〜虚弱田中に転生〜『原作知識チートがチートじゃない世界で【恐ろしすぎる大魔王・蝉原勇吾】と相対する話』 作:楓舞星
正しい判断だと思う。私思春期だからね。
「私としては、一生このままでも良いんですよ?」
「だからっ!......もうええわ。とりあえず、家帰ろうや」
「ええ、私はア・ナ・タがいるなら何処でもお供します」
その姿はまさしく異形だった。愛の化け物と言っても過言ではないだろう。
その様子を見て、私は田中家一族の紹介ページの記憶を引っ張り出す。
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命を軽視する系の、いわゆるアダムスファミリー系のヤバいガキだったので、彼女を気味悪がった親は、一切躊躇せず、ISプログラムへ売りはらった。一般天才の中では、際立って優れており、『自分より賢い人間はいない。この世はアホばっかり』と思っていたが、施設(ISプログラム)に入り、田中家を知って、身の程をわきまえる。綾波レイが二度見するレベルで、他人に心を開かない系隠キャ少女だったが、ムラサメにだけはベッタリと甘えていた。『性格が死んでいる秀明』のことが、普通にめちゃくちゃ嫌いで、一度、完全犯罪で殺そうとしたことがあるが、見抜かれて、逆に殺されかけたことがある......
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そう、シウ母さんは親に捨てられている。だからか?いや、そうでなくとも、性格歪むのは理解できる。元々歪んでいたのだろうが、更に歪んだ...と考えるのが一般的だろう。
シウ母さんも被害者だ。歪んだ性格で、尚且つ天才であったゆえの......私はつい、シウ母さんを同情混じりの目で見てしまいそうになる。
だが、今はそんな事よりシグレの事だろう。私は置いてきたシグレの事を考える。そして、二度とこんな事がないように、両親に、意味があるかわからないが釘を刺す。
「...もうやめてよ。二人とも...」
私の言葉に反応したのはムラサメ父さんだけだった。シウ母さんは特に反応を示す事もなく、その場を去っていく。
私は、そんな二人の背中を見送った。
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「私は...いらん子なんやろうか...」
シグレは一人、隅の壁にもたれかかってぐったりとしていた。自身の存在に関して、意味もないだろうに自問自答してしまう。
最近買ってもらったスマホで、ネット小説を見る事にハマった。そしてその中に、自問自答は大体無駄だと書いてあった。
だが、シグレは考えるのがやめられなかった。きっと今、ムラハネは、妹はわたしの事を慮りながらも両親を止めに行っているのだろう。妹には、昔から、どこか『そう言う』所があった。
「優しい...かぁ...」
そう、優しかったのだ。異常と言っても良いぐらい。お風呂に入っていた時期から、今に至るまで、明確な証拠こそないが、恐らくイジメから庇っている相手などがいるのかもしれない。それか、イジメられているか。
そう、高学年の時、ムラハネが噂の対象になったことは私も知っている。だが、それが本当とはとても思えなかった。本人はとても元気だったし、それにあれだけ小さかったのなら、流石に私に弱音の一つぐらいは吐くだろう。だから、ありえない。イジメられているなんて、何一つ、そんな事は...
シグレは、そう思っている。