〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
私は、小学六年生になった。
今でもたまにセンの姿を見る。公園で、腕を組みながらベンチに座って空を見上げている、そんな姿だ。
年長から上がる際に、私とセンは小学校を離れてしまった。もし、キムロの存在が原作の『キムロ』だとするならば...
こっちが、原作の『センエース』と言う事だろう。
私は、センに接触しにいった。本当なら、接触するつもりはなかった。私が干渉することで、なにか、まずい事があるかもしれなかったから。だけど、『痛み』により、ここが現実だと思い知らされた時、ここはただの物語ではなくなっていることを悟った。だったら、私がいることとと相まって、ここはもう『原作』とは別の世界と考えるべきだろう。
...正直に言おう、もう毎日が辛くて、耐えられなかった。だから、『推し』に会うことで精神を保とうとしたのだ。小学生に何を求めてるんだって自分でも思う。
「や、やっほー。私のこと、覚えてる?」
「...なんだ?」
センは私の方へ視線を向けると、首を傾げた。
「な、なんだって言われても...ただ、久しぶりに会いにきただけ」
「そうか。なら、なぜそんな目をしている?」
この時代のセンはファントムトークがまだ緩いのか?私がそう訝しんでいると。
「...え?」
「泣きそうな目だ。誰にやられた?何が理由だ?」
ふと、自身の目尻を拭った。それに気づいた時、ポロポロと涙が落ちてきた。
私はそこから、逃げるように去っていった。
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向こう側からの視点だと、私は本当に意味不明な存在だろう。私は『センエース』の存在を知っているから、年長の時代でも覚えていたが、向こうはそう言うわけでは無いはずだ。
それにしても、よく自身ですら気づけていない涙に気づけたものだ。他人から見たら案外バレやすいのか、それとも、これが、眼力【B+】のチカラなのだろうか...
(どぎついセカンドコンタクトだったなぁ......)
私はそう思いながら、床についた。明日は月曜日だ。
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夢を見た。いつもに戻ったらきっと忘れてしまう泡沫の夢。だけど、彼女は楽しそうに言う。
【やあ。こんばんは。初めましてだけど、ボクの視点からすると初めましてじゃないね】
「お前は...誰だ?」
私がそういうと、彼女はめんどくさそうにも、楽しそうにも微笑んだ。
【ボクと『私』はまさしく一心同体の関係さ】
「...お前の正体は一体なんなんだ?」
【さあ?『スペシャル』としか言えないね。自分の能力はなんとなくわかるぐらい...ボク自身、どうしてここにいるのかわからないんだ。まあ、色々小細工はしてたかな】