた両刃の剣をゆっくりと引き抜き、正面に構えてみせる。だかその構えは、腰の入ってない、素人丸出しの構えだった
「あはははは!それでどうするつもりだ、嬢ちゃん!」
「あ……あなたたち相手に、時間を稼ぐぐらい、私一人でも!」
「あ、アニキ!」
「おう、だったら相手してやんな。けど、後で売る時に買い叩かれるから、あんまり傷つけるんじゃねえぞ!」
「…………早く逃げて!……って!」
まだ状況を理解しきれてない勇作だが、一つだけわかることがある
「……こんな連中を前にして、女の子を置いて逃げられるわけないだろ」
「え?」
そう言って前に出る勇作
「ふざけているんじゃねーぞ!」
一気に距離を詰めてきた男が勇作のお腹に向けて蹴りを入れる
「……ふっ」
勇作は簡単に避けて、逆に男のお腹に膝蹴りを入れる
「がはっ」
お腹を押さえてもだえる男
「アニキー。こいつはやばいですよ」
「なら一斉に掛かれ」
6人ほどの敵が勇作に斬りかかってくる
「み、御使い様」
女の子は声を上げるが
「武装色…硬化!」
剣が振り下ろされ、そして激しい金属音共に砕けた
「「「「「「……えっ?」」」」」」
勇作に斬りかかってきた男たちの剣が
「…………なっ!!」
その光景にアニキらしき男は驚き、怯えた表情になる
「まだやるか?」
一歩、一歩と前に進む勇作
「く、くるな!!」
男たちは圧せられたように、一歩ずつ退いていく
「さて、覚悟はいいな」
そう言って勇作は一本の刀を抜く
「「ギャーッ!大賢良師さまーっ!!」」
男たちは逃げようとすると
「がはぁっ!!」
チビの男が、鈍い打撃音とともに、真横に吹っ飛んだ
「な……っ!!」
突然の出来事に、言葉を失う中
「あ……」
薙刀ような得物を構えた一人の女の子が舞い降りた
「桃香さま、ご無事で!」
「愛紗ちゃん!」
「ぐはぁっ!」
直後、今度は反対側へ、太った巨漢が吹き飛ぶ
「鈴々ちゃん!」
変わって現れたのは、背丈は勇作の胸はどしかないのに、その何倍のあろうかという長大な槍を軽々と担いだ女の子
「あのチビ、むちゃくちゃ強いんだな……」
「鈴々が強いのなんて、当たり前なのだ!」
「(さっきの声はこの子だったのか)」
「え、ええい……!こうなったら残った連中、全員集めろ!」
「へ、へいっ!」
リーダーの男の命令に、小さな男は指笛を鳴らそうとするが
「無理だと思うよ」
「なに?」
「周りにいた連中は、全員片付けたぞ」
「んなバカな!百人はそっちに向かわせたんだぞ!!」
「この関雲長が、賊ごときに後れをとるものか」
「百人くらい楽勝なのだ。もっと多くても良かったのだ」
「そういう事だ!なら、行くぞ!鈴々!」
「おまかせなのだ!」
二人は武器を構えると
「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」
敵陣に一気に突っ込んで、賊を蹴散らすのであった
「(あの二人……強いな……それにあの子、関雲長って……まさか?)」
「お、おぼえてろーっ!」
「大賢良師さまに、ぜったい仇を取ってもらうからなー!」
そう言いながら、賊たちは逃げて行った
「お前達なんか、覚えてるわけないのだ!べーっだ!」
「……やれやれ。ひとまず、何とかなりましたね」
「ありがとう、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん」
「桃香さま、心配したのですよ。避難している皆の事をお願いしたはずですが……?」
「……ごめんなさい、愛紗ちゃん。でも、空から星が流れてきて……」
「……星が?」
「ほら、前に管輅さんに占ってもらったでしょ?平原に星が降る時、わたしたちを導いてくれる天の御使い様が現れるって……」
「(そういえば、なんかそんなこと言っていたな……絶対師匠だな)」
「ということは……こ奴が、ですか?」
「……へー。なんか全然強くなさそうなのだ」
「で、でもでも、わたしを守ってくれたんだよ!」
「あの~」
勇作が声を上げる
「さっき、貴方、関雲長って言ってなかった?」
「ああ。我が名は関羽。桃香さまの義妹だ」
「やっぱり……(聞き間違いじゃなかった)」
「鈴々は張飛なのだ。ここんとーざいさいきょーむてきなのだ」
「(今ので確信した!俺、今三国志の時代に居るのかよ。とんでもない所に送ってくれたな……ってことは)」
勇作は桃香の方に視線を向ける
「もしかしてだけど……っ!!」
その時、勇作は見聞色の覇気によって、未来が見えた。名前と呼んだ瞬間に、関羽と張飛が自分に殺気と刃を突き付けられる光景が
「(なんだ今のは!?)」
「どうしました?」
「なんでもない……それより貴方は……」
勇作はいやな予感を感じ、桃香という名前を呼ぶのをやめるのであった