〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
最近、中々にハードなことになっている。
なにがって?うちの家庭がだよ。
シウ母さんはムラサメ父さんにベッタリで、離れないから、私達の面倒を見てくれないのである。
「シウ母さん、シウ母さん、ごめん。また風邪引いたかも」
まあ、私の疾患のせいもありそうだ。私って病弱だから、普通にしているだけでもよく風邪ひくんだよね。それを面倒くさがっているんじゃないかな?と私は予想する。もしそうならシグレには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいである。どうして、私のせいで病んだ母さんの面倒を、シグレが見ないといけないんだ。
「我が子よ。あらあら、大丈夫ですか?」
シウ母さんはそう言いながらも、何もしない。ムラサメ父さんの事で頭が埋まっているのだろう。今日もムラサメ父さんの帰宅を心から歓迎しているようだった。
私はその様子にため息をつきながらも、また氷嚢を自分で作った。
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シグレがインフルになった。軽いインフルっぽい。でも、それですらシウ母さんは動かなかった。
シウ母さん...ムラサメ父さんのことを気にかけるのはいいけど、私達の、シグレの面倒をもっとよく見てよ。そう、思わない事はできなかった。
結局、病院には私が連れて行った。シウ母さんを何度か『病院いかなくていいの?』と唆してみたが、一向に反応はなかった。
もし私がおらず、シグレが一人だったらと思うと、怒りが込み上げてくる。だが、それをシウ母さんで発散するのはやっちゃいけない。
私たちには、シウ母さんをどうにかする事は出来ないのである。
そんなシウ母さんとは対極に、ムラサメ父さんは違った。
ムラサメ父さんは、シウ母さんを止めはしなかったものの、私達に愛情を注いでくれた。
服とか買ってくるのも、シウ母さんではなくムラサメ父さんだったりした。
そんな若干ネグレクト気味な家庭ではあるものの、家の中が汚かったりするかと言われれば違くて、シウ母さんはムラサメ父さんの為に掃除をするので、普通に綺麗だったりする。
あくまでも、私達のためではないと思う。だけど、これだけは言っておかなくてはならない。
「シウ母さん、もっとシグレ姉さんのことを見てあげて」
この言葉だけは伝えとかないといけないと思った。だが、伝わることはないだろう...そう諦観していると、
「ええ、毎日見ていますとも」
そう言った。はぁ?意味がわからない。どういう事なんだ?私はそう思うものの、その疑問は口には出せなかった。ただ、この家庭に生まれたシグレは、『不運』だなと思った。私?私はまあ、うん、『不運』なのかなぁ...でも、この家庭じゃないとシグレやムラサメ父さんに出会えなかったと思うと、『不運』ではなかったと言えると思うし...
私はシウ母さんの発言の意味がわからなかったが、本人なりにはしっかりしているつもりなのだと解釈した。多分合っていると思う。